鹿山ゆかりさんの2013年4月分奨学生レポート

JICの皆様、またこの奨学生レポートを読んでくださっている皆様、ご無沙汰しております。ずっと寒かったシャンペーンは日に日にあたたかくなってきており、春の到来を感じています。
さて、今回はI.春学期の授業、II.春休み、III.競技ダンス、IV.その他、について書きたいと思います。

I.春学期の授業
現在履修しているものの中からいくつか紹介します。

★GLBL 392 International Diplomacy and Negotiation
前回も紹介した通り、外交と交渉について学ぶ授業です。イリノイ大学のAdvanced Composition Courseの一つに指定されており、授業の目的の一つがライティング能力を身に着けることだそうです。日々の課題に加え、学期末には30枚ほどのペーパーを提出することになっています。
前半期には、交渉や外交に関する基礎的な概念や用語を学びました。授業も後半期に差し掛かり、ついに先日、オンラインシュミレーションシステムを使って他大学の学生との模擬国際会議が始まりました。会議は日々のメールのやり取りと、指定された時間にパソコン上で行われるオンライン会議の2種類から成るものです。各国がそれぞれProposalを作成し、交渉を通してその採択を目指します。先日、私の担当国であるブラジルの目標や戦略が決まりました。チームの仲間と協力しながらこれから3週間、楽しみながら取り組んでいきたいと思います。

★HRE 199 Leadership in Global Engagement
前回紹介した、約15名という少人数で行われている授業です。テーマは文化、リーダーシップなど幅広いものとなっています。毎週20ページほどのリーディングが課され、毎回それに基づいてディスカッションが行われます。リード役はイリノイ大学の学生1名と澳門大学の学生1~2名のペアが毎回交代で務めます。

ディスカッションの様子。毎回メンバーが交代でお菓子を持ち寄ったりと、リラックスした雰囲気の授業です

私が澳門大学の学生と共にリード役を務めた時のディスカッションのテーマは ”文化による幸福に関する価値観の違い” でした。リーディングの中身をより深く理解してもらうため、また自身の幸福とは何かについて考えてもらうためにディスカッショントピックの他、ゲームやプレゼンテーションを用意しました。当日は思った以上に学生たちの積極的な発言・参加があり、やりがいを感じました。

 
★SOCW 199 Community-Based Service Learning
前回のレポートでも紹介した、シャンペーンの中学校Franklin Middle Schoolに行き、チューターとして学生の宿題や課題の手伝いをするという授業です。セッションに参加する学生は学力・バックグラウンドが多様であり、毎回柔軟な対応が求められます。
宿題を手伝うことが私たちチューターの主な仕事ですが、時にはずっと中学生の話を聞いているということも。ある生徒は自身が参加しているボーイスカウトの話を興奮気味に、また別の生徒は自分の大学進学についての話をしてくれました。彼らと関わることで、アメリカでの公教育がどのようなものか(もちろん、地域や学校によって違いはあると思いますが)を肌で感じることができ、とても嬉しく思います。
II.春休み
3月中旬に1週間ほどの春休みがありました。私は、前半はシャンペーンにて競技ダンスの練習をし、後半はインディアナで行われた大会に出場してきました。競技ダンスについてはIIIで詳しく述べたいと思いますので、ここではそれ以外のことについて述べたいと思います。

★ミュージカル、”Dreamgirls”
春休みの初日、友人と共にミュージカル”Dreamgirls”を観てきました。会場であるAssembly Hallはバスケットボール等の試合や大きなイベントが開かれるスタジアムでした。

Assembly Hallの様子。写真は大学のホームページより

キャストの方々はプロとしてデビューされたばかり方も多く(それを感じさせないほど素晴らしい技術を持った方々ばかりでしたが)、舞台上はフレッシュなエネルギーであふれていました。
面白かったのが、観客の反応です。会場全体の悪役に対する冷たい反応、また主役を応援する姿勢が拍手・歓声等にはっきりと表れていました。ミュージカルの内容、歌、ダンス、演技…どれも素晴らしく、あっという間の2時間半でした

 

★大雪、そして休講
春休みの最終日、朝起きて窓の外を見ると雪が降っていました!昼から夜にかけて雪はどんどん積もっていき、ついには(雪があまりにもひどいため)シカゴからシャンペーンまでの高速道路を通らないよう警察から勧告が出るほどに。友人からイリノイ大学は雪で休講と言うことはありえないと聞いていたのですが(シャンペーンでの雪への対応は素晴らしいです。雪が降った翌日通行・歩行に困ることはほとんどありません)、春休みの初日はまさかの休講となりました。
Quadや寮の庭では、雪合戦や雪だるま作りをしている学生達を多く見かけました。

