川島今日子さんの7月分奨学生レポート

2006年度奨学生7月分レポートの第2弾は川島今日子さんです。ビジネスコンサルティングなどのmock meetingを通して、机上だけではなく実際のビジネス体験もできたようです。また地域と一緒に作る大学、大学が作って行く地域の面白さは、イリノイ大 学でしかできない体験だと言えますね。

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JICの皆様、こんにちは。私は、矢のような速さで過ぎたイリノイ大学での9ヶ月を終えて、5月末に帰国しました。6月の総会では簡単な帰国報告をいたしましたが、この最終レポートでは春学期の授業の様子とイリノイ生活のまとめを書きたいと思います。

*春学期*

課題の多さにも慣れた春学期は、勉強のペースを掴み、余裕を持って生活することができました。組織コミュニケーションのクラスでは、グループワークがあ り、最終授業でのプレゼンテーションが課せられました。これは、実在の企業の経営問題について企業内のコミュニケーションに焦点を当てて改善策を提示する という、ビジネスコンサルティングのシミュレーションのような課題でした。秋学期も複数のグループワークがあり、その時は話し合いを重ねるうちグループが 仲良くなり、ピザを食べたりしながら楽しく議論を交わせたのですが、今回は少し違いました。特定の3人しかミーティングに集まらなかったり、役割分担がス ムーズに決まらなかったりとうまく話し合いが進みませんでした。原因は仕事をもつグループメンバーに時間的制約があることや、メンバーのモチベーションに 差があることでした。しかし、やる気のある者ばかりが焦りを感じても、グループの士気は上がりません。そこで、メールや電話で密に連絡をとり、授業前後の 時間で小規模のミーティングを重ねました。最後にはグループの雰囲気が盛り上がり、夜の図書館でわいわいとプレゼン準備をしました。この授業で面白かった のは、実際のビジネス現場でのクライアントに対するプレゼンテーションを想定して、会社名やロゴを創り、全員スーツを着て、プロフェッショナルな振る舞い を心掛けるという点でした。私のグループは、クラスにリラックスして聞いてもらうためにコーヒーとドーナツを用意し、要点を整理して伝えるためにプレゼン の内容をまとめたパンフレットを配りました。結果的に私達のプレゼンテーションは成功し、教授からも最高の評価をもらいました。この課題を通して、グルー プコミュニケーションの難しさと楽しさを教科書の理論よりも実体験として学んだように思います。

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また、私がこの一年とても楽しんだクラスはタップダンスでした。タップダンスってなんだか面白そうという軽い気持ちで始めましたが、ダンスだけでなくその 歴史的背景や著名なダンサーについても学び、今ではアメリカにおけるタップの歴史・文化・芸術的価値を認識するようになりました。先学期は基本スキルとダ イナミックとソフトの2つのダンスをじっくり練習し、今学期は重心を下においた力強いシカゴスタイルを中心に新しいステップやダンスをたくさん教わりまし た。クラスメートのほとんどが経験者で、初心者の私は苦労しましたが、みんなが親切にサポートがしてくれて仲良くなれたことが大きな喜びでした。授業のま とめとしてインフォーマルパフォーマンスを行い、個人パートも全員ダンスもうまくいって、クラスの一体感を感じることができました。インストラクターは優 しく魅力的な女性で、私をいつも気にかけてくれました。最後に挨拶に行くと、「あなたが最初のクラスに来た日を思い出すわ。1年間すごく頑張って上達した ね」とおっしゃって、Big Hugでお別れしました。せっかくアメリカで触れたタップという文化を忘れないように、日本でも続けたいと思います。

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*キャンパスタウンの面白さ*

イリノイ大学と日本の大学では何が違うかと聞かれれば、私は「イリノイ大学は住んで学ぶ大学、日本の大学は通って学ぶ大学」と答えます。そして、私は大学 と都市機能が合わさったこのキャンパスタウンがとても好きになりました。学生がみなキャンパスに住んでいるということは、授業以外の時間もキャンパスで過 ごすということであり、学生が一緒に何かする機会が多くなります。学期末の図書館はグループワークや試験勉強に取り組む学生で溢れているし、キャンパスの バーは大きなビールジョッキを片手に話し込む学生で一杯です。大学のホールでミュージカルを観賞する人もいれば、カフェで甘いケーキをほおばる人もいま す。私はいつも学生で賑わっているキャンパスタウンの雰囲気が気に入り、今は授業後にそれぞれ電車で自宅に帰ってしまう日本の大学を物足りなく感じます。

