乾弘哲さんの2013年2月分奨学生レポート

皆様、お久しぶりです。2012年度奨学生の乾弘哲です。こちらアーバナ・シャンペーンではすっかり木の葉も散り、日中でも氷点下が続く毎日です。もう留学生活も半分以上過ぎてしまったかと思うと、ここまでやってこられたというと満足と、もうそんなに時間が過ぎてしまったのかという焦燥が入り混じった気分になります。

実は、秋学期の中頃に健康を崩し、ときどき病院に通う生活を送っていたのですが、それも今では快復しました。この件に関しては、同期の奨学生の皆やその他いろいろな方に心配とご迷惑をおかけし申し訳なく思うとともに、様々なサポートを頂いたことに心から感謝しております。異国の地で体調を崩すとここまで心細くなるものかと思うほど、一時期はかなりブルーな気分になりましたが、皆さんのおかげで、今では元気に過ごせております。
今回は、そんなこともあってやや停滞気味だった秋学期の反省と、春学期の目標を中心にお届けしたいと思います。

I. 授業 ~課題はきつい、アメリカ人でもきつい~
II. 課外活動と行事 ~安全保障、アメリカ文化、芸術~
III. 英語 ~ETCカフェとドラマ~
IV. 春学期の目標

I. 秋学期の授業を振り返って
まず勉学面について総括すると、やはり言語面による課題が残りました。学期末の課題の山を乗り越えて痛切に感じたことは、やはり、英語のインプット・アウトプットの速度を上げないことには、クラスメイトに追いつくことができないということです。前回のレポートで報告しましたように、秋学期の目標は、表現は乏しくても中身のある発言をすることでした。しかし、日々課される課題はネイティブにとっても大変と感じられる量であり、結局、教科書や論文を読んでも、理解の度合いも理解の速度とも満足のいく結果を残せなかったと思います。
春学期はこの点を改善すべく、予復習に時間をかけられるよう予定を組み、さらにそれを通して英語の向上を図ろうと思っています。(もちろん、こんなことは留学前にやっておくべきだったのでしょうが、一方で、実際にこの環境に入ってみないとここまでの切迫感はわかなかったと思います)

以下では、それぞれの授業を簡単に振り返ってみます。
・PS 280 Introduction to International Relations (Prof. P. Diehl)
・GEOG 110 Geography of International Conflict (Prof. C. Flint)
・PS 300 Human Rights (Mr. Malekafzali, PhD)
・CMN101 Public Speaking (Mr. York)

期末試験前夜に散乱する論文たちとコーラのボトル

まず、PS280とGEOG110は、日々のニュースに敏感になる癖をつけてくれました。授業の内容自体は基本的なことなのですが、discussionなどのアウトプット型の課題で議論についていき、意義ある発言をしようと思うと、日々のニュースや国際情勢に関する基本的なことを知っておく必要があります。例えば、EUと同様の地域統合がNAFTA圏でも可能か、という問いにその場で答えるためには、少なくともカナダ・アメリカ・メキシコについての基本的な知識と、最近の政治・経済・社会の問題を知っておく必要があります。とはいえ、必ずしも学生たちがそうした事情に通じているわけではなく、学年としては彼らより上の私のほうが知識で上回り、意見を出せることもままありました。
ちなみに、このPSの授業の教授は前回紹介したとおりその分野の大家ではあるのですが、大変お茶目な人でした。例えば、Halloweenのときはお菓子の袋を黒猫のぬいぐるみを持ってきて、その日は、優れた発言をした学生はキャンディーをもらえ(200人の大教室なので、前の教壇から投げられる)、いまいちな発言は黒猫のぬいぐるみに「ウニャー?」と鳴かれて終わり、という講義になりました。また、クリスマス直前に行われた期末試験のときは、赤いセーターを着て頭にトナカイの角を付けて試験監督をしており、思わず笑ってしまいました。

Human Rightsの授業は、最後まで密度の高い授業で、第二次大戦後の世界のあり様を人権という観点から眺める内容となりました。先生は、自分の見解をかなり強く主張するタイプの人でしたが、その一方でYou don’t have to agree with what I say in this class.と何度も確認し、学生からの質問には多くの証拠(例えば国連の報告書)を提示して応えていました。とりわけアメリカの中東政策に関する見解では相当批判的な見解も提示しており、人権尊重が謳われる一方での裏の実態について考えるいい機会だったと思います。この授業は、人権の現実について考えることがテーマの一つだったのですが、講義の中ほどで彼が言った”We cannot reach any world where human rights are respected unless we consider political and economic context”という一言は、巷で聞かれる安易な人権擁護の議論とは一線を画した言葉で、強く印象に残っています。
このHuman Rightsの授業は現地の学生の間でもtoughな授業として知られているらしく、reading assignment(しかも、講義とテーマは一緒だが、別内容)を学期中にはこなすことができず、期末試験の2週間前くらいからThanksgiving休暇を使って一気に読みとおすことになってしまいました。もっと前からやっておけばよかったと後悔もしていたのですが、これに関係して、アメリカの学生の実態が垣間見える面白い出来事がありました。この授業では少し話すようになった友人がいて、彼らが主催する試験前のStudy Session(自主勉強会)に誘ってもらったときのことです。課題の本の理解も甘く、授業の内容も100%フォローできているとはいえなかったのでためらいましたが、いざ行ってみるとそこにいた当の主催者の彼は、そもそもReading Assignmentの範囲を知らず、私がたまたま持っていたシラバスを見てその量(約400ページ)に驚き、「これはヤバイ、自分はこれから家に帰って読む」(当時、すでに試験前日の夜6時ごろ)といって、さっさと帰ってしまうということが起こったのです。Study Sessionの企画自体を持ちだしたのが彼だったので、あまりの気楽さにぽかんとしてしまいましたが、結局彼がいなくなってしまったので、集まりも自然解散になりました。彼は中間試験でも成績が上位だったと噂だったのですが、一夜漬けに頼るときもあるんだなぁと日本の大学生と似た面を見つけた気がします。

ある意味で一番苦手だったPublic Speakingのクラスは、学期中頃にあったinformative speechは自分の中で最高の出来でしたが、最後の課題だったビデオに録音して発表するceremonial speechは原稿を覚えきれず、いまいちの出来になってしまいました。なお、その最後の課題をクラスで見て、たがいに評価し合う最後の授業では、クラスのムードメーカーだった女の子の提案で、皆でピザを食べながら鑑賞することになりました。そこでの自分への評価は、改善点も色々指摘される一方、「最初はずっとshyに見えたけど、今では自信を持って喋っていると思う。ずっと良くなった」というコメントをクラスメイトからもらい、素直に嬉しく感じました。
II. 課外活動と行事
年末年始は一度日本に帰り、年明けはChicagoを観光しました。このときは生まれて初めて本格的な時差ボケにかかり寝ていることも多かったのですが、宿泊したHostelでカナダから来た中国人学生と出会い、朝食を一緒にとりながら現在の中国政治について教わるなど面白い経験もすることが出来ました。
秋学期はどちらかというと日々の講義についていくので精一杯でそれといった課外活動はできなかったのですが、いくつか参加した活動、行事を紹介します。

