中沢亮太さんの2014年4月分の奨学生レポート

こんにちは、中沢亮太です。例年以上に厳しい冬も4月上旬頃に終わりを告げ、シャンペーンにもようやく暖かい春が訪れました。日本のように花粉も飛んでおらず、最近は気持ちの良い天候に喜びを噛みしめる毎日です(笑) さて、今回のレポートでは、1月後半~4月前半を振り返り、下記3点について書いていきたいと思います。

1.Spring Semester 授業

2.Spring Break

3.イベント・課外活動

 

1.Spring Semester 授業 今学期は下記4授業14単位を履修することにしました。少し背伸びをして、単位数や難易度を先学期より高めに設定しました。

(1) Statistical Analysis (Statistics 200, 3 credits)

(2) Creativity, Innovation, Vision (Engineering 333/598, 4 credits)

(3) Organizational Psychology (Psychology 455,  3 credits)

(4) Sustainable Technology: Environmental and Social Impacts of Innovations (Engineering / Technology Entrepreneurship 498, 4 credits)

 

(1) Statistical Analysis (Statistics 200, 3 credits)

統計ソフトRを用いて多くの問題にふれながら、統計学の基本的な考え方の理解を目指す授業です。履修理由としては、①帰国後の卒業論文に備え統計の基礎を改めて身につけておきたいと思ったこと ②最近、ビッグデータやグロースハッキングなどの手法が注目されているので、これらを正しく活用するために統計リテラシーを身につけたいと思ったこと ③以前、IT企業で働いていた際、ビジネスにおける統計分析の強力さを痛感したこと、の3点です。 余談ですが(そして乱暴な括り方であることは承知していますが)、アメリカ人の大学生は比較的数学が苦手な人が多いな、ということを本授業で実感しています。数学に関してトップレベルの学生は、中国人、インド人などのアジアからの学生が大半です。以前から耳にしていたことではありますが、こうした違いを目の当たりにすると面白いなと思います。

(2) Creativity, Innovation, Vision (Engineering 333/598, 4 credits)

Creativityを向上させるために様々なワークショップやチームプロジェクトに取り組んでいく、学部生・院生混合の授業です。同期奨学生の織田君に勧められたのが履修のきっかけです。これまでに色々と面白い取り組みをやってきたので、いくつか紹介させて頂きます。

・PCA (Personal Creativity Archive)

ダヴィンチをはじめ偉業を成し遂げた人物の多くは、日々のあらゆる気づきをメモに残していたそうです。そのメモ書きの威力を体感しよう、という目的で、授業内外での気づき・観察・実験・体験等を日々記録し続ける、という宿題が課されています。私は、日々の気付きをメモする他に、夢日記をつけて夢の中の行動をコントロールする実験を実行中です。

・Biomimicry

Biomimicryとは、生物・植物の形や機能を真似して製品をデザインする手法を指します。例としては、蚊の口をモデルにした「痛くない注射針」、くっつきむし(オナモミの実)から着想を得た「マジックテープ」などが挙げられます。 このBiomimicryを用いて、自然を観察 → ブレインストーミング → Juxtaposition(アイデアを組み合わせる手法) → 候補を決定 → プロトタイプ作成 という手順を踏み、何か新しい物を作成するというプロジェクトに取り組みました。私たちのチームでは、ハリネズミの針の構造をモデルにしてiPhoneケースを作成しました。ハリネズミの針には、敵から身を守るだけでなく、高い場所から落ちたところときに衝撃を吸収するという役割もあるそうです。以前、スマートフォンを落として壊れてしまったというメンバーがこのアイデアを提案し、3Dプリンターを利用してプロトタイプを作成しました。

