田中千絵さんの最終奨学生レポート

JIC会員各位

2002年度奨学生の田中千絵さんの最終レポートを送付致します。

なお、田中さんからは9月25日にレポートを受け取っていたところ私の方の都合で、みなさまに転送するのがこれほど遅くなってしまったことを深くお詫び致します。

LAS(’00-’01)奨学生
小瀬垣 彩子

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JIC 最終レポート 2002年度奨学生 田中千絵

遅ればせながら無事留学修了の報告と共にこの一年間の総括をお届けしたい
と思います。 今旅行を終えて再びイリノイの友人の元を訪れ、キャンパス内
でこれをまとめていますが、学生たちをながめながら去年の夏を思い返すと本
当に感慨深い思いにとらわれます。

文字通り右も左もわからないながら、美しいキャンパスと寮での友達との生
活にとにかく毎日わくわくしていた最初の数ヶ月。体験したことのないような
寒さの中でも自転車をこぐ日々を過ごしながら日本でのことを含めていろいろ
なことをじっくりと考え、留学という貴重な経験の中で、変わっていく自分を
見つめていた冬。そして帰りたくないという思いを日に日につのらせながら、
日々が驚くほどの早さであっという間に過ぎ去ってしまった春。最後にはたく
さんの友達との別れにさんざん泣いた後がらんとしたシャンペーンでまた美し
さを取り戻した街並みを惜しみ、そして自分の旅立ちで再び涙した夏でした。

イリノイでの一年間の私の経験を一言で表すならば、五感を全開にしていた一
年間、と言えそうな気がします。こんなに素直に沢山泣くことも笑うことも、
そして周りの風景から人の機嫌までを敏感に日々感じとること、一日一日を貴
重に思えたこともこれまでにない経験だったと思います。これは日本人の傾向
に比べるとやたら感情表現がストレートで大げさなアメリカ人に多少影響され
たのもあるでしょうが、何よりも、そういう自分であることを許してくれるよ
うな、またはそういう自分でありたくなるような、多くの大切な友人に恵まれ
たからだと思います。日本にももちろんいい友人はいますが、いつもその人た
ちを大切に思っていると伝えること、また実際に大切にするのは意外に難しい
ものだと思います。けれども毎日友人と顔をつきあわせ、様々な局面で助け合
わなければならない様な環境の中では、日々、そういうことをきちんと伝えあっ
ていくことが大事になってきます。ささいなことで傷つけあうこともあれば、
小さな会話の積み重ねが家族のような絆にいつのまにか変わっていたりします。
この年齢になってきて友達と本気でけんかをしたり話し合ったりすることも日
本での生活を思えば非常に貴重な経験だったと思うのです。

また、これほど自分が人との支えあいの中で生きていることを日々実感す
るということも珍しいと思います。あまりに毎日が「人、人、人」との濃い関
わりで動いていくので、時には「今日はもう人に会いたくない!」と思うこと
などもあるほどでしたが、今ではやはり、夜中にでもすぐにノックして友達に
あいにいくことのできたあの寮での生活を本当に懐かしく恋しく思います。

留学後、帰国してから、自国での再適応に苦しむ人は意外に多いと聞きます。
私もその一人といえばそうかもしれませんし、連絡をとりつづけている留学中
できた友達はみなイリノイでの生活を恋しがっています。友人の一人が一年間
の留学生活という体験は“too intense”だといったのがとても印象に残って
います。それは“too intense to forget that and come back to real life”
などと続くのかもしれませんが、イリノイを故郷のように常に恋しく懐かしく
思いながら、自分の目標に向かって突き進み、その中で、イリノイで得た経験
を余すところなく生かしていく、ということがこれからできるのであればこれ
ほど素晴らしいことはないと思います。そして恋しいイリノイでの生活のよう
に、日々、自然の中で生きる感覚、人とともにある感覚、人を大事にする感覚
を忘れないで、少しでもそのような感覚を再現できるような場をどこにいても
作り出せるような自分でありたいと強く思います。

交換留学生という立場は、何を選んでもいいかわりに、特にどこに属してい
るわけでもなく、何をする特権も特に与えられていないという立場だと思いま
す。そういう立場だからこそ、授業にしろ、それ以外の活動にしろ、なにを選
んでその場でどれだけ自分の存在をきちんと認められるかはすべて自分の行動
にかかっているということをよく実感したものでした。その中で、いろいろな
ものに首をつっこみ、受け入れられたり拒絶されたりしながら、私は自分が何
を本当に必要としているか、強く強く受け入れてもらえるまで主張したいほど
に自分が本当にしたいものは何なのか、ということがだいぶ見えてきた気がし
ます。渡米前、あれもこれもできそうだけれども何が本当にしたいのか、でき
るのか本当には見えてこない、という時期にあった私にとってこういう思考に
至ることは、この留学のひとつの大きな目標でありましたし、それをある意味
達成できたことは私の人生にとって大きな意義をもつものだったと思います。

留学の一年間というのは誰にも説明しがたく濃い、濃いものだという話は、
JICの留学先輩の方々からもさんざん話には聞いていましたが、これほどまで
だとは本当に思ってもいませんでした。想像をはるかに超えて、濃く、強烈で、
そしてものすごい速さで過ぎ去った一年間だったとしみじみ思います。その経
験は何も知らない誰かに聞かれたら、やはり、行ってみないとわからない、と
答えてしまいかねない、私の人生、人生観を変えるような、言葉にできないも
のです。けれども、それを多く語らなくてもいつまでも深くわかりあえるのが、
この一年を共有してきた、ほかの3人の奨学生であり、JICのみなさまであり、
そのことの偉大さを、今、周りの人々に自分の経験を問われ、語ろうとするた
びに思い知ります。特に、同期の奨学生は、一年を通して、それぞれ生活の仕
方や勉強のフィールドは違っても、がんばっている様子をみて自分が励まされ
るような相手であり、まさに同志というような感じで、イリノイでできた多く
の友人の中でも、どこか特別な意味をもつ仲間だったような気がします。また、
最初にイリノイに行ったころに室賀先生に、そして帰国が近づいたころに郡司
先生にゆっくりとお会いすることができましたが、このように、JICを通じて
つながりがあるということでイリノイをよく知る方にお会いしに行き、そして
そこでイリノイについて語れるということもJICの皆様にお世話になっている
が故の貴重な機会だと思いました。また自分が単なる一回きりの留学生ではな
く同じ経験を共有する人々の縦の糸の中に編みこまれていく一人なのだという
ことを実感することができそれを光栄に思うことができました。

