菊池智子さんの2012年1月分奨学生レポート

JIC会員の皆様、お久しぶりです。第36期奨学生の菊池智子です。

前回レポート提出時は目に色鮮やかな紅葉の時期だったと思いますが、木々の葉もすっかり落ち、いよいよ本格的なイリノイの冬到来という印象です。しかし、思っていたほどまだ寒くなく、気温は1月下旬でも日本の冬と同じくらいです(風はもちろん強いですが)。

奨学生4人とも感じていることだと思いますが、もう留学生活も残すところ半分もないのだなと思うと、本当に不思議な気分です。冬休みが明けて1カ月ぶりに戻ってきたキャンパスには以前と同じように学生が溢れ、そんな中で食べる久しぶりの寮の食事さえも懐かしく感じました(嘘だろうと思われると思いますが、事実です。今や、茹でていない生のブロッコリーやカリフラワーのサラダが好物になっています)。

ハロウィーン以来のレポートになりますが、今振り返ってみても実際には勉強や友達とのハングアウトが大きなウエイトを占めているので、「特別」という聞こえはしないかもしれません。しかし、私にとって、普段の「特別ではないこと」がいかに「特別」であるか、また、日本での「普通」がここでの必ずしも「普通ではない」ということを思い知らせてくれるということが、この留学を通して約5カ月感じてきたことです。

 

<ハロウィーン~ボストンキャリフォーラム>

前回レポートでお伝えしたのはハロウィーンの前までだったかと思います。アメリカのハロウィーンというものにイメージは漠然とありましたが、実際にどのようなものだろうと興味津津でした。2週間ほど前から段々ハロウィーンのムードが漂い、パーティーでの仮装はどうするかという話が持ち上がり始めます。寮や街もハロウィーンの装飾が多くなり、授業でも

11月中旬にはボストンキャリアフォーラムという就職活動イベントがあり、私たちもそれに参加してきました。私自身は本心から言うと大学院で勉強を続けたいのですが、一度社会というものを見てからアカデミアに戻ることも考えているため、今回は非常に良い機会でした。私は現在日本の大学を休学して来ており、日本の就職活動に参加することができませんでしたが、ボストンキャリアフォーラムでは200社弱の日本(あるいは外資)企業が3日間で集中的に採用活動を行うので非常に効率的でした。一度に様々な企業の説明会に参加したり、その場で面接を受けられる機会はキャリアフォーラム以外にはほとんどないのではないでしょうか。企業によってはその日のうちに内定を出してしまうところもあるようです。

特に就職活動時期の大学3年生、4年生は是非行くことをおすすめしますが、そうでない2年生以下でも、ボストンの街並みは必見だと思います。レンガ造りの街並みはとても落ち着いた雰囲気ですし、何よりも、シャンペーンでなかなかありつけない新鮮なお寿司を食べることができました。ボストンで唯一日本人の方が経営されているお寿司屋さんだそうです。来年以降、ボストンに行く機会があればぜひお立ち寄りください。URL http://www.osushiboston.com/

 

<サンクスギビング>

1119日~27日まではサンクスギビングで学校が休みだったので、以前から一度は行ってみたいと思っていたニューヨークに足をのばしてきました。普段生活しているシャンペーンとは全く違い、また、シカゴのアーティスティックな建築群ともまた一味違うダイナミックな街だと感じました。タイムズスクエアに行った時は夜の10時頃だったのですが、休日だったせいか人の多さとネオンの眩しさに圧倒されるほどでした。Big Appleと呼ばれるだけあり、本当に様々な人種の様々な階級の人が混ざり合っている、そういう街でした。

特にニューヨークで好きだったのは、お洒落なカフェやレストラン、バーが多かったことです。東京や大阪そして他の大都市にもそのような場所は多いですが、ニューヨークの場合特にモダンで洗練されていながらフランクで賑やかなスタイルのお店が多いと思いました。この雰囲気はBig Appleならでは、という感じがします。

コロンビア大学にも行きましたがとても素敵な大学で、街の中にありながらアカデミックさを崩さず落ち着いた空間でした。少し建物の中にも入ってみましたが思っていたより校舎も格式高い造りになっており、いつかこの大学で学ぶためにまたニューヨークに戻って来たいとさえ思える魅力を感じました。

 

<ファイナル試験>

ミッドタームやファイナル試験では「英語すらままならないのに英語で学科試験なんか受けられるのだろうか」という不安を抱えながら臨みました。しかし結果としてわかったことは、英語で試験を受けて良い点数を取るということは、英語の問題ではなく内容理解度の問題であり、やはり言語は違えど、どれだけ勉強したかによって決定するということです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、言語の面でのディスアドバンテージは言い訳にならないということを思い知りました。試験のやり方は様々で、チームでプレゼンテーションをした授業、レポート、筆記試験もあり、中にはこれらの2つ以上を課す授業もありましたが、特にチームで動くプロジェクトはアメリカ人の友達とも仲良くなることができ、ミーティング等忙しくはありましたがとても楽しかったです。

