鈴木博達さんの2010年度1月分奨学生レポート

JICの皆様、その後いかがお過ごしでしょうか?2009年度奨学生の鈴木博達です。今回は前回のレポートに引き続き、「ホリデーシーズン」を中心にこちらの様子をご報告させていただきたいと思います。

【ハロウィーンパーティ】
10月の後半になると、アメリカの「ホリデーシーズン」と呼ばれる期間に入ります。「ホリデーシーズン」の由来は、Halloween(10月31日)、Thanksgiving(11月末)、Christmas(12月25日)、New Year(1月1日)と立て続けにイベントが起き、町全体が浮き足立つことにあります。そんなホリデーシーズンの始まりとなるイベントがハロウィーンです。

最近は日本でも徐々に浸透しつつあるハロウィーンのイベントですが、やはりこちらは本場で、10月に入ると学生たちはハロウィーンの仮装の準備で盛り上がります。シャンペーンの中心部にはそんな仮装の衣装を扱うコスチュームショップがあり、当日の1週間前くらいにそこへ行くと、ハロウィーンの衣装を買いに来た学生たちで店はごった返していました。

ハロウィーン前日、私は友人の家でのホームパーティに参加しました。ここぞとばかりにそれぞれが工夫した衣装で登場し、パーティは大いに盛り上がりました。ちなみに私は昔からの念願であった、ハリー・ポッターの衣装でパーティに参加しました(笑)

【初のストライキ体験】
ハロウィーンが終わってThanksgivingの休みに入ろうかという頃、Public Speakingの授業を担当していた大学院生のInstructorから、ストライキの知らせがありました。その内容は、次年度の契約内容に関する衝突から、学部レベルの授業を教えている大学院生をまとめる組織であるGEOがストライキを行う予定である、というものでした。GEOがストライキを行うと大学院生が担当する授業は、数日間全く行われなくなります。

この知らせが入った後、この話題は学生同士の間で大いに取り上げられました。学生の反応は様々でしたが、基本的にはネガティブなものが多かったと思います。「学費を払っているのだから、授業というサービスを受けられるべきだ」「これで成績が下がった場合、大学はそれを保障してくれないだろう」というのが理由の大半で、こうした論理的な反応は実にアメリカらしいと今でも感じます。

そんなネガティブな学生たちの反応に関わらず、結局ストライキは決行され、授業は2日間尾紺割れませんでした。ストライキを交渉の道具として使うだけで、結局決行はされないだろうと内心考えた私は、このストライキ決行にはかなり驚きました。授業のスケジュールに影響が出て、特にスペイン語のクラスではその週の内容を自習することを余儀なくされましたが、ストライキというものを実際に体験したことは貴重だったかなとも今は感じています。事実周りの学生にも聞いてみたのですが、アメリカの大学といえどストライキが起こることは非常に稀なようでした。

【Thanksgiving休暇】
アメリカの大学の多くでは、11月の第4週がThanksgivingとして休暇になります。Thanksgivingは元々その年の収穫に対する感謝を表す休日です。日本にもほぼ同じ時期に「勤労感謝の日」がありますが、勤労感謝の日が1日だけの休日であるのに対し、こちらの大学では21日~29日(9日間)が丸々休暇になる点が大きく異なります。余談ですが、カナダに留学している友人と話したところカナダのThanksgivingは10月にあり、日本と同じように1日だけを休みにする学校が多いようです。

実家がそばにあるアメリカの学生の多くは、この休暇には実家に帰りのんびりしたり、12月のFinal Examの準備をして過ごす学生が多いようです。しかし私たち留学生の多くは、この休暇を利用してどこかへ旅行に出かけます。私が住んでいるSherman Hallは留学生のことを考えてかこの期間も開いていましたが、他のたいていの寮ではこの期間寮は閉まってしまうので、寮に残って過ごすことは基本的にできません。

私はThanksgivingの休みを利用して、米領プエルトリコへと3泊4日の旅行をしてきました。プエルトリコはキューバの隣にある島で、冷戦体制(キューバ危機等)のなかその地理的特性から米国政府の優遇を受けて今に至る地域です。プエルトリコの島民は米国の市民権が与えられており、米国本土との行き来も自由にできますが、あくまでも植民地として大統領選挙への選挙権は与えられていません。その代わり彼らには米国連邦税の納税義務はありません。入国審査は米国国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security)が代行し、米国本土からの飛行機は国内線扱い、という政治的には非常に微妙な状態にります。

今回ここを訪れた理由は、世界遺産に登録されたOld San Juanの街並みを見てみたかったことと、せっかく履修しているスペイン語を使ってみたかったことです。しかし結論からすると、スペイン語を使う必要はほとんどありませんでした。

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いざプエルトリコについてみると、現地の人々の大半は全く問題なく英語を話します。特に観光に関係する職業に就いている人は英語もネイティブスピーカーであり、むしろ自分の英語の心配をしているような状態でした(笑)詳しく話を聞いてみると、現在では初等教育の段階からスペイン語に加えて英語「で」も教育が行われており、現在の教育制度の下で育った人々は英語とスペイン語のバイリンガルになっていくようでした。実際にガイドに英語とスペイン語のどちらが得意なのかを尋ねてみましたが、答えは「どちらでもかわらないよ。君と話すときは英語にするし、地元の人たちと話すときはスペイン語に切り替えるかな」との事でした。これを聞いたときには正直、うらやましい限りだったことを覚えています。

Old San Juanの町並みは、ラテン文化の影響が色濃く残った鮮やかなものでした

El Yunque国立公園にて
(ガイドの説明によると、アメリカでは唯一の熱帯雨林だそうです)

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【期末試験】
30℃ほどのプエルトリコを後にし、シカゴに戻ると気温は0℃近くなっていました。休暇が終わるといよいよ期末試験が始まります。とは言うものの私が取ったクラスの多くは、授業内の発表や小テストの比重が高かったため、いわゆる期末試験はスペイン語の1つのみでした。

とはいえ、1日に2つのスピーチ/発表が重なるなど、12月の1週はかなり忙しく過ごしました。アメリカの大学では事前に成績の評価方法が十分に知らされているので、何を用意すればよいのかがわかりやすいのは、非常に良い点だと思います。12月15日にその試験を終え、冬休み期間へと突入します。

【冬休み】
冬休みはシャンペーンの街は学期間と一変し、ゴーストタウンと化します。アメリカの学生はほとんどが地元の実家に帰り、留学生の多くは帰国するか旅行に出かけるためです。私もその例に漏れず、冬休みにはSan Diego → Chicago → New York → Vancouver → Seattle → Chicagoとアメリカ中を飛び回りました。

