針谷彩花さんの2009年10月分奨学生レポート

JICの皆様、こんにちは。2009年度奨学生・針谷 彩花です。

早いもので、アメリカに来てから既に2か月が経ちました。何度か失敗も重ねましたが、ようやく生活スタイルも確立し、日々の生活にも少しずつ余裕が出てきたところです。それでは、第一回目のレポートをお届けします。

【イリノイ大学の印象】
「とにかく広い!」というのが第一印象でした。こちらに着いて最初の一週間は、地図があっても目的地にたどり着けなかったほどです。東西南北の感覚が掴めず、Illini Unionに行くつもりが反対方向に歩いていたこともありました。しかし、地図さえ覚えてしまえばイリノイ大学はとても住みやすい場所だと思います。何よりバスが発達しているのには感動しました。Red, Yellow, Blueなど様々なラインがあり、北回り・南回りなどの区別もつかず、最初の頃は逐一運転手さんに「このバスは○○へ行きますか?」と聞いて確認してから怖々乗車していましたが、今ではもう慣れたものです。

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ま た、留学生が多いことにも驚きました。キャンパス内を歩いていると、アメリカ人だけでなくアジアの人々や中東系の人々もよく見かけます。中でも特に中国人 を見かけることが多く、中国に留学していると錯覚しそうなくらいです。日本人は少ないと聞いていましたが、今年は珍しく多いそうで、20人近く日本人の知り合いがいます。留学先で日本人とばかり一緒にいるのはよくないと聞きますが、助け合える存在が近くにいるのはいいことだと思いました。

【住まい】
現在、私はArmory HouseというPrivate Certified Housingに住んでいます。Global Communityとも迷ったのですが、様々な条件(食事や設備、立地条件など)を考慮してここに住むことに決めました。結論からいえば、Armory Houseは私にとってあまり良い環境とは言えませんでした。Armory Houseに は留学生が多く住んでいるのですが、特に中国・韓国からの留学生が多く、彼らは同じ国からの留学生とばかり関わりあい、それぞれの母国語で話すため、アジ ア人とアメリカ人・その他の国からの留学生とでコミュニティが完全に分かれている印象を受けました。唯一の日本人である私は中国語も韓国語も理解できない ためアジア人のコミュニティに入れず、またアメリカ人からは中国人または韓国人とみなされているのか相手にされず、結果的にArmory Houseではとても寂しい日々を送ることになってしまいました。
Armory Houseは食事もおいしく、立地もよく、私にとってとても住みやすいことは確かなのですが、より充実した生活を追求するため、来学期はアパートをSubleaseできないかと考えているところです。

【授業】
今学期、私は4科目12単位を履修しています。
1.    CMN101 – Public Speaking
2.    EIL489 – Theoretical Foundations of Second Language Acquisition
3.    ESL115 – Principles of Academic Writing
4.    SPED117 – The Culture of Disability

中でも特に興味深いEIL489とSPED117についてレポートします。
EIL489は私が最も興味を持っている第二言語習得論についてのコースです。秋学期に難易度の高い400番台の授業を履修することには非常に不安があったのですが、第二言語習得論に最も興味があるので思い切って履修することに決めました。この授業が一番興味深いのですが、履修決定前の不安通り一番大変なクラスです。毎週100ページ近い量のReading assignmentを こなさなければならず、また授業中の活発な議論や教授のイギリス英語を理解するのは私にとって至難の業です。あまりの大変さに「どうしてこのコースを履修 したんだろう」と後悔することもありますが、それでもやはり第二言語習得論はおもしろい!私は将来英語教師になりたいと考えているのですが、そこで役立ち そうな知識を身につけることができるので、時々は泣きごとを言いながらも楽しんでいます。
SPEDというのは「Special Education」のことで、日本語に訳すと「特別支援教育」になります。教育実習で車椅子を使っている生徒と出会ったことから特別支援教育に興味を持ち、SPED117を履修することに決めました。SPEDと 銘打ってありながら、このクラスは一番レベルの低いクラスのためか「特別支援“教育”」というよりも、むしろ「障害と共に生きていくとはどういうことか」 を考えさせられるような授業内容です。授業では障害について扱った映画やテレビ番組を見たり、実際に障害者の方をクラスにゲストスピーカーとして招いてお 話を聞いたりと、障害を持っている人々が日々の生活で直面している問題を実感することができました。特に「Sound and Fury」 というドキュメンタリー映画が私にとって衝撃的で、「健常者は障害者に健常者の価値観を押し付けていないか」「障害と共に生きていくことは本当に不幸せな ことなのか」「幼い子どもの意思を親はどうやって尊重したらいいのか」など、本当にいろいろなことを考えさせられました。このコースを通して、障害を持っ ている人々に対する私の意識は変わりました。現在、障害を持った子どもが養護学校ではなく普通の学校に通うケースが増えています。将来教職を目指す私に とって、このコースは障害のある生徒をどのようにして支えていけるか考えるために、とても良い機会になりました。