ハロウィーンのアメリカ文化のクラス。Pumpkin Carvingです。

1. ACDIS
これはThe Program in Arms Control, Disarmament, and International Securityの略で、いわゆる「安全保障」の分野に関係する諸学の先生たちが集まった学際プログラムです。せっかくイリノイ大学に来たのだから、何か形に残るものがほしいと思っていたところ、ここが認定した授業を一定数履修すればCertificate(修了証)をもらえるという学部生向けのプログラムを見つけ、メンバーに加わりました(このため、後述の通り春学期の授業は全てこのACDIS認定科目にしました)。なお、秋学期のHuman RightsとGeographyの授業も、ここの認定科目だったことも選んだ理由だったのですが、留学生がCertificateを認めてもらえるかわからないままだったので、本格的に参加したのは11月頃です。
このプログラムでは、ただ授業を認定してくれるだけでなく、Securityに関する資料の揃った資料室を自由に使わせてもらえたり、関連分野のセミナーやインターンシップの情報を頻繁に流してくれたりして重宝しています。少し前には、「Terrorist Threats in/to the Lab」というテーマで、FBIで生物兵器対策に当たっている方を招きGenomic Biology学科が主催したセミナーに参加させてもらいました。アメリカで911直後に発生した、郵便で炭疽菌が送られるという事件は日本でも報道されましたが、そのような生物兵器の入手先として大学の研究室が狙われうるという内容で、非常に興味深く聴くことが出来ました。

2. American Culture Class (ACC)
これは、キリスト教系の団体が運営している異文化交流団体の活動の一つで、週に一度集まり、文字通りアメリカ文化について海外からの学生に紹介してくれるものです。あまり頻繁に顔を出しているわけではないですが、例えばHalloweenのときはカボチャのデコレーション体験をさせてくれるなど、留学生にとっては面白い企画となっています。なお、同じ団体の活動でBible Study、Conversationなどもあります。

 

3. Krannertセンター

こちらはキャンパス内にある美術館、劇場で、年間を通してさまざまな企画展を開催しています。印象に残っているのは、美術館と日本館とが共催した「藍染」をダンスで紹介する催しや、音楽部の教授が毎週金曜夜にブラームスを演奏してくれる連続演奏会、シャンペーン周辺のバレエ教室の発表会の「くるみ割り人形」などです。どれも学生は無料か数10ドル前後の安い価格で入場できるので、非常にお得です。

Indigo(藍)の展示。幻想的な音楽とダンスとともに。

 

 

 

 

 

 

III. 英語
前回のレポートで苦労していると報告した英語ですが、このままではまずいと思い、秋学期の中頃からいくつか取り組みを始めました。その一つが、ETC Coffeehouseというカフェでの会話教室です。現在では週に一回1時間半あるだけなのでそれ自体ではあまり英語が伸びるわけではないのですが、宿題としてアメリカのドラマを観て、そこで出てきた表現を集めるというものがあり、これが非常にためになります。やはり、日本で教わる英語はフォーマルな場面を想定しているので、くだけた場所での会話に出てくる表現は別に覚えないと分かりません。その点、ドラマは若者の生活を描いている現代のものだと頻繁にそうした口語表現が出てくるうえ、ニュースよりずっと速いスピードの英語に触れられるため自分にとっては良い訓練になっています。ちなみに、アメリカではNetflixという動画サイトがあって、月々8ドル程度払えば、数多くのドラマと映画を無制限に見ることが出来ます。(残念ながら、日本では利用できません)
一方、期末試験の論文を書いていて感じたことですが、口語表現だけを練習していると、表現がくだけた、あるいは幼稚な感じになり、フォーマルな文章が書けなくなってきます。現在では、この友人との会話のためのくだけた表現と、フォーマルな場での正式な表現の二つをバランスよく習得するのが課題です。
というわけで、まだまだネイティブ同士の会話にはついていけないことも多いのですが、それでもこちらに着いたころと比べればだいぶとましになった気がします。

III. 春学期の目標
今学期は、以下の4科目を履修しようと考えています。
GELG118 Natural Disasters (Prof. S. Altaner)
PHYS280 Nuclear Weapons & Arms Control (Prof. M. Perdekamp)
PS283 Introduction to International Security (Prof. S. Miller)
GLBL 397 International Diplomacy and Negotiation (Dr. T. Wedig)

先にもお話しした通り、全てACDIS認定科目で、またCertificateを認定されるためには最低2科目の理系科目も履修しないといけないため自然災害と核軍縮について学ぶことにしました。
また、PHYS280とGLBL397はAdvanced Compositionという単位が認定されるクラスで、Academic Writingに重点を置いた課題がたくさん出ることになっています。特に前者のPhysics280の場合、これまで自分が親しんできた国際法・政治学とは違ったWritingの決まりがあるため少し苦労していますが、一方で扱う内容・考え方ともに新鮮さがあります。さらに、GLBL397は最後の一カ月間は他大学と交渉のシミュレーションをするということで、全体的に「発信」に力を入れる学期になりそうです。というわけで、まず勉強面での春学期の目標は
目標1 今まで親しんでいなかった分野について、英語で吸収する力をつける
目標2 書く・話すという「発信」の訓練をする
の2点です。
また、秋学期は体調がすぐれなかったこともあって、外に出かけて楽しむ機会があまりなかったのですが、せっかくフロアメイトのFreshmenたちとは違って合法的にお酒が飲める年齢なので、ソーシャルライフを楽しむべく、今期はバーなどにも積極的に足を運びたいと思っています。その意味で、
目標3 これまで体験しなかった色々な楽しみを見つける
がもう一つの目標(?)です。

さて、冒頭にも書きましたがもう留学生活も半分以上過ぎてしまいました。ここに来るという機会だけでなく、こちらに来てからも多くの人に助けられていると感じます。こうしたご恩を無駄にしないためにも、あと3カ月余りを大切に過ごしていきたいと思っています。

ボストンキャリアフォーラムの際に訪れたHarvard大学で。

 

 

 

 

 

