高濱萌子さんの2015年12月分奨学生レポート

JICの皆様、レポートを読んでくださっている方々、ご無沙汰しております。第40期奨学生の高濱萌子です。

現在、イリノイ大学はThanksgiving break真っ只中です。奨学生4人ともイリノイ州を離れ各々休暇を満喫していることと思います。私は、早稲田大学からの交換留学生のXさんとニューオーリンズ、その後シカゴで名古屋大学からの交換留学生Tさんと合流し休暇を楽しんでいます。

写真1

シカゴの夜景

 

第2回レポートでは、

 

  1. Fall Semester途中経過
  2. Thanksgiving breakについて
  3. 課外活動・生活全般について
  4. 今後の抱負

 

の4点をご報告させていただきます。

 

【Fall Semester 途中経過について】

 

刻々とFinal weekが近づいております。運が良いことに、私はFinal weekより前に二つテストが終わります。授業をとるときにシラバスで確認して、あまりFinal examがかぶらないように考慮することをおすすめします。(ただし、1日に3科目以上のFinal examがかぶった場合は、日程変更が正式に認められます。)

 

〈KOR203 Intermediate Korean〉 授業形態:50min×5

後半は、文法が複雑になりよく授業後に先生に質問をしています。Writingの課題が2回あり、「家族への手紙」「先週末の出来事」を習った単語・文法を用いて書き上げました。韓国語のよいところは、大学内に韓国人留学生が多いため簡単に添削をしてもらえることです(笑)!

この授業を履修して一番良かったと思うのは、気の合う友人ができたことです。特に韓国語を履修している人は、日本を含めたアジアの文化に興味がある人が多いので、非常に友達が作りやすかったです。家に呼んでくれたり、飲みに誘ってくれたりと、彼らにはとても感謝しています。ただ、最大で18単位申請できるうちの5単位という大きな割合を占めるため、spring semesterは履修しないことに決めました。金曜日に行われる1時間の会話のクラスには継続して通うつもりです。

 

〈ACE251 The World Food Economy〉 授業形態:Lecture 50min×2, Discussion 50min×1

全3回のmid-term examのうち2回を終えました。最近のlectureの中では、食料廃棄についての講義が最も面白いと感じました。これまでは発展途上国について考えることが多かったのですが、食料廃棄(food waste)問題は、主に先進国が取り上げられます。食料廃棄率の低減策としてfood donationが挙げられますが、寄付するにもパッキング・輸送にコストがかかるため、アメリカでは余った食料、または余ると予想される商品を寄付する企業がまだまだ少ないそうです。food donationを促進するためには、政府の援助が必要であることを感じました。

授業外では、マレーシアの食料経済についてグループワークを進めています。全部で3回の共同レポート提出と、1回のプレゼンテーションがあります。第1回レポートで野村さんも書いているように、こちらではレポート課題に対して答えるべき内容が明確に指示されているように感じます。始めにエッセイガイドラインというものが掲示され、各段落で含めるべき内容が細かく指示されています。書く内容が多いので時間はかかりますが、一つずつしっかり記述すれば評価が得やすい点でとても助かります。2回目のレポートでは、満点という高評価をもらえたのには驚きました。今週3回目のレポート提出とプレゼンテーションがあるため現在準備中です。

 

〈PSYC250 Personality Psychology〉授業形態:Lecture 80min×2

一つの授業を2人の先生が担当しており、後半(10月末)に入り先生が変わりました。全4回のmid-term examも残すところあと1回となりました。お気づきの方も多いかと思いますが、私が履修している授業は、期末テスト一発、という形態ではなく数回のmid-term examとfinal examで構成されています。1回の失敗が残りのテストで挽回可能なため、日々発展途上(と願う)の留学生にとっては有り難いです。

本授業で特に印象に残っているのは、文化的差異が結婚に与える影響についての話です。想像はつきますが、文化的差異の中でも特に言語の違いが最も大きな障壁になるそうです。そして意外にも食習慣の違いが大きな隔たりになるそうです。無形文化遺産に登録されるほどの固有の料理を有する日本で育った私が国際結婚を目指すにはたくさんの障壁があることを痛感することとなりました。

 

〈RST320 Leisure Services Marketing〉授業形態:Lecture 50min×3(教授と生徒のやりとりは多め)

現在は、lectureの授業以外にグループワークを行っています。1グループ7~8名で、「かばんの中に入っているもの」の中から一つの製品を選び、市場分析・ターゲット選定などを行い売り上げを伸ばすにはどうしたらよいか考えます。最終発表はプレゼンテーションです。私たちのグループは、Ray-Banのサングラスのプロモーションを行います。

ここで授業とは少し関係のない話を一つ。7人となると、コミットの度合いに差が出たり、フリーライダーが現れたりします。実際2名ほどメールのやりとりに参加しないメンバーがいて、気になってはいましたが私は何も言いませんでした。しかし同じグループの中国人の女の子が、参加を促すメールを全員に送っていました。言葉遣いは丁寧ですが、今後も話し合いに参加しないつもりなら教授に報告するので0点になるだろう、と内容はかなりキツイことも書いていました(笑)。グループ全体で同じ評価を受けるのだから、全員で取り組むのがフェアなのではないかという意見に納得すると同時に、私は英語に自信がないことを言い訳に弱腰な姿勢でグループプロジェクトに参加していたことに気づかされました。今週全員で話し合いがあるので、先陣をきって発言するつもりです。

 

〈BADM310 Management and Organizational Behavior〉授業形態:Lecture 80×2

本授業は、Lincoln theaterという非常に大きなホールで450名ほどの生徒が授業を受けているのですが、座る位置によってモチベーションの違いが明確にわかります(笑)。一度遅れて入ったため後ろの席に座ったところ周りの話し声で教授の声が聞こえませんでした。以来、前から4列目が私の指定席です。

これまでの感想ですが、アメリカで習う組織論と日本で習った組織論はほぼ同じです。マーケティング先進国のアメリカ流の組織論が日本で教えられているからだと思いますが、「お〜同じことを言っている」とわかるとなぜか嬉しくなります。よい組織を作るためにどうしたらよいのか、という問いに対し同じような答えを持っていれば、グローバル企業で働く際に国籍が違ってもお互いの理解に役立つのではないかと考えています。

ある日教授のLove先生からメールが来ました。内容は、「前に授業を聞かせてくれといっていたJapanese Girlが毎回授業に来ているようで驚いているよ!本当に君かい?」というものでした。テストの点数は0点なのに、出席点のみが加算されている学籍番号があり不思議に思って連絡をくれたそうです。「ずっと受けてくれていて嬉しいよ、これからも頑張ってね。」というお言葉に、450名以上の生徒の中の1名にまで気を使ってくださる教授のお人柄に感動しました。

 

 

【Thanksgiving breakについて】

 

10日間のThanksgiving breakは、様々な人に出会い、新たな街に足を伸ばし、美味しい料理を満喫し、非常に充実したものとなりました。帰ってから体重計に乗るのが恐ろしいですが(笑)

 

まず訪れたのはボストンです。2日間ボストンキャリアフォーラムに参加した後は観光を楽しみました。ボストンは英国風の建物と落ち着いた街並みが印象的な素敵な街でした。

その後ルイジアナ州ニューオーリンズへ。ニューオリンズを旅先に選んだ理由は、deep southを肌で感じたかったのと、食べ物が美味しいと噂にきいていたからです。4泊5日でちょうどよかったと思います。ジャズに詳しくない私たちでもとても楽しめたので、ジャズが好きな方にぜひオススメです。アジア人が少なく、観光客の西洋人と、地元の黒人の割合が高いように感じました。治安に関しては、予想よりははるかに良かったのですが、やはりボストンやシカゴに比べると悪いと言えそうです。道から異臭がしたり、歩道が整備されていなかったり、お店の窓ガラスが割れていたりと、日本では見慣れない光景に驚くことも多かったです。地域によってここまで違うのか、とアメリカという国の大きさを感じました。食に関しては大満足、といいたいところですが名物フライドチキンがものすごく塩辛かったです(汗)。暑い地方の労働階級の黒人の食べ物、という歴史的背景からなのかはわかりませんが、日本人の舌には刺激が強すぎました。

写真2

ニューオーリンズのかわいい街並み

 

そして最後にシカゴへ。Black Fridayと呼ばれるthanksgiving後の大セールが行われており、買い物を楽しみました。産業科学博物館や、中心部から電車で30分ほどのOak Parkという閑静な住宅街(有名な建築物がたくさんあります。)にも足を伸ばし、だいぶシカゴの地図が頭に入りました。それにしてもシカゴは美味しいものが多いです!そして夜景がとっても美しいです。一緒に回っていた3人で、ここに住みたいね、と何度も話したほどです。

 

航空券とホテル、そして空港までのバス(または電車)はできるだけ早めに予約したほうがよいです。私は、9月中に航空券とホテルを押さえました。

 

 

【課外活動・生活全般について】

 

11月末に、テニスの試合でWisconsin University Madison schoolに行きました。木曜日の夜に出発し、メンバーの運転する車で4時間ほどで到着しました。中西部の大学から32チームが集まり、1日目は各ブロック4チームの総当たり、二日目は各ブロック同位グループでのトーナメント戦でした。各校ともとてもレベルが高く、私は球の速さに圧倒されていました。結果は、私たちのチームは4位でした。自分の試合意外は携帯を触っている人が多く、日本で所属している体育会との違い(?)を感じました。テニスの試合以外では、チームの女の子7人で一部屋に泊まったのが楽しい思い出です。ホテルの部屋、車の中、女の子たちは恋バナをしていることが多く、テニスクラブの恋愛事情に詳しくなりました(笑)今回の遠征では、せっかくの機会、といつもより自分から話しかけた結果、チームのメンバーとの距離がぐっと縮まったと思います。ただ、食事中など大人数での会話となるとスピードについていくのは難しく歯がゆい思いをしています。

写真3

テニスクラブのメンバーとお酒を飲みました

 

