鹿山ゆかりさんの2012年11月分奨学生レポート

JICの皆様、レポートを読んでいらっしゃる皆様、こんにちは。国際基督教大学の鹿山ゆかりです。この度は第37期イリノイ小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校(UIUC)で学ぶ機会を頂くことができ、大変感謝しております。また、渡米前は大学生活・授業について多くのアドバイスを下さり、どうもありがとうございました。
今回のレポートでは授業、その他(課外活動など)、大統領選挙について書きたいと思います。

                    大学近くの住宅街にて

I.授業
UIUCでは国際関係や経営学、ダンスから音楽まで、様々な授業が用意されています。今学期は自分の専攻に囚われず、興味を持った科目を履修することに決めました。今回のレポートではその中からいくつか紹介したいと思います。

★    GLBL 220 Governance Gateway
グローバルガバナンスについての授業です。グローバル化によって新たに生じる問題は何か、またそれに対する政府や非政府機関の対応は適切であるか、不十分であるとしたらどう対処するのが適切か…そのようなことを毎回ディスカッションしています。20名程度の少人数の授業であり、毎回リーディングが課されます。
印象的だったのが移民問題に関する回のディスカッションです。いつも以上に活発に意見が飛び交い、こちらの学生の移民問題への関心の高さに驚きました。祖父母もしくは両親の世代にアメリカに渡ってきたという学生も多く、自分のアイデンティティについて、政府の政策について話してくれました。Assimilation(同化)に関しては多くの学生が「移民と言う選択をした以上、仕方ないこと」と捉えていました。また、ディスカッションの中で両親の世代がアメリカに移民してきた学生は自分のルーツについて考えるよりもアメリカの文化に馴染もうとしていること、祖父母の世代が移民してきた学生は自分のルーツに強い関心を持っていたことが興味深かったです。

★    BDAM 199 Entrepreneurship and Enterprise Development
この授業では、起業について学んでいます。マーケティングの手法から資金集めの方法など、非常に実践的な内容を学ぶことができ、満足しています。現在はチームに分かれて企業のコンサルティングを行っています。私のチームは世界中の美術館や博物館の検索、レビューの投稿・閲覧、チケットの売買ができるウエブサイトを作りたいという女性のためにビジネスプランを作成しています。
残された時間が少ないですが、仲間と協力して仕上げたいと思います。

               ビジネスの授業が行われる建物の内部の様子

★    DANC 105 Jazz I
ジャズダンスの本場はアメリカということでこの授業を履修してみました。現在は、想像していたような種類のジャズダンスではなく、コンテンポラリーに近いダンスを習っています。先生は現役のダンサーで、以前は自分のダンスカンパニーを持ち、公演をしていらしたそうです。
驚いたのが、イリノイ大の施設のすごさです。広いダンススタジオにピアノやドラムが揃っており、最近はプロのドラマーやピアニストを呼んで生演奏に合わせてダンスをする…という贅沢な時間を過ごしています。
施設だけでなく、UIUCのパフォーミングアーツを支援する制度は素晴らしいです。まず学内に衣装や小道具の専門家がおり、ダンス科や声楽科主催の公演のセットや衣装を作っています。また、ダンスの授業を取っている学生はダンス科主催の公演に2つ以上参加し、レポートを書くことが義務付けられています。ダンス専攻の上級生やプロのパフォーマンスを観ることで学生のモチベーションを上げることができ、さらにチケットの収益を増やすことでダンス科の公演がより良いものになるという一石二鳥の制度です。

II.その他
★    10 Minutes Play Festival
10 Minute Play Festivalとは、The Penny Dreadful Playersという演劇サークルによって開かれる脚本コンテストです。10分間の作品を役者が演じ、部門ごとに一番観客から人気のあったものが表彰される…と言うものでした。私はコメディ部門の”C.R.A.P. Exam”という、とある試験の会場を舞台にした作品に出演しました。残念ながら賞に入ることはできませんでしたが、仲間との楽しいリハーサルなど、良い経験となりました。
このサークルは今年で20周年を迎えたようで、コンテストにはもちろん、打ち上げのパーティーにもたくさんのOB・OGが参加していました。様々なバックグラウンドを持った人と話をすることができ、改めてUIUCの良さを実感しました。

★    フットボール
こちらでは大学スポーツが大きな話題の一つです。フットボールは中でも大人気のようです。私が観に行った試合は、イリノイ大学対ペンシルベニア州立大学というホームゲーム。スタジアムはイリノイ大学のカラーである青とオレンジに染まり大盛り上がりでした。
…しかし、残念なことにその日のイリノイ大チームはあまり調子が良くなかったようで、試合の中盤で相手チームとの間にかなりの差をついていました。
驚いたことに、こちらの人たちは負けと分かるとすぐに帰宅してしまうようです。2時間もしないうちに、満員に近かったスタジアムの人数が半分以下になっていました。一緒に行った知人曰く「いつもなら皆もっと早くに帰りだす」そうです。
試合途中で帰った人は家に戻るというわけではなく、スタジアムの周りでテントを張ってバーベキューをするようです。スタジアムから出ると、多くの人たちの楽しそうな姿を見かけました。

              青とオレンジに染まり大盛り上がりのスタジアム

III.大統領選挙
4年に一度の大統領選挙。こちらに住む人たちの関心の高さを日々感じています。例えば、食堂で毎朝聴こえてくるラジオには必ず選挙の話題が出てきますし、先日はユニオンでは大統領のディベート(テレビで放映されるもの)を鑑賞するイベントが開かれていました。授業でも教授が選挙には行ったかどうか、どちらが勝つと思うかなど、学生によく質問しています。

                     投票を推奨するポスター

ただ、大統領の演説や選挙関連のイベントが近くでないからか、日本でイメージしていたような大きな盛り上がりはこちらでは特にはありません。投票日はどのような雰囲気なのか、今からワクワクしています。

(追記:11月10日、大統領選挙当日のこと)
大統領選挙当日も特に学内の雰囲気に変化はありませんでしたが、街で多くの人が選挙に関して話をしているのを耳にしました。また、寮のラウンジなどが投票所となっており、多くの学生が並んでいました。

                     投票に並ぶ学生達

夜の選挙結果の中継は、私は寮の一室で友人たちと見ていました。部屋には何人もの学生が集まっており、大統領選挙に対する関心の高さを感じました。オバマ勝利の瞬間の盛り上がりは今でも忘れることができません(と同時に肩を落としていた学生も何人かいましたが)。夜、部屋に戻ると「Obama~!」と外で何人もの学生が叫んでいるのを耳にしました。

簡単ではありますが、以上で10月分のレポートとさせていただきます。残りの留学生活も楽しみながら様々なことにチャレンジしていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

2012年11月10日                                               鹿山ゆかり