【クラブ活動】

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Quad Dayにて様々なクラブに参加してきたのですが、今現在活動に携わっているのは以下のクラブです。

1.    Ka Melia Hula Club
「せっかくアメリカにいるんだし、思い切って何か新しいことに挑戦してみよう!」と思った私が選んだのは、なぜかダンスでした。Ka Melia Hula Clubは女の子ばかり10人未満の小さなクラブで、日曜の夜に1時間、フラダンスとタヒチアンダンスの練習をしています。女の子ばかりで小規模なところが日本の大学を彷彿とさせ、とても居心地がいいです。10月24日にはKrannertで初めての発表会があったのですが、それに向けての練習はなんと本番3週間前から始まり、練習の回数は週2回 に増やしたのみ。あまりの練習量の少なさに「本当に大丈夫なのか」と心配することしきりでしたが、なんとか形になりました。本番当日はとても緊張しました が、楽しんで(それも一度も間違えずに!)踊ることができました。今後も様々な発表会などが予定されているそうなので、これからの活動を楽しみにしていま す。

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2.    Global Partners
読む・書く・聞く・話すという英語の四技能の中でも「話す」ことが特に苦手なので、Global PartnersというクラブでConversation Partnerを頂きました。小さい頃にアメリカに移住したブルガリア人の女の子で、そこにもう一人タイ人のFreshmanの男の子も加わり、週一回程度3人で会っています。

3.    Foreign Language Club
Conversation Partner 第二段です。けれどFLCはGPとは少し違い、こちらが一方的に教わるのではなく私も日本語を教える、いわゆる”Language exchange”の形になります。FLCでも英語の会話練習のために女の子のConversation Partnerを頂きました。そして私は日本語を教えるのですが、なんと女の子ばかり6人の大グループ!こちらは連絡が来たのがつい最近のためまだ6人全員で顔を合わせたことはないのですが、とても楽しみにしています。

4.    International Illini
イリノイ大学に交換留学中の学生と、イリノイ大 学から外国へ交換留学を経験した学生を繋ぐクラブです。交換留学生同士の交流会を企画してくれたり、アメリカの文化を楽しむためのイベントを企画してくれ たりします。このクラブが最も交換留学生にとって楽しいイベントを提供してくれるクラブではないでしょうか。10月13日に行われたPumpkin Carvingのイベントでは、人生で初めてハロウィンのためにカボチャを彫りました。最初のカボチャ選びに失敗して(オレンジ色の濃いカボチャを選ぶのがポイントです)30分を無駄にし、その後2時間近くかけてようやく完成させることができました。ハロウィンは日本にはないイベントなので、本番(?)の31日を今から楽しみにしています。

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一年前の今頃、本奨学生制度応募のための書類の準備に奔走していたことを今でも覚えています。家族や友人に応援され、応募文と履歴書を何度も書き直し、大学の先生方には遅くまで添削して頂いて、申し込み締め切り直前まで推敲を重ねました。
それを思い出すと、私は今、家族や友人、大学の先生方、そしてJICの皆様の支えがあってこそアメリカにいることができるんだと感謝の気持ちで胸が一杯になります。与えられた機会を最大限に活かし、これからもがんばっていきたいと思います。

群馬県立女子大学 国際コミュニケーション学部 英語コミュニケーション課程 3年
針谷 彩花