湊麻理子さんの2008年1月分奨学生レポート

JICのみなさまご機嫌いかがですか?日本の友人からは東京で2年ぶりの積雪を記録したとの便りがとどきました。アーバナシャンぺーンは雪こそあまり降らないものの、マイナス15度を何度か記録し、アメリカ中西部の冬の寒さを肌で感じています。寒いのは日本出身の自分だけかと思っていましたが、授業のはじめの挨拶で教授がHow are you today?と聞くたびに、アメリカ人の学生がCold…..と答えるのを聞いて、みんな同じなんだな、と少し面白くおもいました。寒さで空気が張り詰めている分、晴れた日などは青空が澄み渡り、夜は月や星がとても美しいです。

 

冬のリンカーンアベニュー

〔写真;冬のLincoln Ave

さて、前回レポートをお送りしてから3ヶ月ほどの経過しました。今回のレポートでは、サンクスギビング休暇、Fall Semesterの後半、そしてバルセロナへの短期留学に参加した冬休みのことをお伝えしたいと思います。

サンクスギビングの1週間前にはボストンで行われたキャリアフォーラムに参加しました。このキャリアフォーラムは、日本語と英語のバイリンガルを対象にして行われるもので、11月の9日から11日にかけて3日間行われました。現在4年生の自分にとって、アメリカで就職活動をさせてもらえるよい機会になりました。参加している企業も国際的に活躍している、あるいはさらにグローバルな展開を目指している企業が多く、興味深いお話をたくさん聞くことができました。いくつかの企業については今後につながる活動ができたので、今後留学されるかたは、興味があれば参加されることをお勧めします。ボストンではほとんどの時間を就職活動に費やしてしまったのですが、少しですがボストンの町歩きを楽しみました。中西部とはまたちがった東海岸の歴史あるアメリカの町を楽しむことができました。

キャリアフォーラムや中間試験などで忙しかった期間を乗り越えたあとは、10日ほどサンクスギビング休暇だったので、17年前アメリカ滞在中にお世話になったDahl家のお宅に滞在させていただきました。ChampaignからPioreaMortonを越えて3時間ほどの場所にあるGeneseoという小さい町です。ほぼIowa州との州境にあるその町は、典型的な中西部らしい風景で、見渡す限りトウモロコシ畑が広がり、農家が点在しています。Dahl家の皆さんとは、17年前のシカゴ滞在中に教会主宰のサンクスギビングの国際交流イベントで知り合ったのですが、長い期間がたっていたにもかかわらず暖かく迎え入れてくださったことに感動しました。サンクスギビング当日には、第二世代のおばあさまのお宅に20人ほどの親族の方が集まり、私も集まりに参加させてもらい、伝統的なサンクスギビングディナーをいただきました。集まりにはなんと5世代にわたる親族が参加されており、アメリカの家族づきあいや家族のつながりについて考えさせられる機会になりました。日本で言うとお盆やお正月に親戚が集まっているのと似ているなと感じたのですが、5世代のなかで一番年長に当たる女性がおっしゃっていた、「最近は遠くに住んでいたりして昔のようにいつでも顔を見られるわけではない。このような機会には意識して集まってつながりをもたなければ」という言葉が印象的でした。

サンクスギビング

〔写真;Thanksgiving

サンクスギビングが終わったあとはすぐに期末試験の時期だったので勉強で忙しくしておりました。寮や図書館の雰囲気もがらりと変わり、勉強させられる雰囲気でした。ひとつ印象的だったのは、テストが3つ以上24時間以内に重なった場合、テスト日程を変えてもらえるという制度です。ただ単にテストさえ受ければよいというのではなく、一つ一つの科目をしっかり勉強し、身に付けるということが意図されているのだと感じます。また、ドイツ語の授業では筆記試験以外にもOralの試験が課されました。クラスの中でパートナーと組み、3分間のショートスキットを2本、即題の会話などを実演せねばならず、かなり苦労しました。パートナーの子とテスト前に何度も集まり、練習を重ね、実際のテストでは満足のいく結果だったと思います。実はオーラル試験の概要が発表された当初はパートナーが見つかるかどうかかなり不安に思っていました。運良く見つけることができたのですが、ドイツ語はもちろん英語も拙い私と練習するのは面倒だったと思うと、テストの後にお礼を言ったところ、「そんなことは全く気にしなくていいよ、僕らのテストはなかなかの出来だったし、よかったよ」と言ってくれて、本当にうれしかったです。一緒に練習してくれたパートナーには本当に感謝しています。また、最初苦労していたけど一番力を入れていた人種と民族に関する社会学の授業では高い評価をいただくことができ、大変うれしかったです。

