梶恭子さんの2005年4月分レポート

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JICの皆様、いかがお過ごしでしょうか。シャンペーンは再び寒気に包まれて、昨日今日と、最低気温1度という冷たい風が吹き荒れています。思えばシャン ペーンには春と秋という気候がないように感じられます。8月から留学される皆さんは、夏のシャンペーンでも服装に気をつけていただきたいと思います。

しかし、一月ほど前には、ようやく春の兆しが見受けられ、色とりどりの花があちこちで咲き誇り、それは見ていて楽しい景色が広がって いました。この時期、わたしはまた、「ああ、わたしはは日本人だなあ。」と感じることがあったのでそれについてお伝えしたいと思います。それは、わたしの 中での「桜」事変といわれるものです。

富山の実家の裏の山では、春には何千本という桜がいっせいに咲きみだれ、山全体がピンク色に染まり ました。わたしが通う一橋大学は、駅から大学の門まで続く桜並木知られ、春は桜のアーチの下を歩くだけでもうため息がでます。桜と春、春と桜は一心同体の 間柄。そして、冬は-15度にもなったシャンペーンにもようやく春が訪れ、20度を越す日も増えてきたころ、わたしはあることに気が付きました。 「イリノイには・・・・・・・・・さくらが無い!!!!」 桜を見ない春なんてまるでカレールーのないカレーのようです。桜を見ずに春を実感することができないのです。チューリップもパンジーもマグノリアも素敵で すが、やっぱりわたしは桜で目で愛でたいのです。そんな中ようやくキャンパス内で一本よれよれと咲く桜を見つけ、大はしゃぎしていると友達が、不思議そう な顔をしていたのでわたしは桜の魅力を力説しました。カラオケソングで一番多いタイトルは「さくら」百円玉にも「桜」、日本の国花「桜」、夜に散る桜の花 びらを見て芸術家はいく つもの詩を詠みました。日本人ならとにかく「さくら」「さくら」「さくら」、と。 そこで花見の説明をしたら彼が一言。「Public Spaceでお酒を飲むのは、法律違反じゃないのか!?」8ヶ月間で初めて文化の差というものに打ちのめされそうなった瞬間かもしれません。さくら禁断症 状が出ていたわたしは、アメリカ人の友達にも尋ねてみました。すると、春は桜、とまでは言わなくても、アメリカでも桜で有名なところがあるし、総括してア メリカ人も桜が好きとのこと。ワシントンDCの春は桜で街がピンク色にもなるとのこと。さらに彼が言うには、DCの桜は日本人が友好の印として植えたもの だそうです。日本人ほど桜が好きな民族は希少のようですが、桜はイギリスにも韓国にも名所があるということが後日わかり、シャンペーンにも桜が増えたらす ばらしいな、と思いました。

バスケットボール

皆様ご存知の通り、今学期のUIUCはバスケットボール一色に染ま りました。キャンパス中がオレンジ色になったというのは全くおおげさではありません。どのお店の窓にも「Fighting Illini」(バスケットボールチームの名前)の文字が躍り、バスケットボールフィーバーは5月5日の、NCAA決勝戦(日本で言えば、甲子園の決勝で しょうか)で頂点に達しました。皆様ご存知のAlma Mater像も決勝前にはチームのユニフォームに衣替えし、片手にはバスケットボールを持ってキャンパスの盛り上がりを体現するほどまでになりました。結 果は残念ながら準優勝になりましたが、みな口々に”We are still No.1!!!”と叫び、決勝戦の後のグリーンストリートは、深夜までオレンジ色のTシャツを着た数千人の学生たちで埋め尽くされました。わたしも Illini Unionの大スクリーンで声をからして応援しました。そのときの一体感は今 まで経験したことのないもので、スポーツの力がいかに偉大なものかを実感しました。Fighting Illiniと書かれたオレンジ色のTシャツは、一生の思い出になりそうです。

幼稚園でのアルバイト

今学期は、 少し生活にも余裕がでてきたこともあり、学期初めからキャンパス内の幼稚園でアルバイトを始めました。3歳から5歳までの子どもたちの食事を世話したり、 一緒に遊んだり、授業を手伝ったり、お給料をいただくのが申し訳ないくらい楽しいお仕事で、次の授業に向かうバスを何度か逃してしまうこともありました。 最近ではキャンパス内にある去年できたばかりの新しい美術館で、子どもたちとフィールドトリップに行ってきました。到着するとすぐ、美術館の係員の人が一 言。 「今日はみんなで『ちーぐいーるいーえー』 を作ります。日本のアートです。こうやって薄い紙をちぎって、重ねて糊で貼ってBEAUTIFUL!!!!」 それは「ちぎり絵」でした。 昔幼稚園でわたしも体験したものです。先生たちがHopesと呼ぶ子どもたちも色とりどりの紙と糊を手に必死で格闘していました。糊を使わずに単に重ねて 喜んでいる子もいれば、 一点集中して紙を重ね続ける子や ひたすら紙をちぎっているだけの子や、糊だけ塗っている子など様々。このアルバイトを始める前は、子どもはあまり得意ではなかったのですが、色んな発見が あって毎日新しいことに気づかされたり、忘れていたことを思い出したり。非常に貴重な体験をさせていただき、今学期が終わると同時に子どもたちに会えなく なるのがとても寂しいです。

現在は始まった期末試験の勉強に終われる毎日ですが、これが終わればあとは帰国するのみになりました。 今までやりのこしたこともたくさんありますが、その分予想していなかった新しいことにも挑戦でき、結果としては満足しています。総括は5月中旬になる最終 レポートでお知らせいたします。それまでみなさまお身体にお気をつけください。

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Illini Unionで決勝戦を観戦するUIUC学生

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試合後のグリーンストリートを数千人の学生が練り歩く