前回のレポートでご報告した自転車が大活躍しています。ただ、一度ハプニングが起こりました。Pennsylvania avenueのbike centerで空気を入れたところ、そのままタイヤが破裂しパンクしました。このキャンパス内にあるbike centerというのは自転車の修理や中古自転車の販売を行っている、いわば自転車屋さんです。しかしこのお店がユニークなのは、修理をするのは店員さんではなく、店員さんに教わりながら自分で直します。慣れない手つきでネジを外したり、タイヤを新しいものと交換したりと時間はかかりますがやってみると面白かったです。タイヤが2重構造になっていることを初めて知り、貴重な経験ができました。これから留学する方にも、機会があればぜひ一度足を運んで欲しいと思います!せっかく直した自転車なので、年内は寒さに負けず自転車移動をしたいと思います。

写真4

Bike Centerの中の様子

 

夏こそ頻繁に通っていたARCのプールですが、最近は寒さを言い訳に足が遠のいています。レポートを書きながら、気分転換もかねてまた行こうかと思案中です。

 

【今後の課題・(自分にむけての)宣言】

 

「他人と自分を比較しない」そして「自分にできることを全力でやる」この二つが現在の私の目標です。よく聞く言葉ですが、これが非常に難しいです。頭ではわかっていても、よく他人と自分を比べくよくよしてしまいます。これは私の意見ですが、留学中は日本にいたときよりも他人と自分を比べやすい環境にあると思います。しかし、それはほんの小さな世界の中での比較であって、たとえその中で自分が一番になれても広い目で見たら実は大きな差はないのだと思います。比較し優劣をつけるのではなく、それぞれが優れた点を有しているのだと互いに敬意の念を抱くことが大切だと改めて気づくことができたのも、留学の大きな収穫です。「自分を否定してはいけないよ」「大丈夫、と自分を信じるしかないよ」落ち込んでいた私に電話で父がかけてくれた言葉です。ネガティブな発想に陥りかけていましたが、楽観的な父と話して、くよくよしている時間があったら一つでも多く単語を覚えよう!と切り替えることができました。自分を信じるためにはその分努力しなければいけません。現在の目標をしっかり胸に留め、まずはfinal weekまで勉強に集中したいと思います。読み返したら恥ずかしくなるようなことを書いていますが、宣言することで自分にプレッシャーを与えたいと思います。

前回のレポートでご報告した「uncomfortableな状況に身を置く」目標も引き続き継続中です。

 

 

第2回レポートは以上です。体調を崩すことなく毎日元気に過ごしています。日本も冬の到来が近いと思いますので、どうぞご自愛ください。2016年も元気に迎えたいと思います。

 

2015/11/30

第40期奨学生 高濱萌子

 

〜番外編〜

食レポートをさせていただきます。私は1に食事、2に睡眠というくらい食べることが大好きです。ただ、味覚があまり研ぎ澄まされていない幸せな舌を持ち合わせているため、たいていは何を食べても「美味しい」というコメントになります。その中で、前回のレポートからの2ヶ月間で特に印象に残った食事をご報告させていただきます。

 

 

  • 佐藤昌三先生のご自宅での和食

佐藤先生のご自宅にご招待していただきました。マグロのお刺身、虹鱒の塩焼き、おひたし、お漬物、白米、お吸い物、デザートのゼリー、佐藤先生お手製のお料理はどれも本当に美味しかったです。奨学生4人とも渡米以来最も美味しい日本料理をいただき、幸せに浸りました。佐藤昌三先生、そして奥様も非常に穏和で優しい方で、素敵な時間を過ごさせていただきました。

写真5

全て佐藤先生のお手製料理です。大根のツマまでご用意してくださり、そのお心遣いに感動しました。

 

  • Café du monde のベニエ

ニューオーリンズのガイドブックには必ず載っていると言っても過言ではないこのお店。私たちは滞在中に3回食べました。揚げたてのサクッふわっとしたドーナツにたっぷりの粉砂糖がかかっています。チコリというハーブの一種が入ったカフェオレと一緒にいただくのですが、甘さと苦さが絶妙です。中毒性があるのでしょうか、思い出すと再び食べたくなります(笑)。

写真6

見た目ほど甘くありません

 

  • Lou Mitchellのオムレツ

同じく奨学生の喬さんのオススメで10月に初めて訪れたLou Mitchell。「全米一おいしい朝食」に選ばれたこともあるそうです(!)。フライパンに大きなオムレツとハッシュブラウンが半分ずつ、そしてトースト2枚がついてくるというすごいボリュームです。ふわふわオムレツにたくさんの具がゴロゴロと入っています。すっかりファンになったので、今回のThanksgiving breakで再訪しました。帰国までにあと何回行けるでしょうか。

写真7

オムレツだけで15種類ほどあります

 

 

美味しい食べ物を求める欲求は世界共通だと感じています。食をきっかけに会話が弾むことも多く食が持つパワーは偉大だと思います。食べ物を前にしたときのわくわく感、そして満腹から得られる幸福感をひとりでも多くの人に感じてもらいたい、というのがfood businessに興味をもつ理由です。番外編という形で加えさせていただきました。健康に悪影響を及ぼさない程度に引き続きアメリカの食生活を楽しみたいと思います。

喬博軒さんの2015年12月分奨学生レポート

皆様こんにちは、40期奨学生の喬博軒(きょうひろき)です。シャンペーンの爽やかな夏、美しく色めく秋もつかの間でした。前回のレポートに描いた色鮮やかなキャンパスは彩りを変え、冬枯れの景色の中で生き物たちが厳しい季節へ向けて準備を進めているのを感じます。キャンパスを以前よりしっかりとした足取りで歩み、すれ違う友人と慣れてきたあいさつを交わします。響く鐘の音はどこか日本の古い学校舎を思い出させ、好敵手のように思っていたこの場所に愛着を持ちつつあります。雑踏の中でふと顔を上げる瞬間、その移りゆく時間をいとおしく感じるほどです。寒くなってきましたが、Thanksgiving daysからChristmas、New Yearにかけての時期は、人々にとって家族で集まり美味しいものを食べる、心の温まる時節でもあります。来年のこれらの季節には日本にいると思うと名残惜しいですが、一期一会の瞬間を今までどおり大切に過ごしていくつもりです 。

写真1_kyo

(Thanksgivingのご馳走。ターキーとラズベリージャムの組み合わせ)

 

レポートにとりかかり改めてこの4か月を見つめてみると、自分がアメリカの大学生活の真っただ中にいることを強く実感し、その事実を新鮮にさえ感じます。よく言えばここでの生活に必死になり目の前の課題に没頭していたと言えますし、周りがよく見渡せていなかったとも言えます。同時に、毎日やるべきことを継続することの難しさや、いわゆる自分の弱い面に直面する経験はどこにいようと変わりません。慣れていない環境で母国語を使えない分、苦難はよりくっきりと際立ちますが、その分些細なことに喜びや達成感を感じています。

 

<生活について>

ここでの生活について私なりに振り返ってみると、少なくとも日本との差異を知覚し、それをポジティブに捉えられているのではないかと思います。第一に、他人の評価を気にしないでとにかく目の前のことに集中し、自らを表現する機会が与えられている環境をとても気に入っています。実際にはそのように行動すること以外に選択肢がないと言えるのかもしれません。失敗をしたときは良い経験になったと開き直り、誰かに褒められたときは(たとえそれが大げさで社交辞令的な意味合いを含んでいたとしても)本当にそうなのかもしれないなと素直に受けとっています。講義やディスカッションで何も言わないということは、私のいる意味が全く無いことなのだと身を持って学びながら、たどたどしくても何か言葉を発するように自然と強いられています。

 
・愛すべき友人達

私を前向きにさせてくれているのは世界中からきている学生達との出会いです。目標を持ち続けそれを維持するという面においては、この環境は私に合っていると強く感じます。他の奨学生もいうようにイリノイ大学は本当に多様な大学です。中には授業でFacebookやネットショッピングばかりしているクラスメートや、頻繁にパーティに出かけ昼過ぎに起床するピアメートもいることにはいます。(彼らも良いGPA獲得のために必死で勉強はしています。)しかしそれ以上に、出身国を離れアメリカに来てがむしゃらになって道を切り拓こうとしている人間と数多く出会いました。あるインド出身の友人は誰よりも講義中に発言し、頻繁に教授のもとへ行き質問を投げかけます。普段は優しくユーモラスな友人が、ときにあからさまな競争心をその行動や発言に覗かせます。教室全体が彼の発言を待つような雰囲気になるほど彼の存在感は大きくなっています。また、日本で高校を終え今年NYの大学から転入してきた日本人学生は、自分は要領が悪いから誰よりも勉強しなければいけないと言い、驚くほど毎日机に向かっています。実際に彼の成績は聞いたことがない程よく、その謙虚さに隠れた信念を私はとても尊敬しています。その他にも、入学して間もないにもかかわらず既に別の学校へトランスファー(転入)を準備している上海から来ている優しい青年、休み時間も教授にくっついて自らの考えを絶え間なく話し続けるエクアドルからの熱い大学院生など、例を挙げればきりがありません。彼らに出会えたことがここにきて良かったと思える大きな成果だと心から思います。がむしゃらに新たな環境で生きていくということの意味、そして自分の甘さを内省させられます。

写真2_kyo

(Dad’s Dayのフットボールゲーム。国歌斉唱の場面)

 

<講義ついて>

・アメリカの大学生の「蹴落としあい」

これまでこちらの講義に出てきて私が感じたことは、競争が日本よりもはっきりとしていることと、求められている必要要件がはっきりしていて、そこに生徒を到達させるためのシステムがうまく機能しているということです。一概にアメリカの学生が日本の学生よりも勉強するとは言いませんが、日本とは異なる教育評価システムや就職要件などといった社会状況の下、誰もがより良いGPAをとることに尽力せざるを得ない状況にいることは断言できます。(GPAなんてどうなってもいいと言う学生にはあったことがありません。)日本の医学部と比較すると驚くほど勉強しているという程ではありませんが、個々の間で競争しているという感覚はより強く感じます。私はまだ出会ったことはないですが、pre-Medの学生の間で課題に関して誤った情報をわざと与えるなどして友人同士でネガティブな競争をしているとさえ聞いたことがあります。