窓から見た雪の様子。遠くが全く見えませんでした。

III.競技ダンス
この2月に始めた競技ダンスですが、思った以上に楽しく、その魅力にはまっています。現在は4月半ばにある最後の大会に向けて練習しているところです。

★競技ダンスとは
競技ダンスは社交ダンスの競技版、と言って差し支えないと思います。ダンスの種類は大きく分けてInternational Latin(サンバ、ジャイブ、チャチャ、ルンバなど)、International Standard(ワルツ、タンゴ、クイックステップなど)、American Smooth(International Standardのアメリカ版)、American Rhythm(International Latinのアメリカ版)、の4つがあります。また、競技はレベル別に行われるため(大学生向けの大会は大体下から順にNewcomer、Bronze、Silver、Gold、Novice)、初心者でも気軽に参加できます。私は現在、Newcomer(競技を始めて1年~1年半の人向けのカテゴリー)とBronzeというカテゴリーに参加しています。

★大会
私の所属しているチームは、日々の練習とコーチによるレッスンの他、中西部で行われる大会に参加しています。

*Arnold Youth Dancesport Classic (Columbus, OH)
3月上旬、オハイオ州コロンバスにて開かれた大会です。この大会はThe Arnold Sports Festivalの一部として行われており、会場では競技ダンスのほか、チアリーディング、卓球など45のスポーツの大会・博覧会が行われていました。The Arnold Sports Festivalはかなり大きな大会であるらしく、全体で毎年2万人近くの参加があるそうです。1989年にカルフォルニアの元州知事であるArnold Schwarzenegger氏とオハイオ州出身のJim Lorimer氏によって設立されたそうです。
競技にはプロや全米レベルの大会に出ているアマチュアのダンサーも参加しており、踊るのも見るのも楽しい大会でした。昼にはSchwarzenegger氏を招いてのエキシビションが開かれ、ダンサーの素晴らしい演技に観客たちは釘付けでした。

大きな大会なのでピリピリした雰囲気になるのかと思っていましたが、私の出たカテゴリーでは皆リラックスして大会を楽しんでいました。

ワルツ終了後の写真。審査員と観客にお辞儀を終えたところです。

*Irish Dancesport Gala (Norte Dame, IN)
春休みの終わりにインディアナのノートルダム大学にて開かれた大会です。大会前日のOpening Dance(参加者の練習セッション)から始まり、和気藹々とした雰囲気が印象的でした。私はNewcomerのInternational Latinのジャイブにて準決勝まで進むことができました。印象的だったのは、準決勝からフロアの雰囲気が一変したことです。ダンサーたちは皆ピリピリし始め、入場してからは場所の取り合いとなりました(ジャッジにアピールするため)。決勝に進めなかったのは残念でしたが、とても楽しい時間でした。
一番の目玉(!?)は大会後のFun Danceというセッションです。この時間はマンボやサルサ音楽が流れ、参加者は自由に踊ります。パートナーと真剣に踊る人、リラックスしながら踊りを楽しむ人、のんびりとダンスを観ている人、洋服を脱ぎ始める(!)人、コメディアンのような動きをする人…それぞれがセッションを心から楽しんでいる姿が印象的でした。アメリカらしいなぁと思ったのが、このセッションにもジャッジがいたことです!数分後、全体の中から(面白さと奇抜さで)目立ったカップル(チーム)が数組選ばれ、決勝が行われました。決勝戦は大変白熱し、音楽が笑い声で聞き取れないほどとなりました。

★ダンスチームについて
競技ダンスを始めて良かったと思うことはたくさんありますが、一番嬉しいのは素晴らしい仲間に出会えたことです。右も左も分からなかった私に丁寧にステップを教えてくれたり、一緒にダンスシューズを買いに行ってくれたり、大会前に親切にアドバイスをしてくれたり…。競技ダンスの楽しさを教えてくれたのは、そして競技ダンスを私にとってより特別なものにしてくれたのは、チームのメンバーたちです。彼らの多くは大学院生であり、忙しい勉強の合間をぬって練習や大会に参加しています。彼らからはダンスについて、またそれ以外のことについて多くを学びました。
現在、今学期最後の大会に向けて練習しています。仲間と共に最高の演技ができたら、と思っています。

