深見真優さんの2017年4月分奨学生レポート

はじめに

皆さま、ご無沙汰しております。第41期小山八郎記念奨学生の深見真優です。いかがお過ごしでしょうか。4月も最終週となり、ゴールデンウィークが近づいてきているようですが、不思議と、アメリカにいるとその様な感覚も一切なく、今はファイナルがすぐそこに近づき、またそわそわしている状態です。先日、フェイスブックページで、42期奨学生のお披露目会の写真を見て、ハッと致しました。ああ、もう自分たちの代のお披露目から、1年経ったのだ、と。イリノイでの生活が定着し日常となってきた私に、桜並木の下初めて皆様にお目にかかり、不安や期待など様々な感情が交錯する中、新たな一歩を踏み出したあの日の高揚感を思い出させてくれました。帰国まで後2週間、信じられません。このレポートを通してファイナル前に今学期を整理したいと思います。今学期は特に、日本館との関りが多かったので、そのことについても触れたいと思います。

 

授業について

今学期は4つの授業を履修しています。先学期は、公衆衛生学、医療社会学、国際保健など、勉強したい!と思っていた健康促進分野の授業のみを集中的に履修していました。今学期は、その様な分野に加えて、自分は将来どんな風に活躍したいのか、という少し大きな議題を考える機会を持つ為に、こちらでのメジャーとは直接関係ない授業も履修しました。ここでは、今学期の授業についてお話したいと思います。

 

AGED260: Introduction to Leadership Studies

この授業は、40期奨学生の結城さんのレポートを読み渡米前から取ってみたいと思っていた授業の一つでした。リーダーシップを体系化し学問として学んでみたいと思い履修を決めました。この授業は上記に述べた、「自分は将来どんな風に活躍したいのか」という問いについて考える為に大いに役立った授業でした。この授業を履修する前は、リーダーシップという言葉が少し苦手でした。私の中では、リーダーシップとはある特定の人のみが生まれ持っているカリスマ性、という一辺倒な考えがあったからです。しかしこの授業では、様々なリーダーシップのあり方を体系化し、一人一人が違う形で持っている力、または一人一人が身に着けられる力として捉えられているのが印象的でした。特に記憶に残っている会は「Emotional Intelligence」に関する講義です。日本語では心の知能指数とも呼ばれ、組織を率いる際に自己の感情を認知する力、その上で制御する力、他人の感情を推し量る力、そしてコミュニケーションを通して良好な人間関係を構築する力を指します。卒業後、自分がどのような道を歩むかは未だ定かではありませんが、日本でも世界中どこでも、常に相手の立場になって考えて行動することができる人になりたい、というぼんやりとした考えに名前が付いた瞬間でした。

 

CMN101: Public Speaking

幼少の頃から、人前で話すことは苦にならない性格でした。しかし、前期の授業での最終プレゼンテーションが思ったようにうまくいかず、自分でもがっかりしました。今まで勢いに任せて自己流で何とか切り抜けてきたプレゼンテーションも、この際しっかり体系立てて学び、端的に言いたいことを伝えられる様になろうと決意して受講しました。この授業でとにかく毎回言われることが2っあります。話す内容に関する知識のない人に理解できるように単純明快なスピーチをすること、聴く力を育て有効な質問をできる様にすること。思いがけず、話す側では無くオーディエンスの立場になった時に、自分の話し方の悪い点、取り入れたい点などが浮き彫りになりました。20名中留学生は2名と、少数派ですが、履修している授業の中で一番アットホームな授業で週3回が楽しみなクラスです。最初の自己紹介の時に、留学生フィルターを外してほしい、という生意気なお願いをしたためか笑、先生の評価も厳しく2回目の本格的スピーチでは高校の数学テスト以来のぎっしりの赤を貰ってしまいましたが、回を重ねるごとに成果が表れてきて少しほっとしました。余談ですが、クラスメートの一人が親御さんの仕事の都合で数年前に私の最寄り駅の3駅先に住んでいたとわかり、世界は小さいものだと痛感しました。今年の夏に久しぶりに来日する様なので、今から2人で計画を立てています。再会がとても楽しみです。

 

GCL125: Science and Business of Cancer Therapy

前期の授業では、社会経済的要因を紐解き、どのような社会を実現すれば誰もが健康を享受できる様になるのか、というテーマのもとどちらかと言えば、日本でも履修経験のあった社会学系の授業を多く履修していました。今回は少し違う角度で、ビジネスから見る健康問題を学んでみたいと思い履修を決めました。教授はUIUCでガン細胞の研究をされている方で以前はシカゴの病院でお医者様をしていた方です。普段は見られない研究室の見学もさせて頂きました。設備投資も新薬の開発も想像も出来ない多額の資金が動いていることを目の当たりにしました。1万件ものアイデアから実際に製品として世にでる治療薬は1件程度とされ、研究費用は10億円にも昇る新薬の開発は賭け事の様なものであると感じました。米国では大手製薬会社のみならず、スタートアップの会社と大学の研究機関が提携を組み開発に挑むことが多々あると言います。最先端の医療を通じて健康を享受するには多額の資金が必要なことを実感し、健康格差の是正という社会課題解決は難解な課題であると痛感しました。一方で、スクリーニングなどの予防医学を発展させることの重要性も感じ、やはり将来、このような技術の普及など何らかの形で健康促進に携わりたいと感じました。