2013年2月3日
京都大学法学部4年生
乾 弘哲

佐藤香織さんの2012年11月分奨学生レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。また、このレポートを読んでくださっている方々、はじめまして。第37期小山八郎記念奨学生として現在イリノイ大学に留学しています、佐藤香織です。11月に入り、いよいよ日本でも冬が近づき、肌寒くなってきていることかと思いますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
私が日本を発ってから早2ヶ月半が経ち、最初のうちは右も左も分からなかったアメリカでの生活にも少しずつ慣れ始め、こちらの授業や様々なイベントを通じて、毎日充実した日々を送っています。今回は第1回目のレポートということで、まずイリノイに到着したばかりの様子、授業の様子、寮や課外活動、イベントの様子の順にこちらでの生活をレポートしたいと思います。

1.到着時の様子
今年度は、8月27日(月)という遅めの新学期のスタートであり、私はその約一週間前の8月21日(火)にこちらに到着しました。ひとりで海外に行くこと自体初めてである上、そのフライトが今まで経験のない約1年間の留学であったこと、また出発の1ヶ月前に軽い病気にかかってしまい、自宅で休養する生活が続いていたこともあり、成田空港を出発するときは留学への期待以上に不安がつのり、とても緊張していたのを覚えています。成田空港から約12時間のフライトの後、イリノイ大学の持つシャンペーンの空港まで乗り継ぎ、その後バスを経由して私の住むPARという寮についたのは21日の夕方ころでした。とりわけ大きなアクシデントに遭遇することはありませんでしたが、飛行機内でもらうはずの税関申告書やI-94をもらいそびれ、入国審査の際に近くにいた他のアメリカの大学へ留学する人々に助けられたり、オヘア空港の乗り継ぎの際のセキュリティチェックで取り出したパソコンを置き忘れてしまったりと、うっかりが多かったのですが、シャンペーンの天候も穏やかでルームメイトや親戚の人たちもとても暖かく迎い入れてくれて、そんなトラブルも吹き飛ぶくらいアメリカ生活初日を楽しむことができたと感じています。
寮に着いてからは、毎日寮で新入生歓迎のイベントが催され、また仲良くなった韓国人の友人等と一緒に生活必需品を買い足しにWalmartやMarketPlazaに出かけたりと、慌しく1週間が過ぎました。とりわけ、26日にQuadDayと呼ばれるキャンパス中央の広場で行われたさまざまなクラブ活動の勧誘イベントはとても活気があり、そこでSignUpしたいくつかの団体に今もちょくちょく顔を出しています。
そしてあれやこれやするうちに授業が遂に始まりました。

 

 

 

            シャンぺーン空港に到着した際の景色         Quad Dayの様子

2.授業の様子
日本では社会学を専攻し、格差やジェンダーといった分野に関心があったこと、またアメリカでは、日本ではなかなか味わうことのできない人種や宗教、文化の多様性を学びたいと思ったことから、今学期は社会学や心理学の授業を中心に受講しています。そのなかでも興味深いと思った授業をいくつか紹介したいと思います。

・SOC160 Global Inequality and Social Change
この授業は社会学のなかでも主に世界における格差について扱った授業です。毎回出されるReadingは量が多く、内容も難しいため、毎週授業前に読み切るのに一苦労なのですが、その分内容も濃く、今まで漠然としていた格差という問題がどのようにして生じ、拡大してきているのか、という点を政治や経済、環境といった様々な側面からアプローチしていてとても格差問題について考える上で為になる授業だと感じています。また、課題文献では、体系だった形で格差について理解を深めるのに対し、授業ではしばしばReadingに関係したドキュメンタリーや映画を鑑賞することがあり、視覚的に格差についての問題を理解するという点でとても興味深く感じています。
授業の大枠とは別に、この授業では、Online Discussionと呼ばれる、各4~5人のグループ内で、毎週授業に沿ったトピックについてOnline上で意見をし合ったり、また、そのメンバーで実際に決められた地域の「水」を取り巻く問題についてグループ調査をしたりと、単なる講義だけでなく、様々な形での授業参加が求められている点が日本での授業とはまた違い、新鮮に感じました。

・EPSY203 Social Issues Group Dialogues
この授業は、寮のラウンジに張り出されていた授業紹介をたまたま見つけて、面白そうだなぁ、と思ったのがきっかけで受講しました。授業名からもわかるように、授業は少人数の対話形式で、各回指定されたReadingを読んで、それについて2~3枚のレポートを提出し、授業ではそのトピックについてみんなで自由に議論するという内容のものです。各セクションによってRace/EthnicityやGender Inequality、Social classなどトピックが異なり、私が選んだのはU.S./International Relationsというセクションで、およそ15人の生徒が集まって、権力関係や国際政治といった内容に関して議論しています。少人数のクラスでも韓国やメキシコ、インドなど様々な国から異なるbackgroundを持った学生が集まっていて、議論はいつも様々な意見が出て新鮮です。また、大人数の授業では、なかなか発言する機会がないのですが、この授業では、自分の意見を言う機会が多く、とても有意義な授業となっています。

・GLBL298 Global Studies Seminar Abroad
この授業は今期後半8回の授業と冬休みの間にある2週間のペルーへの海外研修がセットとなった授業で、内容はペルーのtourismについてReadingや旅行会社のホームページから学習し、実際ペルーでは、2人組に分かれて、researchを行うことになっています。私が指定されたresearchは、ペルーにあるレストランを散策して、tourismがレストランや食品業という側面においてどのような影響を与えているのか調査することになっています。この授業も生徒18人に教授1人という少人数の授業となっており、とてもアットホームな雰囲気で気にいっています。また、次回のレポートで、冬休みのペルーのプログラムのお話をお伝えしたいと思っています。

3.寮での生活
先ほども少し触れましたが、私は現在PARという寮のなかでもInternationalに関心を持った人たちが集まるGlobal Crossroads というコミュニティに所属しています。過去のJICの先輩方でもこのGlobal Crossroadsに住まれていた方が多く、友人を作りやすく、とても親しみやすいと聞いたため、ここに申請しました。先輩方からのお話からも聞いていたように、International Studentsの割合が多く、アメリカ人だけでなく、中国人、韓国人、インド人、ヨーロッパの国からの留学生など様々な国からの学生が集まって、毎日ラウンジで一緒に勉強したり、週末に映画を見たり、12月にはGlobal Crossroads のみんなでprom partyを主催する予定など、イベント盛りだくさんでとても仲良しです。初めて日本を離れて寮生活をする私にとって、このような暖かいコミュニティでたくさんの友だちを作ることができて、ほんとうにこの寮に住むことができてよかった、と実感しています。

              寮の友人と一緒にパーティに出かけた際の写真

4.課外活動・イベント
(1)課外活動
①テニス
到着時の様子の説明の際に書いた、Quad Dayでテニスクラブに登録し、近くのコートで週2回テニスの練習に参加しています。今期は冬になってしまい、もう練習は終わってしまいましたが、多くの学生と一緒にテニスでき、また気分転換にもなるため、来期もまた続けたいと考えています。

