八尾泰洋さんの2007年10月分奨学生レポート

JIC奨学生の八尾 泰洋さんからの2007年10月分奨学生レポートをお届けします。

八尾さんはコンピューターサイエンスの授業に熱心に取り組む一方で、ASBというボランティア団体に所属して勉強会や募金活動にも参加しているようです。 募金を集めるために、自分達でクッキーを焼くいうのもアメリカならではかもしれません。それでは、八尾さんのレポートをお楽しみ下さい。


JIC の皆様こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。早いものでイリノイ大学に来てからもう二ヶ月が 以上たってしまいました 。10 月の半ばまでは半そでで平気なくらい暖かかったのですが、最近は風も冷たくなり、冬の到来を感じています。 今までの留学生活を一言で総括すれば、「よく学びよく遊んでいる」というところでしょうか。聞いていたとおりほとんどの授業では毎週宿題の提出があるので 否応なしに勉強しなければいけない環境なのですが、それでも特に週末ともなるとほかの学生達に巻き込まれてバーに繰り出すなど、せわしない毎日を過ごして います。八尾君勉強中?授業について今学期はCS231 Computer Architecture 1, CS273 Introduction to Theory of Computation, CS421 Programming Language & Compiler, CS296 Honors Course, ESL115 Academic Writing と、自分の将来に役立てることができるような授業をとりたいと考えて履修をした結果、結局コンピューターサイエンスずくしのようなカリキュラムになってし まいました。しかし、コンピューターサイエンスで有名なイリノイ大学でこれだけの授業を取ることができ、カリキュラムには満足しています。

中でも 一番印象的な授業はCS421 です。この授業は大学院の学生とも合同の授業で、授業中は前のほうに座っている大学院生らしき学生 が先生に常に質問を投げかけている熱い雰囲気の授業です。しかもこの授業はこの範囲をカバーしているテキストがないということで、授業中の先生のスピーチ を理解しなければならず、留学初期に は 聞き取ることができないまま 授業がどんどん進んでいき、ドロップすることも考えました。しかし、イリノイ大学ではエンジニアリングの大学院生用の講義は授業のビデオをインターネット を通して見ることができるのを知り、 9 月の半ばくらいに24 時間営業のグレンジャーライブラリに飛び込みそれまでのほぼ全ての授業を繰り返し聞き取れるまで見直しました。これによりきちんと聞き取れれば理解できる ということがわかり、それからは授業を受けたあとにわかるまでビデオを見るようにしました。そうして迎えた初め八尾君勉強中てのミッドタームは 100 点中99 点。先生の言っていることを全て理解しようと集中してビデオを見ていた結果、ほかの学生が聞き逃していたようなことも聞き取っていたのかもしれません。ま だ一回テストがあっただけなので両手を離して喜ぶわけにはいきませんが、これからもこの勉強方法を最後まで継続していきたいです。そしてもうひとつ この授業で 印象的な点は、授業を一緒に受けている留学生たちと仲良くなったことです。最近では授業後に一緒にご飯を食べたり宿題をしたりするのが恒例になっており、 ドロップしなくて本当によかったと感じています。

イリノイ大学について

小さな町だからでしょうか、ここでは皆大学の中で生活をしているという印象を受けます。授業の合間にユニオンに友人たちとバーにて騒ぐ行 けば多くの学生がおり、ドームや大学の近くのレストランで食事をし、週末には皆大学のすぐ近くのバーに繰り出し、図書館では 24 時間学生たちが勉強をしています。皆遊ぶ場所も勉強する場所も同じなので知り合いと会うことも多く、一週間会わなければしばらく会っていなかったような感 覚を覚え、実際「久しぶり」と挨拶をしたりもします。東京で大学生活を送っていたときは、大学から離れたところに住んでいる学生も多く、皆遊ぶ場所もばら ばらだったので、休日に知り合いに会うことなどまれでしたが、こ こ ではどこかに行けば まず誰かに会います。

