織田健嗣さんの2013年11月分奨学生レポート

第一回レポート

JICの皆様いつもお世話になっております。
慶応義塾大学理工学部物理情報工学科3年の織田健嗣と申します。

私は少し早めにこちらについたので、すでに2か月が経過しております。今回は

1. 留学の目的と目標
2. UIUCの生活
3. 授業
4. 課外活動

の4つに重点を当ててご報告したいと思います。
またこれからイリノイ大学に留学する人達も参考になるような情報を盛り込んだつもりです。
また米国大使館ブログでも留学生体験記として投稿しているので、
http://blog.livedoor.jp/educationusa/tag/%E2%80%9DKen%E2%80%9D
ご覧になっていただけると嬉しいです。

1. 留学の目的と目標
(1) 国際的価値観を身に着ける
(2) 異なった教育システムでの様々な学問に触れる
(3) ネットワークをつくる
(4) コミュニケーション能力の向上
の四つです。

(1) 文章で読んだりする情報ではわからない部分も多いと思うので、様々な文化の違いを実際に交流する事で学ぶということです。そして違う文化の良い面は積極的に自分に取り入れていこうと思います。
(2)アメリカのディスカッションのような授業、それ以外にも日本では受けることができないような授業に触れることです。
(3)大学院留学も視野に入れているので、教授とのコネクションを作ります。UIUCの優秀な学生とも切磋琢磨し、将来関わっていけるように繋がりを保ちます。
(4)コミュニケーション能力を国際レベルでも使えるように向上させる。

2. UIUCの生活

・寮生活
寮は3年前あたりにできたばかりのNugentという寮にアメリカ人のルームメイトと2人で生活しています。非常にきれいで部屋も普通の寮の部屋の2倍は大きいです。パーティや騒音で有名な通称6packというエリアのうちの一つです。今のところうるさいですが、耐えられるレベルではあります。しかしそれ以上に社交的な雰囲気なので楽しいです

<着いたばかりのころの写真です。寮にしてはきれいだとおもいます。そして広いです。>
<着いたばかりのころの写真です。寮にしてはきれいだとおもいます。そして広いです。>

・食事
ミールプランをとっているので近くのIkenberry common hallのダイニングホールで基本的に食事をとっています。おいしいことで有名なのですが、それでも大体メニューは同じで毎昼食はハンバーガーを食べているので飽きています。時々日本食は恋しくなるので炊飯器でお米を炊いておにぎりを作ったりしています。

・友人
基本的にはついた初めの時期が一番友達が作りやすい時期だと思うので、その時期に頑張るといいと思います。
(クラスメイト)
大教室では難しいですが、ディスカッションやプロジェクトがある授業だとできやすいです。主にクリエイティビティのクラスでできた友達と仲良が良いです。
(寮友達)
寮も場所によって雰囲気が大きく異なるのですが、6packはうるさいですが、社交的なところでもあるので友達ができやすいです。一緒に飲みに行ったり、食事に行ったりなどをする友達ができやすいです。
(クラブ友達)
詳しくは後述しますが、クラブに所属すると友達は増えます。当たり前ですが、同じ趣味や興味を持つ者同士だと打ち解けやすいということがあると思います。
(その他)
日本よりもアメリカの人はオープンなので、全く知らない赤の他人でも話しかけると友達になれます。日本でいうナンパのようなものですが、イベントに参加したときに知らない人に声をかけて友達を作るというのも普通みたいです。積極的にイベントに参加するとできやすいと思います。また友達の友達としてどんどん広がっていきます。

<Illini Unionで毎月あるIllinightというイベントで友達ができました!後ろのは像ですが笑>
<Illini Unionで毎月あるIllinightというイベントで友達ができました!後ろのは像ですが笑>