San Diegoはカリフォルニア州の国境近くにある都市です。カリフォルニア州らしく、店に入ると初対面なのに関わらず、”Hey, what’s up?”と挨拶してくるようなフレンドリーさが印象的でした。しかしメキシコ国境に近いこともあり、治安はやや悪化しつつあるという話も現地の警察官より耳にしました。事実サイレンの音を聞く機会はシャンペーンよりは多かったと記憶しています。12月24日の飛行機(クリスマス・フライト)でシカゴに戻ると、街は思ったよりもがらんとしていました。ホステルの人と少し話し、一緒にシカゴのジャズバーへ行くことにしました。こうしたRandomな出会いも、旅の醍醐味の一つだと思います。

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しばらくシャンペーンでのんびりと過ごした後は、1月3日の飛行機で再びNew Yorkへと旅立ちました。New Yorkは「世界経済の中心」の名にふさわしく、人々が忙しく行き来している大都市です。そういった点では東京と似ているものの、New Yorkの人種・文化の多様性はアメリカの中でも突出しており、東京と比べると遥かに多様性豊かな都市である点が印象的でした。

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Seattleでは先学期に会い、Microsoft社に就職した友人がMicrosoftの本社を案内してくれました。その後は何と回転寿司店(!)へ連れて行ってもらい、久々の寿司に舌鼓を打ちました。しかしそこはやはりアメリカで、テレビにはアメリカンフットボールが映り、回っている寿司の半分は巻物といった少しアメリカナイズされた点も興味深く感じました。

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現在は1月17日に長かった旅から帰路に着き、再び学期が始まったところです。次のレポートでは、この春学期について詳しく書きたいと思います。実際にアメリカに暮らし、様々な経験をさせていただく機会をくださったJICの皆様には、心より感謝しております。皆様もお体にお気をつけてお過ごしください!

中川貴史さんの2010年1月分の奨学生レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。ここシャンペーンでは肌寒い日々が続き、摂氏-20℃以下となる日も決して珍しくありません。趣味がスキーというだけに寒さには強いと自負していた私ですが、シャンペーンの未経験の寒さには圧倒されるばかりです。寒さのあまり毎朝ベッドから体を起こすのが億劫で、午前中の授業が大変なハードルに感じられて仕方ありません。とはいえ、忙しく授業へと足を運ぶ生徒達を横目にふと立ち止まってみて、美しい雪化粧をしたキャンパスを眺める瞬間には言葉で表現し切れない感動があります。大雪の後に時折現れる真っ青の空をバックに、真っ白のクワッドが足下に広がり、目の前には荘厳なユニオンがそびえています。凍えるような真冬の澄み切った空気を吸い込む度に、何とも言い表せない爽快感が感じられます。

こちらに到着してから早いものですでに6ヶ月、時間経過の早さに驚きと共に焦りを感じつつ、今回の報告を書きつづる次第です。期待と不安に満ち溢れつつ意気揚々と新たな生活へと飛び込んでいった最初の3ヶ月とは異なり、生活や授業、人間関係にも順応して過ごした次の3ヶ月はやや印象の違ったものとなりました。その幾らかをご報告させて頂けたらと思います。

・ハロウィーン
日本ではこれと言った印象の無いハロウィーンですが、こちらでは思いがけなく非常に印象的なハロウィーンを過ごすこととなりました。数週間前からハロウィーンの衣装で話題が持ち切りになり、いかに個性的で面白い衣装を発掘できるか創意を凝らす姿勢には度々呆れさせられる程でした。ハロウィーンの当日には皆が思い思いのコスチューム姿で道を歩き回り、夜のグリーンストリートには大勢のゾンビが出現するという摩訶不思議な情景が見受けられました。
ハロウィーンの前日には、友人の誕生日も兼ねつつ親友宅でパーティを催したのですが、滑って誕生日ケーキを落としてしまうというハプニングもあり忘れられない思い出となりました。結果として60人以上の人が集まる活気溢れるパーティとなり、参加者それぞれが互いに新たな人と出会い、人と人の輪が広がっていくのを見るのが何よりも嬉しく感じられました。こちらに来てから人との出会いの大切さを痛感させられる中で、このような貴重な機会を提供できたことを大変喜ばしく思っています。

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・サンクスギビング
サンクスギビング休暇に参加したボストンキャリアフォーラムでは、停滞する景気の中で参加企業は半分以下に減少し、落胆の様相で帰路につく学生達が多く見受けられました。とはいえ、陸の僻地と言ってもよいシャンペーンで半年間を過ごした私とっては、企業との面接や企業・市場分析を通して絶え間なく変化する世界の改めて身近に感じられたことは大きな意義があったように思えます。残りの半年間のアメリカでの生活をいかに過ごし、今後社会に出るに際して有用な能力をどれだけ磨けるか、この留学に対する思いを新たにすることができました。また久しぶりに大勢の日本人を一度に目にする機会となった今回のフォーラムでは、日本にワープしたかのような感覚に陥り、懐かしさと共に日本独特の文化、とりわけ企業文化に気づかされる良い機会となったように思います。
フォーラム後には空いた時間を利用しボストン観光を楽しみ、アメリカ独立以前から長い歴史を持つボストンには歴史ある建築が立ち並び、風情溢れる街並みは私のお気に入りでした。

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・ファイナル
サンクスギビング休暇から帰宅してからは、レポートに期末試験にと勉強に追われる日々となりました。こちらの授業は日頃からの出席に加え複数回レポート・テストがある為か、期末試験に合否が大きく依存する日本の大学の試験に比べ、期末試験前の負担は少ないように感じられました。また充実した施設に助けられ集中して勉強に取り込むことができたことも、その要因のように思えます。こちらに来て日本の24時間営業のコンビニの存在がいかに便利か痛感させられたものですが、24時間利用可能な図書館の存在にはそれ以上に助けられることになりました。新たに建設されたスポーツ施設ARCではバトミントンや水泳を楽しみ、勉強で蓄積したストレスを解消することができました。
勉強に追われ慌ただしく過ぎ去っていった期末試験の時期ですが、この時期は同時に「別れの時」ともなりました。半年間のプログラムで参加していた留学生の仲間達、卒業して別の町へと旅立つ仲間達との別れは、非常に考え深いものとなりました。異なる国の異なる環境で生まれ育ちここシャンペーンで偶然にも出会い、ともに過ごした時間はお互いにとって掛け替えのない貴重な経験となったように思います。Facebookといった文明利器があるとはいえ、数千キロの距離と国境に隔てられ再び会うことができないかもしれないと思いつつ別れの言葉を言うのは辛いものでした。一期一会という言葉がありますが、今回の友人との別れによって、出会いの大切さを再認識しつつ、出会いと別れを繰り返しながら生活をしていく私たちの生き方そのものについて再考させられることとなりました。

