高濱萌子さんの2016年7月分奨学生レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。第40期奨学生の高濱萌子です。第40期生として綴る最後のレポートとなりました。

写真1 日没後

(写真1 日没後のシャンペーン)

 

本レポートは、

  1. 春学期の授業
  2. 課外活動について
  3. 留学全体のまとめ

について書かせていただきます。

 

  1. 春学期の授業

UP204 Chicago: Planning and Urban Life 授業形態Lecture50min×2, Lab50min×1

 授業以外には期末テストとfinal projectの課題がありました。Final projectのテーマは、「地図アプリを利用してシカゴの都市問題を考える」というものでした。自由に2~3人のグループを作るのですが、隣の席に座っていた中国人の男の子とペアを組みました。私たちのグループは、シカゴの自転車利用促進プロジェクトについて発表しました。シカゴは現在、自転車用道路の整備、シェアバイクの普及に力を入れています。ラッシュ時の交通渋滞の緩和や自動車所有にかかるコスト削減のためにも自転車には数多くの利点があります。Arc GISと呼ばれる地図アプリを利用したのですが、問題が起きている場所を視覚的に捉えることができるので、発表を聞く側としてとても理解しやすかったです。この授業ではTAの方が非常に丁寧に面倒を見てくれたのが印象に残っています。

 

ACE430 Food Marketing 授業形態Lecture 80min×2

 後半は毎週のグループワーク+ゲストスピーカーによる講義でした。グループワークの課題の中で特に面白かったのが、キャンパス周辺の5つのスーパーマーケットを回って、外観や店内設備などについて比較するものです。どの店舗が最も効率よく運営されているのか、メインターゲットは誰か、などをグループで予想しました。この授業のグループワークは読み物・調べ物の量が膨大で、1週間ではとても消化しきれず苦戦しました。ですが、先生がアップロードしてくださる読み物は面白いですし、実際に足を運んでデータを集めるのも日本ではあまり経験がなかったので、とってよかったと思います。

 

ACE431 Agri-food Strategic Management 授業形態 Lecture 80min×2

スライドを使った講義形式の授業+同じグループで4回グループワーク課題に取り組みました。回数を重ねるうちにメンバーそれぞれの性格もわかってきて、だいぶやりやすくなりました。グループワーク課題では、食品・飲料を扱う実存する企業(Chipotle, PepsiCoなど)の問題点・改善点を提示します。最後の日の発表では、Q&Aで、私の担当箇所への質問が重なりました。とてもどきどきしましたが、質問されそうなことを予測し事前に調べていたのでなんとか答えることができました。終わってからほっとしたのをよく覚えています。

 

GCL125 It’s Toxic! 授業形態Lecture 80min×2

春休み明けからはグループにわかれての学習になりました。3つのテーマから好きなものを1つ選びます。私のグループは、イリノイ東部に広がる帯水層の上に有害物質を含むゴミ処理場を建設することの問題点を調べ、発表しました。毎回授業でやるべきこと、次の授業までの課題がはっきり示されているので、進めやすかったです。最後の日は先生が持ってきてくださったお菓子を食べながら3チームが発表を行いました。

 

RST351 Cultural Aspects of Tourism 授業形態Lecture&Discussion 80min×2

 特に楽しかったのは、food tourismの一環で、クラスでChampaign-Urbanaのレストラン巡りをしたことです。名物のBBQ屋さん、韓国料理屋さん、メキシカンアイスクリーム屋さんなど7つのお店を回りました。普段は席が遠くて話すことがない人とも会話するきっかけが生まれました。Final Projectは2人組でChampaignのPRビデオを作りました。私たちは「キャンパスライフ」を軸に、キャンパス内で観光客誘致に魅力的だと思うものを撮影しました。全てのビデオを見て、他のチームの完成度の高さに本当に驚きました。ビデオ作りは初めての経験で、初心者らしい仕上がりでしたが、なんとか形になりました。

 写真2 レストラン巡り

(写真2 レストラン巡りのときの集合写真)

 

AGCM199 Ag and Environmental Photography 200min×1(春学期後半)

