野村友香さんの2015年9月分奨学生レポート

Japan Illini Clubの皆様、こんにちは。第40期奨学生、東京大学薬学部3年の野村友香です。今まで留学応募段階から実際に留学を始めるまでJICのホームページ上のレポートをたくさん読んで留学に対するイメージを膨らませてきたので、いよいよ自分が書く番が来たかと思うととても嬉しいのと同時についに留学記を公表する側になったのだ…!と身が引き締まる思いがします。最近のイリノイの気候は日差しが暖かく、非常に過ごしやすいです。こうした心地よい気候がもうすぐ終わってしまって極寒の冬がやってくるということが未だに信じられていません。

 

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Altgeld Hall。青空がとてもきれいです。

 

第一回レポートでは到着~9月末までの出来事をお伝えします。留学の目的等含めた自己紹介はCOUNTDOWNサイト(リンク)の方に掲載するのでここでは割愛させていただきます。

 

  1. 授業

 

アメリカの授業を数週間受けて感じたことは、やはり宿題の量が多いということです。アメリカの学生は日本の学生に比べてよく勉強するというのは普段聞く話ですが、彼らは就職や大学院進学の際にGPAが重視されるということと、日々の宿題の量が多いので結果的に勉強せざるを得ない状況にいるというだけだと思います。日本でもよく勉強する人はするので、どのような環境にいても自分の意識で行動を決めることが大事だと感じました(自戒…)。

また、評価基準がはっきりと提示されていて分かりやすいということも感じました。中間、期末に加えて日々の宿題とエッセイなど評価項目がたくさんあり、その一つ一つの評価方法と点数配分も公表されています。例えばエッセイだったら、Introにはこれとこれを含めなさい、Bodyに書く内容はこれとこれですよ、採点者はここをポイントとして見ますよ、という評価シートが授業中に配られました。このポイント全てを押さえればいい評価が得られる(はず)なので、英語に苦労することはあったものの慣れない分野のレポートでもこの評価リストに従ってなんとか書き上げることができました。レポートを書く際は、完成したら図書館のWriter’s Workshopに行き、見てもらっています。予約が必要なのですが、50分で文法や含めるべき内容のチェックなどを一緒にしてくれるので利用しています。その後指摘された点を直した後に、寮の友達にチェックしてもらいました。自分では気づけない箇所を教えてくれるのでとても助かっています。

 

以下、今学期の授業を紹介します。

<MCB316 Genetics & Disease>

週3回のLecture+週1回のDiscussionという構成になっています。遺伝子が関わる病気のメカニズムについて学び、特に今重点的に勉強しているのは性染色体が絡む疾患についてです。自分の専門にも関わるだろうし、しっかりと勉強したことがなかったので履修を決めました。毎週Problem Setといって15問くらいの宿題が出るのですが、締め切り前日にはTAの方が質問に答えてくれるHelp Sessionが開かれるのでいつも頼っています。そこで同じように質問に来た学生に教えたり教えてもらったりもしています。

<CMN101 Public Speaking>

過去の奨学生の多くの方々がとっていた授業で評判がよかったため、履修しました。日本ではあまり見かけない題材の授業内容で、スピーチにおける話し方はもちろんのこと題材の選び方・観客にどう効果的に伝えるかということを学びます。学期中に5回のスピーチをすることになっています。私以外は全員ネイティブで苦労することの方が多いですが、その分彼らの話から学ぶことも多いです。授業中に5人ほどのグループで話し合うときに会話が早すぎてついていけないことが多々あるので、グループの話し合いでどう存在感を出すかということが毎回の授業の課題です。

<PS 225    Environmental Politics &Policy>

親の実家が山の中にあり自然保護に関しては強い興味を持っていたことと、以前大学のゼミで野生動物について勉強したときに興味深い内容だったことから履修を決めました。環境と社会、政治、経済の関わりをアメリカのあらゆる地域を例にして学んでいます。題材は幅広く、イリノイ州での環境保護から国立公園の存続、また国立公園での人種による活動の違いなど毎回のテーマが興味深いものです。わりと広い教室での授業ですが、活発に意見や質問が飛び交っていています。9月末にはインディアナ州へのField Tripが予定されているので楽しみです。

<MCB 290 Undergraduate Research>

これは授業というよりは自分の活動の一つのとして捉えています。イリノイ大学の教養学部の中でもMolecular & Cellular Biologyという専攻の研究室で学部生のリサーチアシスタントとして研究室メンバーに入れていただきました。毎週金曜日にはラボミーティングがあるのですが、背景知識が乏しいことから毎回理解に苦しんでいます。

日本では学部生が研究室に所属することがカリキュラムとして一般的ですが(私の学部では4年になるときに研究室配属がある)、アメリカでは学部生に関してはそうではありません。アメリカの学生は今後推薦状を書いてもらうために教授とコネを作るため+研究の経験を積むために、学部生は自分で申し込んでリサーチアシスタントをする人が多いそうです。こうしたことから、どの研究室にも3〜5名程の学部生がいますし、その競争率はとても高いです。実際、私も多くの研究室に断られて途中で心が折れそうになりましたが、研究室に入ることはこちらに来てやりたいことの一つだったので諦めずにあらゆる教授にメールを送り面接も乗り越え、なんとか受け入れてくださる研究室を見つけることができました。

また、入ってから気付いたのですが、私が入った研究室は教授が韓国人だからなのか研究室メンバーはほとんどが韓国人です。現地の友達から聞いた話によると研究室は同じ国の人を集める傾向にあり、中国系やインド系研究室なるものも存在するそうです。