・冬休み
待ちに待った冬休みには、夏に訪れたバンクーバーに再び戻り休暇を満喫することができました。バンクーバーはアジア人の町と呼ばれる程アジア系移民が多く、日本人の多さに改めて驚かされることとなりました。ここシャンペーンでは日本人はごく少数で日本語を聞けばまず間違いなく友達である程なので、バスや電車で日本語を聞く度に違和感を覚えざるを得ません。バンクーバーはシカゴと比較すると小規模で、日本でいう中規模の地方都市といった感じでしょうか、自然に囲まれアットホームな住みやすい町という印象があります。オリンピックを控え活気に満ちた町では、新たなマンションの建設や交通機関の整備などオリンピックムード一色といった様子でした。

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当初はカリフォルニアに旅行に行く予定だったのですが、あまりの居心地の良さに結局日本人の奥さんを持つメキシコ人の友人宅に1カ月ほども居候させて貰うこととなってしまいました。現地の大学や語学学校に通う日本人をはじめ、日本語を習う大学生や留学生まで友達の輪が広がっていき、多くの友達に囲まれ毎日充実した日々を送ることができました。

・最後に
新たな学期が始まり早ひと月が経過し、こちらでの生活も残すところ3ヶ月程となってしまいました。意識しない限り時は矢の如く過ぎ去ってしまいます。JICの皆様にこうやって与えて頂いた貴重な時間を最大限に活かせるよう残りの期間を有意義なものにしていきたいと思います。

東京大学法学部4年 中川貴史

写真1:ハロウィーンパーティ 落としてしまったケーキ
写真2:ボストン ハーバード大学構内
写真3:バンクーバー 私のフェアウェルパーティー

針谷彩花さんの2010年1月分の奨学生レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか。2009年度奨学生の針谷彩花です。前回のレポートから3か月が経ち、季節も秋から冬へと移り変わりました。イリノイは気温が氷点下を下回る毎日が続いています。天気が悪いと寒さも相まって気分が沈みそうですが、留学生活も半分が過ぎ、本当にようやく毎日が勉強・人間関係共に充実して楽しく過ごせるようになってきたところです。それでは、第二回目のレポートをお届け致します。

【学習について】
Finals
幸運にも(?)、秋学期に履修した科目はFinalらしいFinalのない科目ばかりでした。CMN101はスピーチ、ESL115はResearch paper、SPED117はGroup project、そしてEIL489はTake-home examでした。唯一”Exam”とつくEIL489は第二言語習得について10題の問題の中から5題を選んでそれぞれ2ページ以内で解答するというもので、問題の内容としてはいろいろ考えさせられとても興味深かったのですが、様々な本や論文に当たることを求められ、かなり苦戦しました。しかし友人の協力もあり(図書館で一緒に徹夜したのも良い思い出です)、なんとか無事期限内に提出することができました。

Spring Semester
春学期は秋学期同様、4科目12単位を履修することにしました。

EALC250 – Introduction to Japanese Culture
EIL422 – English Grammar for ESL Teachers
HDFS220 – Families in Global Perspective
LING225 – Elements of Psycholinguistics

前学期と同様の科目数・単位数ではありますが、前学期と違うのはディスカッションが含まれる点です。前学期は自分の語学力の拙さからディスカッションのある授業を履修することが憚られたのですが、今学期は最後の学期でもあるので、勇気を出して履修することに決めました。また、400番台の授業を再び履修することにしたのも私にとっては挑戦です。前学期のEIL489の経験から400番台のクラスはほとんど殺人的なまでの量のReading assignmentが課されることはわかっていたのですが、EIL422は興味を持っている文法教育についてのクラスであるということ、そして授業を担当される先生が言語学の分野では最も有名であろうNorm Chomskyと一緒に仕事をしたことがあるというとてもすごい方なので、履修することに決めました。春学期が始まって2週間足らずなので授業の内容が今一つ掴みきれないのですが、講義を受けた感触ではどの授業も面白そうなものばかりです。次回のレポートでは、授業の内容についてより詳細な報告ができればと思います。
どのクラスもかなりの量のReading assignmentを課す授業で、既に手帳には学期末までのReading assignmentの予定がびっしり書き込まれています。大変な学期になりそうですが、どれも興味のある科目ばかりというだけでなく、いま勉強すればするほど、将来教師になった時に生徒により良い指導ができると思うので、めげずに頑張りたいと思います。

【休暇について】
Thanksgiving Break
Thanksgiving Breakには、NYへ初の一人旅を敢行致しました。3泊4日という期間はNYを回るには短すぎる期間でしたが、自由の女神やいくつかの美術館を訪ねて素晴らしい芸術に触れたり、ブロードウェイやタイムズスクエアを歩いて都会のパワーに圧倒されたり(キャンパスに引きこもっていたので新鮮な感覚でした)、また私は映画が好きなので「もしかしてあの映画のあのシーンはこの場所で撮影されたのでは?」という場所をいくつも見つけて嬉しくなったり、とても楽しい時間を過ごしました。宿泊場所がハーレムにあるユースホステルだったり、日が落ちた後にセントラルパークを一人で突っ切ったりと今思えばかなり危険なこともしましたが、初めての一人旅は「自己責任」というものを文字通り身をもって体験できた良い経験であったと思います。

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Winter Break
さて、実は諸事情ありまして、Winter Breakは日本へ一時帰国しておりました。実家へ帰って家族と共に過ごしたり、久しぶりに友人や大学の先生、アルバイト先の同僚や生徒たちに会ったりと、慣れ親しんだ日本の生活に戻ってゆっくり体を休めることができました。
留学から学べることは語学や専門分野の知識だけではなく、母国の良さや家族・友人の大切さなど、普段の生活では意識していないけれど実はとても大切なものもあると思います。一時帰国中は再び家族や友人と過ごせる時間を大切にし、一分一秒を大切に惜しんで過ごしました。
そして一時帰国を終えてアメリカに戻る飛行機が離陸した時、8月に日本を離れた時のことを鮮明に思い出しました。あの時は期待よりも不安が勝り、離陸した瞬間不覚にも目頭を押さえましたが、今回は逆に不安よりも期待が圧倒的に勝り、8月から今までの自分の成長をこれまでになく実感することができました。友人たちには「1年しかいないのに日本に戻るのはもったいない!」と散々言われながらの一時帰国でしたが、5月の本帰国に向けて頑張る原動力を得ることができ、私にとってはとても有意義なものになりました。