また、キャンパスタウンではいろいろなイベントが催されていて、飽きることがありませんでした。大学のStudy Abroad Officeや各学生寮、様々な学生団体がいろいろなイベントを企画し、私たち学生はメールやチラシで情報を得て、興味のあるものに参加します。前回のレ ポートで書いたスカイダイビングもこのようなイベントの一つでした。他にもハロウィンにカボチャ畑に出掛けたり、スケートイベントに参加したりと、シャン ペーンにいる限り週末の予定が無いなどということありませんでした。それに加えて私的なホームパーティもあります。私はそこで新たな友人に出会ったり、初 めての体験をしたり、アメリカ文化を肌で感じたりと、有意義な時間を過ごしました。大学もそこに住む学生も、仲間と何か面白いことをしたい・新たな人と出 会いたいと考えて、積極的に行動します。このような無数の公的・私的なイベントを通してキャンパスタウンに活力が生まれているのだと感じました。

*アメリカの”まだらな”文化*

イリノイ大学には、そしてアメリカという国には、様々なバックグラウンドを持つ人々が一緒に生活しています。一口にアメリカ人と言っても、外見は千差万 別、各々の故郷も違います。みなが互いを100%好いている訳ではないでしょう。あるインド系アメリカ人の友人は、「僕の父は白人があまり好きじゃないん だ」と言いました。でも、この国のまだら模様の文化は、自分と異なる他者をたとえ好きとまではいかなくでも、受け入れる、または気にせずに共存する文化で す。東京では地下鉄に乗る外国人をそれとなく異質な目で見てしまうことがありますが、イリノイでは私のような日本人が一人キャンパスを歩いていても外国人 であるかアメリカ人であるかは意識されません。顔見知りになってから3週間も経ってから、「Kyoko, 日本人なんだ。知らなかったよ」と言った友人もいました。日本人として接してもらうことも嬉しいのですが、一人の学生として受け入れられることも、まだら 模様に馴染んだようで嬉しいと感じました。アメリカに暮らす人々の大らかな許容の精神は、私達も見習うところがあると感じました。イリノイで生活した9ヶ 月間は、私が日本人である自覚と、他の多様な文化の面白さと、文化を超えた人の交流の素晴らしさを教えてくれました。

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*イリノイ生活のまとめ*

帰国後、再会した旧友は、「アメリカの大学に行って何か変わったかなと思ったけれど、今日子は何も変わっていないね」と言いました。私自身、イリノイ大学 での経験を通して自分がどのように変わったのかとよく考えます。その友人の目に変わらないように映った様に、特別な変化はありません。でも、イリノイ大学 に行ったからこそ、アメリカ中西部の典型的なキャンパスタウンを知りました。英語で課せられるレポートを(ウーンと唸りながらも)こなせるようになりまし た。バーで注文するお酒の名前を覚えました。クリスマスカードを送りたい相手が増えました。こうした小さな変化の積み重ねは、私の視野を広げました。私は 留学以前から「海外に住む」ことに強い関心を抱いていましたが、「海外で勉強した」経験から、遠くない将来「海外で働きたい」と希望するようになりまし た。どこでどんな仕事をするかは、現在模索中です。

私は9ヶ月間のイリノイ生活で数え切れないほどの写真を撮りました。それは本当に友人にあきれられたほどです(笑) それらの写真は、鮮やかなキャンパス の四季と、友人と過ごした時間を思い起こさせてくれます。今イリノイ生活を振り返って感じるのは、人との繋がりがどれほど私を支えてくれたかということで す。「アメリカの学生らしいシャンペーンの楽しみ方」を教えてくれた友人達に感謝しています。涙で別れた世界中の留学生にまた会いたいと思います。一緒に スポーツをした仲間に、家族のように接してくれたイリノイのホストファミリーに、ウィーンの短期留学や個人的相談に対応してくれたStudy Abroad Officeの方々に、刺激を与えてくれたJIC奨学生の仲間に、感謝しています。イリノイで培ったたくさんの人との繋がりが、これからも切れることな く、また新たな出会いに繋がっていくことを願っています。

そして何より、いつも温かく応援してくれた家族と、この留学の機会を与えて下さったJICの方々に心から感謝しています。有難うございました。JICの多 くの皆さんにとってそうであるように、あのコーンフィールドの真ん中の美しいキャンパスで毎日を過ごした経験が、人生の大きなターニングポイントとなるよ う、しっかり将来に活かしていきたいと思います。

写真

1.グループワーク
2.タップダンスのパフォーマンス
3.キャンパスのバーにて
4.ダウンタウンのバーにて
5.快晴のQuadにて