プラグマティズムに重きをおいた教育システムには関心させられます。やるべきことをやらざるを得ないシステムが出来上がっているのです。教授やTAの教育に対する相互協力、生徒の達成度評価もかなり細かく設定されており、かつ機能していていると実感しています。この教育システムやサポート体制に対して高額な授業料が設定されているのだろうと思うと多少納得もできますが、友人の中には経済的な理由で転校をせざるを得ない子もおり、授業料の高騰が深刻な状況にあることも実感できます。

 

・現在履修している講義

MCB426         Bacterial Pathogenesis

CMLH415     International Health

ART103         Painting for non-major

ESL115         Principle of Academic Writing

 

・MCB426          Bacterial Pathogenesis

この講義の全貌をやっとのことで掴むことができた今、大きな達成感と安堵の気持ちでいっぱいです。(まだ大きな試験を終えていないにもかかわらずです。)正直言ってこの授業を選択して以来、何度も後悔しました。というのも友人の助けが無かったらきっとドロップしていたであろうほど私にとっては今学期の試練でした。前回のレポートで述べたように内容や試験の形式はかなり難易度が高く、暗記という範疇を超えて応用することを常に求められ続けました。特に次世代シークエンス技術や、bacterial genetics(微生物遺伝学)の内容は私が今まで勉強してきたものよりも専門的で難易度が高く、応用する以前に知識をインプットするところからのスタートでした。Geneticsの基礎の教科書を図書館で借り通読し、それに加えて微生物の遺伝的多様性やシークエンス技術についての文献を日本語・英語問わず探すことで対策しました。今だからこそ、微生物に限らず生命科学系の研究をする上で必要な思考過程を学ぶトレーニングとして大変有意義であったということができます。教授は大変教育的で講義に熱意を持っている方で、いつも私の質問に長々と付き合ってくださっていました、大好きな教授の一人です。彼女は以前Medical Schoolで講義をしていたこともあり、かなり臨床的な視点も持っていたこともこの講義を取ってよかった理由のひとつです。抗菌薬や細菌の耐性獲得の講義は大変勉強になりました。彼女の口癖は「我々は微生物学者なのだからまずはmutant(変異株)を作りましょう」です。もう私はこのセリフを忘れることはないでしょう。

 

・CMHL415       International Health

今学期の後半から始まったいわゆる国際保健のクラスです。内容は公衆衛生的な内容を経済、保険制度、文化、女性、倫理などといった様々なテーマから学んでいきます。国連のSustainable Development Goalsを中心に、国際的な保健活動の過去と現在、未来を大きな目でとらえることができます。特に途上国で行われる大規模な臨床比較試験の倫理的な問題や、テクノロジーと医療といった内容は大変興味があった内容でした。講義の中でスモールディスカッションの時間が何度かあり、様々な専攻の学生達と話す機会があります。また、世界の各地域に分かれ4人ほどのグループで1つの国の保健衛生状況などをまとめたプレゼンテーションを行い、私のグループはネパールについての発表をしました。内容以上に発表にとてもやりがいを感じたので、次学期はこのような人前で話す機会を増やしていきたいと考えています。教授以外にNavy Campで栄養学を教えている大学院生など専門家が講義を行うこともあります。教授はブラジル出身で英語がネイティブではありません。そのようなインストラクターの話し方やコミュニケーション方法は参考になります。他のクラスと比較すると、内容の特性上か学生の多様性が豊かなのもこの授業の良いところだと思います。

 

・ART103           Painting for non-major

運よく履修できた油絵の授業は、今期の授業の中で一番楽しく幸福な時間です。授業の時間的な内訳や成績の評価基準もアトリエでの実技がほとんどですが、作品の鑑賞・評価も行います。作品を仕上げるごとに全員で円になり、一人ずつ作品を発表、それを生徒同士で互いに評価し合います。生徒たちは大変積極的で、毎回必ず全員が1回以上感想や意見を発表します。今まで、自分が一生懸命作ったものが友人たちに評価され、次に評価する側に回るという経験があまりなかったので、これが私にとって大変面白く感じられました。ほとんどの意見がとても前向きで作品の良いところを見つけ褒めてくれます。一度に20人近くに褒められるというのは少々こそばゆいものですが、だんだん自分が偉業を成し遂げたのかもしれないと錯覚してくるので不思議なものです。そんな風にみんなが熱心に自分の作品をみてくれるものだから、逆に感想を述べる番が来たときには一生懸命です。色使いやコントラスト、アイディア、構図、筆の使い方、ときに全体の雰囲気などについて様々な角度で対象を見つめる、いわば創造的な訓練でした。芸術を鑑賞しそれを言葉に表すのは日本語でも難しいのですが、それに加えて芸術用語や感性にまつわる英語を知らない私はいつも表現に苦労しました。それでもこのように表現と批評の両方の立場にたって闊達なディスカッションが行われる場というのはとても新鮮でした。この国の教育のエッセンスをより感覚的に体験できたのではないでしょうか。全体を通して、教官と相談しながら創意工夫する中で今までできなかったことができるようになる過程を楽しむことができました。アメリカで描いた7点の油彩画はどんなお土産よりも心に残る思い出の品となりました。

写真3_kyo

(授業風景。)

 

・ESL115           Principle of Academic Writing

前回のレポートに引き続きポートフォリオ・注釈付き目録を作成し、Research paperを作り上げている最中です。将来の論文・CVの作成に活かせればという私の当初の思惑からすると、どちらかというと論文を書くためのルール習得に重きが置かれていると感じます。文法的な正確さや文の構成などなどのチェックもありますが、内容というよりもアメリカ心理学会(APA)のガイドラインに乗っ取って書かれているかというのが評価対象です。Plagiarism(剽窃)の回避についてかなりの時間を割いて教え込まれることに日本との違いを感じました。ネイティブの学生もこのようなacademic writingは必修になっていて、大変な講義の代表として見なされているようです。学生に書く力を教え込もうという大学の熱意を感じます。少し課題の量を多く感じましたがこれはライティングに関しての苦手意識や経験不足からくるものであり、訓練次第でこの部分に費やす労力は減っていくのだと思います。引き続き他の講義の課題等に学んだことを活用していきたいです。

 

<休暇>

・Halloween

普段は学生寮に住んでいる私ですが、シャンペーンにホストファミリーがいます。大学のInternational Hospitality Commiteeという制度を通してお会いできた家族です。季節毎のイベントや、映画館に行くという彼らの大事な家族行事があるたびに私を自宅に招待してくれます。ハロウィンの日にはなんと彼らのコミュニティで行われる子供たちのパレードに参加させていただきました。ご存じの通りSpooky(この日のみんなの合言葉です。)な装飾の施された家々を回り、悪戯(いたずら)をしない代わりにお菓子を貰うといういわゆる典型的なハロウィンの醍醐味を味わうことができました。日本でもハロウィンは盛んになっていますが、この本場のハロウィンのいわゆる肝の部分に参加できたのは本当に喜ばしい経験でした。誰に勧められるでもなく仮装をしていきましたが、基本的に子供たちのための行列なので引率の大人以外は仮装した小学生です。そんな天使のようなちびっ子たちの中に、特別に6フィートのおじさんも混ぜてもらい、玄関先でTrick or Treat! と言うのはまさに快感でした。

写真4_kyo

(「イタズラしちゃうぞ」子供達の写真と並べるのには少しきついものがあります。)

 

<その他・所感>

Thanksgiving Vacationはオハイオ州にある病院と芸術の街、クリーブランドに実習に行ってまいりました。現地の病院で過ごす目まぐるしい速さで流れる時間は、日本とも、また大学とも異なっていて、非常にチャレンジングなものでした。ほんの個人的な出来事から、患者さんの命を預かるのに留学生だからという言い訳は通用しないことを痛感しました。ある患者さんが病棟からICUに移ることになり2人の研修医が別々の業務をあたっているときのことです。私は彼女達の間に入って情報の伝達を行っていました。電子カルテで指示箋を出すことや、人工呼吸器の準備が遅れそうだからまず酸素マスクをあててくれという簡単なやり取りでしたが、どうしたことか今までのように舌がうまく回りません。責任の伴った場での英語というものに大きな恐怖を感じた瞬間でした。自分の伝達によって患者さんの安全がほんの少しでも脅かされてしまったらという底知れない不安でした。周囲には気づかれないほどの内面的な動揺に収まり、その場では問題なく対応できましたが、私にとっては忘れることができない重要な経験となりました。これまで、なんとなく伝わるように話してきた無責任な英会話を深く内省するに至り、迅速で、かつ正確なコミュニケーションの土台を築いていく必要性を感じました。この実習は私の将来を考えるにあたってあらゆる面で示唆的でかけがえのないものとなりました。Dr. Moriという偉大なロールモデルの出会いを通して改めて自分自身を見つめ直しました。本当にやりたいことがあるのであれば、大事なのはそれが実現可能かどうかではなく、やるかやらないかであるということを思い知らされました。

写真5_kyo

(巨大で美しいUniversity Hospital)

 

さて、アメリカの大学というこれまでとは全く異なったシステムの中で過ごす中で、この環境に慣れてきたとはとても言えませんが、必死にもがくうちに少しだけ視界が晴れてきたように感じます。講義は大きく①手法を学ぶ訓練、②内容をインプットする訓練、③知識を応用し表現する訓練に分類できることがわかってきて、来期はそれらの中でより表現・発信という点に力を入れたいと感じました。同時に、個人的に挑戦したいと考えている勉強にも力を入れ、留学後の自分を以前より鮮明に描いていきながら過ごしたいと考えています。

こちらに来て以来、有り難いことにJIC奨学生として国内外の様々な方々にお会いしお話しする機会がありました。その度毎にこの制度の歴史と成果に気付かされ、多くの方々の努力の上にこの貴重な機会が実現していることを痛感いたします。ご支援・ご協力いただいている皆様やJICの皆様に改めて感謝いたします。これをもちましてご報告とさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

写真6_kyo

(地下に埋まった図書館と夕日に染まるSouth Quad)

 

2015年11月30日、シャンペーン

結城一磨さんの2015年9月分奨学生レポート

JICの皆様、平素よりお世話になっております。2015年度小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学へ留学させていただいている明治大学4年の結城一磨です。

簡単な自己紹介から失礼します。宮城県から大学へ上京してきて早くも4年が経った今、大学の方を後期から休学してこちらに留学させていただいております。地元宮城で東北の震災を経験してから色々と思うことがあり上京してきました。東京の学生生活で学んだことや2年以上職場であった浅草でも学んだことの集大成としてこの度これまで培ったものを生かす機会を頂けて非常に嬉しく思っております。詳しくはcountdownの方にも書かせていただいたのでそちらの方もよろしければご覧ください。

 

<日本のこと>

到着してはじめに驚いたのが日本の存在感の薄さでした。中国、韓国、インドなどアジアからの学生の割合が大きくなってきていると言っても、日本人は本当に一握り。今まで日本の浅草で人力車の仕事で外国人観光客と接していたからか、日本のプレゼンスが下がってきている、ということは頭でわかっていても実感・納得することができませんでした。日本にいる外国人は皆日本のことに少なからず興味があって、相手側から質問が飛んでくる会話だったのに対し、アメリカでは自分から発信しないと日本の良さを実感してもらえない、興味を示してもらえないといった壁にぶつかりました。本当の意味でのコミュニケーション能力の必要性を開始1週間ほどで実感させられました。日本の良さ、日本人の良さは人一倍浅草でも体感してきたので少しずつでもその良さを発信していけたらと思います!