あっという間に1月が終わって2月になり、5月の帰国まで残り3か月になってしまいました。夏の総会で少しでも成長した姿をお見せできるよう、残された僅かな時間を有意義に過ごしたいと思います。JICの皆様、これからもご指導よろしくお願い申し上げます。

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群馬県立女子大学 国際コミュニケーション学部 英語コミュニケーション課程 3年
針谷 彩花

【写真解説】
1.    NYにて。
2.    1月22日(金)のIlliniteにて。フラダンスとタヒチアンダンスのパフォーマンスをしました。実はフラダンスの方は19日(火)に練習を始め、1日1時間の練習を3日間続けただけで観客の前で踊るという事態に。案の定、何度か間違えて恥ずかしい思いをしました……。

中川貴史さんの2009年10月分の奨学生レポート

  JICの皆様、いかがお過ごしでしょうか。2009年奨学生の中川貴史です。シャンペーンでは木々も色づき、暖かかった気候もすっかりと冷え込んで、コートが手放せない季節となってきました。この時期は日本で言う梅雨の時期に当たるのか雨の日が多く、天気の良い日が余計に嬉しく感じられます。

こちらに来て早いもので2ヶ月、沢山の人との出会いがあり日々充実した生活を送っています。この機会をお借りして、少しばかりこちらでの素敵な経験をお話しさせて頂きたいと思います。

1.はじめに
こ ちらに到着してまず実感したのが、「人の温かさ」でした。到着したオヘア空港は複雑で巨大な為迷子になってしまい、親切な通行人に案内をして貰いながらよ うやくシャンペーン行きのバスに飛び乗るというハプニングからこの留学が幕を開けることとなりました。またシャンペーンに到着してからも、私が到着した時 期が早かったこともあり閑散とした真っ暗のキャンパスで強大なスーツケースを2つ抱え、迷子になり途方に暮れていたところを、またしても親切な通行人に助 けて貰うこととなりました。文化も言語も違う初めての場所で、多くの親切な人に助けられ、日本では感じることのできなかった人の温かさの大切さを痛感し、 ひとつ新たな気づきを得るアメリカ到着となりました。

またこちらで生活を始め最も 驚かされたのは文化の多様性で、様々な背景を持った人が混在する環境は大変興味深いものがあります。バスやスーパーでは、英語だけでなく中国語・韓国語・ スペイン語やポルトガル語が飛び交い、それぞれが自分の文化を維持しながら上手くアメリカに適合している姿には驚かされました。このような多様な文化が混 在する環境の中で、授業や友達付き合いを通して考え方・感じ方の違いを実感し、また同時に文化の壁を超えた共通点を見つけ、人間的に成長する良い機会と なっています。

2.キャンパスについて
ここシャンペーンは、コーン 畑の中心にあると聞いていたのでスキー場があるような日本の田舎町をイメージしていたのですが、想像と違い、緑豊かで安全な住みやすい素敵な街でした。海 外での生活経験がなく東京育ちの私にとっては、こちらでの生活はすべてが新しく、大変貴重な経験となっています。

少 し歩けば無数のコンビニやレストランがあり何でも手に入る東京とは違い、こちらでは最低限必要なものがコンパクトに纏まっている印象があります。私の滞在 しているシャーマンホールには食堂がない為、夕食の時間には友人と誘いあって、グリーンストーリート沿いにあるレストランで、中華料理や韓国料理、インド 料理などを楽しむのが日課となっています。また、週末には20分程自転車を走らせて、巨大なショッピングモールまで足を運び、買い物を楽しんでいます。

また、広大で美しいキャンパスは特にお気に入りです。近代的な高層ビルが立ち並び、生徒が密集している日本のキャンパスとは違い、端から端まで歩くとすると1時 間はかかる巨大なキャンパスには、巨大なスタジアムやジム、図書館、数々の公園や庭園が点在しています。授業の合間にはキャンパスの中心にあるクワッドで 芝生の上に寝転がりながら本を読んだり、ジムでバトミントンを楽しんだりと、美しいキャンパスと充実した施設を満喫しています。

大学生活に関して、とりわけ日本の大学生活との違いを実感する点は、生徒が寮やアパートといったキャンパス上に住んでいる点です。もちろん教室まで近いので 便利ということもありますが、それ以上に、これが日本には無いような密な人間関係や特殊なキャンパススタイルを生んでいる印象があります。みなが近くに住 んで居るため、友人のアパートで主催されるパーティーに足を運んだり、また一緒に誘いあって図書館に出かけたりと濃厚な人間関係が築かれています。また日 本でいうクラブやサークルも当然あるのですが、こちらではその存在感は薄く、フラタニティやソロリティといったコミュニティが人間関係の中核を担っている ようです。特殊な試験を受けなければ入ることができず、それぞれの伝統・規則・歌や踊りを持ち、時には生活を共にするフラタニティやソロリティは、自由で ありながら時に保守的なアメリカの文化をよく表現する興味深い存在だと思います。

3.授業について
授業に関しては、様々な手段 を試みたものの法律系科目の聴講が許可されなかったり中国語の授業が取れなかったりと、自分の興味のある授業を十分には取ることができず、やや心残りな授 業計画となってしまいました。とはいえ、私の専門分野である法律から少し離れ多様な授業を取ることで、別の視点から物事を眺めることができ、思わぬ発見や 学びがあり、結果的には大変充実した授業計画となっています。
EALC 250 Introduction to Japanese Culture
PSYC 245 Industrial Organizational Psychologies
LAW 301  Introduction to Law
CMN 101  Public Speaking

今学期は以上のような12単位を履修しています。とりわけIntro to Japanese Cultureで は、日本の文化・歴史を客観的に眺めることで自国の文化、さらには自分自身をより深く知る貴重な機会となっています。またアメリカの視点から再構成された 日本の文化・歴史を概観し、アメリカの生徒の日本についての意見を聞くことで、アメリカと日本の関係性といった大変興味深い気づきが得られています。日本 の文化に関して特に嬉しい驚きとなったのは、アメリカの生徒達が非常に日本の文化に興味を持っているということです。日本文化に関するこの授業も大変人気 ですし、先日のスタディアブロード説明会では数え切れない程の学生が日本への留学に興味を持ち、目を輝かせながら説明を聞いていました。
また先日には郡司先生にご招待 頂き日本館でのお茶会に出席させて頂きました。恥ずかしながらこれまでお茶を正式に頂いたことがなく、この機会に初めてそれもアメリカでお茶を頂くという かけがえのない経験させて頂くことができました。毎週のお茶会には大勢の生徒が日本館を訪れるということで、その当日も多くの生徒がお茶を楽しむ様子を見 学することができました。アメリカ人にとって日本の文化というと侍・すし・アニメといったイメージが強いようですが、そういった日本の文化の一部分だけで なく、本当の意味で日本とはどういう国なのか興味を持って貰う手助けが自分にできたらと思っています。

