川崎藍さんの2005年9月レポート

JICのみなさま、
こんにちは。2003年度奨学生の篠原史温です。今回の奨学生レポートの最後を飾るのは川崎藍さんです。

彼 女のレポートを読むと、「Chicago Weekend」という留学生向けの企画があったようで、自分の時にはなかったのでとてもうらやましかったりしました。僕も9月誕生日なので、彼女と同じ くらい盛大に祝われたことを思い出し、心が温まりました。それでは、川崎さんの元気いっぱいのレポートをお楽しみください.

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ICの皆様お久しぶりです。シャンペーンではここ数日の湿度の高い日が続き、日本の残暑を思い出させられましたが、いかがおすごしでしょうか。山のような オリエンテーションを終えた途端に授業が始まり、今度は山のような宿題に追われて気付けばもう十月。地図なしには教室にたどり着けなかった6週間前が遠い 日のように感じられます。多くの先輩方がレポートに書いていらっしゃるように、シャンペーンは自然に囲まれたとても静かな街で(それでも週末はBarに繰 り出す学生でとても賑やかですが)、東京のど真ん中へ毎日通学していた私にとっては、教室への道のりを歩いているだけで心が癒されます。あっという間とい いつつも振り返れば次から次へと様々な出来事が頭に浮かび、何からお伝えしていいか迷ってしまうくらいとても密度の濃い時間を過ごすことができています。 今回は数ある素晴らしい経験の中から三つ、Chicago Weekend 、授業、誕生日について、そして今後の課題を報告させていただきたいと思います。

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1. Chicago Weekend

私の留学生活は文字通りChicago weekendに始まり、これをなくしてこの6週間は語れ
ません。Chicago weekendとは大学の留学生課が今年から始めた企画で、シャンペー
ンに来る前に他の留学生とシカゴに滞在、観光をするというものですした(写真
1)。たった四日間とはいえ他の留学生達はとてもよい関係を築くことができ、こち
らに着いてからも一緒にオリエンテーションを受けたり、ご飯を食べに出かけたり
と、彼らにはあらゆる場面で支えられています。毎日大量の宿題に追われ、ともすれ
ばストレスに潰されてしまいそうな生活ですが、そんな時に遊びに連れ出してくれた
り、一緒に愚痴をいいあったりする仲間ができたことはとても有り難いことです。九
月の半ばには早くもThanks giving(十一月の下旬にある一週間のお休み)に一緒に
旅をしよう!という話題が持ち上がり、既にNYへ行くことが決定しました。初めての
NYを彼らと旅できるなんて、今から楽しみで仕方がありません。このように素敵な友
達に恵まれたおかげで、いまのところホームシックにもならずに楽しく毎日を送って
います。

2. 授業

今学期はESL(英語を母国語としない生徒のためのライティングの授業)のほかに、
Intercultural Communication(異文化コミュニケーション)、Molecular Cell
Biology(分子生物学)、Bioengineering(生物工学)、Jazz Danceを履修しています。
どの授業にも共通して言えるのは、単に知識を詰め込むだけでなく理解を目的とした
教授法であること、さらに教師から生徒への一方通行ではなく、相互で授業を作り上
げていくスタイルであるということです。残念ながら日本の大学ではこのような授業
にめぐりあうことは稀なので、とても貴重な体験をさせていただいています。私が留
学を決めたきっかけは、昨年アメリカの大学を訪れた際に授業中の活発な議論のやり
取りを見て、是非自分もこの環境で勉強したいと思ったことでした。毎回出される
reading assignment やessayをこなすために毎日必死というのが現状ですが、授業中
に発言できた時には自分がまさに夢見ていた環境で勉強しているのだということをと
てもうれしく思います。

なかでも面白いのがIntercultural Communicationです。“国や専門にとらわれない
広い視野を”ということからイリノイ大学では国際関係を専攻しようと考えていまし
たが、このクラスを見つけたときにはまさにこれだ!と思いこちらを履修することに
決めました。授業では、毎回予習したテキストを元にステレオタイプや異文化間の誤
解がどのように起こるのか、それを解消するために何ができるかを議論します。地元
の学生に加え、ドイツ、台湾、メキシコ、韓国そして日本人が教室の中に小さな異文
化空間を形成している様子はまさにアメリカの大学ならではの環境といえます。そし
てこの授業の魅力は、なんといっても実体験を議論に持ち込めるということです。日
本人として、また今まさに異文化を体験している留学生としての視点は毎回興味深く
取り上げてもらえます。最初のころは質問さえも理解できずに発言をためらいもして
いましたが、最近では積極的に発言し議論に貢献できるようになってきました。さら
に、今までだったらステレオタイプに結び付けてしまうような日常生活の中のふとし
た違和感を、この授業で学んだことを通して今までとは違う視点で見られるようにな
り、留学生活ならではの醍醐味といえます。