また、私は日本語の授業でTAのアシスタントをさせていただく機会があり、日本に興味のある学生たちにビジネスの場での会話を教えたり、実際に面接官としてファイナル試験ではevaluation(成績評価)にも関わらせていただきました。これもまたとない貴重な体験として秋学期の良い思い出となっています。

 

Spring Semester開始、授業内容>

いよいよ、Spring Semesterが始まりました。今学期履修しているのは以下の6クラスです。

PS101 Introduction to US Government & Policy

ECON103 Macroeconomics

BADM199/395 Entrepreneurship and Enterprise Development

ECON202 Economics Statistics

ENG360 Lecture in Engineering Entrepreneurship

CHLH465 Environmental Health

今季は前回よりもビジネスや政治といった科目に注力して履修しています。一番面白いと感じるのは BADM199/395Entrepreneurship and Enterprise Developmentです。その名の通りアントレプレナーシップを学びますが、定義やマインドセットなどの講義から始まり、実際に起業するときに必要になってくる素養や思考方法について学びます。最終的にはプロジェクトとして3~5人の班をつくり、起業計画を行う予定です。

その他に、Political ScienceMacroeconomicsの授業も取っていますが、特に政治学については文化的にアメリカの根底と言える部分を垣間見ることができるので、Reading Assignmentは多く大変ですがその分得るものが多い授業です。以前から少し感じていたことではありますが、やはりアメリカは学生でも政治への関心が高いという印象を受けます。学ぶという受け身の姿勢ではなく、様々なイデオロギーに関して進んで議論していくスタイルの授業で、4か月経った今でも自分はまだまだだと痛感させられる瞬間です。そもそも日本にいるときはあまり政治に関心がなく、選挙もただ何となく行っていたのですが、アメリカでの選挙というのは国の一大イベントであり(現在もちょうどその期間ですが)、国民それぞれがポリシーをもって政治に参加しているようです。違う国の政治を勉強するにあたって、自分がいかに自国の政治について無知であるかも身をもって感じることができました。

春学期はまだまだ始まったばかりなので、これから自分なりの要領を模索していいペースで勉強に取り組んでいけたらと思います。

いつもレポートやビデオを楽しみに見てくださるJICの皆様の存在は、アメリカ生活で日本とつながる大きな心の支えになっています。残り4カ月を切りましたが、後悔の無いように、日本に帰って良い報告ができるように頑張ります。

 