このレポートをもって私がこの一年間で抱えきれないぐらい多くのものを得
たことが伝われば幸いですが、ともかく、このような機会を与えてくださり、
そしておそらく私と同じようにイリノイでのご自身の留学経験を大切に思い続
け、その想いでもってJICを支えてきてくださっている皆様に心から感謝の気
持ちを送りたいと思います。そしてこれからもその一員であり続けられること
を光栄に思います。 ありがとうございました。

東京大学大学院教育学研究科総合教育科学
比較教育社会学コース修士課程 田中 千絵

堀川裕美子さんの2003年5月分レポート

JIC会員の皆様

奨学生 堀川裕美子さんからの最後のレポートが届きました。非常に充実した一年を過ごされたことが、ひしひしと伝わってくるようなレポートです。堀川さん、どうもありがとうございます。

それでは。
ayako kosegaki

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2003年 3月分レポート
堀川 裕美子
東京都立大学 人文学部
社会福祉学科3年
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日本は梅雨の季節と思いますが、皆様におかれましては、如何がお過ごしでしょ
うか。まったく信じられませんが、今回が最後のレポートということになって
しまいました。

振り返ってみると、おそらく、大変なこともあったのでしょうが、思い出せる
ことは、楽しかったことだけです。こちらで過ごさせて頂いた中で、一番の収
穫は、英語が多少なりとも上達したということではなく、多くの人と出会えた
ことです。

私がこちらに来る動機となっていたのはもともと学術的な達成ではなく、異なっ
た文化の中で、さまざまな視点を学ぶということでした。確かにこちらに来て、
日本人とは違う感覚を体感し、また、そこから、自分の気が付かないところで、
自分自身が「日本人的」考え方をしているのだということを発見しました。自
分はやはり日本人なのだというアイデンティティを実感したような気がします。

しかし、私が得た、人との出会いというのは、こういった、国民性だとか、民
族のアイデンティティだとか、まさに、文化、によって規定されたカテゴリー
でくくった考え方の相違とはまったく別次元の何かを含んでいるように思いま
した。こういった、出会いというのは別にアメリカだから、起こったというこ
とではなく、日本にいても同じように、かけがえのない出会いというものがあ
るのだと思います。

けれども、日本にいるときは、この出会いを私はずいぶん見過ごしていたので
はないかと、こちらに来て思いました。こちらでの出会いは、一年という限ら
れた期間の中で、たまたま、日本からアメリカにきて、しかも、イリノイのシャ
ンペーンに、今このとき、であったからこそ、出会えたのであって、出会えな
かったかもしれない可能性のほうがずっと大きいように、感じられ、出会いの
大切さがほとほと身にしみたからです。一人の友人が、別れ際に、have a
good lifeといってくれました。私たちは笑いましたが、よくよく考えてみる
と、ほんとにこの言葉は的を得ていて、改めて、これが出会いなのだなあと思
いました。もちろんこうして出会った人々の異なる視点、それは、おそらく、
国であるとか民族であるとか、文化的なもの、あるいは個人的なものを強く反
映しているのでしょうが、それらは、みんな私の中に残っていると思います。

セメスターも卒業式も終わり、多くの友人がシャンペーンを去ってしまい、私
ももうすぐここを去るのだと思うと、さびしくてたまりません。

私は6月のはじめに日本にほんの短期間帰国して、サマーセッションの第2期
をとる予定です。そのあとの予定についてはまだ決めていませんが、その時が
来るのはあっという間だということは、想像に難くありません。

これほどに貴重な経験をさせていただいた皆様には、なんとお礼を申し上げ良
いか分かりません。あまりに感謝の気持ちが強いと、言葉が見当たらないのだ
と、つくづく感じます。月並みな言葉でしかお礼を申し上げられないのが情け
ありませんが、お許し下さい。

ほんとうにありがとうございました。
残された時間を精一杯、有意義にすごさせていただきます。

東京都立大学 人文学部 社会福祉学科 4年 堀川裕美子

岡沢宏美さんの2003年5月分レポート

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2003年 5月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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一年間の留学も終わりに近づき、最後のレポートを皆様にお届けすることと
なりました。

サマースクールを取るとはいえ、正規の留学期間である2セメスターを終え
た今、一年の 生活がどれほど貴重で、有意義であるか、という事を実感して
います。 一年の生活について、言葉で表すことは難しく、まして数百字でま
とめる、という事は できません。本当により抜きでしかありませんが、感謝
の気持ちを込め、数点に絞って 述べたいと思います。

思い出深いものの一つは、ガールスカウトでの活動です。ハロウィンでの仮
装、老人ホームや児童施設でのボランティア活動、活動費を集めるためのバザー
にハイキングなど、面白いことをたくさんしました。

そして、最後の活動時に、私のためにサプライズ・ バースデーパーティー
をしてもらったのには、 感動しました。日本でしていた活動を続けることが
でき、またその活動を通し、仲間と会い、様々な経験ができたことは、何物に
も代えられない大切な思い出です。

もうひとつ、きっと忘れないのは、寮での生活です。毎日毎日、大勢の人に
会い、毎晩のようにカフェテリアの夜食の甘いケーキとコーヒーを前に、数時
間のおしゃべりに興じ、寮の地下のカフェテリアで、たくさんの仲間と、どれ
ほどの時間を過ごしたのかは、想像できない程です。カフェテリアに行くと、
必ず誰か知り合いがいて、一緒に食事をしていると、そのまた友達が加わり、
自己紹介をすると仲間が増えます。食事のテーブル には、そのうちに20名
ほどの人数になることも普通でした。寮を去る最後の日まで、大勢でわい
わいと楽しく過ごしました。