 

<目標>

ここで今回の留学の最低限の目標をはっきりさせておきたいと思います。

  • 英語のコミュニケーション能力の向上
  • 人脈作り
  • 海外のビジネスの体感
  • 日本のプレゼンスの向上

 

  • フィリピンと浅草でこれまでは英語を使っていたので、ある程度は自信があった英語もこちらに来て、未熟さを痛感させられる毎日です。今回の留学でコミュニケーション能力を磨き続けたいと思います。
  • 英語を上達させるためにはアメリカの現地生と絡んだ方がいいという考えはあるとは思いますが、全米2位の留学生数を誇るイリノイ大学で世界各国の友人を作る機会を逃すわけにはいかないと考え、留学生とも積極的に交流していき世界各国に友人を作っていくつもりです。
  • 海外のビジネスを体感することが本来の大きな目標であったので軸をぶらさずに過ごしていければと思います。
  • 上述したようにこちらに来て感じた日本のプレゼンスの低さを少しでも向上できるよう尽力していければと思います。

 

<日本発信>

1.早速参加してきました、日本発信イベント。

日本館が今年になって始めた日本発信イベント、”Matsuri” festivalへ参加しました。初回にも関わらず4,000人以上の参加者が足を運んだらしく、太鼓のパフォーマンス、日本文化の体験などで楽しんでいるようでした。私自身も日本から持参した人力車衣装で訪れました。道行く現地の学生の友人に注目を浴びたのはいいものの、途中からスタッフと思われて道案内に徹したり、太鼓の演奏者ではないという説明に追われていましたが笑。

写真1

(“Maturi” Festivalにて友人に撮影された写真の一枚。)

 

2.カラオケ大会

アメリカにもカラオケがあると言うことでこれもよい日本発信だと思いエクアドル、ロシア、インド、チリ、ヨルダンなどのメンバーで訪れました。いつものメンバーのエクアドルの友人以外のメンバーは初めてのカラオケ。という中でカラオケの楽しさを終始痛感、感動していたので大成功です!現在は英語の曲のレパートリーを増やそうとその友人たちと英語版カラオケメジャーソング集を作り、密かに練習中です。

写真2

(カラオケにて。集合写真。)

<授業内容>

アメリカにてfinanceやentrepreneurshipを学び、体感したいと留学開始当初から考えていましたのでそれらを重点的にとろうと決めました。授業内容の詳細は次のレポートで総括できればと思います。春学期の履修も見越して秋学期に履修するものを以下のように決めました。

 

ACE345 Financial Decision Making for Individuals and Small Business (3 credits)

アメリカ式で会計を学び、投資について学ぶ授業です。一番やることが多く毎週課題に追われていますが日本のものと比較しながら理解していくのはなかなか面白いです。

 

ACE240 Personal Financial Planning (3 credits)

文字通りfinancial planについて学ぶ授業です。前半の授業で車を買うことや家を買うことなど将来設計、家計管理を学んだりもしています。日本ではなかなかこういった機会はなく、アメリカの学生のfinanceへの関心意欲の高さも毎回痛感しています。

 

BADM199/395 Entrepreneurship and Enterprise Development (3 credits)

起業やビジネスプランの立て方などを学ぶ授業です。実際にプロジェクト単位でチームに分かれます。私はもともと音楽イベントなどにも興味があったのでArt,具体的には音楽などのイベントで地域をより活性化させようというプロジェクトに参加しています。早速ミネソタまで9月の下旬にミーティングのために訪れる予定です。

 

ENG 360 Lecture in Engineering Entrepreneurship (1 credit)

本来はlearning community しかとれない授業らしいのですが、どうしてもと言って教授に参加させてもらっています。毎週経営者、投資家など起業関連の人々が来て講演をしてくれます。大学内の起業関連イベントの情報が流れてくるので非常にありがたく参加させてもらっています。

 

PSYC 245 Industrial/Organizational (I/O) Psychology (3 credits)

リーダーシップのプログラムに関心があり調べていた時に見つけ、心理学は日本で学んだことがなく、関心がある分野でしたので履修しました。前半はリサーチ手法や分析方法などを学んでいます。過去に就職活動を少しした経験もあり、採用側の視点に立ってなぜあの時あのテストを受けさせられたのか、あの質問にはどのような意味があったのか、など講義形式ではありますが毎回学ぶことの多い授業だと感じております。

CMN101 Public Speaking.  (3 credits)

英語のプレゼンテーションに自信をつけたかったので履修しました。プレゼンテーションの手法は日本であまり学ぶ機会がなかったのでいい機会になっています。

 

<課外活動>

学業と同様、秋学期は課外活動にも力を注いでいます。留学生数の多いイリノイ大学で世界各国に友人をつくる目標も人脈作りの点で掲げました。今まで野球や人力車で体力だけは人一倍つけてきていますので、持ち前の体力を生かしフットワーク軽く色々な場所に訪れ、コミュニティーに参加しています。

さすがに皆、全米有数のパーティースクールの自覚があるらしく、年中いとまなく様々なイベントがあり、田舎ではある一方で浅草に負けないぐらいの忙しい場所という印象が強いです。

写真3

学内でもお気に入りの場所、krannert centerでのguitar festivalの様子。

 

 

浅草の人力車では神道や仏教を学ぶ機会があったのでせっかくのアメリカなのでキリスト教を学ぼうとしています。そのため、週1〜2回のBible Studyグループにも参加しています。その他では不定期にentrepreneurship系イベントへの参加、international eventsなどへの参加も心がけています。 最後に忘れていけないのは週2回以上のARCジムでのトレーニングです。健康管理には人一倍気をつけ、アメリカ太りしないよう、食事と栄養を摂取するタイミングもしっかりと管理しています。(提供されない限り自分でピザは選ばないといったルールを自分に課しています。)出国前に矢部先生からプロテインをもらって背中を押されましたので、帰国する頃までにはアメリカに留学していたことが分かる程度の体に磨きあげ、期待に答えたいと思います。

 

写真4

(全米大学最大級のジム、ARCにて。徒歩2分ほどで着くので大満足です。)

 

 

最後にはなりましたが、このような貴重な留学の機会をくださったJICの皆様に感謝を申し上げます。この留学期間の多くの人たちとの出会いは一生ものだと思います。最大限にこの機会をいかすべく、毎日を過ごさせていただいております。よろしければ今後も応援のほどよろしくお願い致します。

野村友香さんの2015年9月分奨学生レポート

Japan Illini Clubの皆様、こんにちは。第40期奨学生、東京大学薬学部3年の野村友香です。今まで留学応募段階から実際に留学を始めるまでJICのホームページ上のレポートをたくさん読んで留学に対するイメージを膨らませてきたので、いよいよ自分が書く番が来たかと思うととても嬉しいのと同時についに留学記を公表する側になったのだ…!と身が引き締まる思いがします。最近のイリノイの気候は日差しが暖かく、非常に過ごしやすいです。こうした心地よい気候がもうすぐ終わってしまって極寒の冬がやってくるということが未だに信じられていません。

 

s_写真1

Altgeld Hall。青空がとてもきれいです。

 

第一回レポートでは到着~9月末までの出来事をお伝えします。留学の目的等含めた自己紹介はCOUNTDOWNサイト(リンク)の方に掲載するのでここでは割愛させていただきます。

 

  1. 授業

 

アメリカの授業を数週間受けて感じたことは、やはり宿題の量が多いということです。アメリカの学生は日本の学生に比べてよく勉強するというのは普段聞く話ですが、彼らは就職や大学院進学の際にGPAが重視されるということと、日々の宿題の量が多いので結果的に勉強せざるを得ない状況にいるというだけだと思います。日本でもよく勉強する人はするので、どのような環境にいても自分の意識で行動を決めることが大事だと感じました(自戒…)。

また、評価基準がはっきりと提示されていて分かりやすいということも感じました。中間、期末に加えて日々の宿題とエッセイなど評価項目がたくさんあり、その一つ一つの評価方法と点数配分も公表されています。例えばエッセイだったら、Introにはこれとこれを含めなさい、Bodyに書く内容はこれとこれですよ、採点者はここをポイントとして見ますよ、という評価シートが授業中に配られました。このポイント全てを押さえればいい評価が得られる(はず)なので、英語に苦労することはあったものの慣れない分野のレポートでもこの評価リストに従ってなんとか書き上げることができました。レポートを書く際は、完成したら図書館のWriter’s Workshopに行き、見てもらっています。予約が必要なのですが、50分で文法や含めるべき内容のチェックなどを一緒にしてくれるので利用しています。その後指摘された点を直した後に、寮の友達にチェックしてもらいました。自分では気づけない箇所を教えてくれるのでとても助かっています。

 

以下、今学期の授業を紹介します。

<MCB316 Genetics & Disease>

週3回のLecture+週1回のDiscussionという構成になっています。遺伝子が関わる病気のメカニズムについて学び、特に今重点的に勉強しているのは性染色体が絡む疾患についてです。自分の専門にも関わるだろうし、しっかりと勉強したことがなかったので履修を決めました。毎週Problem Setといって15問くらいの宿題が出るのですが、締め切り前日にはTAの方が質問に答えてくれるHelp Sessionが開かれるのでいつも頼っています。そこで同じように質問に来た学生に教えたり教えてもらったりもしています。