②ピアノ
私の住むPARという寮限定で、毎週30分、音楽専攻の院生からピアノのレッスンを受けることができるという耳寄りな情報を聞きつけ、現在ジャズピアノのレッスンを受けています。来月には同じレッスンを受けている人たちの間で小さなリサイタルがあるため、それに向けて発表曲の練習に励んでいます。

③Internationalの団体
Quad Dayで見つけたインターナショナルの学生との交流団体に登録し、Halloween等のイベントに参加しています。また、conversation partnerを紹介してもらい、週1回一緒にランチしながら英語で様々な会話をしてもらっています。

          ハロウィーンパーティにてルームメイトにダンスを教わっている写真

最後に、今回留学という素晴らしい機会を与えていただき、また支えてくださった同窓会のみなさまに改めて感謝したいと思っています。次回も多くの良いご報告ができるよう、今後も毎日様々なことに取り組んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

第37期JIC奨学生
佐藤 香織

鹿山ゆかりさんの2012年11月分奨学生レポート

JICの皆様、レポートを読んでいらっしゃる皆様、こんにちは。国際基督教大学の鹿山ゆかりです。この度は第37期イリノイ小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校(UIUC)で学ぶ機会を頂くことができ、大変感謝しております。また、渡米前は大学生活・授業について多くのアドバイスを下さり、どうもありがとうございました。
今回のレポートでは授業、その他(課外活動など)、大統領選挙について書きたいと思います。

                    大学近くの住宅街にて

I.授業
UIUCでは国際関係や経営学、ダンスから音楽まで、様々な授業が用意されています。今学期は自分の専攻に囚われず、興味を持った科目を履修することに決めました。今回のレポートではその中からいくつか紹介したいと思います。

★    GLBL 220 Governance Gateway
グローバルガバナンスについての授業です。グローバル化によって新たに生じる問題は何か、またそれに対する政府や非政府機関の対応は適切であるか、不十分であるとしたらどう対処するのが適切か…そのようなことを毎回ディスカッションしています。20名程度の少人数の授業であり、毎回リーディングが課されます。
印象的だったのが移民問題に関する回のディスカッションです。いつも以上に活発に意見が飛び交い、こちらの学生の移民問題への関心の高さに驚きました。祖父母もしくは両親の世代にアメリカに渡ってきたという学生も多く、自分のアイデンティティについて、政府の政策について話してくれました。Assimilation(同化)に関しては多くの学生が「移民と言う選択をした以上、仕方ないこと」と捉えていました。また、ディスカッションの中で両親の世代がアメリカに移民してきた学生は自分のルーツについて考えるよりもアメリカの文化に馴染もうとしていること、祖父母の世代が移民してきた学生は自分のルーツに強い関心を持っていたことが興味深かったです。

★    BDAM 199 Entrepreneurship and Enterprise Development
この授業では、起業について学んでいます。マーケティングの手法から資金集めの方法など、非常に実践的な内容を学ぶことができ、満足しています。現在はチームに分かれて企業のコンサルティングを行っています。私のチームは世界中の美術館や博物館の検索、レビューの投稿・閲覧、チケットの売買ができるウエブサイトを作りたいという女性のためにビジネスプランを作成しています。
残された時間が少ないですが、仲間と協力して仕上げたいと思います。

               ビジネスの授業が行われる建物の内部の様子

★    DANC 105 Jazz I
ジャズダンスの本場はアメリカということでこの授業を履修してみました。現在は、想像していたような種類のジャズダンスではなく、コンテンポラリーに近いダンスを習っています。先生は現役のダンサーで、以前は自分のダンスカンパニーを持ち、公演をしていらしたそうです。
驚いたのが、イリノイ大の施設のすごさです。広いダンススタジオにピアノやドラムが揃っており、最近はプロのドラマーやピアニストを呼んで生演奏に合わせてダンスをする…という贅沢な時間を過ごしています。
施設だけでなく、UIUCのパフォーミングアーツを支援する制度は素晴らしいです。まず学内に衣装や小道具の専門家がおり、ダンス科や声楽科主催の公演のセットや衣装を作っています。また、ダンスの授業を取っている学生はダンス科主催の公演に2つ以上参加し、レポートを書くことが義務付けられています。ダンス専攻の上級生やプロのパフォーマンスを観ることで学生のモチベーションを上げることができ、さらにチケットの収益を増やすことでダンス科の公演がより良いものになるという一石二鳥の制度です。

II.その他
★    10 Minutes Play Festival
10 Minute Play Festivalとは、The Penny Dreadful Playersという演劇サークルによって開かれる脚本コンテストです。10分間の作品を役者が演じ、部門ごとに一番観客から人気のあったものが表彰される…と言うものでした。私はコメディ部門の”C.R.A.P. Exam”という、とある試験の会場を舞台にした作品に出演しました。残念ながら賞に入ることはできませんでしたが、仲間との楽しいリハーサルなど、良い経験となりました。
このサークルは今年で20周年を迎えたようで、コンテストにはもちろん、打ち上げのパーティーにもたくさんのOB・OGが参加していました。様々なバックグラウンドを持った人と話をすることができ、改めてUIUCの良さを実感しました。

★    フットボール
こちらでは大学スポーツが大きな話題の一つです。フットボールは中でも大人気のようです。私が観に行った試合は、イリノイ大学対ペンシルベニア州立大学というホームゲーム。スタジアムはイリノイ大学のカラーである青とオレンジに染まり大盛り上がりでした。
…しかし、残念なことにその日のイリノイ大チームはあまり調子が良くなかったようで、試合の中盤で相手チームとの間にかなりの差をついていました。
驚いたことに、こちらの人たちは負けと分かるとすぐに帰宅してしまうようです。2時間もしないうちに、満員に近かったスタジアムの人数が半分以下になっていました。一緒に行った知人曰く「いつもなら皆もっと早くに帰りだす」そうです。
試合途中で帰った人は家に戻るというわけではなく、スタジアムの周りでテントを張ってバーベキューをするようです。スタジアムから出ると、多くの人たちの楽しそうな姿を見かけました。

              青とオレンジに染まり大盛り上がりのスタジアム

III.大統領選挙
4年に一度の大統領選挙。こちらに住む人たちの関心の高さを日々感じています。例えば、食堂で毎朝聴こえてくるラジオには必ず選挙の話題が出てきますし、先日はユニオンでは大統領のディベート(テレビで放映されるもの)を鑑賞するイベントが開かれていました。授業でも教授が選挙には行ったかどうか、どちらが勝つと思うかなど、学生によく質問しています。

                     投票を推奨するポスター

ただ、大統領の演説や選挙関連のイベントが近くでないからか、日本でイメージしていたような大きな盛り上がりはこちらでは特にはありません。投票日はどのような雰囲気なのか、今からワクワクしています。