日本では、実家から大学へ通っていた私にとって、キャンパスの寮に住む、
というのは とても新鮮で楽しい経験でした。ルームメイト、エレベーター、
ラウンジ、カフェテリア、 バスルームまで、寮に住むと本当に大勢の人と会
い、言葉を交わします。帰国すれば、きっと寮での生活が恋しくなると思いま
す。

勉強面でも、得がたい経験をしました。日本では学ぶ機会のなかったスピー
チや教育学、それに専攻の言語学も、様々な角度からアプローチを図っていて、
素晴らしいものでした。言語学の本場であるアメリカで、しかも著名な教授が
揃うイリノイ大の言語学科で丁寧に指導を受け、知的な刺激にあふれた日々を
送ることができたのは、留学した醍醐味です。徹夜でレポートを作成したり、
課題に追われたり、ハードではありましたが、 その分だけ身に付くものも多
いと感じます。

夢であった留学が叶えられ、期待以上に素晴らしい留学生活ができたのも、
JICの皆様のおかげです。同じ奨学生と出発前から友達になれたのも、留学
中にたくさんの サポートを頂いた事も、JICの奨学生として留学させて頂
いたからだと感謝しています。

この一年で、本当にたくさんのことを経験し、学びました。
これからも、夢に向かって 頑張っていきます。
ありがとうございました。

前田耕君の2003年5月分レポート

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2003年 5月分レポート
前田 耕
立命館大学国際関係研究科
博士前期課程
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JICの皆様こんにちは。

1週間ほど前にシャンペーンから帰ってまいりました。そして約9ヶ月間に及
ぶ留学生活に幕を降ろしました。

留学の終了にあたって、まず何よりもこれまで留学生活を支えていただいた
JICの皆様にお礼を申し上げます。こうしてトラブルもなく留学を終えること
ができたのも皆様のご尽力の賜物です。心より感謝しております。

留学を終えての感想は、多少甘酸っぱいものです。留学を終えたという達成
感と、イリノイを離れてしまったという寂しさが同居しています。しかし、一
つだけ確かなことがあります。イリノイでの9ヶ月間が非常に満足いくものだっ
たということです。

何よりも様々な人々と出会うことができました。

そして、アメリカ人を始め各国からの留学生など、本当にたくさんの友人を
得ることができました。これは私にとって何よりもうれしいことであり、一番
の収穫でした。 もちろん、彼らと離れてしまって寂しい思いはあります。し
かし、地理的な距離はあっても、人間的な距離は少しも感じません。次に彼ら
と会うときも、これまでと同じように仲のいい友人として接することができる
と思っています。そして、そう確信を持てることにとても満足しています。

また、外国人の友人だけでなく、日本人の方々との出会いも貴重でした。普
段日本では出会うことのできない人々と友情を築き、多くのことを学ばせてい
ただきました。

とにもかくにも、色んな友人ができたことこそ、今回の留学の最大の収穫で
した。なんと言っても、国籍、文化の相違を越えて友情を育むことができたの
ですから、これほど素晴らしいことはありません。このことは大きな自信にな
りました。

それにしても、なんとあっという間の9ヶ月間だったのでしょう。本当に時
間が経つのは速いものです。シャンペーン空港に降り立ち、牧場の臭いをかぎ
ながらキャンパスへ向かったのがまるで昨日のことのようです。しかし、シャ
ンペーンでの出来事の一つ一つを回想してみると、その思い出の多さにも気づ
きます。友人との出会い、忙しかった授業、テスト、そして週末のナイトライ
フ、旅行など、たくさんの思い出が駆け巡ります。そして、それらの一つ一つ
を思い出すたびに、充実した留学生活を送ることができた、と満足しています。

ところで、アメリカの大学で印象的だったのは、その授業のハードさです。
テストの回数も多く、宿題の量も日本の大学とは比べ物になりません。これに
は最初のころ四苦八苦しました。それでも一月ほどするとだいぶ慣れてきまし
たが、アメリカの学部生は4年間こういう生活を続けるのかと考えると頭が下
がる思いがします。私はすでに帰国したわけですが、これからもアメリカ人の
学生に負けないように勉強していかなくてはならないと思っています。

最後に、これからの予定ですが、実は8月からアメリカの大学院に通います。
場所はワシントンD.Cで、専攻は国際関係です。同じアメリカですが、また新
たな発見がたくさんあると思います。そしてより一層アメリカ文化への理解を
深めることができればと期待しています。

ワシントンでも、イリノイで学んだことを活かしながら、大いに頑張ってい
くつもりです。

今一度、JICの皆様を始め留学を支えていただいた方々に深くお礼申し上げま
す。ありがとうございました。JICの更なる発展を期待すると同時に、少しで
もそれに貢献できればと考えています。

立命館大学大学院
前田耕

堀川裕美子さんの2003年3月分レポート

JIC会員の皆様
昨日、今日とすっかり春めいて
桜の開花もちらほらと見られるようになりました。
ついつい歌詠みの真似事なぞしてしまいそうです。

留学中の堀川さんから3月のレポートが届きました。
どうぞお楽しみ下さい。

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2003年 3月分レポート
堀川 裕美子
東京都立大学 人文学部
社会福祉学科3年
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日本でも、穏やかな春を迎えていると想像しますが、
皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
現在留学中の堀川裕美子です。

すでにスプリングセメスターの半分も過ぎてしまったという、時の経過の早さ
に毎日驚くばかりです。今回のレポートでは、春セメスターについてご報告さ
せていただきたいと思います。

今セメスターは、English, Human Development and Family Study(HDFS),
Women’s Study(WS)のクラスを一つずつとKinesiologyのクラスを2つ履修して
います。HDFSは老年学、WSは古代におけるsex and genderというクラスをとっ
ています。この二つも大変興味深いものですが、今回はこのほかのクラスにつ
いてご報告させていただきたいと思います。