<CMN101 Public Speaking>

過去の奨学生の多くの方々がとっていた授業で評判がよかったため、履修しました。日本ではあまり見かけない題材の授業内容で、スピーチにおける話し方はもちろんのこと題材の選び方・観客にどう効果的に伝えるかということを学びます。学期中に5回のスピーチをすることになっています。私以外は全員ネイティブで苦労することの方が多いですが、その分彼らの話から学ぶことも多いです。授業中に5人ほどのグループで話し合うときに会話が早すぎてついていけないことが多々あるので、グループの話し合いでどう存在感を出すかということが毎回の授業の課題です。

<PS 225    Environmental Politics &Policy>

親の実家が山の中にあり自然保護に関しては強い興味を持っていたことと、以前大学のゼミで野生動物について勉強したときに興味深い内容だったことから履修を決めました。環境と社会、政治、経済の関わりをアメリカのあらゆる地域を例にして学んでいます。題材は幅広く、イリノイ州での環境保護から国立公園の存続、また国立公園での人種による活動の違いなど毎回のテーマが興味深いものです。わりと広い教室での授業ですが、活発に意見や質問が飛び交っていています。9月末にはインディアナ州へのField Tripが予定されているので楽しみです。

<MCB 290 Undergraduate Research>

これは授業というよりは自分の活動の一つのとして捉えています。イリノイ大学の教養学部の中でもMolecular & Cellular Biologyという専攻の研究室で学部生のリサーチアシスタントとして研究室メンバーに入れていただきました。毎週金曜日にはラボミーティングがあるのですが、背景知識が乏しいことから毎回理解に苦しんでいます。

日本では学部生が研究室に所属することがカリキュラムとして一般的ですが(私の学部では4年になるときに研究室配属がある)、アメリカでは学部生に関してはそうではありません。アメリカの学生は今後推薦状を書いてもらうために教授とコネを作るため+研究の経験を積むために、学部生は自分で申し込んでリサーチアシスタントをする人が多いそうです。こうしたことから、どの研究室にも3〜5名程の学部生がいますし、その競争率はとても高いです。実際、私も多くの研究室に断られて途中で心が折れそうになりましたが、研究室に入ることはこちらに来てやりたいことの一つだったので諦めずにあらゆる教授にメールを送り面接も乗り越え、なんとか受け入れてくださる研究室を見つけることができました。

また、入ってから気付いたのですが、私が入った研究室は教授が韓国人だからなのか研究室メンバーはほとんどが韓国人です。現地の友達から聞いた話によると研究室は同じ国の人を集める傾向にあり、中国系やインド系研究室なるものも存在するそうです。

<MUS 180 Piano>

こちらは単なる趣味です。1週間に30分のピアノレッスンを大学院生から受けています。レッスンのあとはいつも晴れやかな気持ちになるので1週間の中でもこの30分はすごく好きな時間です。以前12年間くらいピアノを続けていたのですがしばらく弾いていなかったことからなんとなく再開したくなり、これはいい機会だと思いオーディションを受けました。実際のところ忙しくてあまり練習せずにレッスンに通っている状況なので、もう少し練習の時間を確保しなければ…とこれを書きながら反省しています。

 

  1. 暮らしについて

 

寮はIllini Towerという16階建ての大きな建物に住んでいます。授業の教室まで徒歩5分、かなり広い個室、窓からのいい景色という素晴らしい部屋で本当に快適に暮らしています。食事は寮の1階にあるダイニングホールでとることが多いのですが、毎日メニューがほとんど変わらず、変わったとしても全く期待できる味ではないのでもう諦めています。こちらに来て舌の許容範囲が広くなったというか、あまりおいしいまずいということを考えなくなり、それなりに食べられればいいやというような楽観的な舌になってしまいました。

 

Illini Towerではメールで奨学金の申込みをしていたのですが長い間返事がなく、いよいよ振込の時期になっても返事が来なかったためどうなっているのかとオフィスに直接聞きにいきました。また、この寮はとても寮費が高いので通常の値段だったら払うことができないため、「もし奨学金をもらえないならこの寮を出て他のところに移る」とまで主張したところ「あ、君のメールは読んでるよ。今から奨学金対象者を決める会議をするから1時間ほど待ってくれ!」と言われ、1時間後には「奨学金獲得おめでとう!!!」と祝福されるという何とも謎な展開でした。結果として今はリーズナブルにいい寮に住めているので大満足なのですが、こういった一悶着が到着後すぐにあったため来てから1週間ほどはわりと精神的に疲れていました。疑問や不満があれば直接出向いて話すことの大事さを学びました。

 

s_写真2

Illini Tower外観。

 

イリノイに来る前は、本当に田舎でとうもろこししかないよ、と多くの人から言われていたのでとうもろこしを受け入れる覚悟はしていたのですが、大学内で過ごす分にはそれほど田舎を感じることはありません。むしろ徒歩圏内で生活のほぼすべてが揃うので(Walgreenというドラッグストアのようなところまで徒歩3分、CountyMarketというスーパーまで徒歩5分)便利だとさえ感じるほどです。ただ、キャンパスから少し車を走らせると本当にとうもろこしだけが広がっている世界で、ああ私は田舎にいたのだと気付きました。先日、星を観に出掛けたのですが、この広いとうもろこし畑の中にただ寝転んで星空を見上げてぼーっとするというのは都会では体験できない最高の時間でした。

シカゴに行ったときは久しぶりに高層ビルを見て都会を新鮮な気分を味わいました。普段は大学内でしか過ごさないので目にするのはランニングパンツ+Tシャツ+リュックの姿がほとんどですが、シカゴでは洗練された都会の様子を感じ、東京を懐かしく思い出しました。そして時々でいいからこうした都会の雰囲気に触れたいとも思いました。

 

s_写真3

シカゴのミレニアムパークにて。

 

  1. こちらに来て思ったこと・最近考えていること

 

まずアメリカに来て生きていく上で大切だと思ったことは、

・直接人に会って交渉すること

・事実をうまく、自分にプラスになるように表現すること

です。到着して1週間の間に寮の人や研究室の人と話す中でこういったことを感じました。特に後者は、研究室に受け入れてほしいと頼む際に謙遜気味な姿勢で臨んで何回か失敗し、原因を探していた中で気付いたことです。広く言えばアピール能力なのですが、そういったものが自分には本当に足りないと日々の授業でも感じているのでこの一面をどう変えていくかが今後の課題の一つです。

 

1日をどう過ごすか。1週間をどう過ごすか。1ヶ月をどう過ごすか10ヶ月をどう過ごすか。留学期間10ヶ月は1日の積み重ねであって、今日という1日は10ヶ月のうちどれくらいの価値があったのか?

こういったことをときどき考えては答えが出ないと思って考えることをやめて、を繰り返しています。思ったよりも時が過ぎるのは早く、英語もそれ以外も自分が思ったほど成長速度は速くないのではないかと心配になることも多くあります。当たり前なのですが日本にいてもアメリカにいてもそれほど人間は変わらないことに気付いたので(怠惰であることとか朝早く起きれないだとか)、そういったマイナス要素をどれだけ意識してプラスに変えていけるかということもこれからの課題です。東京で一人暮らしを始めたときに予想以上に一人で自分について考える時間が増えたと感じたときの感覚に少し似ていますが、この機会にとことん自分と向き合って今後の進路なども考えていきたいです。

 

後半はとりとめもないことを書いてしまいましたが、総じてアメリカでの生活を楽しんでいます。イリノイ大学の環境が大好きで、特にこの時期の昼間はやわらかい日差しの中でのんびりした雰囲気を感じながら散歩をし、一つ一つの建物の美しさに注目したり、リスの行動を観察する時間は至高です。はとはいってもまだまだやるべきこと・やりたいことはあるのに手が出せていない現状なので焦らずとも程よく焦りながら、たくさんチャレンジしていこうと思います。

 

最後になりましたがこうした貴重なチャンスを与えてくださったJIC の皆さまに本当に感謝しています。また快く送り出してくれた家族にも心からの感謝を述べて第一回のレポートを終わろうと思います。読んでいただきありがとうございました。

 

s_写真4

初めて見たフットボールの試合。カレッジスポーツの枠を超えてビジネス化されていることに驚きました。

高濱萌子さんの2015年9月分奨学生レポート

JICの皆様ご無沙汰しております。また、レポートを読んでくださっている方、こんにちは。はじめまして。第40期小山八郎奨学生の高濱萌子と申します。日本では商学部で、消費者行動について学ぶゼミに所属しております。

8月14日に到着してから、様々な手続き・授業・遊びと常に何かをしていて気がつけば9月も終わりを迎えています。シャンペーンはここのところ快晴が続き、日中は30度を超える日もあります。日本はすっかり秋をむかえているのでしょうか。

第1回奨学生レポートを書かせていただきます。1回目のレポートですので、留学の目標、授業の様子、生活の様子、などを過去の奨学生の方々のレポートを参考にしながら書かせていただきます。

本レポートでは、

1.留学の目標

2.履修授業について

3.生活全般について

4.課外活動について

5.1ヶ月を終えての感想

の5項目に分けてご報告させていただきます。

 

【留学の目標】

私は、高校1年生の頃10ヶ月間、アメリカのテネシー州に留学をしておりました。当時はほぼわからない英語や日本と異なる生活様式に慣れることに必死で、ようやく慣れた頃にはあっという間に帰国という今思い返すともっとできることがあったのではないかと思う10ヶ月間でした。今回の留学では、その反省をいかし、「限られた時間の中で自分を最大限成長させるにはどうしたらいいのか」を考え、目標を立ててからスタートを切りました。そうして立てた目標が、「uncomfortableな状況に積極的に身を置く」というものです。出発前に、アメリカ留学から帰国した先輩の帰国報告を聞く機会がありました。その時の「1年間、uncomfortableだと感じることに意識的に関わり、解決策を見つけることで成長できた」というお話が非常に印象的だったので、私の留学の大きな目標にしようと決めました。居心地のよい場所から一歩を踏み出すのはなかなか勇気がいります。ですが、日本にいると、なかなか経験のできないことですし、目標に決めたからには「よし!」と気合いを入れてから普段ならばしないことにチャレンジしています。例えば、授業が終わったら教授に質問に行く、授業で隣の席に座っている子に自分から話しかけてみる、寮のラウンジで勉強しているグループに混ぜてもらう、テニスコートに出向いて知らないグループに混ぜてもらう…などなど。どれも本当に些細なことですが、こうした小さな積み重ねによって1年後には少しタフになった自分がいるのではないかと考えています。