・Diversityプロジェクト

イリノイ大学ではキャンパスのDiversity(多様性)が最も重要の価値観の一つとして掲げられています。このDiversityは、授業内の活動では機能しており様々な観点から学生が意見を出し合い議論が白熱するのですが、一方で授業外ではあまり機能しておらず自分と似たバックグランドの学生同士でかたまりがちであるのが実情です。 この問題の原因は、言語・コミュニティー・コンフォートゾーン等、色々挙げることができるのですが、私のチームは「異文化の友達をつくる機会」に注目し、異文化交流イベントを開催することにしました。理由は、イベント開催は、本授業が終わるまでに実現可能、かつ比較的インパクトが大きい施策だからです。 私のチームは幸いなことに既に多様なメンバーなので(アメリカ人、インド人、ブラジル人、中国人、私)、まずは各々が友人を誘って小規模なものをテスト的に開催します。イベント開催後、そのインパクトやコスト、改善点等を明らかにした上でマニュアルを作成し、異文化交流の団体を発足、もしくはマニュアルを他団体に渡す予定です。

本授業では、他にも、キャンパス内にあるKrannert Art Museumで絵や美術品を鑑賞して気づいたこと・感じたことをクラスメートと議論し合ったり、即席でチームを作ってMarshmallow Challenge(http://marshmallowchallenge.com/Welcome.html)というワークショップを行ったりしました。チームメイトとの議論では、優秀な学生を前にして自信が砕かれたり、言語や文化の壁で正確に思いが伝えられず、歯痒い思いをしたりすることが多いですが、留学当初よりもそうした困難を楽しめるようになってきました。それに伴い、クラスやチームへの貢献度も徐々に上がってきていると思うので、この調子で打たれ強さを鍛えていきたいと思います。

(3) Organizational Psychology (Psychology 455,  3 credits)

先学期に受講していたIndustrial Organizational Psychology (PSYC 245)の発展編授業です。もともとこの分野の心理学に関心があり、先学期の授業も面白かったことから、発展編の履修を決めました。 これまでに、Job Performance、Organizational Citizenship Behavior、Job Satisfaction、Leadershipなど職場における心理学の活用について学びました。授業内容はPSYC245と重なる部分も多くあまり難しくないのですが、学部生・院生混合の授業なので比較的重い課題に苦しんでいます。

(4) Sustainable Technology: Environmental and Social Impacts of Innovations (Engineering / Technology Entrepreneurship 498, 4 credits)

E-wasteを中心に現在の環境問題を整理・把握し、解決策を一緒に議論していこう、という内容の授業です。15名ほどの少数クラスなのですが、Sustainable Technology, Business界隈で著名な方が外部から招かれて講師をしてくださることが多く、とても贅沢な授業です。以前から、ビジネスの切り口で環境問題を解決することに興味をもっていたので履修を決めました。こちらも学部生・院生混合の授業なので、毎週の課題の読書量・レポート量が多いです。これらルーティーン課題に加えて、環境問題を解決するようなビジネスプランの発表が最終課題として設定されています。 この最終課題に関しては、アイデアを提案してプロジェクトのリーダーになりました。現在、アメリカ人院生2人・学部生2人とチームを組んでいます。内容は、環境に良い電化製品に特化したECサイト立ち上げです。近年、電化製品(特に、パソコンやスマートフォン)の消費が急増するとともに、E-wasteやConflict Mineral(アフリカなどで紛争の資金源となる鉱物)が大きな問題になっています。これを解決するために、環境に負荷が掛かりにくいようデザインされている電化製品の情報をまとめて紹介・代理販売するウェブサイトを作ることにしました。

ECサイトのプロトタイプ
ECサイトのプロトタイプ

私は、プロジェクトマネジメントとウェブサイト制作を主に担当し、他のメンバーにはコンテンツ制作や商品選定、法律・環境についてのリサーチを任せています。Socialfuseというビジネスアイデアをシェアするイベントで2分間のエレベーターピッチを行い、授業外からも環境問題に関心のある学生が参加してくれることになりました。もう留学生活も残りわずかですが、それまでにメンバーの誰かに引き継げる状態にできれば、と考えています。