(追記:11月10日、大統領選挙当日のこと)
大統領選挙当日も特に学内の雰囲気に変化はありませんでしたが、街で多くの人が選挙に関して話をしているのを耳にしました。また、寮のラウンジなどが投票所となっており、多くの学生が並んでいました。

                     投票に並ぶ学生達

夜の選挙結果の中継は、私は寮の一室で友人たちと見ていました。部屋には何人もの学生が集まっており、大統領選挙に対する関心の高さを感じました。オバマ勝利の瞬間の盛り上がりは今でも忘れることができません(と同時に肩を落としていた学生も何人かいましたが)。夜、部屋に戻ると「Obama~!」と外で何人もの学生が叫んでいるのを耳にしました。

簡単ではありますが、以上で10月分のレポートとさせていただきます。残りの留学生活も楽しみながら様々なことにチャレンジしていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

2012年11月10日                                               鹿山ゆかり

奥谷聡子さんの2012年11月分奨学生レポート

イリノイ大学日本同窓会の皆様、ブログを読んでくださっている方、こんにちは。2012年度小山八郎記念奨学生の奥谷聡子です。
こちらに来てから早2ヶ月が経ちました。到着直後の真夏日和から一変して、シャンペーンは日に日に秋が深まり、落ち葉舞う肌寒い季節に入って参りました。
今回のレポートでは、
Ⅰ 到着
Ⅱ 授業
Ⅲ 課外活動

の3点についてご報告いたします。

Ⅰ. 到着
8月21日に日本を出発し、シカゴ経由でシャンペーンへ向かいました。ウィラード空港行きの飛行機は30人乗りくらいの超小型飛行機で、 CAもアメリカンクオリティーこと、まったりしたおばさんで、離陸前の安全確認デモで、ライフジャケットをあちこちの棚を開け閉めしては探し回っているうちに上空にいました。こんな調子で半信半疑にシャンペーン上空を飛んでいると、見渡す限りトウモロコシ畑と平地が続き、 まるで絵に描いたように緑が広がっていました。到着すると、驚いたことに空港は大学の敷地の一部で、学生たちが案内係として待ち構えていてくれていました。到着直後は留学生オリエンテーションや新歓イベントなどが27日の授業開始までぎっしり詰まっていました。初日から昼は中庭でアウトドアゲームやキャンパスツアー、Scavenger Huntなどがあり、夜はMovie NightやIce Cream Social、Catch The Flag, Illinightというパーティーが催されていたり深夜までイベントが盛りだくさんでした。時差ぼけに負けじとふらふらになりながらオリエンに全参したので、体力的に疲れましたが、何より学校の楽しいイベントにたくさん足を運べましたし、寮のメンバーと親しくなるとても良い機会でした。
Quad Day(新入生歓迎イベント)では大学の300を超える団体が1日でクラブやサークルの勧誘活動を行うため、もの凄い人たちでキャンパス中心部は賑わい、無料のシャツやペン、食べ物で学生たちを自分たちのブースに釣っていました。私も寮の友人と無料のものを求めて得体の知れないブースもたくさん回ったので、帰って鞄を開けたら、ペンやサングラス、コップ2つと聖書までまじっていました。オリエン期のキャンパスは一年間で最もイベントで盛り上がる時期と言えるでしょう。

Ⅱ授業
今学期は以下の授業を履修しています。
CMN101 Public Speaking
GEOG110 Geography of International Conflicts
PS280 Intro to International Relations
GLBL 298 International Development and Economic Growth

CMN101 Public Speaking
こちらの大学に来て驚いたのが、幅広いコースが専攻分野以外にもオファーされているということです。私は国際政治専攻ですが、このパブリックスピーキングのコース以外にシネマスタディーズ、生け花、ブラックコーラスなど様々な授業を履修することができます。
留学先では日本の大学にはない参加型の授業を履修したかったので今学期はこの授業を選びました。この授業はTA(Teaching Assistant)という大学院生が教えており、20人の小規模クラスです。この二ヶ月の間に既に3つのスピーチを行いましたが、毎回決められた形式にそって、小道具やパワーポイントを用意してクラスで発表します。今のところ 最も面白かったのがDemonstration Speechでした。スピーチの条件は聴衆参加型、6分以内ということで、私は日本文化の紹介を兼ねて巻き寿司(Californian Roll)を作りました。他の学生は、紙飛行機、折り紙、サルサ、ケーキの作り方、ヨガのやり方、椅子の座り方(笑)、などと幅広いトピックについて披露しました。
しかし、やっぱり食べ物系は盛り上がりますね。寿司を作るというと、周りの学生は皆”I’m so excited!”と楽しみにしてくれて、前夜に予め全員分作って当日はスピーチの後で皆にまわしました。
日本でも一人で寿司を作ったことがない私が外国人に食べさせるとなったら、もちろん特訓の日々ですよ。 授業課題や課外活動の傍らで、深夜、寮のキッチンで寿司を作る(創る)私の姿が健気だこと。イリノイの地に来てこんなことにも挑戦してます。
ちなみに巻き簾 は”SUSHI KIT”という胡散臭いのをアマゾンで注文し、どんな変梃な巻き簾が届くのかとドキドキして待っていましたが開けたら意外とちゃんとした巻き簾でした。ということで、当日は調理アシスタントのボランティアを募り、クラスの皆にもスピーチを喜んでもらえました。

PS280 Intro to International Relations(Prof. Laura Hastings)
私は現在Global CrossroadsというLiving-Learning Community(LLC)に住んでいますが、LLCの学生限定にオファーされているPS280のコースを履修しています。このコースは特に将来外交官や国際機関を目指す人や、国際交流に興味を持っている学生たちが集まっています。したがって人数も20名と小規模で、寮の小さい教室で授業を行っています。この授業はもの凄く課題が多く今学期最も大変な授業です。宿題は毎週ペーパー課題2つと毎授業リーディング課題が100ページ相当出ます。この授業のおかげで月々の印刷代が15ドルかかっていたので、ついにプリンターを買いました。ペーパーもリーディング課題のリスポンスで、授業も参加型なのでリーディングをこなさないと授業についていけません。最初はリーディング課題を読むだけでも必死でしたが、今は大分速く読めるようになり、ペーパーもUndergraduate Library(UGL)のWriters Workshopで添削してもらって効率よくこなせるようになってきました。Writers WorkshopとはEnglish Majorの院生が図書館で論文のアドバイスや添削をしてくれて、留学生だけでなくたくさんの学生が活用している便利なコーナーです。
この授業ではMarxism, Realism, Liberalism, Constructivism など国際政治の理論を色々な文献を扱って学び、ディスカッションを通して国連、ルワンダ紛争、尖閣問題、多国籍企業の役割などを様々な理論的視点から分析しています。この他に、グループに別れて模擬国際会議を行うという面白いアクティビティも行っています。リビア紛争において国際政治の主体がどのように行動したか分析すべく、私と一人のクラスメイトはAfrican Union、他はNATO、UN、USA、Libya、EUに別れて、それぞれの立場から会議で交渉を行います。大学のクラスルームでも、交渉のスイッチが入ると、学生たちに熱が入り、実際に国際政治の舞台で起きた交渉過程が見事に再現され、実に面白かったです。課題は大変ですが、国際政治における力関係や国家と国際機関の役割を実践的に学ぶことができ、教授も非常に熱心な方なのでおススメの授業です。