まず、Englishはintroduction to poetryという、なんとも特殊な領域にチャ
レンジしています。俳句や短歌などは、好きですが、それも別に特に詳しいと
いうわけでもなく、日本の詩歌の解釈にも中高の国語の授業で四苦八苦した記
憶があるのにもかかわらず、おもわず、履修してしまいました。一つの理由に
は、英語の詩を日本で学ぶという機会は稀であり、仮にあったとしも解釈の方
法などは違ってくるのではないかと思ったことがあります。ここでしか学べな
いものをという観点からいえば、これは非常によい機会だと思ったのです。ま
た、詩のよいところは、これ、といった絶対的な答えがないことです。大筋の
正しい解釈というものは存在するものの、何をどこから感じたか、ということ
が大事であって、それは、大いに私の主観的な判断にゆだねられているという
ところが面白いところであり、また、難しいところでもあります。

そして、Kinesiologyのクラスは、tennisとinjury in sportsというクラスで
す。tennisの授業はその名のとおりテニスをするのですが、これはハーフセメ
スターの授業なので、スプリングブレイクの直前にはじまり、まだ2回しか授
業がおこなわれておらず、これからというところです。いっぽう、injury in
sportsもその名のとおり、スポーツにおける怪我について学ぶのですが、講義
と実技のクラスがあり、実技のクラスでは、テーピングの仕方を中心に、血圧
や脈拍をはかったり、担架での移動を行ったりしています。うまいテーピング
というは才能だ、ということを聞いたことがありますが、それが本当ならば、
私には才能がないようです。というは、足首のテーピングをペアになって行っ
ていたとき、私は、テーピングがゆるすぎて意味を成さないということになら
ないように、注意してやっていたのですが、逆に、私のパートナーの足先は、
私のきついテーピングのために血流が滞って、変色してしまいました。ごめん
なさい、私のパートナー。もちろん、そのあと、すぐにテーピングははずしま
したし、何事もなかったのですが、まあ、才能があるとはいえないということ
を証明してくれるには十分だったのではないかと思います。ただ、それは初め
てのテーピングでしたので、成功の9割は努力から、1割だけが才能から、と
いう言葉もあることですし、練習した後には、もしかすると、テーピングの才
能も花開くかもしれないという、ささやかな希望を願ってやみません。

こういった、すばらしい経験があともう少しで終わってしまうかと思い、最近
では時々憂鬱になるほど、こちらの生活を楽しんでいます。改めて皆様のご支
援にお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。残りわず
かとなりまし

たが、一日一日を大切に、最後まで頑張りぬきたいと思いますので、どうぞ、
よろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。
東京都立大学 人文学部 社会福祉学科 堀川裕美子

前田耕君の2003年3月分レポート

JICの皆様

続きまして、前田耕くんからのレポートをお読み下さい。

カリフォルニアでのドライブ!! なんとも羨ましい限りですね。
シャンペーンでのこれからの季節が私は大好きでした。
目に鮮やかなみどりの木々が目に浮かびます。

いよいよ四月ですね! 心機一転です。

それでは。

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2003年 1月分レポート
前田 耕
立命館大学国際関係研究科
博士前期課程
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JICの皆様、毎度でございます。

日本ではすでに桜が咲き始めているようですね。桜といえばお花見。私もつ
いつい京都は八坂神社に咲く満開の桜を思い浮かべてしまいます。今年は日本
でお花見に行くことはかなわないのでこのようにせっせと頭の中でイメージト
レーニングにはげんでおります。イメージの中でもほろ酔いの自分がいるのが
少し怖いですが。。。

さて、こちらイリノイにも待ち焦がれていた春がついにやってきました。3
月に入ったころはまだ冬の様相だったのですが、2週目ぐらいから急に暖かく
なり、今ではもう日本の5月ぐらいの暖かさです。イリノイの春は短いと聞い
ていましたが、本当にその通りのようです。もうしばらくすると汗ばむ季節に
なるのでしょう。

私の気持ちも気温とともに上昇してきたような気がします。思えば、冬の間
は幾分鬱屈した気持ちでした。あまりの寒さに外へ出ることにも億劫になり、
日が暮れるのも早いので、寮と学校の往復だけというワンパターンな生活に陥っ
ていました。秋頃は休日にテニスをしたり、サッカーをしたりと気分をリフレッ
シュする手段がいくつもあったのですが、冬に入ってからはそうしたアクティ
ビティもできなくなり、生活がマンネリ化してしまっていました。結果的に気
分も何となく沈みがちになります。そんな私でしたから、春の到来を実感した
ときはうれしい気持ちで一杯でした。そしてすぐに新たなことにチャレンジし
てみました。ドライブです。

実は長い間アメリカでドライブに行ってみたいと思っていたのですが、冬の
間は凍結を恐れて控えていました。しかし、ついに春がやってきて雪がなくなっ
たこの季節、もはや私の前に立ちふさがるものは何もありません。地平線の広
がる壮大な大地が私を待っている!などと都合のいい想像を膨らませ、春を感
じさせる陽気のある日車を借りてドライブに出ました。特別な目的地はありま
せん。とにかくどこか遠くへ行きたかったのです。道路地図を適当に見て、セ
ントルイスに行くことにしました。

このドライブは非常に楽しいものでした。とてもいいリフレッシュになりま
したし、新たな発見もありました。南下していって一番驚いたのは、シャンペー
ンをいったん外に出るとほとんどアジア系の人々がいない点です。ここシャン
ペーンにはたくさんのアジア人がいますが、セントルイスではアジア人を見る
ことはありませんでした。ほとんどが白人と黒人です。そこは典型的なアメリ
カ中部でした。これまでにも北米は何度か訪れていますが、今まで見てきた街
はほとんどが大都会でマルチカルチャルな雰囲気でしたので、今回のドライブ
ではアメリカの新たな一側面を見ることができ貴重な体験となりました。

貴重な体験といえば、春休みを利用したカリフォルニア旅行もそうです。実
は、つい先日カリフォルニアから帰ってきたばかりです。現在こちらイリノイ
大学は一週間の春休み中で、学生は実家へ帰ったり、旅行に出かけたりしてい
ます。私も周囲に習って旅行に出かけていたわけです。

セントルイスへのドライブで味をしめた私はカリフォルニアでも車を借りて
旅行することにしました。主な目的地はロスアンゼルスとサンフランシスコで
す。ロスで車を借り、そこから太平洋岸に沿いながらサンフランシスコへ向か
い、サンフランシスコで何泊かしたのちロスへ戻る、これが大まかな行程でし
た。