<MUS 180 Piano>

こちらは単なる趣味です。1週間に30分のピアノレッスンを大学院生から受けています。レッスンのあとはいつも晴れやかな気持ちになるので1週間の中でもこの30分はすごく好きな時間です。以前12年間くらいピアノを続けていたのですがしばらく弾いていなかったことからなんとなく再開したくなり、これはいい機会だと思いオーディションを受けました。実際のところ忙しくてあまり練習せずにレッスンに通っている状況なので、もう少し練習の時間を確保しなければ…とこれを書きながら反省しています。

 

  1. 暮らしについて

 

寮はIllini Towerという16階建ての大きな建物に住んでいます。授業の教室まで徒歩5分、かなり広い個室、窓からのいい景色という素晴らしい部屋で本当に快適に暮らしています。食事は寮の1階にあるダイニングホールでとることが多いのですが、毎日メニューがほとんど変わらず、変わったとしても全く期待できる味ではないのでもう諦めています。こちらに来て舌の許容範囲が広くなったというか、あまりおいしいまずいということを考えなくなり、それなりに食べられればいいやというような楽観的な舌になってしまいました。

 

Illini Towerではメールで奨学金の申込みをしていたのですが長い間返事がなく、いよいよ振込の時期になっても返事が来なかったためどうなっているのかとオフィスに直接聞きにいきました。また、この寮はとても寮費が高いので通常の値段だったら払うことができないため、「もし奨学金をもらえないならこの寮を出て他のところに移る」とまで主張したところ「あ、君のメールは読んでるよ。今から奨学金対象者を決める会議をするから1時間ほど待ってくれ!」と言われ、1時間後には「奨学金獲得おめでとう!!!」と祝福されるという何とも謎な展開でした。結果として今はリーズナブルにいい寮に住めているので大満足なのですが、こういった一悶着が到着後すぐにあったため来てから1週間ほどはわりと精神的に疲れていました。疑問や不満があれば直接出向いて話すことの大事さを学びました。

 

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Illini Tower外観。

 

イリノイに来る前は、本当に田舎でとうもろこししかないよ、と多くの人から言われていたのでとうもろこしを受け入れる覚悟はしていたのですが、大学内で過ごす分にはそれほど田舎を感じることはありません。むしろ徒歩圏内で生活のほぼすべてが揃うので(Walgreenというドラッグストアのようなところまで徒歩3分、CountyMarketというスーパーまで徒歩5分)便利だとさえ感じるほどです。ただ、キャンパスから少し車を走らせると本当にとうもろこしだけが広がっている世界で、ああ私は田舎にいたのだと気付きました。先日、星を観に出掛けたのですが、この広いとうもろこし畑の中にただ寝転んで星空を見上げてぼーっとするというのは都会では体験できない最高の時間でした。

シカゴに行ったときは久しぶりに高層ビルを見て都会を新鮮な気分を味わいました。普段は大学内でしか過ごさないので目にするのはランニングパンツ+Tシャツ+リュックの姿がほとんどですが、シカゴでは洗練された都会の様子を感じ、東京を懐かしく思い出しました。そして時々でいいからこうした都会の雰囲気に触れたいとも思いました。

 

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シカゴのミレニアムパークにて。

 

  1. こちらに来て思ったこと・最近考えていること

 

まずアメリカに来て生きていく上で大切だと思ったことは、

・直接人に会って交渉すること

・事実をうまく、自分にプラスになるように表現すること

です。到着して1週間の間に寮の人や研究室の人と話す中でこういったことを感じました。特に後者は、研究室に受け入れてほしいと頼む際に謙遜気味な姿勢で臨んで何回か失敗し、原因を探していた中で気付いたことです。広く言えばアピール能力なのですが、そういったものが自分には本当に足りないと日々の授業でも感じているのでこの一面をどう変えていくかが今後の課題の一つです。

 

1日をどう過ごすか。1週間をどう過ごすか。1ヶ月をどう過ごすか10ヶ月をどう過ごすか。留学期間10ヶ月は1日の積み重ねであって、今日という1日は10ヶ月のうちどれくらいの価値があったのか?

こういったことをときどき考えては答えが出ないと思って考えることをやめて、を繰り返しています。思ったよりも時が過ぎるのは早く、英語もそれ以外も自分が思ったほど成長速度は速くないのではないかと心配になることも多くあります。当たり前なのですが日本にいてもアメリカにいてもそれほど人間は変わらないことに気付いたので(怠惰であることとか朝早く起きれないだとか)、そういったマイナス要素をどれだけ意識してプラスに変えていけるかということもこれからの課題です。東京で一人暮らしを始めたときに予想以上に一人で自分について考える時間が増えたと感じたときの感覚に少し似ていますが、この機会にとことん自分と向き合って今後の進路なども考えていきたいです。

 

後半はとりとめもないことを書いてしまいましたが、総じてアメリカでの生活を楽しんでいます。イリノイ大学の環境が大好きで、特にこの時期の昼間はやわらかい日差しの中でのんびりした雰囲気を感じながら散歩をし、一つ一つの建物の美しさに注目したり、リスの行動を観察する時間は至高です。はとはいってもまだまだやるべきこと・やりたいことはあるのに手が出せていない現状なので焦らずとも程よく焦りながら、たくさんチャレンジしていこうと思います。

 

最後になりましたがこうした貴重なチャンスを与えてくださったJIC の皆さまに本当に感謝しています。また快く送り出してくれた家族にも心からの感謝を述べて第一回のレポートを終わろうと思います。読んでいただきありがとうございました。

 

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初めて見たフットボールの試合。カレッジスポーツの枠を超えてビジネス化されていることに驚きました。