GEOG 110 Geography Of International Conflicts (Prof. Colin Flint)
この授業は週3回あり、うち1回はレシテーションの構成になっています。今日起きている国際紛争を取り上げ、それを個人、国家、グローバルなスケールから分析し、対象地域の位置や歴史、人種、宗教、政治団体、国境形成が地域のアイデンティティと紛争にどう関連するかを学んでいます。この授業のレシテーションも実に面白い授業の一つで、戦争の大義名分というトピックの回では、アメリカが過去に介入した戦争や、一般的にタブーとされている戦争のトピックについて話し合いました。その中にはベトナム戦争やグアンタナモ収容所の人権侵害、第二次世界大戦における日系人の収容、9.11後のイスラム教徒への人種差別、真珠湾攻撃と広島原爆のトピックなどがありました。Pearl Harborの議論になったときは教室内の日本人として少し肩身の狭い気持ちになりました。アメリカでは、真珠湾は本土に仕掛けられた屈辱的な攻撃で原爆投下は戦争を早期終結させるための正当な行為だったという認識が一般的だからです。
しかし、この授業で印象的だったのは、偏った歴史認識だけでなく、アメリカの原爆投下の人道に対する罪としての認識が普段取り上げられないことにも着目したことでした。軍隊の批判を公で議論することがタブーな風土があるなかで、この授業ではアメリカ人を含め世界中の学生と多様な歴史認識について議論できたのが興味深かったです。

GLBL 298 International Development and Economic Growth; Peru, Urubamba
この授業はUIUCのStudy Abroad Officeが開講しているFaculty-Led Programの一つで、冬期休暇中の海外研修プログラムです。10月半ばから授業が始まり、毎週レポートとペルーでの現地研修、帰国後のレポートとプロジェクト提出で3単位受けることができます。このプログラムを選んだ理由は、国際開発に関心があり、南米の発展途上国で現地のNGOと連携し、草の根から開発という問題に取り組みたかったためです。 このコースでは、発展はどのような過程で起きるのか、先進国の援助は現地の発展にどのような影響があるのか、発展の過程における女性の社会的役割などについてコミュニティワークを通して包括的に学びます。今年の冬休み期間を利用して、ペルーでの現地研修では、ローカルなNGOと連携し、衛生的な水道フィルターの製造や、安全な家庭用ストーブの製造に実際に携わり、加えてホストファミリーと共に生活します。授業は15人と小規模で、毎週の授業もキャンパス周辺の喫茶店で夜8時半から集まり、円卓を囲んでディスカッションを行っており、アットホームな雰囲気があります。

Ⅲ課外活動

・Illini Women’s Ice Hockey Team
こちらに来る前から運動系のクラブチームに入ることを決めていましたが、イリノイ州はアイスホッケーが盛んなことで有名なので、アイスホッケー部に入部しました。Quad Dayにスポーツクラブのメーリングリストに登録すると、トライアウトの連絡がくるので、アイスホッケー部のトライアウトに参加し、初心者ですが無事合格しました。練習は毎週2回、夜の11時から大学のアイスアリーナで1時間半やります。どんなに勉強が忙しくても、練習に間に合うように課題を終わらせ、運動するとストレスの発散にもなるのでとてもメリハリのある生活をしています。また、チームメイトの家でApartment Crawlや パーティーなどのTeam bondingもあるので現地の学生と仲良くなれますし、スポーツ特有のチームワークや団結も生まれ、とても楽しんでいます。これまで二回ホーム試合があり、寮のメンバーが横断幕を作って全員で応援に駆けつけてくれたのが非常に嬉しかったです。

           アイスホッケーチーム集合写真(筆者は白側3列目中央から2人目)

・Volunteer at Eastern Illinois Food bank
9月29日にEastern Illinois Food bankの “Food for Families”という募金活動の有志ボランティアに参加しました。U of I vs Penn Stateのフットボール試合の日程に合わせて、メモリアルスタジアムの前で午前8時から12時までイリノイ大の学生たちと募金活動に励みました。募金のコンセプトは、「1ドルで4食分の食事を」ということで、寄付金はイリノイ州に暮らす貧しい子どもや家族に分け与えられます。募金活動では同じチームのメンバーで面白い掛け声を練りだしては、大声で歌いながら試合を観戦しにきたファンたちの募金を募ります。 “1,2,3,4, donate change or donate more, 5,6,7,8 Donate to the food bank!” と道行く人たちに声をかけては、募金してくれた人にはチーム一同で”WOOOOOOO!! Who’s awesome, YOU’RE awesome!!!” とかハイテンションに声援をかけました!日本の募金活動とはテンションが違って、アメリカの募金カルチャーというものに触れたような気がします。ジュースのお釣りでも、20ドル札でも、自分が稼いだお金を他の人のために捧げてくれたのだから、募金してくれたその一時くらい道行く全ての人がわかるようにその人の行為を称え、感謝の気持ちを精一杯見せるという精神でしょう。「ありがとう!最高だよ!」なんて声をかけてもらった人たちも皆嬉しそうな笑顔で、「掛け声頑張ってるね!」なんて言ってくれました。そういうcharityの精神に共感できました。私たちのこの活動は現地のニュース番組にも取り上げられました。

           メモリアルスタジアム前の募金活動の模様、筆者は左から3番目

・日本語教室
毎週火曜日の夕方30分間、寮のメンバーに日本語を教えています。
日本語を教えながら、文化の違いの発見があったりして私も学ぶことが多いです 。たとえば、先日教えた「こんにちは」Konnichiwaでは文化によって時間の感覚の違いがあることを実感じました。外国人は「こんにちは」を英語でいうHi!という感覚だと思っています。なので、朝でも昼でも夜でも全部Konnnichiwa!だと思っています。でも、実はこんにちはを夕方6時くらいに使ったらおかしくて、6時以降は「こんばんは」なんだと言うと”Oooooooooooo!!!”と歓声が(笑)
自分でも言いながら、普段無意識にやっている習慣が文化的なものであって、他の文化からすると驚くようなことなのだと改めて自覚させられました。
こんな調子で楽しくやっています。ちっぽけな日本語教室ですが自分なりに日本を魅力的に、面白く、且つ興味が湧くように世界の学生に伝えたいと日々奮闘しております。