 

CHLH304: Foundation of health Behavior

前回のレポートにも記載しましたが、私が一番楽しみにしていた授業でした。この授業は、健康習慣を変えることがいかに困難であるかを一人一人の学生が身をもって体験することが目的です。一人一人が実験台となり、自らの生活習慣を一つ、一学期丸々かけて変える取り組みを行います。どのような形で健康促進に関わるとしても、言うは易く行うは難し、を常に心に留めることが大切であるという教授の心意気に惹かれ授業の履修を決めました。私は運動習慣の改善を試み、週3回ジムに通う契約書を提出しました。結果はというと1.5か月程で当初の契約書通りにはいかなくなってしまいました。後期丸々かけて30程の参考文献を用いて論文を仕上げたのですが、その中でも忘れられないフレーズがあります。”Behavior change is not an event but a process”. 継続は力なり、ということの様です。今回のチャレンジは失敗してしまいましたが、帰国後色々と落ち着いた後にまた再挑戦しようと思います。また、それぞれの生徒の学習成果を比較すると、人種、年齢、性別により、生活習慣を変えるモチベーションの上げ方は様々であり、その集団の文化的背景を熟知することがコミュニティー全体の健康促進の第一歩であると実感しました。

 

課外活動

Enomoto week

昨年の春の新年会で初めてお目にかかった榎本さんがダウンタウンシャンペーンのBacaroというレストランで、日本酒とコース料理のコラボイベントを行うとのことで、非力ながらミーティングに通訳として参加致しました。Bacaroのシェフと、榎本さんとの打ち合わせは料理の詳細の確認作業から日本酒のペアリングまで多岐に渡りました。私の母校の明治大学政治経済学部のOBでもある榎本さんはとても気さくな方でお話も弾みましたが、打ち合わせの時の細部に渡る確認作業を行うときの表情は真剣そのものであり、プロの方のお仕事の現場に同席できたことはとてもいい経験になりました。色々な方との出会いが出会いを呼び、今の自分がある、と仰られていた榎本さん。人との繋がりを大切にして世界中で沢山のことに挑戦する榎本さんは一人の女性としてとても素敵な方でした。

(写真1:実際にディナーで出されるお酒の試飲をさせて頂きました。)

 

週末の過ごし方

冬休みにシャンペーンに戻った時は、マイナス20度にもなるというシャンペーンの気候に怯えていましたが、今年の冬はさほど冷え込まず、あっという間に春が訪れたような気がします。2月と言えばバレンタインデー。日本では女性がソワソワする時期ですが、アメリカでは男性がソワソワ。バレンタインデーの日に興味本位でダウンタウンに出かけてみると、花束を買い求めたり、チョコレートを選んだり、普段よりもピシッと決めた男性の姿が目立ち、ホッコリしてしまいました。アメリカでは男性が女性をデートに誘ったり、恋人をもてなしたりする日なのだとか。「日本の男の子はいいなあ!」「ホワイトデーにはアメリカでも女の子にちょっとお返しをして貰いたいなあ!笑」と、こちらの男子学生には日本のバレンタインデーは羨ましい文化の様です。日本人の女性としてはこちらの文化が羨ましくてたまりませんが笑。3月はUnofficialに参加しました。教授も察したかのように私の授業は2つとも休講となり友人に連れられ3件程、ホームパーティーとバーに行きました。UIUCの文化の一つともなっているこのイベント、心待ちにしていました。しかし、普段はあまり関わることのないフレッシュマンのパワフルさを目の当たりにし、「あれ、、、私はこんなに体力がなくなっていたっけ、、、」と、不覚にも老いを感じる結果となりました。4月は日本館で桜を見に行ったことが記憶に新しいです。日本以外で桜を見たのは初めてでした。今年はお花見を諦めていたので、帰国が近づくにつれて本当に寂しい気持ちになりますが、その時ばかりは少し日本に帰りたいな、という気持ちが沸き上がりました。

(写真2:定期報告で記事を書かせて頂いた1月の日本館での朝食イベント)

(写真3:まだジムで運動に励んでいた際の私)

(写真4:日本館でのお花見)

 

最後に

いよいよ帰国まで約2週間となりました。信じられません。こちらに来た時は正直、ここまでの愛着が沸くとは思ってもいませんでした。土地も人も温かいこの地を後にするのは本当に名残惜しいです。後2週間、よく学び、よく遊び、よく食べて、可能であればよく動き笑、悔いのない締めくくりにしたいと思います。皆様にはリユニオンでお会いできることを楽しみにしております。どうぞお体ご自愛くださいませ。

 

第41期小山八郎記念奨学生

深見真優