2.Spring Break

3月22~30日の春休みは、シカゴ郊外に住むベトナム系アメリカ人の家族のところに、中国人・韓国人の友達とともに宿泊させて頂きました。

友人宅にて。一番右が私です。
友人宅にて。一番右が私です。

アメリカのネイルサロン・美容系の店はベトナム系移民の影響力が大きい、という話を知人から聞いたことがあったのですが、その友人の家族もネイルサロンを経営していました。アメリカにおける、こうした人種・国籍・文化等からくる職業・ビジネスの違いは興味深いです。友人宅では、本場ベトナムに勝るとも劣らないフォーを頂いたり(実際、ベトナムを旅行した時に食べたものより美味しかったです)、アメリカ式のBBQをご馳走になったりしました。 アメリカでは、友人や先輩、知人からご紹介頂いた方等、本当に色々な方にお世話になりました。彼らが東京オリンピック等で日本を訪れる際は、最大限のおもてなしをしたいと考えています。この夏休みにも10人ほどの友人が日本旅行をするそうなので、彼らを案内するのが今からとても楽しみです。

3.イベント・課外活動

・TEDxUIUC

“Ideas worth spreading”をテーマにしたTEDというプレゼンテーションのイベントが開催されました。下記URLは、当日行われたプレゼンテーションの動画リストです。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLsRNoUx8w3rPFxTYTNfuLbVoZzQI2Xt3a

TEDは留学前に毎日と言って良いほどオンラインで頻繁に見ていたのですが、観客として参加する機会を得たのは初めてでした。英語リスニング強化の一環としてTEDを見ていた頃と比べ、はるかにスムーズに言葉を理解してプレゼンを楽しんでいる自分に気づき、少し感激しました(笑) 先日車椅子バスケットボールの創始者であるDr. Nugentにインタビューをさせて頂いたということもあり、私は車椅子レーサーのJean Driscollさんの話が一番印象に残りました。是非、下記URLより聞いてみてください。 https://www.youtube.com/watch?v=OPXymHaN67A&index=12&list=PLsRNoUx8w3rPFxTYTNfuLbVoZzQI2Xt3a

・Unofficial St. Patrick’s Day

多くの学生が緑の衣装を身にまとい、朝から翌朝までお酒を飲みまくるUIUC独自のイベントです。学外からの参加者も多く、キャンパスの治安が1年で最も悪くなる日とも言われています。シャンペーンは田舎ですがバーやクラブは充実しており、アメリカにある大学のナイトライフランキングでは常に上位である程らしいです。 当日はバーが立ち並ぶGreen Streetが緑一色、夜遅くまで多くの人が通りを歩き、異様な雰囲気でした。私は、羽目を外しすぎず、友人宅のパーティー等で適度にお酒を飲みました(笑)

Canopyというクラブにて。大勢の若者で賑わっています。
Canopyというクラブにて。大勢の若者で賑わっています。

・Cooking Party

大規模パーティーは準備が大変な割に、①知り合い同士でかたまってしまう ②知り合いでかたまらなかったとしても時間的に一人一人とゆっくり話すことができない という問題があり、結果としてパーティーの後も長く続く新しい関係を築くのは難しいと気づきました。(少なくとも、僕の性格には合わないと気づきました) そのため最近では、友達同士の紹介ベースで参加者を募り、小規模の料理パーティーを定期的に開催しています。友達の輪が広がるのはもちろんのこと、お互いの国の料理を通じて文化を理解したり、腹を割って際どい問題を議論したりする良い機会となっています。

 

第3回レポートは以上です。こちらでの生活も残すところ約1ヶ月となりました。毎日の生活が充実しており、日本を恋しく思う気持ちより、もっとアメリカに滞在したいという気持ちの方が強いですが、くよくよせずに残された僅かな時間を有効活用したいと思います。皆様、引き続きご指導ご支援の程よろしくお願い致します。

2014年4月19日(土)@ Sherman Hall 第38期小山八郎記念奨学生 中沢亮太