永見陽子さんの2001年10月分レポート

jicmlメンバ各位,

古市 (’92-94 MS in Computer Science)です.

秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学中の永見陽子さんからのレポートが
届きましたので,皆さんにフォワードします.永見さんは北海道大学農学
部応用生命科学科の3年生で,講義だけではなく実験のコースも取りたい
言って渡米されました.レポートによると,早速研究室の実験器具の管理
をするバイトをはじめたようです.

では,レポートをお楽しみ下さい.

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2001年度10月分レポート
永見 陽子
nagamiyoko@excite.co.jp
北海道大学農学部3年
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10月に入ってシャンペーンもだいぶ涼しく(寒く?)過ごしやすくなりま
した。とはいってもここ数日は夏の再来のように暑いですが。
週末のフットボールゲームまでこの陽気が続くことをみんな願っています。

8月中旬にこちらに着いたのでまだ1ヵ月半しか経ってないのですが、もう
すでに1年くらいいるような錯覚を受けています。着いてからの数日手続き
に奔走した日々などもう忘却の彼方です。

授業の履修は幸い全て希望通りにとれました。
日本では農学部の応用生命学科というバイオテクノロジー関連の勉強をし
ていたのですが、こちらには対応する学部はないので農学部の農薬のクラ
スと微生物学の実験の授業をとっています。どちらも300番台ですが、日本
で身につけた基礎知識のおかげでそう苦労することもないです。日本でも
論文等は英語で読んでいたことだし。実験は学生30人に教授1人、TA3人も
ついているし、なにより日本では洗って何度も使っていた器具も使い捨て
で贅沢な気分を味わっています。

来学期もあることだし、ということで専攻の授業は2つだけであとはお遊
び授業をとって楽しんでいます。
1つはアフリカ言語のリンガラ語で、今まで習ったことのある外国語(英
語、フランス語、イタリア語)と比較すると格段にやさしいのですが、頭
よりも筋肉に栄養の行き届いたフットボール選手がクラスにたくさんいる
のでなかなか先に進みません。
もう1つは自分の住んでいる寮(Global Crossroads)で開講されている
クラスでポストモダン映画をみてディスカッションをする、というもので
す。先週は黒澤監督の羅生門でした。ほかにも面白そうな映画 (Being A
John Malcovich、12 Monkeysなど)をみる予定なので楽しみです。

私はPAR(Pennsylvania Residence Hall)というキャンパスの南のはず
れに住んでいます。Global Crossroadsというのはこの寮Saundersの2,
3階の住人からなるコミュニティで、120人中約半分がアメリカ人、残り半
分がその他の国からの学生、という構成になっています。
テーマが国際交流なだけに様々な催し物があるし、ここに来たばかりの留
学生が多いのでみんな仲良しです。一緒に買い物したり、週末にはバーや
フラタニティのパーティに行ったり。今月はミュージカルのRENTを見に行
くのと、Six Flagsという遊園地に行く予定です。

日本ではほぼ毎日のように実験の授業があったのでこちらでもそうしよう
かと思ったのですが、そうすると土曜も授業を取らなくてはならないので
やめました。そうしたら結局週2回しか実験していなくて寂しいので(私は
実験中毒者です)、研究室でバイトを始めました。
まだ始めたばかりですが、ガラス器具を洗ったり、溶液を作ったり、実験
植物の管理など、まったく苦にならないです。Plant Biologyの研究室で
私の専攻に近いことをしているので、そのうち慣れたらもう少し研究に関
係したことも手伝わせてもらおうと思っているところです。

こっちに来て一番物足りないのはやはり食事です。
寮の食事にはすぐに飽きました。
アメリカ人の友人にアメリカの食事のまずさを責めると、
「寮の食事はアメリカ人にとってもおいしいものじゃないのよ」と言われ
ました。たまに行く韓国料理店と中華料理店の配達が涙が出るほどうれし
いです。札幌ラーメンが食べられないのがなによりも残念ですが。金曜の
お昼限定のBusey Evansという寮のSpecialty Restaurant ”Oodles”
(パスタやビーフンなど麺類が出ます)がせめてもの慰めとなっています。

あとこっちに来て懐かしく思うのが都市の雑踏です。
9月のはじめにシカゴに行ったとき、チャイナタウンの食事もうれしかった
のですが、なによりも高層ビルをみて実家に帰った気分がしました。

9月11日にテロ襲撃事件以来、愛国心の高まりやGod Bless Americaといっ
たキリスト教関連の発言にはかなりうんざりしています。この大学は全米
でもレベルの高いほうだし、外国からの学生も多いというのに、Daily
Illini(学校新聞)に「アフガンにさっさと戦争しかけろ」「無神論者は
これを機会にキリスト教に改宗すべきだ」等の投稿が寄せられるという事
実に愕然としました。(もちろんこれらの過激な意見には反論が寄せられ
ましたが。)まあこの事件がなかったにしても、ここに来た以上宗教に無
関心になるわけにはいかないことを痛感していましたが。

上記のシカゴに行ったとき、道中シンガポール人、アメリカ人、中国人の
友人といつのまにかキリスト教、神についての話題になったのです。
私は無神論者なのですが、ほかの人はみなクリスチャンだったので、キリ
スト=神という前提で討論が始まったのに面食らいました。
みんなよくしゃべる人たちだったので疲れましたが、逆にこんな議論は日
本人同士ではなかなか成立しないものなのでよい経験だったと思っていま
す。寝不足で途中休憩をとるはずだった運転手の子も議論のあまりの白熱
ぶりに一度も眠くならず、しかもシカゴ – シャンペーン間1時間40分とい
うはやさで帰ってきてしまいました。

というわけで、私は平日は勉強(ちょっと怪しいですが)、週末は遊びに
励んでおります。ただ寒くなったらこうしょっちゅう遊びに出かける気が
しなくなりそうで怖いです。車持ちの友達を大事にしないといけませんね。

それでは。