このような環境だから か、学生たちがつながっているような印象を受けます。例えば僕はASB (Alternative Spring Break )という長期休暇にボランティアトリップをする団体でThanksgiving 休暇とWinter Break にオハイオとテキサスに行くのですが、そのグループで出会った学生たち の中には友達の友達、友達のルームメイト、バーで会う人など多くの学生と誰かを通してつながっていて 本当に驚きました。それもよく考えてみれば皆同じ場所で生活をしていて、遊ぶことも主に話すことという大学内の知り合いができやすいこの町ならではの特徴 なのだと思います。その反面、遊ぶ場所やすることはさすがに限られていて、毎週同じ ような ことばかりをしているのです が、僕はこの小さな町が気に入っています。

課外活動について

上にも書きましたが、僕はASB という団体のボランティアグループに所属しており、秋休みと冬休みにはボランティアトリップに行きます。さらにこの団体では休暇前から様々な活動があり、 週一回のミーティング、募金活動、スカベンジャーハントなど、そして二つのグループに所属しているので、これらがすべてが 2 倍になっています。ミーティングは主に勉強会のような感じで、自分たちのボランティアに関わる新聞記事などをみんなで紹介しあい、意見を述べたりしたりす る形式になっています。授業とは違って先生がいるわけではないので、その分皆率直に自分の意見を述べているような印象を受けます。 当然僕にも発言が要求されるので、自分なりに本を読むなどして勉強をしています。Winter TripはImmigration and labor rights というテーマでテキサスに行くのですが、この問題は今まで自分にはなじみが全くなく、最初は発言も億劫でしたが、メンバーの優しさにも助けられ、最近はメ キシコからの移民に関する文献を読んで勉強をし、少しずつですがまともな発言ができるようになってきていると思います。

そして 募金活動はまずクッキーやブラウニー を焼くことから始まります。こちらでは募金をしてくれた人にはお返しにお菓子などを提供する風習があるようです。クッキーを最後にいつ焼いたかもわからな い僕にとっては、 10 人ぐらいのメンバーで話しながら お菓子作りをしたことが大変新鮮でした。さすがに風が冷たい中の募金活動は楽しいというわけにはいきませんでした。発音がうまくできていなかったみたいで 人が近づいてきて募金をしてくれるのかと思いきや、「何を言っているのか」と尋ねられるなどということもありました。しかし、皆で募金活動をすることでメ ンバーの一体感が増しましたし、生まれて初めての経験だったので、これはこれでよい経験です。

寮について

僕は ISRというUndergraduate Resident Hallに住んでいます。部屋は三人部屋で一カ月程度韓国系アメリカ人の学生とアメリカ人の学生と三人で生活をしていたのですが、韓国系アメリカ人の学生 はシェアマンホールに引っ越してしまい、今は二人部屋になっています。奨学生の方々から聞いていた通り、ISRはほかの寮よりは静かな寮です。 PARに住んでいる友達は夜中に奇声が聞こえると言っていましたが、ISRではそのようなことはまず起こりません。静かなところはよいところでもあるので すが、寮の中で知り合いができにくいことも事実だと思います。

ゆうやけしかしなんといってもこの寮の良いところはキャンパスに近いというところ です。特に僕のとっているコンピューターサイエンスの授業はノースキャンパスで開かれるので ISRからは歩いて数分で行けるのですが、ほかの寮からだとかなり行くのが大変だと思います。そして、ISRは Green Streetに面していて数分歩けばバーが立ち並ぶ地域に行けるので、どこかに遊びに行くのには最適な立地です。寮の中で遊ぶということはあまりありませ んが、この立地のおかげで外に出かけることが多くなっているように感じます。

最 近ではすっかり生活にも慣れてしまって、毎日当たり前に授業に出たり友達と話したりしていますが、数か月前の自分とはかけ離れた生活をしている自分にふと 気づき、自分は本当に幸せ者だと感じることがあります。このような素晴らしい環境で勉強する機会を与えてくださった JICの皆様には本当に感謝しております。これからもより留学生活を充実させていけるように、精一杯毎日を過ごしていきたいと思います。

2007 年度イリノイ大学小山八郎記念奨学生
東京大学工学系研究科システム量子工学専攻修士一年
八尾泰洋

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