またIndustrial Organizational Psychologiesでは、経営学の視点とは少し異なった視点から、ビジネスの現場でのパフォーマンスやモチベーションの向上などに着目し非常に興味深い授業となっています。Public Speakingでは、複数のプレゼンテーションを通して英語力の向上だけでなく、いかに聴衆を引き付け効果的な話をするか効率的に学ぶことができています。

こちらでは、生徒達が日本よ りもずっと真剣に授業に取り組んでいることに気づかされます。第一には良い成績が就職活動・大学院進学に不可欠であるため、就職を真剣に考える学生はみな 必死で勉強に励んでいるようです。しかしより本質的には、授業の質自体が非常に高い点にも気づかされます。クラスは日本に比べ少人数な場合が多く、グルー プを作ってのディスカッションや先生との対話形式でのやり取り等、生徒と教授の双方向のコミュニケーションが行われる工夫がなされており、生徒にとって授 業がより面白いものとなっています。またシラバスや評価基準が明確で、概して授業自体が非常によく組み立てられている印象があります。授業の内容自体が難 解なものでも、ユーモアに溢れた教授の授業は非常に興味深く、生徒が主体的に授業に参加する工夫がなされています。

4.こちらの生活と今後について
こちらの生活を一言で表すと すれば、「よく遊びよく学ぶ」ということに尽きると思います。先日は、友人宅でたこ焼きパーティーやお好み焼きパーティーを主催し、久しぶりの日本の味に 舌鼓を打つと同時に、日本の味を多文化の人に伝える良い機会となりました。どちらも好評で嬉しく思っています。週末には友人とともに、バーに出かけ団欒を 楽しんだり、ビリヤードやボーリングを楽しんだり、フットボールやホッケーの試合を観戦しに行ったりと忙しい日々を送っています。また、こちらではテニス のクラブに入り週に3、4日 テニスを楽しんでいます。クラブでは、運動そのものだけでなく、普段では接点のない多くの人と知り合い、スポーツを通して仲良くなる素敵な機会となってい ます。沢山の人との交流を大切にすることで、日本では決して体験できない文化の違いや共通点を実感し、自分自身の視野を広げ人間的に成長できればと考えて います。

他方、勉学に関しては、前述 の通りとても充実したものとなっています。英語に関してはもちろん、勉強に時間が余計に掛かること等苦労する点はありますが、勉強に際して英語という障壁 を強く意識することはなくなってきました。中間試験前には図書館で朝まで籠りっきりで勉強するなど集中的に勉強し、メリハリの付いた生活を送ることができ ています。

こうして頂いたイリノイでの留学という貴重な機会を最大限に生かして、勉学と遊びを両立しながら、これからの6か月間をより充実した生活にしていきたいと思っています。

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<写真1> アイスホッケーの試合にて
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<写真2> 郡司先生と共に日本館で
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<写真3> お好み焼きパーティーにて

2009年奨学生 東京大学法学部
中川貴史

鈴木博達さんの2009年度10月分奨学生レポート

 JICの皆様、ご無沙汰しております。シャンペーンに到着して2カ月が経ち、最初のころは欠かせなかったクーラーが、今ではすっかりヒーターに置き換わっています。日本でもそろそろ寒くなってくるころかと存じますが、いかがお過ごしでしょうか? 第一回の奨学生レポートとして、こちらでの生活に関することをお送りさせていただきます。

出国とオリエンテーションラッシュ
私はアメリカの前にトロントに立ち寄る予定だったため、出国は奇しくも終戦記念日の8月15日でした。成田空港第一ターミナルの保安検査場。今まで何度も通ったゲートなのに、1年先までここを通ることはないと思うと、ゲートをくぐる時になぜか緊張したことを覚えています。トロントまでの14時間、日本で1週間にわたる送別会ラッシュを開いてくれた友人たちを懐かしむ気持ちと、新しい生活へ期待する気持ちが一緒になって、頭の中はなんだかもやもやとしていました。そんな気分もナイアガラの絶景の前に洗い流され、17日にはミルウォーキーからAmtrakを乗り継いでシャンペーンへ到着。ベッドリネンがないので同日にTargetへ買い物に行く、というなかなかのハードスケジュールでしたが、なんとかこなすことができました。

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(到着したWisconsinの風景)

到着した翌日以降は、休む間もなく各種登録に追われることになりました。土地勘がない状態でISSS、SAO、McKinleyなどの建物を探すのはなかなか大変でしたが、オリエンテーションで友人を作れたのは大きな収穫でした。特に留学生同士は同じような状態で来ているため、簡単に打ち解けあうことができました。

授業
シャンペーンに到着した4日後、8月21日に授業は始まりました。最初の1週間は建物の場所もわからなかったり、本屋で買う本を間違えたりとなかなか物事がスムーズに進みませんでしたが、周囲の友人と情報交換しながらなんとか乗り切ることができました。特にElementary Spanishのクラスはオンラインの教材も使うもので、E-Bookの仕組みを理解するまでに時間がかかってしまいました。ただその過程でクラスメートが気を利かせて課題の期限の前に電話してくれ、アメリカ人のフレンドリーさに触れることができたことに感謝しています。最終的に、他にPublic Speaking、Intro to Advertisement、Intro to Academic Writingの授業を受講することに決め、今学期の授業は4つになりました。

Intro to Advertisementを除いた他の3つのクラスは20人程度の小規模なものです。私が受講している授業に限らず、UIUCの授業の多くは小規模で、教師と生徒の距離は非常に近いものが多いです。特に語学にかかわる授業では、積極的にアクティビティに参加することができる少人数のクラスは非常に効率的だと思います。

また、授業の双方向性という点にもアメリカの大学の素晴らしさを感じました。100人程度の比較的大規模な授業であっても、教授が学生に積極的に質問を投げかけ、それに学生も積極的に応じる、というスタイルは、日本の大学のそれとは大きく異なっています。私を含むアジア圏から来た留学生は、最初はそのスタイルに慣れずに圧倒されてしまいましたが、2カ月ほどが経過した最近では徐々にそれに慣れてきて積極的に授業に参加できるようになり、自分の成長を実感しています。

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(イリノイ大学の風景)