IV.その他
留学生活も残すところあと1か月となり、時の経つ早さに驚いています。来たばかりの頃は毎日が驚きや発見の連続でしたが、今、それらは(良い意味で)私にとって当たり前の日常となっています。きっとシャンペーンは私にとって第二の故郷のような場所となるのだろうな、と感じています。
留学生活が終わるのは信じがたいことですが、残り少ない留学期間、毎日を思う存分楽しみ、多くのことを学んで帰国したいと思います。

鹿山ゆかりさんの2013年2月分奨学生レポート

JICの皆様、そしてこのレポートを読んでくださっている皆様、ご無沙汰しております。第37期奨学生の鹿山ゆかりです。
シャンペーンの冬は予想通りとても寒く(友人曰くこれでも暖冬だそうですが)、膝までの長いコートとブーツ、イヤーマフラーは必須です。とはいえ最近はあたたかくなってきており、リスをたくさん見かけるようになりました。春が近づいていることを実感しています。

リスもびっくりの寒さ!

今回のレポートではI. 期末試験、II. 今学期の授業について、III. その他について書きたいと思います。

I.期末試験
12月に入ると、キャンパスの雰囲気は期末試験モードになり、図書館や寮のラウンジ、キャンパス内のカフェなど大学のあらゆるところで勉強している学生を見かけるようになりました。サークルが勉強会を開催していたり、寮では試験期間にマッサージサービスがあったり、Writers Workshop(留学生向けにレポートの文法等の添削をしてくれたり、レポートの資料探しの相談に乗ってくれるところです)が夜の10時から2時までwalk-inでの添削を受け付けていたりと、試験のサポートに関する情報も多く見られる(聞く)ようになりました。
私は実技試験の他にレポートやプレゼンテーション、Book Review等が課されたため、期末試験期間は他の学生と同じく図書館と寮を往復する毎日を送っていました。

II.今学期の授業について
今学期履修する授業の中からいくつかを紹介したいと思います。

★GLBL 392 International Diplomacy and Negotiation
タイトル通り、外交と交渉について学ぶ授業です。通常の授業に加えて週1回のディスカッションがあり、毎回とても楽しみにしています。学期途中からオンラインのシュミレーションシステムを使って他大学の学生と外交の交渉を行うようです。私のクラスはブラジルを担当することになりました。

★HRE 199 Leadership in Global Engagement
様々なゲストスピーカーを呼んで文化やリーダーシップついて学ぶ授業です。毎回リーディングが課され、授業ではそれについてのディスカッションが中心です。また、この授業をとっている学生の半数が澳門大学から来ているため、彼らからマカオについて様々な話を聞くことができます。
授業外では澳門大学の学生とイリノイ大学の学生がペアを組んでテーマを決めて研究を行います。結果は4月にあるUndergraduate Research Symposiumにて発表の予定です。

★SOCW 199 Community-Based Service Learning
イリノイ大学とTap in Leadership Academyが提携して行われる授業です。学生がシャンペーン市内の中学校(Franklin Middle School)と高校(Centennial High School)に行き、放課後数時間、チューターとして生徒の相談に乗ったり勉強を教えたりするというものです。
このプログラムは中高生に学外で刺激となる場を作ることを目的としてできたそうです。研修では、このセッションに参加するのは学校の勉強だけでは物足りない学生から授業について行けない学生まで様々であること、学校の授業ではないので生徒とたくさん話をしてほしいこと、また英語が母国語でないために勉強について行けない・勉強への意欲がわかない学生がいるので彼らのフラストレーションを取り除いてほしいというリクエストなどを聞きました。
先日、中学校に行ってきました。学生たちの課題をいくつか見て、アメリカの教育は(少なくともFranklin Middle Schoolでは)アウトプットを重視している印象を受けました。プレゼンテーション等、クラスでの発表の機会が非常に多いのです。また、授業内でパソコンを使うことが奨励されており、課題が知識の習得だけでなく情報リテラシーを高めるためのものとなっていました。例えば、私が担当した生徒のBlack Historyの課題は設問と共に調べ方のヒントが書かれていましたし、理科の授業ではプリントの最後に「これら答えを得るにはどのように調べるのが良いか」という設問がありました。