何よりも素晴らしかったのはロス・サンフランシスコ間の景色です。綺麗な
ビーチを通り過ぎると今度は断崖絶壁の海岸線、さらにはのんびりとした牧場
の風景、と長時間車を運転していても飽きることがありません。イリノイに来
てから海や山を見る機会があまりなかったので久しぶりの風景にウキウキして
しまいました。特にロサンゼルスから2時間ほどのサンタバーバラは本当に美
しい街でした。落ち着いていて喧騒もなく、山と海に囲まれた美しい街です。
思わずいつか機会があれば住んでみたいなどとも思ったりしてしまいました。

それにしてもアメリカは広い国です。同じ国の中でもイリノイとカリフォル
ニアでは景色や雰囲気が全く違います。山や海のないイリノイでは一面地平線
が広がっていますが、カリフォルニアでは逆に海や山が起伏に富んだ地形を作
り出しています。加えて、植物の種類もかなり違うので、お互い全く違った雰
囲気を醸し出しています。もちろん、そこに住んでいる人たちの種類も異なり
ます。イリノイ南部やセントルイスでは白人と黒人しか見なかったのに、カリ
フォルニアではヒスパニック系の人々をたくさん目にしました。このように、
今回のカリフォルニアへの旅行ではアメリカの地理的そして文化的な広大さを
改めて実感させられました。そして、これからもっと旅をして新たなアメリカ
の姿を発見したいと思うようになりました。 さて、これまでレジャーの話
ばかりしてきましたが、勉強の方も今のところ大きな問題もなく進めさせてい
ただいています。すでに先学期の経験があるので今学期はだいぶ楽です。もち
ろん宿題、テストは相変わらず頻繁にあるので忙しいことも事実ですが、それ
でも先学期に比べると幾分気楽です。やはり、勉強のペースがつかめたのが大
きいのではないかと思います。学期も後半に入ろうとしているので、とりあえ
ず勉強の方もこのペースで進めていき、今学期も無事終えることができればと
考えています。

最後に、ついにイラクとの戦争が始まってしまいました。非常に残念なこと
です。私はこれまで7ヶ月間アメリカに滞在し、この国を内部から見る機会に
恵まれましたが、本当に戦争の必要性があるのかつくづく考えさせられます。
ブッシュはイラクによる脅威を取り除くための戦争だと言いますが、戦争を始
めるほどの脅威が本当に存在するのでしょうか。例えば一体このシャンペーン
の街の何人がイラクの脅威に怯えて暮らしているというのでしょう。自分たち
の国が攻撃されているわけでもないのに、「脅威」だと言って他の国に攻め込
んでいく。そして多くの人が血を流す。理解に苦しみます。とにかくこの無益
な戦争が早く終わってくれることを願うばかりです。

さて、気がつけば留学生活も残りわずかとなってしまいました。私の場合、
夏学期は残らない予定ですので本当に残すところわずかです。残された時間は
わずかですが、これからも思う存分こちらの生活を満喫したいと思います。

ありがとうございました。

3/29/2003
立命館大学大学院
前田 耕

岡沢宏美さんの2003年3月分レポート

JICの皆様
岡沢宏美さんからレポートが届きました。

みなさん、春休みの真っ最中だったようで、いろいろ
旅行されていて羨ましい限りです!

それでは。

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2003年 3月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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時が経つのは本当に早いものです。

何もかもが初めてだった先学期に比べ、生活にも、授業にも余裕が出てきてい
ますが、その分、時間は格段に早く過ぎていくようです。 私は春休みに、仲
の良い友達と二人でフロリダへ旅行に行きました。ずっと行ってみたかったディ
ズニーワールドや、NASAのケネディスペースセンターに行ってきました。丸一
週間滞在し、今夜帰ってきたばかりです。少し、今日の出来事を書きます。今
日の朝7時半にオーランドを発ち、大学の寮に戻ったのは夜10時でした。オー
ランドの空港が爆弾さわぎで閉鎖され、飛行機3便乗継ぎのそれぞれが1,2時
間遅れ、オーバーブッキング(?)で、40人ほどの小さな飛行機に17人が乗れな
い、などという場面にも遭遇しました。バスもやっぱり1時間遅れました。ア
メリカの交通機関はのんびーりと利用しなくてはいけないのですね。そうやっ
てトラブルに巻き込まれながらも、寮にたどりつき、ほっとしているところで
す。寮がすっかり居心地のいい、自分の家となっています。

さて、前回のレポートを書いて以降、私に起こった出来事といえば、謎の伝
染病にかかった事です。ルームメイトと私は同時に病気になり、血液検査を受
け、二人ともモノ(単核症)という、こちらではよくある若者の病気にかかっ
ていることがわかりました。ただ疲れたり、熱がでたり、抵抗力が弱り、アレ
ルギー反応が出たりする病気だそうです。そんなにたいした病気じゃないので
すが、聞いた事のない伝染病にかかった!という事実に、少々不安でしたが、
診断書があれば、授業を休んだり、課題の期限延長が認められるので、その手
紙を武器に(?)、休養しながら授業に出ていました。そしてシングルルームを
与えられ、1ヶ月ほど、一人部屋で過ごしました。もちろん、今はディズニー
ランドで遊べるくらい、とても元気です。多くの人にとても親切にしてもらい、
あらためて友達のありがたさを感じました。 もう一つ、私にとっての大きな
出来事は、パッチアダムスとの出会いでした。となりの寮に映画で有名なお医
者さん「パッチアダムス」が講演に来るということで、聞きに行きました。人
生、平和、愛、ユーモア、などというテーマで四日間続けて講演があったので
すが、彼の話がとても面白く、彼の考えに共感し、ついにはパッチアダムスと、
彼の仲間たちと、ピエロの格好をして老人ホームに慰問に行く、という貴重な
体験もしました。

普段の生活についてですが、週末はガールスカウト活動をしたり、コンサー
トに行ったり、折り紙クラブに参加して楽しく過ごしています。授業は先学期
の1,5倍にあたる6つも取っているので大変ですが、がんばっています。