 

【2. 履修授業について】

Fall semesterは、合計5つの授業をとっています。そのうちの一つはBusiness Administrationの授業のため、正式には履修できないので聴講生という身分です。各授業について紹介させていただきます。

〈KOR203 Intermediate Korean〉 授業形態:50min×5

大学で2年間韓国語を履修していたのですが、もっと会話のスキルを身につけたいと思い、アメリカでも勉強を続けることにしました。1クラス25人、そして50分の授業が毎日あるので、すでに日本での2年間分ほど話したと思います!クラスの人数が少ないこと、そして韓国のドラマや文化が好きという共通点があることで、仲良しの友達を作ることができました。

授業に加え、毎週金曜日にネイティブの韓国人と話せるKCT(Korean Conversation Table)というものに参加しています。ドラマで培ったヒアリング能力で、聴くことはできるのですが、やはり話すのはとても難しいです。春学期も履修を続けるかは未定ですが、語彙力をもっとつけて会話を続けられるようになりたいです。

〈ACE251 The World Food Economy〉 授業形態:Lecture 50min×2, Discussion 50min×1

今学期最も面白いと感じている授業です。需要・供給曲線の読み方も知らないレベルだったのでしっかり予習をしないとついていけません。課題のreadingは毎回非常に勉強になるので時間はかかりますが楽しんで読んでいます。食料経済の授業をとったのは、食に携わる仕事に興味があるので、知識を広められたら、というのが理由です。授業を聞いていて感じたのは、日本は世界的に見て特殊な国であるということです。例えば、高齢者の割合が非常に高い、農業従事者率が低い、食料の大半を輸入に頼っている、など、授業中のスライドで例として用いられる機会が多いように思います。日本は本当に美味しい食べ物であふれていますが、その分廃棄率も非常に高いです。先進国だけを対象にするのではなく、より多くの人が美味しい物を十分食べられるようにするには、どんなビジネスを展開すればいいのか、などを暇な時間に考えるようになりました。週1回のディスカッションクラスでは、主に3人1組でプロジェクトを進めるのですが、カップル+私というなんともuncomfortable(?)な状況なので多少の不安があります。来週からプロジェクトが本格的に始まるので、私たちの班のテーマであるマレーシアの食料経済事情について情報収集を始めようと考えているところです。

〈PSYC250 Personality Psychology〉授業形態:Lecture 80min×2

たまたまコースリストで見つけて履修を決めた授業ですが、内容が面白くてとってよかったと感じています。その名の通りpersonalityに焦点をあてた心理学です。個人差が生じる原因は、環境なのかそれとも生まれ持った性質なのかなどを様々なデータを基に考えます。履修してまだ1ヶ月ですが、やはりヒトの心理を知るのは大変なのだなあというのが感想です。一番リーディングの量が多く、予習が間に合わないこともよくあるので、読むスピードを上げることが直近の課題です。先生が大変はっきりと話してくださるので、聞き取りやすい面でもおすすめです。

〈RST320 Leisure Services Marketing〉授業形態:Lecture 50min×3(教授と生徒のやりとりは多め)

マーケティング概論のような基礎と、スポーツビジネスに関するマーケティングを学んでいます。日本に比べて、アメリカンフットボールやバスケットボール、アイスホッケーなど熱狂的なファンが多いスポーツを数多く擁するアメリカでは、スポーツビジネスには大きなチャンスがあるようです。

今週末のfootball gameで、secret shopperといって、さくらになりすまして試合会場の様子をレポートするケーススタディーを行います。様々な割当があるのですが、私は無効のチケットで入場しようと試みる観客(!)になりすますことになりました。教授には「捕まらない程度に、いろいろ説得して入れるように交渉するように!」と言われましたが、どうなるでしょうか(笑)。実際には本物のチケットも用意されているので、きちんと観戦を楽しむこともできます。他にもスタッフの様子や、お手洗い、スタジアムの清掃状況等についても後日報告するレポートが課されています。この課題は、マーケティングリサーチを体験することが目標なのですが、日本でも手法を本で読んだことはあっても実践したことがないので、楽しみです。

〈BADM310 Management and Organizational Behavior〉授業形態:Lecture 80×2

単位としては認められませんが、教授に相談したところ、授業資料は見られるようにしてくれるとのことだったので、聴講しております。内容は、すでに日本で学んだことが多く、復習といった感じです。従業員のモチベーションを上げるためにはどのような誘因が有効か、理想的なリーダーとはどのような人か、などを学びました。こちらの学生は退屈なようで、YouTubeやFacebookを見ている学生が多く見受けられます(笑)。

 

【3. 生活全般について】

まず寮についてですが、今年はJIC奨学生4人中3人がtemporary roomに配属されるという事態でした。(今年は例年より寮希望者が多かったそうです。)留学生は正規学生よりかなり後で寮の希望を出すので、仕方ないのですが、案内が届いたら早急に提出することをおすすめします。私は、temporary roomはFAR、そして先日PARの正式な部屋への移動が決まりました。(二つの寮は道を挟んで向かい合っています。)(Florida Avenue Residence hall, Pennsylvania Avenue Residence hallの略です。イリノイ大学では東西に走る道には州の名前がついています。)出発前はtemporary roomと聞いて不安だったのですが、窓がないという点を除けば特に問題はなかったです。現在の部屋は、二人部屋です。ルームメイトは、中国出身の3年生で、シアトルから編入してきたそうです。お互いにあまり部屋にいないタイプなのでいつも一緒というわけではないですが、寝る前に今日あったおもしろい出来事を話したりしています。

PARのおすすめポイントは、食堂が遅くまで(20時〜24時)開いている点と、その場で調理してくれるオムレツやstir fry(混ぜご飯のようなもの)があり質について定評がある点です。アメリカに来る人は誰でも食事について不安があるかと思いますが、私の感想は「想像していたよりずっといい!」です。サラダやフルーツも種類が豊富ですし、朝に自分でワッフルを焼くこともできます。とにかく甘い誘惑がたくさんあって大変です!

写真1高濱

(ある日のお昼ご飯です)

こちらに着いてすぐ、自転車を買いました。理由は、私の住む寮はどこからも遠いからです(笑)。(日本館、テニスコートが近いのは大きなアドバンテージですが!)中古で、鍵や登録費なども含めて$120ほどでした。野村さんには「子供用の自転車を大きくした感じ」というコメントをもらいましたが、いかがでしょう。今の季節はサイクリングにピッタリで、本当に気持ちがよいです。雪が積もって乗れなくなるまで、思い切り乗りまわしたいと思います。盗まれる危険性もありますが、バスの本数が少ない休日にも移動が楽にできるので、なかなか良い買い物だったと思います。

写真2高濱

(購入した自転車 赤い車輪が私の自転車です。)

 

【4. 課外活動について】

Illinois Club Tennisというテニスチームに入りました。38期奨学生の織田さんに、テニスチームがあることを伺っていたので、QuadDayに探し出し、sign upを行いました。今年は例年を上回る応募数とのことで、3回のtryoutがありました。平日の練習は週3回、試合がある場合は週末とのことです。とにかくテニスコートの数の多さに驚きました。普段練習するコートはハードコート16面、+インドアコート6面という有明テニスの森のような設備を備えています。大学の中心部(メインクワッド)からは遠く離れたPAR/FARですが、テニスコートが近いというのが私にとっては大きなメリットとなっています。私はtraveling teamに入ったので、今後他の州の大学と試合をする機会が何度かあるそうです。練習はまだ始まったばかりですが、traveling teamは非常にレベルが高いなというのが感想です。みんなハードヒッターで、毎回ボコボコにされています。男の子も容赦がなくて男女平等を感じております(笑)。たくさん友達を作る良い機会なので自分から話しかけて行こうと思います!

 

【5. 1ヶ月を終えて】

最後に、1ヶ月を終えての感想で締めくくらせていただきます。出発前は、とにかく不安が大きかったです。前回の留学ではかなりのホームシックを経験したので、またなったらどうしよう…と恐怖心がありました。周りで同時期に留学する友人の中には留学を本当に楽しみにしている人も多く、うらやましく思っていました。しかしいざ到着して生活を始めてみると、毎日が楽しく、あっというまに時間が経っていることに私自身一番驚いています。「たいていのことはどうにかなる」という前回の留学で身につけた楽観的精神が役に立っていることを実感しております。少し生活に慣れてきた分、comfortableだと感じる日々が多いです。それはそれで良いことですが、最初に述べたように、常に意識的に小さなトライをするように心がけたいと思います。

もちろん、英語はまだまだ発展途上で、落ち込むこともあります。そんなときは芝生の上に寝転がって青い空を眺めます!すると不思議と元気がでます。そして、JIC奨学生のみんなや、他大学から交換留学でUIUCに来ている日本人の方々、そして正規学生の日本人の方々など、親切にしてくれる人・頼れる人がたくさんいることが何より心強いです。

写真3高濱

(留学生オリエンテーションの日に野村さんと)

 

特別講義のためイリノイ大学にいらした矢部先生に美味しい日本料理屋さんでごちそうになったり、日本館の館長ジェニファーさんのご自宅での大変素敵なホームパーティーに招待していただいたりと、JICのつながりの深さ、そして会員の皆様の温かさをたくさん感じております。JIC奨学生として勉強できる機会をいただけたことに心から感謝しています。次のレポートでも内容のあるご報告ができるよう、一日一日を大切に過ごして行きたいと思います。

 

2015/09/25

第40期小山八郎奨学生 高濱萌子

 

【奨学生レポート番外編】

〜荷物編〜

今回の奨学生レポートでは、「日本から持ってきて役立ったもの(現在持ってくればよかったと思うもの)」そして「こちらで買えば済むもの」を少し紹介させていただきたいと思います!