キャンパスライフ
アメリカにある大学の多くはResidentialで、留学生だけでなくほぼすべての学生がキャンパスの中に暮らしています。UIUCもキャンパスが1つの街を構成していて、娯楽も含めほとんどの用事がその中で完結してしまいます。(そのためキャンパスは「キャンパスタウン」と呼ばれています)

ボーリング、ビリヤード、アイススケート、エクササイズジムなどはすべて大学が運営しているため、学生はいつでも気軽にそれらを利用することができます。また大学が運営するIllini Unionの中にはフードコートまであり、Jamba JuiceやChick-fil-Aといったアメリカの代表的なファーストフードを利用することができます。昼時には混み合うIllini Unionですが、友人と一緒に食事に行ったり、ジュースを買いに行ったりと、常時お世話になっています。

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(ボーリング場にて)

キャンパスタウンの中心にはGreen Streetと呼ばれる通りがあり、この通りにはさらに多くの飲食店、クラブ、バーがひしめき合っています。幸い私が暮らしているSherman Hallは非常にこの通りに近く、ここにあるStarbucksには、2カ月の間に行かなかった日が10日程度しかなかったほど頻繁に利用しています(笑)

シャーマンホール
「大学に近い一人の空間もある寮」ということを念頭に置き、出国前から住む場所はSherman Hallに すると決めていました。結果的にこの選択は正解で、非常に快適に生活することができています。キッチンは共同のものしかないのですが、週末にはそこで日本 食パーティーを開くなど、施設を有効に利用させていただいています。アメリカに来て以降、日本食は自分で作るしかなくなったため、意図せずとも料理がうま くなった気がします(笑)
Sherman Hallでは部屋を共有するRoommateはいないのですが、トイレ・バスを共有するSuite-mateがいます。私のSuite-mateはスペイン人で、お互いの国の音楽を聞かせあうなどして楽しい時間をすごしています。

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(Sushi Party)

Sherman Hallは基本的に大学院生向けの寮なのですが、留学生は学部生でも暮らすことができるため、非常に国際色豊かな寮になっています。すぐに思い浮かぶ友人だけでも、スペイン、スコットランド、オランダ、インド、中国、韓国など出身国はそれぞればらばらです。

Choosing the Battlefield
最後になりますが、イリノイで今まで過ごした2カ 月から学んだことについて書きたいと思います。留学初期はどうしても「自分が人よりもできないこと」に目が行きがちで「一人前」として見られようと努力し ていました。自分が生まれ育った言語・文化圏の外に出ると、幾度となく小さなトラブルを経験することになります。例えばコーヒーの注文がうまくできなかっ たり、買う予定のものを間違えたりと、その多くは取るに足らないつまらないことなのですが、これらが積み重なることをストレスに感じていました。(アメリ カのカフェでは注文の際にミルクを入れるか、など細かなことを聞かれたりします(笑))

旅行であればその 文化が自分のものと「違う」ことだけを認識すればいい一方、留学ではその違う文化の中で「暮らす」ことになります。だからこそその違う文化のなかで一人前 として認められたい。そんな気負いもあって、「自分の長所を活かすこと」よりも「自分の弱点を補強すること」に気を使っていることに気付きました。

しかし一人前として扱われるためには、「自分が周りよりもできないこと」よりも、「自分が周りよりもできること」に目を向けるべきだと、今は思っています。TOYOTAが世界で認められたのはFordに追いつこうとして大型のSUVを開発したからではないし、Sonyが成功したのはGEに 習って大型家電を開発したからではありません。言語一つをとっても、思春期以降に英語圏に暮らした人間がネイティブ・スピーカーになることは決してないの だから、その文化の中で育った人間に追いつこうとするだけでは、結局のところ、中途半端な二番煎じで終わってしまうと思うのです。

世界で認められる 国際競争力をつけるには、「自分の弱点を補強すること」よりも「自分の長所に磨きをかけ、表現できるようにする」ことのほうが重要である、ということを認 識できた点は大きな収穫でした。何も自分が苦手とする分野で戦おうとすることはなく、自分が育ってきた環境から自分の長所を見つけ、それを表現できる「戦 場」で戦うことが、国際的に「一人前として認められる」上で不可欠なのだと思います。

全てが思い通りに進むわけではないですが、だからこそ異文化の中で暮らすことからは、得られるものがたくさんあります。この貴重な機会を与えてくださったJICの関係者の方と、周囲の家族・友人に感謝しつつ、これからもたくさんのことを学んでいきたいと考えております。今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

針谷彩花さんの2009年10月分奨学生レポート

JICの皆様、こんにちは。2009年度奨学生・針谷 彩花です。

早いもので、アメリカに来てから既に2か月が経ちました。何度か失敗も重ねましたが、ようやく生活スタイルも確立し、日々の生活にも少しずつ余裕が出てきたところです。それでは、第一回目のレポートをお届けします。

【イリノイ大学の印象】
「とにかく広い!」というのが第一印象でした。こちらに着いて最初の一週間は、地図があっても目的地にたどり着けなかったほどです。東西南北の感覚が掴めず、Illini Unionに行くつもりが反対方向に歩いていたこともありました。しかし、地図さえ覚えてしまえばイリノイ大学はとても住みやすい場所だと思います。何よりバスが発達しているのには感動しました。Red, Yellow, Blueなど様々なラインがあり、北回り・南回りなどの区別もつかず、最初の頃は逐一運転手さんに「このバスは○○へ行きますか?」と聞いて確認してから怖々乗車していましたが、今ではもう慣れたものです。

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ま た、留学生が多いことにも驚きました。キャンパス内を歩いていると、アメリカ人だけでなくアジアの人々や中東系の人々もよく見かけます。中でも特に中国人 を見かけることが多く、中国に留学していると錯覚しそうなくらいです。日本人は少ないと聞いていましたが、今年は珍しく多いそうで、20人近く日本人の知り合いがいます。留学先で日本人とばかり一緒にいるのはよくないと聞きますが、助け合える存在が近くにいるのはいいことだと思いました。

【住まい】
現在、私はArmory HouseというPrivate Certified Housingに住んでいます。Global Communityとも迷ったのですが、様々な条件(食事や設備、立地条件など)を考慮してここに住むことに決めました。結論からいえば、Armory Houseは私にとってあまり良い環境とは言えませんでした。Armory Houseに は留学生が多く住んでいるのですが、特に中国・韓国からの留学生が多く、彼らは同じ国からの留学生とばかり関わりあい、それぞれの母国語で話すため、アジ ア人とアメリカ人・その他の国からの留学生とでコミュニティが完全に分かれている印象を受けました。唯一の日本人である私は中国語も韓国語も理解できない ためアジア人のコミュニティに入れず、またアメリカ人からは中国人または韓国人とみなされているのか相手にされず、結果的にArmory Houseではとても寂しい日々を送ることになってしまいました。
Armory Houseは食事もおいしく、立地もよく、私にとってとても住みやすいことは確かなのですが、より充実した生活を追求するため、来学期はアパートをSubleaseできないかと考えているところです。

