2008年度奨学生レポート(森本 なずな)

JICの皆様、ご無沙汰しております。2008年度奨学生、神戸大学国際文化学部3年の森本なずなです。先日のリユニオンパーティーでは、楽しい時間をありがとうございました。6月30日にイリノイから帰国し、早くも1ヶ月が経とうとしています。現在は実家で、イリノイではあんなに懐かしんだ山々を目の前に日々を過ごしております。10月からは神戸大学に復学し、本格的に始まる就職活動に備えたいと思います。

小さい頃からの夢であった留学を終えた今、自分の中で一つの目標が達成されたなと思う一方、その貴重な1年間を私は自分の夢を達成したと言えるほど、有意義に使えたのかという思いもあります。しかし、この留学で何かを学んだことは間違いないので、今はイリノイでの日々を思い返し、一つ一つ整理しているところです。

さて、この最終レポートでは4月から帰国するまでの日々と留学のまとめについてご報告させていただこうと思います。

* 学業 *
4月になるとすべての授業においてまとめの時期に入り、プレゼンやテストが始まりました。メディアの中のジェンダーを考える授業では、有名なゴシップブログにコメントを書き込むというユニークな課題が出されましたが、拙い英語で寄せたコメントに反論が寄せられるなどのやり取りがとてもおもしろく感じられました。またChild Psychologyの授業では、初めて受講した心理学の授業ということもあり、アメリカの学生が好むという選択問題形式のテストに、私は大苦戦し、何回もTAのところに通い質問するということもありました。しかしこれらの授業や、秋学期にとった様々な女性学の授業から、多くの刺激を受け、たくさんのことを学びました。授業中にためらうことなく、女性について意見をいい、議論を展開する学生の態度からは、女性学の先駆者としてのアメリカの姿を学びました。また秋学期、春学期の授業を通して、私なりに、アメリカの目指すフェミニズムへの疑問も浮かびました。これらはどれも日本にいてはできなかったことですし、まだまだ学ぶ点はありますが、女性学を学ぶ上での自分自身の意見を明確にできることができ、本当に貴重な経験であったと思います。

* Japanese Coffee Hour *
4月16日に私の住んでいたコスモポリタンハウスで、日本について紹介する機会を得ました。手伝ってくれるメンバーを呼びかけたところ、イリノイ大学にいる日本人から日本に興味のあるアメリカ人まで、かなりたくさんの人が手伝ってくれました。みな忙しかったこともあり、準備期間が限られ、また十分な大きさの炊飯器もないため、何回もご飯を炊かなくてはいけなかったり、実際の料理が予定通りできなかったり、また借りてきたプロジェクターが動かないため、せっかく作ったパワーポイントを大きく映しだせなかったりと、トラブルがたくさんおきました。しかし、みんなで一生懸命どうしたらよいか考え、協力し合い、なんとか本番を迎えることができました。本番はあわただしく過ぎていってしまいましたが、会場に来ていただいたお客さんには大変喜ばれ、苦労が一気に吹き飛びました。その後片付けは大変でしたが、みんな掃除まできちんと手伝ってくれて、目立つところだけではなく、すべてのことについて協力して助け合えるところが、日本人の心を持つことのよさだなと思いました。特に、コスモに住んでいる私が取り仕切って行わなければいけないところを、時間を割いて私に代わって作業をし、手伝ってくれたJICの奨学生のみんなには心から感謝しています。

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* 春学期が終了してから *
授業がすべて終わりを迎えると、私はイリノイ大学に来たときからやってみたいと思っていた、キャンパス中央に広がるQuadの芝生の上での日光浴を実行しました。夏の始まりを感じさせる日差しはとても気持ちよく、イリノイの空の広さをしみじみと感じました。また、アバーナの閑静な住宅街を散策したり、近くの公園に行ってたくさんの蛍に感動させられたりなど、シャンペーン、アバーナを満喫しました。その他にも、テネシーで行われるBonnarooという音楽祭に車で8時間かけて出かけ、イリノイとは違うアメリカ南部の文化や、アメリカの若者の活気を感じました。

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しかし学期の終了は、同時に友人との別れを意味するものでもあり、テストが終わり次々に帰ってしまう友人や、一緒にコスモで暮らしたハウスメイトとの別れはとても辛いものでした。特にコスモポリタンハウスで毎日のように仲良く、家族のように暮らした仲間との別れは悲しく、様々な思いがこみ上げてきました。彼らとの、毎日冗談を言い、からかい合い、励まし合う、あのような共同生活はもうできないのかと思うととてもさびしくてたまりません。国も文化も違う個性あふれる人々が集まって、一緒に暮らすコスモポリタンハウスは、私にたくさんの出会いをもたらしました。あのメンバーで、あのキッチンで、みんなで談笑した時間はもう戻ってきませんが、彼らのような仲間に出会えたことは私の誇りであり、いつかまた彼らに会えたらと願うばかりです。

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* 留学を振り返って *
留学していた1年間は私にとって大学でのExtra year であり、常に何かに追われていた日本での生活とは異なり、ゆっくりと自分や友人と向かい合うとてもいい機会となりました。
最初は自分の英語力のなさを痛感し、また、慣れない土地での生活に戸惑うこともありましたが、私が誇れることは、1度も日本に帰りたいと思ったり、イリノイでの生活を苦だと思ったことがないことです。私は、イリノイで自分らしく楽しんで生活することができ、また私を支えてくれる多くの友人にめぐり合えたことを、誇りに思い、それらを自分の自信へとつなげたいと思います。留学が私の視野を広げたことは間違いなく、また自分という人間について問い直す機会も与えてくれました。日本に帰国した今は、留学を通して変わった自分や、自分の持つ意見、周囲への感じ方などを、日々体感し、その意義について問い、自分の中で整理している最中です。このような貴重な留学という経験は、私という人間をより豊かなものにしたと信じております。今後はこの経験を様々な面で活かし、頑張っていきたいと思います。

最後になりましたが、JICの皆様、私にこのようなすばらしい機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。今後はこのすばらしい機会を絶やさぬように、JICの運営をお手伝いさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

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森本なずな

写真解説
1、Coffee Hourの準備
2、Quadの芝生の上からUnionを撮影
3、お世話になったハウスメイトの卒業式
4、コスモのみんなで記念撮影