また、期末テストの少し前に、こちらで日本文化を紹介する活動をしているJ-netというサークルのFashion Showに参加させていただきました。私はダンスのパートに加わりました。このようなイベントは高校以来のことだったので、最初は参加するかかなり迷ったのですが、大変いい経験になりました。練習の際も、日本の部活で練習する場合との違いを感じ、面白かったです。たとえば、日本では、ダンスの舞台発表の際などかなり長い時間をかけて、細かいところまでそろえることに集中していましたが、こちらでは短い時間で、みんなが楽しむことに力を入れているように感じます。最初はそのことにいらいらしたりしていたのですが、だんだんと、「自分で思うところがあるのならそれを伝えればいいんだ」と割り切り、楽しむことを重視しながらも、練習の仕方に意見を出したりして、主体的に関われたかなと思います。ダンスという自分の大好きなことを通して、いろんな国からのチームのメンバーとひとつのものを作り上げたということは、素敵な経験になりました。本番の舞台では最高のパフォーマンスができたと思います。ダンスチームのメンバーとはもちろん、そのほかの子ともFashion showを通していろいろな話をすることができました。また、勇気を出して誘った友達や、いつも励ましてくれるJICの同期が舞台を見に来てくれたこともとてもうれしかったです。

ファッションショーにて

〔写真;Fashion Showにて〕

期末試験のあとは待ちにまった冬休みです。わたしは冬休み前半をNew Yorkの友人の家ですごし、その後半はスペインのバルセロナへ行く短期留学のプログラムに参加しました。

NYの友人はもう20年近く付き合いのあるインド系アメリカ人のSnigdhaです。今回は彼女の家にお邪魔させていただき、NYのいろんな場所を案内してもらいました。タイムズスクエアやブロードウェイ、国連など、これぞNYという場所から、彼女や彼女の友人がよく訪れるレストランやカフェなども訪れ、典型的なキャンパスタウンのシャンぺーンとは違った都会の学生がどんな生活をしているのかを肌で感じることができました。また、本場のブロードウェイで26ドルの当日券でみたLes Miserablesは鳥肌が立つほどすばらしかったです。学生向けの当日券ということでしたが、かなりよい席で楽しむことができました。NY滞在中には、寮で仲のよい友達で、今学期で帰ってしまうHwa-Youngとも一緒に時を過ごすことができ、素敵な思い出になりました。また、Snigdhaのご家族と一緒にクリスマスをお祝いすることができ、しばらく家族から離れていたこともあって、とても心があたたまりました。

クリスマスの直後にシカゴに戻り、そこからバルセロナへの短期留学に参加しました。このプログラムは冬休み中の2週間を利用して外国へ行き、授業とフィールドワーク、そして何らかの課題(私の場合は日々のレポートと、帰国してからのファイナルレポートでした。)を提出することでLiberal Arts and Scienceの単位が普通の科目同様に認められるということです。私はカタルニア地方の文化や歴史、政治について学び、フィールドワークとしては数々の美術館やガウディのすばらしい建築などを見学しました。スペインで感じたことは、ヨーロッパの歴史の重さです。スペインはすばらしい町ですが、自分が生活をするとなると、アメリカ以上に違和感が大きいのではないかと感じました。それは、建築、美術、そして食べ物などのすべてにわたる文化が、長い時間をかけて綿密に作り上げられてきたからではないかと思うのです。そう考えると、アメリカの特異性(自分が感じただけですが、歴史が新しいだけでなく、誰にでも当てはまるようにtarget zoneの広い文化を育てているように感じます)についても考えることができました。

スペインでは本格的な留学経験といった感じで、2週間日本語を一切話すことなく、自分の英語能力としっかり向き合う時間になりました。一緒に行ったイリノイの学生達は特に私のような留学生に興味が深いわけではなかったので、英語の問題とともに、自分の魅力、バイタリティーが足りないということを思い知りました。日本からの留学生であるという以外の自分の魅力を磨く必要があるんだと身にしみたことで、新しい学期に対する新しいモチベーションを持つことができました。もっとアメリカの学生、あるいはほかの国からの留学生が何に興味をもち、どのようなことで笑い、どんなことを考えているのかを知りたい、共感したいと強く思いました。このように、反省する機会にもなってしまいましたが、移動中の何気ないおしゃべりや、みんなで海に行ってはしゃいだこと、飲みに行ったことなどは忘れられません。この旅で感じたこと、見つけた課題を常に意識して、残り少なくなってきた時間をすごしたいと思っています。サクラダファミリアにて

 

〔写真;Sagrada Familiaにて〕

さて、最近始まった新学期は、さまざまな人の助けもあり、自分の思ったとおりの履修ができたこともあって張り切っています。詳しくは次回書かせていただこうとおもっておりますが、COMM321Film and Irony, COMM 389 International Communication. SPCOM277 Media and Public Discourse, SPCM101 Public Speaking THEA101 Intro to the Theater Performanceを履修しております。自分の日本での専攻を違った分野から見ようと思い、日本にいるときから是非勉強したいと考えていたメディアスタディーズがしっかりと学べそうなので、がんばりたいと思っています。

留学生活も折り返し地点を過ぎましたが、いつも見守ってくださるJICの皆様、日本にいる家族、友人の皆様方に感謝して、報告を終わらせていただきたいと思います。引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。

 

 

ハロウィンパーティ写真:ハロウィンパーティ

湊麻理子