【授業】
今学期、私は4科目12単位を履修しています。
1.    CMN101 – Public Speaking
2.    EIL489 – Theoretical Foundations of Second Language Acquisition
3.    ESL115 – Principles of Academic Writing
4.    SPED117 – The Culture of Disability

中でも特に興味深いEIL489とSPED117についてレポートします。
EIL489は私が最も興味を持っている第二言語習得論についてのコースです。秋学期に難易度の高い400番台の授業を履修することには非常に不安があったのですが、第二言語習得論に最も興味があるので思い切って履修することに決めました。この授業が一番興味深いのですが、履修決定前の不安通り一番大変なクラスです。毎週100ページ近い量のReading assignmentを こなさなければならず、また授業中の活発な議論や教授のイギリス英語を理解するのは私にとって至難の業です。あまりの大変さに「どうしてこのコースを履修 したんだろう」と後悔することもありますが、それでもやはり第二言語習得論はおもしろい!私は将来英語教師になりたいと考えているのですが、そこで役立ち そうな知識を身につけることができるので、時々は泣きごとを言いながらも楽しんでいます。
SPEDというのは「Special Education」のことで、日本語に訳すと「特別支援教育」になります。教育実習で車椅子を使っている生徒と出会ったことから特別支援教育に興味を持ち、SPED117を履修することに決めました。SPEDと 銘打ってありながら、このクラスは一番レベルの低いクラスのためか「特別支援“教育”」というよりも、むしろ「障害と共に生きていくとはどういうことか」 を考えさせられるような授業内容です。授業では障害について扱った映画やテレビ番組を見たり、実際に障害者の方をクラスにゲストスピーカーとして招いてお 話を聞いたりと、障害を持っている人々が日々の生活で直面している問題を実感することができました。特に「Sound and Fury」 というドキュメンタリー映画が私にとって衝撃的で、「健常者は障害者に健常者の価値観を押し付けていないか」「障害と共に生きていくことは本当に不幸せな ことなのか」「幼い子どもの意思を親はどうやって尊重したらいいのか」など、本当にいろいろなことを考えさせられました。このコースを通して、障害を持っ ている人々に対する私の意識は変わりました。現在、障害を持った子どもが養護学校ではなく普通の学校に通うケースが増えています。将来教職を目指す私に とって、このコースは障害のある生徒をどのようにして支えていけるか考えるために、とても良い機会になりました。

【クラブ活動】

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Quad Dayにて様々なクラブに参加してきたのですが、今現在活動に携わっているのは以下のクラブです。

1.    Ka Melia Hula Club
「せっかくアメリカにいるんだし、思い切って何か新しいことに挑戦してみよう!」と思った私が選んだのは、なぜかダンスでした。Ka Melia Hula Clubは女の子ばかり10人未満の小さなクラブで、日曜の夜に1時間、フラダンスとタヒチアンダンスの練習をしています。女の子ばかりで小規模なところが日本の大学を彷彿とさせ、とても居心地がいいです。10月24日にはKrannertで初めての発表会があったのですが、それに向けての練習はなんと本番3週間前から始まり、練習の回数は週2回 に増やしたのみ。あまりの練習量の少なさに「本当に大丈夫なのか」と心配することしきりでしたが、なんとか形になりました。本番当日はとても緊張しました が、楽しんで(それも一度も間違えずに!)踊ることができました。今後も様々な発表会などが予定されているそうなので、これからの活動を楽しみにしていま す。

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2.    Global Partners
読む・書く・聞く・話すという英語の四技能の中でも「話す」ことが特に苦手なので、Global PartnersというクラブでConversation Partnerを頂きました。小さい頃にアメリカに移住したブルガリア人の女の子で、そこにもう一人タイ人のFreshmanの男の子も加わり、週一回程度3人で会っています。

3.    Foreign Language Club
Conversation Partner 第二段です。けれどFLCはGPとは少し違い、こちらが一方的に教わるのではなく私も日本語を教える、いわゆる”Language exchange”の形になります。FLCでも英語の会話練習のために女の子のConversation Partnerを頂きました。そして私は日本語を教えるのですが、なんと女の子ばかり6人の大グループ!こちらは連絡が来たのがつい最近のためまだ6人全員で顔を合わせたことはないのですが、とても楽しみにしています。

4.    International Illini
イリノイ大学に交換留学中の学生と、イリノイ大 学から外国へ交換留学を経験した学生を繋ぐクラブです。交換留学生同士の交流会を企画してくれたり、アメリカの文化を楽しむためのイベントを企画してくれ たりします。このクラブが最も交換留学生にとって楽しいイベントを提供してくれるクラブではないでしょうか。10月13日に行われたPumpkin Carvingのイベントでは、人生で初めてハロウィンのためにカボチャを彫りました。最初のカボチャ選びに失敗して(オレンジ色の濃いカボチャを選ぶのがポイントです)30分を無駄にし、その後2時間近くかけてようやく完成させることができました。ハロウィンは日本にはないイベントなので、本番(?)の31日を今から楽しみにしています。

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一年前の今頃、本奨学生制度応募のための書類の準備に奔走していたことを今でも覚えています。家族や友人に応援され、応募文と履歴書を何度も書き直し、大学の先生方には遅くまで添削して頂いて、申し込み締め切り直前まで推敲を重ねました。
それを思い出すと、私は今、家族や友人、大学の先生方、そしてJICの皆様の支えがあってこそアメリカにいることができるんだと感謝の気持ちで胸が一杯になります。与えられた機会を最大限に活かし、これからもがんばっていきたいと思います。

群馬県立女子大学 国際コミュニケーション学部 英語コミュニケーション課程 3年
針谷 彩花

柳潤子さんの2009年10月分奨学生レポート

 JICの 皆様お久しぶりです。イリノイは少しずつ肌寒くなってきており、冬を間近に感じておりますが、いかがお過ごしでしょうか。アメリカでの留学生活が始まって から2ヶ月近くが経ちました。少しずつこちらの生活にもなれ、現在は中間テストが終わって一息ついたところです。昨年はJIC奨学生の方のレポートを読みながら留学への夢を膨らませていたのを思い出しますと、私がこのレポートを書かせていただくのが、なんだかとても不思議な感じがします。つたない文章ですが、楽しく読んでいただけたら幸いです。