菊池智子さんの2011年10月分奨学生レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。そしてブログを見てくださっている皆様、初めまして。京都大学医学部4回生の菊池智子です。簡単に自己紹介をさせていただきます。日本では情報理工医学講座というゼミに所属し、iPadを用いた在宅医療の研究に携わっています。厳密には、研究が本格化する直前にアメリカへ来てしまったので、帰ってからみっちり取り組んでいこうと思っています。大学3年次までは、特に自分の専攻である医療に特化した活動に重きを置いており、日本国際医療保健学会を通してホンジュラスでHIV/AIDSの社会調査を行ったり、学生部会の運営委員としても活動していました。
もちろん自分の専門性を追求することは非常に良いことですが、そんな中で、私は「もっと広い視野で医療を見ていくことができないか」と考えました。一番の大きな転機はやはりホンジュラスでの調査で、私はただ医療に関する調査をしに行った(と思っていた)わけですが、実際に直面したのは、アメリカという大国の陰で抱えている経済的な問題や政治問題(2009年に起こったクーデターは記憶に新しいと思います)などでした。政治経済の知識は皆無であった私は、ヘルスケア自体が外界から受ける影響がそれほど大きいとは思っておらず、他の事業と比較し日本では特に善意のサービス色が強い医療を改めて別の方面から見直すきっかけになりました。アメリカでは日本の学部ではなかなか経験できなかった幅広い教養と、最も大きなエンタープライズであるヘルスケアシステムについて学べたらいいなぁということで、たくさんの人の協力もあって、いま実際にアメリカに来させていただいています。感謝、感謝です!
前置きが長くなりましたが、約2か月の留学生活を振り返って、以下、自分なりにレポートさせていただきます。
~渡米までの準備~
私はおそらく4人の奨学生の中で一番ばたばたしてしまったと思います。性格的に、比較的前からいろいろと手配しておかないと気が休まらない、実は心配性(!)な私ですが、5月以降は実習やアルバイトで非常にタイトなスケジュールの中、準備を進めていました。京都では一人暮らしをしていたせいもあって、アパートを引き払うための手続きや荷造りに追われてしまいました。そのため、しようしようと思っていた英語の勉強も時間が取れないままの出発となってしまいました。この点は少し反省です。
一番私が手こずったのは、ビザ申請でもなく健康診断証明書でした。ビザはできるだけ早めに予約さえしておけばあとは大使館で面接を受けるだけだったので簡単でしたが、健康診断書に関しては、どういった書類を揃えればいいのか、医師にどのように書いてもらえばいいのかよくわからず、後回しにしていたのでぎりぎりになってしまい、焦ったのを覚えています。今後の奨学生のために書いておきますが、健康診断書はそこまで心配する必要はありません。学校が始まる前、血液検査を受ける際にきちんと記入がされているか確認されるくらいでした。準備段階を経て今思い返してみると、その当時はとても大変だと思っていたことも、何とかなるというのがある意味で非常にアメリカ的だと感じました。
~アメリカ到着~
私はシカゴのオヘア空港に到着後、大学があるシャンペーンに向かう前に空港近くのホテルで2泊し、シカゴを観光しました。着いたときは、8月中旬にしてすでに半袖では肌寒く、曇り空が印象的でした。‘Windy City’ と呼ばれることは以前から知っていましたが、あとで聞くと、8月のシカゴは午前中快晴でも午後には雷雨になる日が多いそうです。
シカゴの街並みは洗練されてクリーンな印象が強いと同時に、アーティスティックでもあります。たまに道路をおしゃれな馬車が横切っていたりして、そのような光景を見ると乙女心がくすぐられました(笑)。「ニューヨークよりも、絶対シカゴの方がいいよ!」と、京都にいたときアメリカ人の友達からよく聞かされていましたが、本当にシカゴはいい街だと思います。まず、人がとても親切です。少し偏見がかっているかもしれませんが、カフェの店員さんは「アメリカなの?」というくらい愛想がよくびっくりしたのを覚えています。そして、上にも少し述べましたが、街がとても綺麗です。シカゴは高層ビルの建築でも有名ですが、典型的な最もアメリカらしい都市ではないかという感じがします。シカゴにいるときはただうきうきして、美術館やミシガン・アベニュー(ショッピングストリート)など、いろいろな所を一人で観光しまくっていました。


~大学の印象~
シカゴからシャンペーンまでバスで移動し、初めて寮に来た時は寮を見て「かわいい!」と思いました。建物はヨーロッパ調の赤レンガでできており、ロビーにはグランドピアノがあります。チェックインをして部屋に入ると、現地出身のアメリカ人のルームメートが‘Hello!’と笑顔で声をかけてくれ、緊張も一気に吹き飛びました。今まで海外に行く機会は多かったですが、実際に住むのは初めてなので、不安はありました。しかし到着した後はなぜかひと安心することができて日本と同じような気持ちにスムーズに入れたことが自分としても驚きです。
キャンパスの第一印象は「広い!」でした。おそらく皆が口をそろえてこう言うと思います。いわゆる「キャンパスタウン」です。気候は比較的穏やかで、晴れた日の透き通るような真っ青な空が大好きで、まだ暑い時期はよくQuadの木陰に寝転んで音楽を聞いていました。10月下旬ともなると、無理です、気温は0℃近くまで下がる日も出てきます、凍えます(笑)。
来る前までは何もないのかなあという印象でしたが、Terminalの近くに行けばおしゃれなカフェやレストランもありますし、学校の近くのGreen Streetにもおいしいお店はいろいろあります。小ぢんまりとしている中で必要なものはすべてそろっているという印象なので、特に不自由はしていません。