〈日本から持ってきて役立ったもの〉

  • お菓子(自分用)

やはりアメリカのお菓子は日本人の舌には刺激が強い

  • インスタントお味噌汁

心にしみる

  • 日本風味のドレッシング

「青じそ」が恋しい

  • 爪切り
  • 歯ブラシ
  • ビーチサンダル

シャワーを浴びる時に必須

  • 水着

UIUCにある巨大なスポーツジムにはプールがあり、毎日いつでも泳げる

  • 履歴書・証明写真

滞在中に「ボストンキャリアフォーラム」に行くご予定の方

  • スーツ
  • ルーズリーフ

日本の方が質がよい

  • たくさんポケットのあるファイル

ありそうでない

  • 室内用スリッパ

日本人だから靴が脱ぎたくなる

  • アメリカのガイドブック

あると旅行の計画が立てやすい

・レターセット

〈こちらで簡単に入手可能なもの〉

  • タオル類

$10前後で購入できる

  • 電池
  • 水筒
  • 洋服全般

近くのモールまでバス(無料)で20~30分

  • 食品

キャンパス近くにアジア系スーパー(通称AM-CO)あり。調味料や冷凍食品など一通りそろう。

たいていのものはこちらについてから揃えられると考えて問題ないと思います!シャンプー類や洗剤などは私は気になりませんが、匂いが強すぎると感じる人もいるので心配な人は持ってくるといいかもしれません。様々なガイドブックなどにも載っていますが、生活を始めて思いついたものをピックアップしました。次に留学する方の参考に少しでもなれば幸いです。

喬博軒さんの2015年9月分奨学生レポート

40期奨学生の喬博軒(きょうひろき)です。

はじめにこのような貴重な機会を与えていただけたこと、その過程で素晴らしい方々にお会いできたことに心から感謝申し上げます。関係者の皆様方、本当にありがとうございます。

私はこのキャンパスに来る以前、西海岸にある別の大学のSummer Sessionに参加していたので、このレポートを書いている現在(9月中旬)で日本を発ってすでに2ヶ月が過ぎようとしています。広く青い空、つやつやと輝く草木、至る所で遭遇する小動物たちに囲まれ、美しく巨大なキャンパスを、私は嬉々として歩き回っています。

写真1_kyo

(初めてのQuad:皆が掲載する写真かもしれません。ここに到着した日のことはやはり印象に残っているものです。)

さて、こうして作成している私の報告書が今年度のホームページに掲載されることを考えるとどこか懐かしく幸福な気持ちになります。私自身奨学制度応募の際、歴代の方々の報告書を何年分も読み漁りました。奨学生達が何を学んでいるのか、学部留学とはどのようなものなのか、1年を通してどのような心境の変化があるのか夢中で追っていきながら、ついにはこの制度への応募を決意していました。人生における大きな決断のきっかけとなったのです。それから約1年経った今、大げさにいえば小さい頃から読んでいた図鑑に私の見つけた新種の植物を載せていただけるような、そんな温かくも誇らしい気持ちです。このレポートが枝葉を広げどなたかの心に留まり、その方の中で当時の私のように行動するきっかけとなって欲しいし、誰しもがそうであった学生時代を懐かしく思えるものであって欲しいと願っています。また、これがこれまでの先輩方の言葉とともに記録の一部となって歴史に留まることをとても光栄に思います。40年前の留学生はどのような思いでこの地に立っていたのだろうかと独りよがりに空想し、少しだけ背中を押されるような気になります。彼らの喜怒哀楽をここにくる以前よりも少しだけ輪郭を持って想像できます。そのとき芽吹いた感情はその後の彼らの人生にどのような変化を与えたのでしょうか。そのとき抱いた思いは今も萌えているのでしょうか。それは本人にしかわかりません。翻って、ここでの日々は私の人生にどのように根付くのでしょうか、あるいは今の私を根絶やしにしてしまう(文字通り)外来種となるのかもしれません。全く見当もつきません。恐ろしくも楽しみに思います。どのような結果になろうとも、それは成功や失敗だとか、点的な概念や客観的な指標で測れるものではありません。私だけの事実を伴った経験として、私の中に凛とあり続けるのだろうという確信があります。

このように時を越え未来に過去に思いを馳せながらつづっていると、目の前のことで精一杯になっていたこれまでの自分自身を振り返る貴重な機会になります。ここでの生活や講義、その他課外活動について、できるだけ自分の言葉でお伝えできればと思います。どうか暖かく見守ってくだされば幸いです。

 

<生活について>

寮はSherman Hallという院生用の寮のシングルルームに住んでいます。シングルといっても扉があり区切られているというだけで、バス・トイレを3名の学生でシェアする形です。他の学部寮に比べると自分で勉強できる静かな時間が取れるという反面、現地の学生との関係が希薄になってしまうかもしれない恐れを抱いていましたが、寮の内外で友人に囲まれ楽しく過ごしています。壁は薄いので、口笛を吹いていると隣のスペインからきている院生の友人が口笛で応答してくれます。以前、私の部屋で「探偵物語」(薬師丸ひろ子)を流していて、そのメロディを彼が扉の外からハミングしているのが聞こえたときには、ついニヤついてしまいました。とても粋な友人です。また、これは来てから気づいたのですがSherman Hallは冷蔵庫や電子レンジなどアメニティが揃っている以外にも、立地がとても良いというところが大変気に入っています。大学の中心であるUnionや講義のある建物に大変近く、Main Library、Under Graduate Library、Grainger Engineering Libraryという3つの主要図書館にいずれも10分ほどで通える距離にあります。また、大学街のメインストリートであるGreen streetにもすぐに行けるため、Panera(無農薬野菜などを使ったヘルシー志向のサラダ、ベーグルのお店)やStarbucks coffee、Murphy’s Pub(文字通り学生ばかりのPub)に気軽に出かけることができます。朝食を外でとるのが好きな人やコーヒーショップで勉強する人、バーに通いたい人にはたまらないでしょう。私は数ある図書館の中でもGraingerが、またPaneraの朝食が好きなので早起きして通うようにしています。

写真2_kyo

(Grainger Library、1992年築)

 

<講義ついて>

現在履修している講義は以下の通りです。

MCB426         Bacterial Pathogenesis

CMLH415     International Health

ART103         Painting for non-major

ESL115         Principle of Academic Writing

このような最終形態になったものの、その過程では様々な葛藤がありました。受講してみたかった講義が本当に多かったのですが、結果的に勉強会、英語学習、課外活動を含めて総合的に決定しました。

秋学期の最初の2週間は講義登録に持ちうる限りの時間を費やしました。「講義は出てみなければわからない」という信念のもと、もともと日本から履修したいと考えていた講義のほかに多くの選択肢を検討しました。このように言ってしまうと簡単に聞こえますが、今思えばこの履修登録期間は想像していた以上に消耗させられました。第一にキャンパスが巨大でどこに何があるのかほとんどわからない状態です。大学のホームページで建物名を検索、それをGoogle Mapに入力し、慣れないバスで周回するという作業を繰り返しました。また、大学院や他学部の講義を聴講するには教授やTAの許可が必要なのでメールで連絡を取るのですが、そこから履修登録に反映されるのにブランクがあり数日後にやっと参加することができるといった具合で、これが複数になってくるとなかなか大変でした。講義の時間が重なってしまったときは、取れない講義を別の時間帯に調整したり、その場合すでに登録した講義の履修を一旦解除する旨をTAに伝えねばならなかったり、常に日替わりのスケジュールとにらめっこをする日々でした。出ようと思っていた講演会をすっかり忘れてしまったこともありました。この時期は様々なオリエンテーションや新入生歓迎イベントが毎日のように行われ、それを取捨選択する中で本来の目的を忘れ、こんなにもたくさんの講義に出て自分は何をしたいのだと思い悩むこともありました。しかし、今考えるとこの期間に得たものは大きかったと考えています。様々な授業で沢山の友人ができました。彼らに勧められた講義はご多分に漏れず良かったので大変助けになりました。また、最終的に履修しなかった講義の友人と今でも縁があるのは本当にありがたいことです。

・MCB426          Bacterial Pathogenesis

別の微生物学の講義を聴講していた時にPre-Medの学生(medical school進学を準備している学生)から教えてもらったクラスです。MCB(Molecular Cellular Biology)のクラスの中でもかなり応用的な授業で、シラバスの最初の行に「このクラスはadvancedである」と明言してあります。内容は一言でいうと病原性微生物がヒト・動物に感染を起こす機序についてです。免疫学、微生物学、生化学、遺伝学の知識が前提となってはじめて受講できるクラスであり、また過去15年ほどの試験が閲覧できるのですが、ケーススタディ形式になっていて微生物学・医学の知識を総合的に論述する訓練にもってこいだと判断し履修しました。私が大学で学んだ微生物学・感染症学は治療を目的としていたので視点は根本的に異なっているのですが、こちらではより深く考える基礎分野の面白さを感じています。試験が特に特徴的で、実際にアメリカであった事例から検査結果の推察や考察を問われます。他のMCBのクラスと決定的に違い一問一答や選択肢がなく、加えて解答も様々ときているので、正しく知識を応用できているかや、いかに解答が論理的に組み立てられているかが問われます。これが留学生にとってはなかなか大変ですが、専門用語を実践的に用いる訓練になっています。

また、この講義を通して知り合った韓国からPhDできている友人とは本当に親しくさせてもらっていて、週一回2時間の勉強会だけでなく、車で日用品の買い物に連れて行ってもらったり、韓国料理を食べに行ったり(おいしいほかほか白ごはんが食べられる数少ないチャンスです)、最近は熱く研究の素晴らしさを語られたりしています。(彼は山中伸也が大好きで彼のハングル版自伝本を持ってきて見せてくれました。)

・CMHL415       International Health

秋学期の後期から始まる国際保健のクラスです。教授を訪ね、履修したい旨を伝えると快く参加を許可してくださいましたが、400番台なうえに授業時間が2時間50分というのは全く未知の世界ですから今から恐ろしいです。おそらくディスカッションが含まれると思うのですが、教科書が告知されているのみで未だにシラバスも更新されていません。それでも、日本にいるときから受けたいと考えていた数少ない講義の一つです。私の大学のカリキュラムにはなかった内容だけにとても楽しみにしています。次回のレポートでご報告ができればと思います。