言語学の概論、統語論、音韻論、心理言語学、それにスピーチの授業、週三回
の女声コーラスです。こちらの言語学の授業は、基礎から応用まで系統立って
教えてもらえるので、わかりやすく、面白いです。スピーチはパワーポイント
を使ってのプレゼンの仕方の授業です。こちらのビジネス専攻の人は必修なよ
うです。先生はロースクールの学生で、とてもフレンドリーです。プレゼンの
準備はとても大変ですが、毎回クラスメイトのスピーチを聞くのが楽しみです。
コーラスは先生がドイツ人で、バッハ、ブラームスなどドイツ語やイタリア語
で歌うので、何を歌っているのかよくわかりませんが、楽しい授業です。学期
末には恒例のクラナートでのコンサートです。田中千絵さんに引き続き、わた
くしもクラナートの舞台に立ちます! この有意義な生活を少しでも長く続け
たく、私はサマータームも履修しようと思っています。夏は友達とアパートを
シェアする予定です。 一つ残念なことは、やはり戦争についてです。United
We Stand というポスターや看板、星条旗、また反戦ポスターなどを目にする
度、複雑な気持ちになります。留学生で国に帰った人もいると聞きます。キャ
ンパスでは学生による反戦活動もなされていますが、戦争自体にあまり興味を
示さない人も多いように感じます。授業中に先生も戦争を支持する発言をする
場面があります。多くの人が、戦争を止めよう、と望んでいる中、支持する人
も、無関心な人もたくさんいるのが残念に思います。多くの人が平和について
考え、戦争が終わることを願います。

ありがとうございました。

大阪外国語大学 岡沢宏美

田中千絵さんの2003年3月分レポート

JICの皆様
奨学生・田中千絵さんのレポートをお届けします。

今回の奨学生のみなさんのレポートも残すところ五月のみ、
となりました。
最後のレポート、楽しみにしています!

それでは。

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2003年 3月分レポート
田中 千絵
東京大学大学院教育学研究科
総合教育科学専攻
比較教育社会学コース 修士課程
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JICの皆様、こんにちは。
イリノイ大学に奨学生として留学させていただいている田中千絵です。

こちらではようやく長い冬を抜け、キャンパス中が一気に息を吹き返したかの
ような様相をみせています。二週間ほど前に突然20度近くになった日には、
春どころか、みんな夏を迎えたかのような薄着になって、MainQuadはここぞと
ばかりにスポーツや読書、昼寝など思い思いにあたたかさを満喫する人々でいっ
ぱいになりました。私もそれに加わってぼんやりとここに来たばかりのころの
夏の強い日差しのことを思い出したりしつつ、それにしてもなんと時間の経つ
のが早いことだろうと、これから来る素晴らしい季節を一日一日大切に過ごさ
なければとしみじみ思いました。

さて、春学期ですが、今回とっている授業は、マーケティング、アカウンティ
ング、コンピューターサイエンス、イタリア語、そしてミュージックの5つで
す。 このような授業のとりかたをしていると専攻はいったい何なんだという
質問をよく受け、そのたびに回答に窮するのですが、実は私のもともとの専攻
は社会学なのでした。が、ここに来た一つの目的は、他の分野のやってみたかっ
た勉強をすることで視野を広げ、これからどのような道に進んでいくかについ
て選択肢を広げてじっくり考えてみたかったということなので、日本ではなか
なか困難な、専攻以外の勉強を一から始めるということがここでできて非常に
満足しています。また、日本とは違い社会学が非常にポピュラーなこの国で、
さまざまな学問が社会学の影響をうけている様をみるのもとても興味深いこと
です。

こちらの授業は非常に体系的で、教科書もよく構成されており、TAのサポート
などもしっかりしていますが、進度が恐ろしく速く、宿題やクイズも毎週のよ
うにこなさなければならないので、今までは一つのテーマを自分のペースでじっ
くり進めるという勉強の仕方になれていた私には、今学期の理論的で、かなり
自分にとって新しい勉強の山に新鮮さを覚えつつなかなか苦労しています。と
いっても二学期目なので、先学期よりはそれほど不安を覚えることなく、何か
あれば誰かに質問すればいいのだ、というスタンスで臨むことができているの
で、気分的には余裕をもって生活できているように思います。

一番気に入っているのは、依然少しだけかじったことのあるイタリア語の授業
で、週4時間、毎日なのですが、アメリカ人ばかりの授業なのに、英語を使う
ことが禁止されているため、全く同じ立場で授業を受ける、ということが非常
に新鮮で面白いです。ラテン系の先生もかなり大らかで楽しい先生なので、毎
日楽しい語学学校に通っている気分になれます。こちらは101番の授業であっ
ても語学はこのようにとにかく無理やりしゃべらせて会話中心に上達させてい
くというスタイルをとっているようで、全く知識なしに日本人が始めるには相
当ハードなようですが、日本での語学の授業を思いうかべるとずっと楽しいで
すし、会話レベルにもっていくという意味では非常に効率的な感じがします。
日本での授業の場合、文法をつめこみすぎてかえって間違えることを恐れるよ
うになったり、発音をきちんと習得しないままだったり、ということが起こり
がちであるように思うので、、。 最もハードかつためになりそうなのはCSの
授業で、これは主にノンメジャー用のビジネス専攻向けの授業なので、最初は
驚くほど初歩的なことから触れてくれるのですが、その後はあっという間にこ
んなことまでやらせるのかというほど高度な内容になってきます。何週か毎に
プログラミングの課題がでるのですが、一回ごとにかかる時間が倍になってい
くような感じで、面白くやりがいもありますが、とても苦労しています。