              日本語教室の授業模様、寮の共同ラウンジにて

長文になってしまいましたが、二ヶ月間学業に課外活動にメリハリよく生活しています。航空会社が荷物を紛失し、一週間届かないなど色々なトラブルにも直面していますが、その都度冷静に考え、行動力をもつことの重要性を日々学んでいます。
最後になりましたが、JICの皆様をはじめ、応援してくれている家族や友人、先輩や後輩にこの場をお借りして感謝申し上げ、第1回レポートを終えさせて頂きます。いつも温かいご支援を頂き、本当にありがとうございます。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

    イリノイ大の体育会Barn Danceへ向かう満員バスの中。ホッケーのチームメイトたちと

奥谷聡子

乾弘哲さんの2012年11月分奨学生レポート

 JICの皆様、お久しぶりです。そして、それ以外にこのレポートを読んでくださっている方、はじめまして。2012年度奨学生の乾 弘哲です。

こちらアーバナ・シャンペーンでは、美しい紅葉の季節も過ぎ、朝夕には氷点下を記録するようになりました。そんな留学生活も早2ヶ月が過ぎたなかで、第1回レポートをお届けします。
渡米後も、過去の先輩方のレポートにはいろいろな意味で助けていただいているので、私のレポートもなるべく詳細に書こうと思います。

I. 渡米と、新生活の始まり
II. 授業の様子(以下は、今期受講しているクラスです)
PS280 Introduction to International Relations
GEOG110 Geography of International Conflict
PS300 Special Topics: Human Rights
CMN101 Public Speaking
III. 寮生活と課外活動
IV. 英語について

I. 渡米と、新生活の始まり

                       Freshmen Convocation(入学式のようなもの)の様子。このあと数名の                            教授による管楽器伴奏で、校歌斉唱、Chancellorによる祝辞などがありました

私は、8月19日に伊丹空港発の成田経由で、20日にシカゴのO’Hare空港に到着しました。20日の夜はシカゴのホテルで一泊し、観光したいなーと思いつつも、長時間のフライトで疲れていたため夕方から夜まで寝ていました。起きてからは、せっかくシカゴに来て何もしないのももったいないと思い、ホテルの近くのパブで名物のスペアリブを食べて記念にしました。
翌日は、朝からAmtrakという長距離列車に乗り込み、2時間余り列車に揺られながら都市から畑へと移り変わっていく風景を眺めて過ごしました。
大学に到着してから数日は街中を散策したり買い物に出かけたりしていたのですが(ちなみにこの散策の途中で電子辞書をなくすという失態をやらかし、今でもときどき後悔しています)、数日後にさまざまなイベントが始まり授業が始まると、毎日毎日息つく間もなく何かしている状態になりました。フロアメイトに呼ばれ、イベントに行って初めてそれが何のイベントだったか知ることもままあり、それらが落ち着いたのはようやく1か月が過ぎた頃だったと思います。日本の大学に入学したとき以上に、こちらでは新入生向けに実に多くのイベントが企画されていて、たぶん私が参加できたのはその2割程度だったと思います。今でも寮の掲示板などには所狭しと催しの紹介がされているので、時間を見つけて行ってみたいと思っています。

                               寮の中。日本にある青少年センターのような感じです

II. 授業の様子
渡米前に決めた私の留学の最低限の目標は、第一に、国際関係について現実の実例を通してより深い理解を得ること、第二に、英語で自分の考えを発信できるようにすること、でした。その目標に合わせて、今期は国際関係のクラスを3つ、スピーチのクラスを1つ履修しています。以下、履修を決めた順にお話しします。

・PS 280 Introduction to International Relations (Prof. P. Diehl)
Paul Diehlという、国連平和維持活動などの分野で全米的に有名な教授の授業です。講義が始まる2週間前からシラバスがWebサイトにアップされ、最初の授業向けに90ページの予習課題が示されて戦々恐々としていましたが、いざ講義に出てみると、基礎的な概念をいくつかの例を取り上げながら説明していくという基礎的な授業でした。しかし、基礎的ではあるものの、現在進行形で起こっている豊富な事例を取り上げての説明なので、今の国際政治についてリアルタイムで知見が得られます。また、月・水2回の50分講義に加えて、金曜日にはTAによる50分のdiscussionが設けられていて、そちらではin-class writing(後述)が課されたり、group discussionがあったりと学生側の参加が求められます。まだアメリカ人が早口で話す英語は聴きとれないことが多いため、なんとか存在感を保とうとユニークな観点からの発言ができるように努力しているところです。

・GEOG 110 Geography of International Conflict (Prof. C. Flint)
Geographyの学部が提供している、地政学の入門講座です。日本で地政学を学んだことがなかったこと、日本では「conflict」に特化した授業を受けたことがなかったこと、また、 Rate my Professorという学生による授業の評判が書かれたサイトで、「簡単なクラスだが、得られるものが多い」といった記載があったことから履修を決めました。
いざ出席してみると「簡単」という評判通り、授業自体はペースがゆっくりなのですが、教えられる概念が非常に実用的です。課題としては、3週間に一度New York Timesの記事から一つを選び、その期間にクラスで学んだ概念をあてはめて分析するエッセイがあります。授業をわかっていたつもりでも、いざ現実に使おうとすると自分の理解が不明瞭だったことに気づくことがしばしばあり、さらには日々のニュースに敏感になるので効果的な課題だと思います。また、このエッセイは非常に細かな採点基準(10点満点で、0.25点単位の減点基準!)が示されていて、A評価を取ろうとするとかなりの神経を使ってこのrequirementsを満たさねばならず、この点はtoughな印象です。

・PS 300 Human Rights (Mr. Malekafzali, PhD)
今期おそらくもっとも勉強になるとともに、もっとも苦労しそうな授業がこれです。中東政治を専門とする先生が、週2回、人権について1時間半喋り続けます。講義スタイルはどちらかというと日本の大教室での授業に近いかもしれませんが、実は定員24人の少人数クラス、それも時が経つごとに減っていき、今では教室には15人ほどしかいません。先生自身も厳しい人で、最初の授業で言われたことは、
1. 授業開始時間は厳守すること、遅れたのなら出席しないように(「社会に出たら君の雇い主は君を待ってくれない」)、
2. reading assignmentの内容は授業で言及、復習したりしない(「そんなことは君たちが自分でやることで、私の仕事はそれに新しい知識を付け加えることだ」)、
3. make-up exam(試験をやむをえず欠席した場合の代替措置)はいかなる理由があっても認めない(「それが公平性というものだ」)でした。
一方、その厳しさの裏返しで、講義は非常に質の高いものとなっています。最初に人権という概念の歴史的成り立ち、理論的枠組みを話した後は、アルメニアのジェノサイドに始まり、イラン、ニカラグア、ナイジェリアなどでの、先進国の政府や企業が絡んだ人権侵害について実例に沿った話が展開されています。先にお話ししたように、頻繁に質問の時間は与えられるのですが、9割以上、先生が話をするスタイルであるため、一回の授業当たり10ページ近くのノートを取っています。また、ときどき先生からクラス全員にメールが送られてきて、人権関係の動画(主にYouTube)を紹介されます。
授業の後半は戦争犯罪と国際刑事法の成立にあてられる予定で、私の専門分野でもあるため今から楽しみにしています。