・ART103           Painting for non-major

イリノイ大学では芸術専攻でない学生のためのArtの講義がいくつかあって、教養学部の学生も履修できるようになっています。この授業のほかにも、DrawingやSculptureもあるのですがいずれも人数が各講義あたり20人程度と限られており余剰も認めていないので例年大変人気で、待機者リストに多くの人が登録し空きを待っている状況です。私たち交換留学生の履修登録開始は他の学生たちと比較してかなり遅いので履修は絶望的でした。しかし先ほど述べたとおりこの時期の私は常にスケジュールをチェックしていたので、ほんの一瞬出来た空席に滑り込む形で登録することができました。

医学部では解剖学でのスケッチや外科実習での手術記録など、ときに芸術的な能力を問われることがあります。絵がうまい程良いというわけではないのですが、私は純粋に絵が好きで、その度毎に描くことの面白さを感じトレーニングを受けてみたいと思っていました。ちなみに解剖学の歴史的名著”Atlas of Human Anatomy”の著者、Frank H. Netter(1906-1991)は外科医であったとともに芸術学校で学んだ画家でもありました。外科医として務めたのち医学専門画家として現代でも医学生や専門家に支持される解剖学アトラスの元となるスケッチを多く残しました。私には画家になろうなどという大それた魂胆はありませんが、日本では芸術大学に行かないと学べないような内容を、素晴らしい先生から直接教わることができる機会に、今しかないという思いでこの講義を選びました。授業では主に油絵を学んでいます。補色などといった色彩学や、限られた絵具を使った混色の訓練など基本的な所からスタートし、今は静物スケッチをしています。不思議なもので一生懸命仕上げた作品にはかなりの愛着があり、先生から褒められた作品だったらここでお披露目してもいいかもしれないという身の程もわきまえない危険な願望もあるのですが、理性に従ってやめておきます。数年後(いや数日後かもしれません)自分がこの報告書を見返し、赤面するのが容易に想像できます。

・ESL115           Principle of Academic Writing

以前の奨学生の方の報告書を参考に選択した講義です。理路整然とした構造で、適切な単語、接続、引用、注釈を用いて学術的文章を書く方法を学びます。現在は授業の初日に診断課題として書いた文章を10のステップに分けて検証、更正していく作業を進めています。学期末にかけてデータ収集、ポートフォリオ・注釈付き目録を作成し、最終的にひとつのResearch paperを作り上げていきます。教官の文章チェックが授業ごと(週3回)にあるのでかなり綿密なreflectionを得られています。Speakingや将来の論文・CVの作成に活かせればと思って受講したものの、目からうろこの知識が多くこちらでの生活全般において大変役に立っています。他の講義の課題すべてに応用が利くので今のタイミングでとってよかったと感じています。きちんとしたルールにのっとった文章を書く訓練をしていると、恥ずかしながら私の今までの英語ライティングというのはほぼ自己流であったことに気づかされます。しっかりと身につけておきたいと思わされる内容です。

 

<課外活動>

これらの講義以外に参加している課外活動をご紹介いたします。

少しでもこれからの生活で自由で闊達な表現をできるようになりたいと考え、このひと月は特に語学・コミュニケーションに力を入れました。以下は語学に関する活動です。

・International Hospitality Committeeによる週2回の英語クラス

・UIUC the Center for Writing Studies による週一回のWriting Workshop

・Chinese Conversation Table

・French Conversation Table

それぞれ詳しくはまたご報告できればと思います。語学のみならず、アンテナを張ってさえいれば学びたいことを無料で学べる機会が周囲に存在するという環境はこの大学の持つ強みだと思います。この点に関しては学部4年間をこの場所で過ごすことができるのを心から羨ましく思います。

・医学

寮で偶然知り合ったMedical Schoolの学生に今度彼らの勉強会に誘ってもらえそうなので、そちらのほうの勉強へ徐々に力を入れていきたいと思っています。

・病院実習

この秋休みはClevelandのCase Medical Centerで実習させていただくことが決まりました。現地の病院で実習をすることが私にとってこの留学における大きな挑戦のうちのひとつです。Thanks Giving Holidaysの短い期間ですが、貴重な機会に感謝し精いっぱい学んでまいります。このことをイリノイ大学Japan HouseのDeanのJenniferさんに伝えると、Case Wester Universityのお知り合いを3名もご紹介いただきました。現地での不思議な出会いに驚き、感謝しています。Jenniferさんにいわせるとこのようなserendipityはこの地では日常茶飯事だそうで、それを実感する毎日です。

 

<番外編>

・アメリカで眼鏡をつくる

こちらにきて最初に困ったのは眼鏡を失くしてしまったことです。日本から持ってきた眼鏡は西海岸、サンディエゴのビーチではしゃいだ際に、なんと海に落としそのまま波にさらわれ返らぬものとなってしまいました。

 

写真3_kyo

(サンディエゴの海より空より、いちばんブルーな私の背中)

結論としてお金はかかるとは聞いてはいましたが、眼鏡を1日で作ることができました。案の定相当な出費になりましたが、敢えて良かった点を挙げるとするとアメリカで眼鏡を購入するという経験ができたこと、友人と彼のガールフレンドに選んでもらったので良い思い出になったことです。

シャンペーンにきて最初に友人に半ば泣きつきながらお願いし連れて行ってもらったのは付近の大きなショッピングセンター、マイヤーに併設する眼鏡ショップでした。彼は電話で検眼医の在籍を確認しその日に現物受取ができるか確認してくれました。アメリカでは眼鏡やコンタクトの購入には、資格を持った眼科医もしくは検眼医による処方箋(Prescription)が必要です。眼鏡を販売するのみのお店ではこの検眼医がおらず、あらかじめ眼科で検査を受け処方箋をもらっておく必要があります。当然病院に行くことになるので予約が必要で時間がかかってしまいますが、今回のように資格者がいる眼科に行けば即日で検査、購入が可能です。

よい機会なのでアメリカにおける眼に関する職業(①Ophthalmologist ②Optometrist ③Optician)の違いを簡単にご紹介します。

  • Ophthalmologist: 眼科医、いわゆるEye M.D.は4年制大学ののちmedical schoolを卒業、さらに8年以上のトレーニングのすえ眼科専門医を取得した医師で、検査はもちろん診断や外科手術を含む治療を行います。日本の眼科医と同じといっていいと思います。(ちなみに眼科専門医はアメリカ医師資格の中でも放射線科と共に断トツに人気の高い科のひとつなので取得には大変優秀な成績、研究成果が必要です。)
  • Optometrist: 検眼医、D.は3年制以上の大学を卒業後、専門大学(optometry school, 4年制)を卒業して得られる資格です。3~4年で自立し、基本的なアイケアの提供を行う医療専門職です。日本でいう医師ではありません。眼鏡・コンタクトの処方のための眼科検査・処方箋発行と、特定の疾患には治療も行います。
  • Optician: 眼鏡屋、眼鏡師さん。フレームやレンズのデザイン、作成を行います。検査や処方箋を出すことはできません。

流れとしては受付を済ませた後、検眼医による一連の検査(視野、視力、眼圧、乱視、色覚など日本での項目より若干多かった印象です)を受け、結果の説明ののち処方箋を取得。それに基づいてレンズを決定。店内で好きなフレームを選んでから30分ほど待機し受け取りました。ここまで1時間強。料金は検査費用(70ドル)に加えてレンズ・フレーム代金(物によりますが日本より割高)という具合です。友人はネットで買ったほうが安いといっていました。また、加入している保険の種類によって検査費や眼鏡代金がカバーされるということもあるようです。

強調したいのは、最初から最後までサービスが行き届いていて懇切丁寧であったということです。眼鏡ショップの奥に眼科検査室があり、そこで検眼医による検査が行われました。検査結果の説明はプライバシーの確保された小奇麗な個室で、医師がしっかりと対応してくれました。最後に眼鏡師の方がフレームの歪みをコンピュータを駆使して調整してくれました。どの方もここは果たしてアメリカなのだろうかと困惑するほど対応がよく正直驚きました。単に私が今まで体験した「理にかなっていて余計なことをしないアメリカ」とは少し趣が異なっていたというだけのことなのですが、この大国の新たな一面を垣間見た気がいたします。日本でいつも低価格眼鏡を購入しているせいでしょうか、今までで一番満足度が高く「しっかりした」眼鏡ができあがったと思っています。

写真4_kyo

(自分史上最高の眼鏡:アメリカで作った思い出の品。ただしmade in Chinaです)

 

<所感>

写真5_kyo

(禅語と浮世絵:フィラデルフィア美術館収蔵の鈴木春信の浮世絵写しはフリーマーケットでなんと1ドル!)

私の部屋の一番目立つ棚に、禅語が書かれた色紙があります。これは留学の決まった折に、お茶を教わっている先生から直筆で贈っていただいたものです。観音経の一説なのでご存知の方も多いと思ますが(じげんじしゅじょう)と読みます。「思いやりの眼を持った物事の見方によってたくさんの幸福が海のように集まるだろう」という言葉の一部です。

現在の環境下では、多くの出会いや未知の出来事に出くわします。今までにない多様な文化や考え方を目の前にしたとき、困難な場面に遭遇したとき、私たちはともすれば自分の狭い良識に囚われた批判的な思考に陥りがちです。私のような未熟な学生など尚更で、ときに自分の凝り固まった価値観に気づかされることがあります。そのような状況でまずは「慈眼」をもって相手の言動や人間を敬い、前向きに思考する癖をつけたいです。これは私なりの解釈ですが、この癖が建設的な人間関係や素早く柔軟な問題解決につながるという実感があります。この言葉を自分自身への戒めの言葉として肝に銘じ、残りの日々を過ごしてまいりたいと思います。アメリカの持つ良い側面を見習い吸収したいと思うと同時に、日本の持つ思想の寛大さ、素晴らしさを再確認する日々です。

これをもってご支援・ご協力いただいている皆様やJICの皆様へむけてのご報告とさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

写真6_kyo

(友人たちとDowntownにて)

2015年9月25日、シャンペーン