3. 授業
Fall semesterで取っている授業を<学部名:講義名>の形式で説明します。
<Art history 111: Ancient to Medieval Art>
古代から中世までの芸術の歴史を学ぶ授業で、レクチャー形式が週3回、ディスカッションが週1回のクラスです。100番台ですが、Ratemyprofessorという授業や教授の口コミを書くウェブサイトでの評価で、「教授はすごく早口で、わかりづらく授業は大変」と書いてあったとおりに、教授が早口で聞き取るのが大変です。笑 100番台にしては宿題なども多いと思います。ディスカッションのクラスも事前に準備することができないので、参加するのが難しく英語の壁を感じています。ディスカッションに参加できなかった分の救済処置を出してもらえるように交渉中です。
内容自体は非常に面白く、美術が好きな私にとってはためになります。コロッセウムは外側だけ大理石で、中はコンクリートで作られているとか、ローマ彫刻で裸足だった場合それは神をあらわすなどの知識を学んでいます。他にも作品の見方なども学んだりしています。例えば、なぜ横長なのか? それは作品の中の動きの流れをより表現するためであるとか、材料が石灰岩だから絵画のように濃淡をつけることができなかったために、人物を立体的に表現するのがうまくいかず人物横向きになっているなど、材料、形、時代などをもとに作品を見るという視点は私にとって新しいものでした。

<Engineering 360: Lecture in Engineering Entrepreneurship>
エンジニア出身で起業に至った、主にUIUC卒業生の方たちが自分の経験から学んだ起業のコツや経営の仕方などに関してプレゼンしてくれる授業です。大教室の授業ですが生徒はたくさん質問をしています。また会社を今持っている人がクラスの3割くらいいるというのを知ったのは驚きました。日本ではあまり周りの友達が会社をもっているというのは聞かないので、アメリカと日本との起業に関する考え方や環境の違いも感じました。

<Engineering 333: Creativity, Innovation, Vision>
最も面白く、充実した授業です。クリエイティビティはスティーブジョブスなどの天才がもともと持っている才能のように思われがちですが、生まれつきのクリエイティビティの天才はいません。クリエイティブになるための方法が存在し、それを科学的に研究している教授による授業です。クリエイティビティのはじめの段階では情報収集が非常に重要です。ですから常に好奇心をもってアンテナを張って、何か気になること、少しでもアイディアが浮かんだらメモをとるという習慣をつけることが大事です。これは授業の大事なDaily workの一つです。また、クリエイティビティは一人の天才が考え込んでいるときに、ハッと思いつくと思われがちですが、実際は他人との協力の賜物です。ですから他人と協力して情報交換していくこと、またその情報交換方法も非常に重要になります。
また個人的な研究としては脳とクリエイティビティの関係について行っております。この授業はプレゼンテーションやディスカッションも多く、また事前に準備することで参加することができ、グループで進行していくので友達もできやすく楽しい授業です。

<Business administration 199: Entrepreneurship and Enterprise Development>
授業は日本の授業のように主に教授の話を聞くという形です。経済の専門用語などが多く使われるので聞き取るのが大変でしが、最近やっと理解できるようになりついていけるようになりました。この授業も事前準備をすることができないディスカッションが授業の中であるので、それについていくのは非常に大変です。
起業プロジェクトではAugmented realityと言って「現実世界とデジタルの世界を一つにする」というようなことを目指す商品開発をしています。例えば教科書の恐竜の図をスマートフォンで読み込むと、恐竜が実際にどのように動いている様子を画面で見られる。Google glassのように特殊な眼鏡をつけ、レストランに行くと壁にメニューが自動的に表示され選択できるようにするなどです。Augmented realityの世界的権威がイリノイ大学にいるので、その教授と協力しながら、僕たちはビジネスの手助けをするという形で行っています。

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<ビジネスの建物です。すごいきれいです。>

<Industrial Engineering 300: Analysis of Data >
確率の授業です。MSFE(Master of Science Financial Engineering)というUIUCの大学院に興味があったので、とってみたのですが、あまりにも内容が簡単で友達に聞くと簡単なことで有名で、教科書を見ても今後も難しくなる傾向がみられないので、ドロップしました。その代わりに課外活動や研究室訪問などに力を入れようと決めました。