こちらでは成績が就職時などに非常に重視されるため、学生は成績をとるた
め、先生は、少しでも点をとらせるのに必死です。どの宿題にも課題にもみん
な必死になってとりくんでいちいち答え合わせをして満点に近づくようにしま
すし、テストの一点にものすごいこだわりを見せるので、リグレイディングの
要求もしょっちゅうです。先生のほうもこれをだしたら何点、遅刻したら何点、
などと細かく点数のつけ方を開示したりして、そこまでやるかなあと私はとき
どきのんびり思ってしまったりもします。学生の授業へのモチベーションを保
たせるという意味では非常に効果的で、かつあまり計画的に学習をすすめるの
が得意なほうではない私のような学生にとっては、とにかくついていけば気づ
いたら習得できている、というのはありがたい仕組みですが、こちらの学生の
成績への恐ろしいほどのこだわり様をみて、成績のとりやすい授業をとりたい
がために、本当に面白そうでとりたい授業をとることは難しいなどという話を
聞いたりすると、日本の学生は入ると勉強をしないと悪名高いとはいえ、どち
らがいいのか一概にはいえないのかもしれない、と思います。

さて、春休みですが、私は大学にどうしてもしなければならない用事があり、
10日間ほどの非常に短い期間ですが、日本に一時帰国していました。毎日用
事をこなし、人に会い、とばたばたしているうちにあっというまに終わってし
まいましたが。日本に帰ってきてみて、戦争について明らかにアメリカよりも
みんなが深刻に受け止めているという事実を強く感じました。戦争が始まった
から帰ってきたのか、という質問をうけてこちらが驚いたほどでした。アメリ
カでは周りの人々は関心をよせてはいるものの、どこか遠くの出来事のように
話すことが多く、関心の低さにあきれることもしばしばで、私の印象では、学
生のデモ運動も、どこかベトナム戦争の反戦スタイルをそのままスタイルだけ
真似たかのようだと思ってしまい、いったいどれだけこの人たちは心からこの
戦争の無意味さと残酷さを理解しているのだろうと考えたりもしていました。
けれども日本に帰ってきて、桁違いの深刻さでいろいろ考えている人々に出会
い、さらに友人の「できるものならあの人間の壁に加わりたかった」というまっ
すぐな言葉にも出会い、自分もまた、アメリカの、平和なキャンパス街にぬく
ぬくと住んで、自分の生活に必死になっているうちに、もっと大きな流れに無
関心になっていたのではないかということを考えさせられました。自分の学ん
でいることの一つ一つが、将来、何か少しでも社会に貢献できるものにつなが
ればと考えているのに、今は学んでいる期間だということを言い訳にして、ど
こにいてもきちんと広くまわりのものをまなざして、考えるということを忘れ
る、というのではいけないということを感じました。

ともかく、幸か、不幸かこのような時期にアメリカに滞在している、という
ことはアメリカの様々な面を見られる時でもあると思うので、じっくりいろい
ろな人を見て、話して、自分の考えを深めていけたらいいなと思っています。
私は春学期の後、夏学期も履修して、短期間ながら集中して、じっくりと本
家の社会学を学んで帰ろうかなと考えているところです。とはいってもこの時
間の流れの速さでは、帰国まではあっというまでしょう。一日一日大切に、友
達とともに過ごせる貴重な時間をめいっぱい楽しんで意味のあるものにして帰
りたいと思います。 シャンペーンでも桜がみられるとか。外国での花見はど
のような気分のするものか、たのしみにしているところです。

それではまた次回のレポートでお会いしましょう。
ありがとうございました。

岡沢宏美さんの2003年1月分レポート

JIC会員の皆様

奨学生 岡沢宏美さんの一月分のレポートをお送りします。
岡沢さんはご自身のホームページがあるようです。
時間がありましたら、皆さん覗いてみたらいかがでしょう?

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2003年 1月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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明けましておめでとうございます。

新年を迎え、この貴重な留学生活を実り多いものにするためがんばろうと、新
たな気持ちで決心しています。そして、今、こうしてイリノイ大学で学ぶ事が
できるのも、JICの皆様をはじめとする多くの人たちのおかげであると改めて
感謝致します。

前回のレポートを書いてから、早くも3ヶ月が経ちます。
たくさんの課題に追われながらも、楽しく、充実した日々を送っています。
秋学期は言語学の授業を二つ、教育学を一つ、作文の授業を一つ取りましたが、
特に言語学の授業はすばらしいものでした。統語論の授業では課題が多く苦労
しましたが、わからない時はオフィスアワーに通い、教授に個人レッスンをし
ていただき、言語学の分野の中で苦手だった統語論が、とても面白く感じるよ
うになりました。 音声学の授業も面白く、自分の声をコンピューターで分析
したり、アラビア語、ビルマ語、ヒンディー語などの音声を聞き分け、記述す
る訓練も受けました。世界中からの教授や留学生が集う、ここイリノイ大学だ
からこそ、このような勉強ができるのだと思っています。

年が明け、秋学期の成績も出ました。なぜか日本の大学の成績より良く、驚い
ています。日本のように課題はほとんどなく、一回の試験のみでの評価という
スタイルより、多くの課題やレポートを着実にこなしていき、オフィスアワー
やスタディーグループで、教授やクラスメイトと関わりながら勉強を進める、
という授業のスタイルの方が私に合っているのだと思います。

来学期は授業数を増やし、教育分野でより応用ができる言語学を学びたいと思
い、第二言語習得、音韻論、発達心理学、スピーチコミュニケーションの授業
を取ろうと考えています。ビジネスやジャーナリズムは人気があり、取りたい
授業がなかなか取れない、という話を聞きますが、言語学の分野に限ってはほ
とんどそんなことがないのが幸運です。それに加え、写真やジュエリーの芸術
科目も取りたいと思っています。

生活面で他の奨学生と違う事は、私は学部の寮に住んでいる、という事です。
ルームメイトとも仲がよく、寮の食事もおいしく、快適な生活ですが、一つ困
るのは、休みには寮が閉まってしまうという事です。アメリカ人の学生は、試
験や授業が終わるとすぐ実家に帰り、授業が始まる前日に戻ってくる人がほと
んどです。寮が閉まる日々をどう過ごすか?というのは、私にとって大きな問
題です。