後半から始まったカメラの授業です。毎週テーマが設定されていて、数枚の写真を提出します。最後には「ストーリーのある写真」というテーマで5枚の写真を出しました。毎週授業中に先生・生徒全員で課題の写真の批評を行います。人の写真をゆっくりとみることで新たに気が付くことがたくさんありました。旅行の際にカメラをもっていったのですが、本当にきれいにとれてカメラの魅力にはまりそうです。週1回の息抜き・趣味としておすすめの授業です。

 

授業全体のまとめ

春休みが終わってからは毎日が風のように時間が過ぎていきました。春学期は最大の18単位をとっていたこともあり、授業・課題・テニス・遊びをしているうちに気がついたら5月を迎えていたというのが感想です。春学期後半は習ったことをベースに「自分の頭で考える」機会が多かったです。特に食品業界について実例を用いて学ぶことで、将来働くときのイメージがほんの少し掴めたのではないかと思います。

 

  1. 課外活動について

【テニスクラブの活動】

外のコートに移ってからは、週に2回練習に参加していました。自転車での往復は景色がよくてとても気持ちよかったです。練習に1年間参加したことで、テニスコートが安心する場所になりました。気分が落ち込んでいても練習に行けば誰かがいて、みんなで打ち合えばストレス解消になりました。最後の練習では、もう一生会えない人もいるのだろうか、と感傷に浸りそうになりました。

テニスクラブでの活動を振り返ってみると、イリノイでテニスをしたことで、私のテニスに対する姿勢に変化があったように思います。私は日本の大学の部活でテニスをしているのですが、常に真剣に練習するべきという雰囲気があります。私はそれも重要であるし、真剣に取り組むからこそ得られるものも大きいと考えています。でも、真剣すぎて時にテニスが楽しいという気持ちを忘れてしまうことがありました。反省ばかりして、良いところに気が付きにくくなったり、自分のだめなところに目が行きがちになってしまったりします。イリノイでは、純粋に楽しむためにテニスをする時間を持つことができました。そして私にとってテニスはただのスポーツではなく、人と人をつなげる大きな役割を果たしていることがよくわかりました。チームメイトに対してたまに適当すぎるのではないかとツッコミたくなることもありましたが、楽しく練習するべきだという考え方は素敵だと思います。テニスがもっともっと好きになりました。

写真3 テニス

(写真3 ウィスコンシン大学での試合後の一枚)

 

  1. 留学全体のまとめ

私は私であり、9カ月異国の地で暮らしても、あまり大きな変化はなかったように思います。正直に申しますと、留学を通して180度考え方が変わったとか、人生の指針ができた、ということはありません。日本の友人に会っても、口を揃えて「変わってないね」「ずっとここにいたみたい」と言われます。しかし成長しなかった、多くを吸収できなかったというネガティブなことではなく、今回は留学前からしっかりと心構えができていたのだと考えています。また、私が今は変わっていないと思うだけで、きっと何かの機会に「あのときの留学があったからこそ今がある」と思うときもくるのでしょう。確実に、今後の進路の選択肢は大きく増えたと思います。自分がどのような道に進むのか、想像をめぐらすだけでワクワクします。

今回の留学で大きな自信になったのは、自分の誠意は、時間はかかるかもしれないけれどあきらめなければ相手に伝わる、ということです。留学後半はグループワークに苦しめられました。苦手に感じる理由を考えてみると、英語のハンデを言い訳に司会役は無理と決めつけ、そして相手の意見に同調してばかりだったからだと思います。受け身で、しばしばただそこにいるだけの存在になっていました。話し合いが停滞しているときも黙って誰かが発言するのを待っていることもありました。きっとグループのみんなも「この子は何の意見もないんだ」「貢献してくれなそう」と思っていたと思います。はじめのうちはストレスがたまる一方でした。しかし回数を重ねるうちに、コツコツと取り組む姿勢は相手に信頼感を与え、そして英語をしどろもどろになりながらもなんとか話そうと試みる姿勢は相手の協力を得ることにつながることがわかりました。グループワークのメンバーもだんだんと私のことを理解してくれたようで、「これはどう思う?」と私の意見を聞いてくれるようになりました。グループワークを通して、意見は言う、でも周りの意見も尊重する、そうした主体的かつ協調的な姿勢を持つ大切さを学びました。つたない英語ながらも誠意を持って、そして行動をすればいつか受け入れてもらえることを確かめられました。誠意をもって人と接する、これは私が日本でも日々の目標としていることです。言語や文化の違いを除いて、私という人間が日本以外の国でも受け入れてもらえたことに小さな喜びを感じました。