CMN101 Public Speaking (Mr. York)
JICの先輩方や、同期の奨学生も受講している授業ですが、担当する先生(この授業はTeaching Assistantが担当している)によって授業の進め方に違いがあるようです。基本的にはいかに大勢の聴衆の前で効果的にスピーチをするかを学ぶ授業なのですが、興味深いのは「効果的なスピーチとは何か」を、教科書を使って体系的に学ばせようとしている点です。授業もその体系に従って行われるので、学期中に行うことになる計5回のスピーチも要素別の細かい採点基準に従って作らなければなりません。例えば、聴衆の理解を促すためのAudience Adaptation(スピーチの内容を、聴衆にとって身近な話題と絡めて話すこと)という概念があり、それを最低3回、スピーチに組み込まなければならないといった具合です。
私のクラスはほとんどが英語ネイティブのアメリカ人、そこに数人留学生が混じっている構成なので、先生、学生とも喋るスピードが完全なナチュラルスピードで、ついていくのがなかなか大変です(他の講義、特に大教室での場合は、先生は多少ゆっくり話すことが多い)。また、事前に準備できるスピーチとはまた別に、私のクラスではImpromptu(即興)スピーチが授業中に課されることがあり、これにも頭を悩ませました。一番落ち込んだのは、9月の半ばにあった、クラスメートとペアを組んだ即興スピーチです。そこでは5分ほどの準備時間を与えられ、一見すると繋がりのない二つの単語をうまく関連させる形でスピーチをするというもので、相手の女の子が序論と結論を、私が本論と具体例を喋ることになりました。テーマについては二人で合意できたものの、準備時間の最後まで彼女が述べようとしている序論と結論が完全に理解できず、そのまま本番を迎えてしまい、序論から本論の流れはうまく行ったものの、本論の言わんとするところと、彼女が述べた結論がずれたスピーチになってしまいました。
この経験から学んだことは、わからないことがあれば「君が言いたいのはこういうことか?」という確認をきちんととって、正確な理解に努めることの大切さです(いまだに実行できていないことも多いですが)。今でも即興スピーチは苦手ですが、なんとか他の部分で補えるよう頑張りたいと思います。

III. 寮生活と、課外活動
私はPARという寮で、IntersectionsというLLC(Living Learning Community:一緒に生活するとともに、特定のテーマに関する理解を深めることを目的としたプログラム)に所属しています。Intersectionsのテーマは、人種、信条、性、国籍など様々なカテゴリーに属する人がいかに共存していくかを学ぶことで、それに即した活動が時々開催されます。
その一つとして、9月半ばにはOhio州CincinnatiにあるNational Underground Railroad Freedom Centerへ旅行に行きました。この施設は、かつて黒人奴隷を北部の自由州(奴隷制が禁止された州)へ逃がすために作られた地下通路(Underground Railroad)から名前をとり、過去から現代までの「奴隷」についてさまざまな展示をしているところでした。この博物館の屋上からすぐ近くに川が見えます。この川が、奴隷であったKentucky州との州境で、この川を渡ってOhioまで逃げようとした奴隷が多数いたといった話をガイドさんから聞き、多民族国家アメリカの辿ってきた足跡を垣間見れた気がします。この旅行で受けた印象はなかなか強烈で、特に「現代の奴隷制度」と位置づけられた人身売買などの展示にも思うところがたくさんあったのですが、それに関してはもう少し考えがまとまってから、改めて書きたいと思います。

                       Cincinnatiでの夜。町中で見つけた広場でIntersectionsのメンバーと

IV. 英語
今までの文章からうかがえるかもしれませんが、こちらに来て苦労しているのは、やはり言語です。渡米前には英語に多少の自信があったこともあり、なんとかなるだろうと思っていたのですが、実際になんとかなっている部分もあれば、なんとかなっていない部分もあります。今後の自分の成長を見届けるためにも、この時点で現状を記しておきます。
まず、日々の生活について。私の印象からすると、ほとんど英語がしゃべれなくとも、こちらで生きていくことはできると思います。それこそ「Yes, No, Thank you」さえ知っていれば、あとは適当に単語の羅列をBody Languageで補うことで買い物や簡単な事務手続きなど、生きていくのに最低限必要なことはこなしていくことができます。
一方、講義やdiscussionでは難しめの語彙が使われたり、クラスメートが早口だったりして、彼らが話していることを正確に理解する段階には至っていません。また、課題の中でも、in-class writingには悔しい思いをすることが多いです。PS280のクラスではdiscussionの時間にときどき10分ほどの時間を使ってその場で短いエッセイを書くことが求められます。他の学生は大体ノート1ページ弱のエッセイをすらすら書きあげるのですが、私の場合はまず構成を考え、そのうえで思うように出てこない英語と格闘しながら書きあげるというステップを踏むため、分量としては彼らの半分ほどしか書くことができません。しかし、数をこなすうち、量(より踏み込めば、提示できる論点の多さ)では負けていても、きちんと課題を理解していることを示すようなポイントを押さえた視点を盛り込むことで高得点を取れると気付きました。そうして結局は予習の量とその理解の深さがものを言うのだなと悟ってからは、いかにすれば無駄な部分を省いて凝縮した議論ができるかを考えています。
それ以外に、ネイティブ同士の会話がほとんど聴きとれないなど、英語に関しては課題が多いですが、現在いくつか考えていることも含めて、次回のレポートでご報告させていただくつもりです。

早いもので留学生活もおよそ4分の1が過ぎてしまいました。これまではいろいろな新しいことに慣れようともがき、日々の課題をこなすうちに時間が過ぎていくという受け身の姿勢でしたが、今後の目標としては、積極的に自ら何かを吸収しようと活動する攻めの姿勢に変わりたいと思っています。

最後になりましたが、これほどまでにさまざまな経験をする機会を与えてくださったJICの皆様、また、こちらに来てからの幾つかの私的な相談にも快く応じていただいた方々にこの場を借りて感謝したく思います。ありがとうございます。

                                 夏のSouth Quad。天気のいい日に横になると気持ちいい

2012年11月7日
京都大学法学部4年生
乾 弘哲