4. 課外活動

(クラブ活動)
・テニスクラブ
Quad dayという日本の新入生歓迎会のような、ほとんどすべての団体がQuadという広場に集まって新入生を呼び込むというイベントがあります。そこでテニスクラブは一つしかなかったので、そこに申し込みました。テニスチームは3つのレベルに分かれていて、一番上はTraveling teamという20人だけの全米を他の大学と試合をしに飛び回るチーム、二番目はInterclub teamという50人くらいで学校内での試合などをするチーム、3番目はOpen courtという600人くらいいるらしい自由に練習するチームと分かれています。上の二つはしっかりと練習日が決まっていてチームとして活動しているのでTryoutがありました。私はInterclubにチームに入っています。私は日本ではすごくうまいレベルではないのですが、アメリカはあまりテニスのレベルが高くないのでこちらでは高いレベルに入ります。週2日で練習があり冬はインドアを借りて練習するのですが、あまり練習の質がよくないので、もっぱらそのクラブでできた自分と同じくらいのレベルの人と練習をするのを重視しています。

バイブルスタディ
 もともと哲学的な考え方や、宗教が好きで興味があったのでキリスト教を学んでみようと思い入りました。週2日で、スモールグループで聖書の研究、日曜日に礼拝、土曜日は初心者向けの聖書の学習というのがあるので、全部行くと結構大変です。私は礼拝と週1日くらいでは聖書の研究に行き、暇があれば土曜日も行くという風に行っております。
 日本では宗教というだけで眉間にしわを寄せるような人がたくさんいますが、世界的に見ると宗教の知識がなさすぎるというのは問題だと思います。確かにカルト宗教のようにいかがわしいものも多いですが、宗教は「人々がより良い人生を送るために先人たちが長い年月をかけて作り上げた哲学である」と私は思います。私はいかがわしいところ、理解できないところもたくさんあるので、全てを信じようとは全く思っていませんが、いくつかの納得できる良い考えは自分の中に取り入れることができると思っています。実際クリスチャンの人達は皆、一般的な人と比べていい人で、人当たりの良い人達である印象を受けます。それは彼らが「愛」を他人に与えることでキリストの存在を教えることができると信じているからです。キリスト教を信じていなくても、「愛」を他人に与えるというようなことは学び取れる一面だと思いますし、自分がよりよい人間になるためにはよいことだと思います。
 しかしキリストの誕生や神が世界を作ったなどに関しては、理系の考え方で猛反論しています笑 あまりにも疑問があったので、レポートとして疑問について書いてそれをクリスチャンとシェアしているほどです。キリスト教にものすごく詳しいが、クリスチャンではないという教授もいるので、私もおそらくキリスト教に詳しいノンクリスチャンとなる気がします。

(Student Sustainability Committee)
 クリエイティビティの授業の友達が110万ドル以上を運営するStudent Sustainability Committeeという団体のFood wasteでリーダーをやっているということで、その団体の一員として所属しています。私は食べ残しに関してのプレゼンを授業の中でして、またそれに関する解決策を考えていることもその友達に話していたので、これらのことがプロジェクトの中で役に立っていくと思います。まだ本格的に始動していないのですが、自分達で計画を練り、それを現実に実現させる活動なので非常にワクワクしています。

(Japanese food party)
 中沢が詳しく書いていると思うので重複しないよう控えますが、このイベントでは小峰会長、JICの先輩方から「日本をUIUCに知らせて来い!」という使命を果たすのに良い役割を果たせたのではないかと思います。
私は日本文化に関するプレゼンテーションを日本から持ってきた浴衣を着ながら行いました。大勢の人の前でプレゼンをする機会はなかなか得るのは貴重なので、この機会は非常に自分にとって良かったです。プレゼンは笑いも多くとれて成功したと思います。
アメリカはイベントに寛容なところもあってこのイベントはスタッフの方とも協力して行えることになり、部屋の予約を手伝ってもらったり、次回は100ドル以上を寄付してもらえたりすることなども決まりました。

(その他)
週二回ARCというものすごく大きいジムに通い体を鍛えております。テニスなどのスポーツにもつながりますし、健康にも気を使えるので重宝しています。
また4月に開催される予定のイリノイフルマラソンに参加する予定なので、今から準備して週二回は走るようにしております。

週2回ジム、ジョギング、テニス、週4回バイブルスタディ、そして普段の勉強、友達との遊びなど、毎日2つくらいは予定があるというくらい忙しくそして本当に充実した生活を送っています。
時間管理能力や自己管理能力も向上していると感じています。これから先も「初心忘るべからず」の精神ではじめにたてた目標を見失わず、精進していくので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

第38期小山八郎記念奨学生 織田健嗣