留学を通して、性別・人種に関係なく本当に心の優しい人にたくさん出会いました。どうして見ず知らずの私に優しくしてくれるのだろうと考えてしまうほどです。留学は、人の親切により敏感になる機会を与えてくれました。こんなにもたくさんの素敵な方々に出会えるとは想像もしていませんでした。私たちの周りは無限の可能性に溢れていて、探し求めにいきさえすれば手に届くのだということを学びました。

留学前は「キャンパス以外に何もないよ」というお話を頻繁に耳にし、少し心配していましたが、私にとっては毎日が刺激的でした。好奇心のままにいろいろなことに挑戦していたら、あっという間に時間が経っていきました。広大なキャンパスは四季折々で表情が異なり、自転車で散策したり、ランニングをするのが大きな楽しみの一つでした。青い空の下、芝生に寝転んでぼうっとしている時間が何より幸せでした。イリノイ大学が、こんなにも思い入れのある場所になるとは思いませんでした。

キャンパス最後の日の過ごし方は、留学生なら誰しも考えることでしょう。私は、荷造りをほぼ終えた最後の日は、一人ランニングに出かけました。キャンパスの中の自分のお気に入りの場所を走りました。日本館、以前住んでいたPAR、テニスコート、サウスクアッド…とても良いお天気で、私のイメージするUIUCにぴったりの日でした。いつか必ず戻ってきたいと思いますがしばらくは来られないので、しっかりと目に焼き付けました。日本に戻ってきてからも、様々な場所でUIUCの景色を浮かべています。そうすると不思議と心が落ち着きます。

 

最後になりますが、このような素晴らしい機会を与えてくださった関係者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。JICの歴代の先輩方が長い時間をかけて築いてこられた信頼のおかげで今の私たちがいることを何度も感じました。本奨学金制度に応募するに至った経緯も、第40期に選んでいただいたことも、私にとっては奇跡・幸運の連続でした。この感謝を忘れず、常に向上心をもって進むべき道を見つけていきたいと思います。

写真4佐藤先生と

(写真4 佐藤昌三先生のご自宅のアトリエにて。大好きな40期との一枚。)

 

2016/06/26

第40期 高濱萌子

 

番外編 〜日本(東京)に帰ってきて気がついたこと〜

帰国して1ヶ月が経ち、すっかり日本の生活に戻った気がします。日々白米の美味しさをかみしめています。アメリカでの生活を経たからこそ、日本に帰ってきて感じたこと、実は日本特有であるという発見を、忘れないうちに記録しておきたいと思います。

 

  1. 声が小さくなる

周りの目を気にしすぎなのでしょうか。日本ではつい声量を抑えてしまいます。

  1. 目からたくさん情報が入ってくる

広告の量が多いです。

  1. 人が多い(多すぎる)

さすが東京です。どこにいっても人がいます。

  1. 観光客が増えている

私の家の近くでも外国人旅行者らしい人をよく見かけます。

  1. コンビニの品揃え・清潔感に感動する

帰国後空港でコンビニに入ったときの感動は忘れられません。

  1. 女性の細さに驚く

おそらく自分が大きくなったのも原因ですが。

  1. 年齢確認されることがほぼない

アメリカでは必ずパスポートを携帯していました。

  1. なにもかもキッズサイズに見える

とくにサーティワンに行った時に感じました。

  1. 座るところがない

日本にはベンチが少ないです。

  1. 満員電車(バス)でもさらに乗り込む

キャンパスを走るバスは日本人から見るとまだ乗る余裕があっても、運転手さんに扉を閉められてしまいます。