1.授業について

授業は4クラスを受講しております。実はIntroduction to Law の授業も最初は受講していたのですが、内容が難しく、大教室でディスカッションについていけなかったため、今学期はこちらのクラスに集中することにしました。
SPAN122 Elementary Spanish
CHIN305 Advanced Chinese Ⅰ
CMN321 Persuasive Speaking
LLS220 Mexican & Latin Am Migration

スペイン語と中国語の授業がかなりの時間を占める言語中心のような時間割になってしまいましたが、こちらにはたくさんのSpanish speakerと Chinese Speakerがいるのでぜひぜひアメリカにいるうちにマスターしていきたいなと考えております。CMN321 Persuasive Speakingの授業は日本の大学でPublic Speakingの授業を受講した後、もっとスピーキング力を伸ばしたいということで受講を決意しました。アメリカに来たばかりのInternational studentは私一人で、スピーチの内容も社会的な問題や、学術的にもすこし専門的な問題を選ぶため、不安だったのですが、クラスメートに温かく受け入れてもらい授業を受けております。LLS220 Mexican & Latin Am Migrationの授業は、日本にいるときから楽しみにしていましたが、予想以上に内容が充実しており大変満足しています。また、クラスメートの中には、移民問題や人権問題についての活動をしている人たちもいるため授業を通して知った活動にも参加しています。

アメリカの大学は勉強がひたすら大変というイメージがあったのですが、授業ではレジュメでスケジュールや課題、成績評価の基準が細かく決められ、さらに中間テスト前にはstudy guideが 配られ、どの範囲をどのようにテストで問われるかがあらかじめ学生に教えられるなど、教える側が学生に何を要求しているのかが大変明確にされている気がし ます。もちろん、これらの要求にこたえるのは難しいのですが、きちんと学びたいと思う学生に対しては丁寧に接してくださり学生に対して、知識やスキルを身 につけてほしい、学んでほしいという熱意が伝わってきます。学生側も授業内容だけでなく、成績評価、授業の進め方についても積極的に発言、質問するなど、 授業やインストラクター、教授に対しての期待が高い気がします。その分GPA成績を個人の努力、モチベーション、能力と密接に結びつけやすく、どんな場合にもGPAが大切になってくるようで、学生たちが高いGPAを確保しようとする姿を見ると日本の大学とは随分と違うように感じます。

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*写真1

2.生活面

私は現在Global crossroadsで 生活しています。こちらの寮はアメリカ人と留学生が半数ずつ暮らしています。一年生が多く、フレンドリーで母文化以外の文化に対しても興味を持っている人 が多い気がします。両親の代にアメリカに移住してきた人や、2ヶ国語以上話せる人、外国語を現在履修している人、留学経験がある、もしくは留学を考えてい る人が多いので、似たような興味を持つ友人を作りやすい環境だと思っております。
私 の寮はダブル部屋で、ルームメートはシンガポール出身のインド人です。年が4つくらい離れて若いので最初は少し心配だったのですが、しっかり者で、言語の 面でも生活面でも助けてもらっています。共通の友人がいないので一緒に出かけることはないのですが、もともとの性格が近いためか同じ部屋で生活していても 特に不自由はなく、毎日、その日の出来事を共有したりしながら、ルームメートのいない留学生活は考えられないくらい自分の生活の一部になっています。
イリノイ大学は、日本で生活していた大学とは考えられないほど、施設が充実しています。ジムがあり、24時間利用できる図書館があり、ちょっとした資料を探すにも図書館の本と取り寄せるにも便利な仕組みがたくさんあります。学生主体のイベントも多く、友人がそのイベントで生き生きと活躍しているのを見ると、本当にいろいろなチャンスの多い場所に来たのだと実感しております。

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*写真2

3.IDream & IResist

IDreamとはDREAM Act制定への政治活動を行うイリノイ大学での学生団体です。前述のLLS220のクラスメートが中心メンバーになっていたため、授業を通して知りました。現在イリノイ大学を含めてアメリカには、幼い時にundocumented(アメリカ入国に必要な書類を持たない、ビザなし)の状態で入国し、大学生になったころになってアメリカ政府から強制帰国を命じられるケースがあります。DREAM Actとはこういったundocumentedの人たちが、これから合法的にアメリカで生活するため、現在のアメリカの移民法に代わる法律です。

IResistとはイリノイ大学内での有色人種に関わる問題かかわる団体で、こちらもLLS220の クラスメートが中心メンバーになっていたため、授業を通して知りました。イリノイ大学は大学のシンボルとしてネイティブ・アメリカンをかたどったものを利 用しているのですが、少し前からこれがネイティブ・アメリカンに対する偏見であるということで問題となっています。また、chiefの ダンスがネイティブ・アメリカンの伝統的な衣装を着て、まったく彼らの文化とは関係のない音楽で関係のないダンスを踊るのも、ネイティブ・アメリカンに対 する蔑視ではないかとの考えがあります。日本では移民の子どもたちにかかわるボランティアをしていたせいか、とても興味があり、どちらの団体にも少しずつ 足を運んでいます。政治的な活動や、人権問題の活動は日本の大学よりもはるかに盛んな気がしますが、アメリカでは逆に、人々の間での宗教・文化の違いが、 他の場面での意見の違いに大きく影響するため新しい考えや取り組みは受け入れられにくい側面もある気がします。キャンバス内においてさえも自分の意見を表 明することが難しい場合があるのは残念ですが、これからこれらの団体の活動に参加していきたいと思っています。

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*写真3

初 めての海外というわけではないのですが、思った以上に文化の違い、人の違いに驚く毎日です。様々な国から留学生が集まりながらも、出身地ごとに固まりやす く、なかなかその輪の中には溶け込めないときもあり、ときに意外に宗教や言葉の壁が高く感じ、人間関係が思ったようにはうまくいかないこともあります。
ア メリカに来たのだから、こういう経験をしてみたいとかこういう留学生活を送りたいという気持ちはもちろん持ち合わせながら、いろいろな環境に触れや多くの 人の考え方を受け止め、新しい経験からたくさんのことを吸収して、これからの留学生活をさらに楽しめたらと思っております。

写真1シカゴにて
写真2ルームメートNehaと
写真3イリノイTシャツ

JIC春の宴会(奨学生を囲む会)

2009年3月28日(土),新橋の富田屋で2009年度派遣のJIC奨学生を囲む会が開催され20名が出席しました.奨学生からはこれからイリノイ大学に留学する意気込みを述べてもらい,奨学生OBから留学に関するアドバイスをもらう有意義な会合となりました.

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