3.誕生日

九月の半ばに幸運にもここアメリカで誕生日を迎えられ、これまでに無いほど多くの
人に祝ってもらいました。まずは誕生日前夜、ルームメート達が夜中の12時ちょうど
に歌いながらプレゼントを届けてくれました。それまで次の日の宿題に追われ誕生日
のことなどすっかり忘れていたので、驚きと感動で胸が一杯になりました。そして誕
生日当日、授業から帰ってくると寮のスタッフが私の誕生日を祝ってくれたのです。
いくら今住んでいる寮(中根さんや白水さんと同じIllini Towerに住んでいます)の
待遇がいいからとはいえ(実際面倒見がよすぎるくらいなのですが)、まさか全員の
誕生日まで把握しているはずがありません。尋ねてみると、”エレベーターに貼紙が
あったよ”とのこと。なんとルームメート達が私に内緒でポスターを貼っていてくれ
たのです(写真2)。おかげで見ず知らずの人が”Happy Birthday”を言いに部屋ま
で来てくれたりと、イベントを盛り上げるのが大好きなアメリカ人ならではの(?)
祝福を体験することができました。そしてなにより、この出来事は私にとって大きな
意味がありました。というのも、私のルームメートは三人とも地元の一年生なのです
が、当初のつたない私の英語力ではなかなか彼女らの会話の中に入っていくことがで
きず、少し寂しい思いをしていたというのが事実です。しかしこの日をきっかけに一
緒に過ごす時間が長くなり、部屋の居心地がとてもよりよくなりました。

さらに、もう一つ忘れられない大きなイベントがあります。Chicago Weekendの仲間
が、私を含めた九月生まれのためのBirthday Partyを開いてくれたのです。当日は20
人以上が集まり、テーブルの上は各自が持ち寄った料理で埋め尽くされ、盛大なパー
ティーとなりました。彼らと出会えたことで留学生活が何倍も魅力的なものになって
いることは間違いありません。数々の出来事を通し、こんなに多くの人に祝福しても
らえる自分はとても幸せでということを実感しました。

今後の課題

①時間の有効活用
こちらに来る前から耳にしていた“アメリカの学生はよく学びよく遊ぶ”というのは
事実で、平日は夜中まで驚くほどよく勉強しますが(夜中の二時になっても学校のカ
フェテリアでは多くの学生が勉強しています)、週末には一転してパーティーに課外
活動にいそしんでいます。実際私も日本にいるときの数十倍(といっても過言ではあ
りません…)勉強していますが、それと同じくらい楽しい時間を過ごしています。ON
とOFFの切り替え、そして楽しみを見つけるのが上手いな、というのがこちらの学生
に共通して言えることです。時間を有効活用するスキルは、是非彼らをお手本に身に
つけたいと思います。

②交流
上で述べてきたように友達にはとても恵まれていますが、課題をあげるとすれば地
元、アメリカ人の友達がまだ少ないということです。こちらに来るまでに私が出会っ
てきたアメリカ人は、なにかと日本に関心がある人達だったため、仲良くなるのは比
較的簡単でした。しかし多国籍、さらに留学生がいることがめずらしくないここの環
境では、普通に過ごしているだけでは友達になるのが難しいのは事実です。ネイティ
ブスピーカー同士の会話に入っていくのはとても勇気がいることですが、クラスや課
外活動などにおいて自分から声をかける努力を続け、今後はさらに交流を広げていき
たいと思います。

③課外活動
この六週間を振り返ってみると、とても充実していたとはいえまだ日々目の前のこ
とに精一杯だったという感じをうけます。実際これまでほとんど英語を話したことの
無かった私にとって、英語で日常生活をするというだけでもとても大変なことであ
り、最初のころは授業など到底理解できないのではないかと心配したほどです。しか
し、つたない英語の質問にも丁寧に答えてくれる教授やTA、悩みを相談すれば親身に
なってアドバイスしてくれる留学生課のスタッフ、そしてなにより多くの時間を共有
している友達の支えのおかげで、ようやく心に余裕を持つことができるようになって
来ました。よって今後は目の前に迫ったことをこなすだけでなく、それぞれの活動に
おいて明確な目標を設定し、できる限り多くのことを吸収するということが課題で
す。そのために、勉強だけでなく課外活動にも積極的に参加していきたいと思いま
す。

最後になりましたが、日本では味わえない体験が出来るJICのプログラムに参加でき
たことをとても誇りに思います。このような素晴らしい機会を与えてくださった皆様
には心から感謝しています。自分が特別な立場にいるということを胸に、さらに多く
のことを吸収できるよう頑張りますので、次回のレポートもご期待ください。