~授業開始~
私のスタンスとしては、秋学期はとにかく面白い授業やアクティビティを取り入れながら自分の学びたい勉強そして英語の練習をバランスよくしていこうと考えていました。
日本と違う所はやはりGPAをとても重視するところです。日本の学生の中には卒業のための単位取得に重きを置いて、内容は重視されないことが多い気がしますし、就職活動に関してもGPAの提示を求められないことが多いと思いますが、アメリカではGPAによって就職可能な企業、そうでない企業が出てくるという、いわば「足切り」のようなものが存在するようです(もちろんGPAがすべてというわけでもないとは思いますが)。
12Creditのうち1/4はイリノイ大学という総合大学ならではのAerobicsやFloral Arrangementのコース、残り3/4は統計学、医療システム学、(植物に特化した)栄養学といった自分の分野に比較的近い授業を取っています。
個人的に一番面白いのは医療システム学で、この授業ではアメリカでも最大のエンタープライズのひとつであるヘルスケアに関してgovernment policyやeconomics、人種の違い等の観点から切り込んでいく内容になっています。数週間前には元イリノイ州知事のJim Edgar氏がご登壇され、イリノイ州やアメリカ全体のヘルスケアポリシーのご講演を授業中にお聞きできる機会もありました。こういった内容は私が以前から興味を持っていたことでもあり、実際に学んでみたかったことなので、とても満足しています。ただ、私はアメリカの政治や経済に関する知識が乏しく、医療を考えるにあたって大きな影響を及ぼすこれらがネックになって、レポートを書くのが非常に困難なことがあります。これは、とても悔しいです。もちろん常識として知っておくべきことではあると思うのですが、来学期はPolitical Scienceの授業を取り、今の自分に足りないところを埋めていかなければと思います。もうひとつこの授業の好きな点は、複合的な学術プログラムやinfo sessionのアナウンスをしてくれることです。日本ではなかなか聞くことのないMHP(Master of Public Health)/MBAのdual degree programや、Health Care Consulting Firmのinfo sessionについて情報を得ることができ、先日もヘルスケアや病院経営、医薬品企業へのコンサルティングを行っている会社のinfo sessionに参加してきました。JICのプログラムに応募した当初は大学院進学を希望していましたが、このような話を聞いたり情報を集めることによって、まず社会の第一線で働き経験を積んだ上で、さらに上を目指してMPH/MBAのプログラムに挑戦したいという気持ちも湧いてきました。
Aerobicsではエアロビの他、ヨガをやったりサルサやズンバダンスも踊っています。Flral Arrangementのクラスでは意外と(?)体系的に講義とLab classが開講され、案外テストで覚えることが多く、大変だったりします。
他の3人の奨学生の中には勉強が大変すぎて死にそうな人もいるようですが、私は授業に関してはコンスタントに、特に辛いこともなくこなしているという感じがします。ただ、最初は自分の英語力にも自信がなく、多少敢えて余裕をもった感があるので、来学期はもっとレベルの高い授業に挑戦して勉強漬けになってみたいと思っています。
~midterm exam~
アメリカでは、日本と比べてテストが多いことも印象的でした。日本の大学と違って成績の付け方が非常にはっきりと明示され、日々のquizzなどこつこつと勉強する型が評価されるのがアメリカです。私は9月の下旬にmidterm1、10月下旬にmidterm2があり、遊ぶ時はもちろん遊ぶのですが、なぜかいつも「あ、次のテストいつだっけ・・・」と心のどこかにテストの存在がいたりします。しかし、授業さえきちんと聞いていれば特に問題はありません。英語がネックで解けないということはまずないと思います。
私の中では統計学のテストが2関数変数対応の電卓持ち込み可で午後6時~9時まで3時間のテストが一番焦りました。しかし、それも授業中に理解さえしておけば特にテストのためだけに勉強することもないということに気付きました。期末テスト前に詰め込む日本の形式よりも、私はテストが何回かあったほうがありがたいと最近はつくづく思います。
~学外の活動~
私がアメリカに来て非常に強く感じたのは、キリスト教という宗教の大きさです。日本人全体の傾向としては基本的に無宗教の人が多いと言われると思いますが、アメリカではキリスト教徒が大多数です。人々の実生活に溶け込んでいるので、何かと目にしたり耳にしたりする機会は多くなってきます。例えば、入学してしばらくは様々なBible Studiesのミーティングに誘われたり、キリスト教団体が思っていたより多いことに気がつきました。当初は「私、キリスト教徒じゃないし、バイブルスタディーズなんて行っても、逆に失礼じゃないか」と思ったりもしたのですが、彼らにとってキリスト教は生活の一部なので、裏を返せば、一番友達が作りやすい場でもあります。私はひとつの文化体験として、ミニオリンピックという年一回行われるキリスト教団体全体の運動会や毎週Bible Studiesに参加したり日曜日には教会にも行っています。今まで経験してこなかったことであり、今後こういった機会が実際にあるのかもわかりませんが、出会う人々や彼らの考え方に触れることでもう少し深くアメリカという国を理解できそうな気がします。
その他、週末にはパーティがあったり、連休の際には大学の友人の車でシカゴに遊びに行ったり、学校以外にも楽しいことはたくさんあります。
・・・と、ここまでいろいろ綴ってきましたが、何はともあれ周りの人は皆親切でいい人ばかりで、特に困ることはなく楽しく過ごせています。日本にいる時よりも悩むことは逆に減ったような気さえします。京都では何かと考えたり哲学することが多かった気がするのですが、やはりシャンペーンという土地柄のせいでしょうか・・・(笑)。穏やかな土地ではありますが、ここでは皆、学生のうちから積極的に将来に繋がる活動に取り組んでいて、とても刺激されます。留学生活の1/4が過ぎようとしていますが、残りの生活も新たなことに挑戦しながら、勉強や英語も頑張り、自分の将来についてもっと真剣に向き合う機会を多く持っていければと考えています。