柳潤子さんの2009年10月分奨学生レポート

 JICの 皆様お久しぶりです。イリノイは少しずつ肌寒くなってきており、冬を間近に感じておりますが、いかがお過ごしでしょうか。アメリカでの留学生活が始まって から2ヶ月近くが経ちました。少しずつこちらの生活にもなれ、現在は中間テストが終わって一息ついたところです。昨年はJIC奨学生の方のレポートを読みながら留学への夢を膨らませていたのを思い出しますと、私がこのレポートを書かせていただくのが、なんだかとても不思議な感じがします。つたない文章ですが、楽しく読んでいただけたら幸いです。

1.授業について

授業は4クラスを受講しております。実はIntroduction to Law の授業も最初は受講していたのですが、内容が難しく、大教室でディスカッションについていけなかったため、今学期はこちらのクラスに集中することにしました。
SPAN122 Elementary Spanish
CHIN305 Advanced Chinese Ⅰ
CMN321 Persuasive Speaking
LLS220 Mexican & Latin Am Migration

スペイン語と中国語の授業がかなりの時間を占める言語中心のような時間割になってしまいましたが、こちらにはたくさんのSpanish speakerと Chinese Speakerがいるのでぜひぜひアメリカにいるうちにマスターしていきたいなと考えております。CMN321 Persuasive Speakingの授業は日本の大学でPublic Speakingの授業を受講した後、もっとスピーキング力を伸ばしたいということで受講を決意しました。アメリカに来たばかりのInternational studentは私一人で、スピーチの内容も社会的な問題や、学術的にもすこし専門的な問題を選ぶため、不安だったのですが、クラスメートに温かく受け入れてもらい授業を受けております。LLS220 Mexican & Latin Am Migrationの授業は、日本にいるときから楽しみにしていましたが、予想以上に内容が充実しており大変満足しています。また、クラスメートの中には、移民問題や人権問題についての活動をしている人たちもいるため授業を通して知った活動にも参加しています。

アメリカの大学は勉強がひたすら大変というイメージがあったのですが、授業ではレジュメでスケジュールや課題、成績評価の基準が細かく決められ、さらに中間テスト前にはstudy guideが 配られ、どの範囲をどのようにテストで問われるかがあらかじめ学生に教えられるなど、教える側が学生に何を要求しているのかが大変明確にされている気がし ます。もちろん、これらの要求にこたえるのは難しいのですが、きちんと学びたいと思う学生に対しては丁寧に接してくださり学生に対して、知識やスキルを身 につけてほしい、学んでほしいという熱意が伝わってきます。学生側も授業内容だけでなく、成績評価、授業の進め方についても積極的に発言、質問するなど、 授業やインストラクター、教授に対しての期待が高い気がします。その分GPA成績を個人の努力、モチベーション、能力と密接に結びつけやすく、どんな場合にもGPAが大切になってくるようで、学生たちが高いGPAを確保しようとする姿を見ると日本の大学とは随分と違うように感じます。

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*写真1

2.生活面

私は現在Global crossroadsで 生活しています。こちらの寮はアメリカ人と留学生が半数ずつ暮らしています。一年生が多く、フレンドリーで母文化以外の文化に対しても興味を持っている人 が多い気がします。両親の代にアメリカに移住してきた人や、2ヶ国語以上話せる人、外国語を現在履修している人、留学経験がある、もしくは留学を考えてい る人が多いので、似たような興味を持つ友人を作りやすい環境だと思っております。
私 の寮はダブル部屋で、ルームメートはシンガポール出身のインド人です。年が4つくらい離れて若いので最初は少し心配だったのですが、しっかり者で、言語の 面でも生活面でも助けてもらっています。共通の友人がいないので一緒に出かけることはないのですが、もともとの性格が近いためか同じ部屋で生活していても 特に不自由はなく、毎日、その日の出来事を共有したりしながら、ルームメートのいない留学生活は考えられないくらい自分の生活の一部になっています。
イリノイ大学は、日本で生活していた大学とは考えられないほど、施設が充実しています。ジムがあり、24時間利用できる図書館があり、ちょっとした資料を探すにも図書館の本と取り寄せるにも便利な仕組みがたくさんあります。学生主体のイベントも多く、友人がそのイベントで生き生きと活躍しているのを見ると、本当にいろいろなチャンスの多い場所に来たのだと実感しております。

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*写真2

3.IDream & IResist

IDreamとはDREAM Act制定への政治活動を行うイリノイ大学での学生団体です。前述のLLS220のクラスメートが中心メンバーになっていたため、授業を通して知りました。現在イリノイ大学を含めてアメリカには、幼い時にundocumented(アメリカ入国に必要な書類を持たない、ビザなし)の状態で入国し、大学生になったころになってアメリカ政府から強制帰国を命じられるケースがあります。DREAM Actとはこういったundocumentedの人たちが、これから合法的にアメリカで生活するため、現在のアメリカの移民法に代わる法律です。

IResistとはイリノイ大学内での有色人種に関わる問題かかわる団体で、こちらもLLS220の クラスメートが中心メンバーになっていたため、授業を通して知りました。イリノイ大学は大学のシンボルとしてネイティブ・アメリカンをかたどったものを利 用しているのですが、少し前からこれがネイティブ・アメリカンに対する偏見であるということで問題となっています。また、chiefの ダンスがネイティブ・アメリカンの伝統的な衣装を着て、まったく彼らの文化とは関係のない音楽で関係のないダンスを踊るのも、ネイティブ・アメリカンに対 する蔑視ではないかとの考えがあります。日本では移民の子どもたちにかかわるボランティアをしていたせいか、とても興味があり、どちらの団体にも少しずつ 足を運んでいます。政治的な活動や、人権問題の活動は日本の大学よりもはるかに盛んな気がしますが、アメリカでは逆に、人々の間での宗教・文化の違いが、 他の場面での意見の違いに大きく影響するため新しい考えや取り組みは受け入れられにくい側面もある気がします。キャンバス内においてさえも自分の意見を表 明することが難しい場合があるのは残念ですが、これからこれらの団体の活動に参加していきたいと思っています。

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*写真3

初 めての海外というわけではないのですが、思った以上に文化の違い、人の違いに驚く毎日です。様々な国から留学生が集まりながらも、出身地ごとに固まりやす く、なかなかその輪の中には溶け込めないときもあり、ときに意外に宗教や言葉の壁が高く感じ、人間関係が思ったようにはうまくいかないこともあります。
ア メリカに来たのだから、こういう経験をしてみたいとかこういう留学生活を送りたいという気持ちはもちろん持ち合わせながら、いろいろな環境に触れや多くの 人の考え方を受け止め、新しい経験からたくさんのことを吸収して、これからの留学生活をさらに楽しめたらと思っております。

写真1シカゴにて
写真2ルームメートNehaと
写真3イリノイTシャツ