サンクスギビング中も寮を追い出されるので、どうしようかと思案していたと
ころ、ガールスカウトの友達が「うちにおいでよ」と誘ってくれて、ミシガン
のその子の家に一週間滞在させてもらいました。お父さんがミシガンから7時
間かけてシャンペーンまで迎えに来てくれて、また7時間かけてミシガンの家
に戻りました。そして、一週間後の休み明けにも、お父さんは14時間の運転を
もう一度する事になります。アメリカでは里帰りも大変です。ミシガンはイリ
ノイより寒く、11月の時点でほぼ毎日雪が降っていました。その家ではなん
と、ペットにミニチュアホースやウサギを飼っていたので、雪の中、動物と遊
んだり、買い物に行ったり、料理を手伝ったりして、アメリカの家庭のサンク
スギビングを満喫できました。親切な友人に恵まれ、貴重な経験ができ、とて
も嬉しく思います。

そして冬休みには、また寮も閉まるし、旅行するしかない、と、私はファイナ
ル直後からメキシコに行き、昨日シャンペーンに戻ったところです。カンクン、
アカプルコ、クエルナバカ、メキシコシティーと旅をしていました。カンクン
では日本では免許のいるモーターボートを乗り回し、マングローブのラグーン
を探検しました。サンゴ礁のシュノーケリングポイントに行くと、泳いでいる
海ガメと遭遇、という感動も味わいました。クリスマスは美しいカリブのビー
チで、新年はアカプルコの盛大な花火のもとで迎えました。世界に4つしかな
いガールスカウトのワールドセンターがクエルナバカという町にあるのでバス
で移動し、アメリカやカナダからのガールスカウトと一緒にキャンプをしまし
た。チェチェンイッツァとテオティワカンの遺跡にも行き、ピラミッドに登り
ました。なんだか優雅なバケーションに聞こえるかもしれませんが、実は泊ま
るところはドアがベニヤ板の一泊4ドルのバックパッカーの宿で、食事は20円
のタコス2つだったりします。

ちなみに、現在も寮は閉まりホームレスなので、寮が開く20日まで友達の家を
渡り歩く予定です。寮が閉まってしまうのは不便ですが、旅行や居候をしなけ
ればならないという立場も、面白いものです。

Web上に日記やキャンパスの写真を公開しています。よければ覗いてみて下さい。
http://sc.gaiax..com/sc/cools/maypanda

次回も楽しいイリノイでの生活レポートをお届け出来るよう、春学期も元気に
がんばります。お読みいただきありがとうございました。

大阪外国語大学
岡沢宏美

田中千絵さんの2003年1月分レポート

JIC会員の皆様

一月レポートのラストを飾るのは、田中千絵さんです。
Shermanhallを見上げるときに安堵感…という表現にシャンペーンでの
生活の楽しさを窺うことができます。
確かに私もいつもDanielsに辿り着いてはホッとしていました…。

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2003年 1月分レポート
田中 千絵
東京大学大学院教育学研究科
総合教育科学専攻
比較教育社会学コース 修士課程
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JICの皆様 遅ればせながらあけましておめでとうございます。
本年もよろしくおねがいいたします。

日本から未の絵の入った年賀状が届いて、日本の時間の流れの感覚をふいに思
い出したような気がしました。前回レポートを書いてから3ヶ月以上が経ちま
したが、その間には1年間かけても起こりえないようなことを、楽しいことも
つらいことも非常に濃縮された形で経験してきたような気がします。

この学期中にもっとも思い出に残っていてここに書き記しておきたいのは、
11月末の私自身の誕生日のことです。誕生日を迎える夜中の12時、何人かの友
達が部屋を予告なしに訪れてくれ、surprise happy birthdayをしてくれたの
です。ドアを開けた瞬間に目の前に巨大な白いくまのぬいぐるみがあらわれ、
その背後から友達の笑顔、笑顔がみえたときには、あまりの驚きと感激にパニッ
クになり、どうしていいかわかりませんでした。もちろん本当に心からいいた
かったことは、“I love you, guys all!!” そして、その週末には20人近い
友人を招いて寮の地下のゲームルームでパーティーを開き、日本食をふるまい
ました。(親子丼、肉じゃが、カレー!)みんながそれだけ集まってくれただ
けでも感激ものでしたが、アメリカ人やinternationalの友達がみんな日本食
をたのしんでくれたことが非常に心に残りました。間違いなく生涯忘れられな
い誕生日で、パーティーであふれるほどとった写真を次々と見ていくたびに同
じ感動がじんとこみあげてくる気がします。

さて、楽しい11月も終わり、12月、ファイナルの時期にはさんざん楽しい思
いをしたつけか、テストにレポートに非常に追い詰められ、一人で図書館で夜
を明かしたり(朝6時に図書館でうたたねからめざめるという経験はなんとも
いえないものです)、かと思うと、寮の友達とみんなで一緒に階下で勉強した
り(あるいは邪魔しあったり夜食を食べたり!)と、とにもかくにも友達に囲
まれつつ、忙しさと楽しさとつらさがそれぞれ濃くまじりあった、この一学期
間を象徴するような時間をすごしたように思います。

ファイナルの周辺には、知らない間に積み重なった疲労からか、冬休みには
日本に帰ろうかとだいぶ迷ったこともありましたが、結果はともかく(!)ファ
イナルやらmusicのクラスのconcert@klannert!やらを終えて、そのまま勢い
よく気の合う友達とクリスマスをN.Y、年越しをChicagoですごし、楽しく、
リラックスした時間をもつことができ、今はもう10日ほどあとに控えた春セメ
スターに向けてかなり充電ができたような気がします。しかし、White
Christmas @ N.Y も、ジャズと花火にいろどられたChicago でのHappy new
year も素敵でしたが、やはり旅行を終えてChampaignに戻り、Shermanhallを
みあげる度に感じる安堵感はなんともいえず、幸福なものです。今は友達とひ
たすらごはんを作って食べたり、IMPEでひたすら泳いだり、ここぞとばかり映
画をみたりとのんびりとすごしています。

すっかり慣れ親しんだChampaignの街、Shermanhall、一緒に暮らしているか
のように毎日会っていろいろな話をする友人達、そんなものたちと過ごす時間
がもう半分近くも過ぎてしまったかと思うとあせりと寂しさを今から感じてし
まいそうになりますが、次のセメスターも後悔のないよう、精一杯、目いっぱ
いの経験をしたいと思います。ではではまた次回のレポートでお会いしたいと
思います。 ありがとうございました。
田中 千絵