tutoringの様子。一対一、もしくは一対二で教えています。

III.その他
イリノイ大学では毎日どこかでイベントや講演会、交流会などが開かれています。行ったものの中から印象深かったものを紹介したいと思います。

★セサミ・ストリートの声優、Caroll Spinneyさんの講演会
11月の終わりにUnionにてCaroll Spinneyさんの講演会がありました。彼はアメリカで(もちろん日本でも)大人気のテレビ番組“セサミ・ストリート(Sesame Street)”のビッグバード(Big Bird)役とオスカー(Oscar the Grouch)役を務めていらっしゃる方です。会場には学生のみならず子供からお年寄りまで多くの人が集まっており、セサミ・ストリートの人気の高さを改めて実感しました。
Spinneyさんは自分の生い立ち、セサミ・ストリートの仕事について、役者としての喜びについて、涙やユーモアを交えて語って下さいました。オスカーのパペットを持って「オスカーとして」挨拶してくださりました。パペットを持ってオスカーになりきる時の彼の表情の変化は言葉に表せないほど迫力がありました。講演後、Spinneyさんとお話しする機会があったのですが、「日本からはたくさんのファンレターを貰っているんだ。いつも勇気づけられているよ」と笑顔で話してくださいました。
セサミ・ストリートは私がおそらく人生で一番最初に触れたアメリカの文化であり、彼の講演を聴くことで自分と英語の関わりの原点のようなものを思い出しました。

★Philippine Student Associationのイベント
友人が入っているというフィリピン学生協会(通称PSA)のイベントに行ってきました。イリノイ大学には様々な国の学生組織(学生協会)があります。様々な国について学んだり、そこに住む友人を作ったりするには最高の環境であると思います。
このイベントは公演とディナーの二部で構成されており、公演ではフィリピンの民族舞踊、PSAの学生によるダンスや国歌斉唱など、内容盛りだくさんでした。このイベントはフィリピンについて伝えるだけでなく、チャリティを目的としているようです。収益金の寄付先、フィリピンのストリートチルドレンについてもしっかりと紹介しており、大変内容の濃いものでした。
PSAのような学生協会は学生間の交流だけでなく、学生達が自分のルーツを確かめるのに役に立っているようです。私の友人が「アメリカで普通に生活していると自分のルーツについて知る機会はほとんどない。PSAに入って良かったと思う」と言っていたのが印象的でした。

こちらはTIA(Taiwan Intercultural Associationの旧正月のイベント。

★競技ダンス
数日前に社交ダンスの体験講座に行き、とても楽しかったので今学期は競技に出ることに決めました。競技ダンスの大会はレベル別に部門が用意されており、どのような人でも参加することができるそうです。今は3月の頭にある大会に向けて練習をしています。
競技と言っても練習の雰囲気は和気藹々としており、それぞれが自分の好きな(必要な)メニューをこなしているという感じです。

雪が降った翌日のQuadの様子。とても綺麗でした。

留学生活も残り3か月となり、時の経つ早さに驚いています。多くの方からのサポートに感謝しながら、多くのことを学んで帰国したいと思います。

鹿山ゆかりさんの2012年11月分奨学生レポート

JICの皆様、レポートを読んでいらっしゃる皆様、こんにちは。国際基督教大学の鹿山ゆかりです。この度は第37期イリノイ小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校(UIUC)で学ぶ機会を頂くことができ、大変感謝しております。また、渡米前は大学生活・授業について多くのアドバイスを下さり、どうもありがとうございました。
今回のレポートでは授業、その他(課外活動など)、大統領選挙について書きたいと思います。

                    大学近くの住宅街にて

I.授業
UIUCでは国際関係や経営学、ダンスから音楽まで、様々な授業が用意されています。今学期は自分の専攻に囚われず、興味を持った科目を履修することに決めました。今回のレポートではその中からいくつか紹介したいと思います。

★    GLBL 220 Governance Gateway
グローバルガバナンスについての授業です。グローバル化によって新たに生じる問題は何か、またそれに対する政府や非政府機関の対応は適切であるか、不十分であるとしたらどう対処するのが適切か…そのようなことを毎回ディスカッションしています。20名程度の少人数の授業であり、毎回リーディングが課されます。
印象的だったのが移民問題に関する回のディスカッションです。いつも以上に活発に意見が飛び交い、こちらの学生の移民問題への関心の高さに驚きました。祖父母もしくは両親の世代にアメリカに渡ってきたという学生も多く、自分のアイデンティティについて、政府の政策について話してくれました。Assimilation(同化)に関しては多くの学生が「移民と言う選択をした以上、仕方ないこと」と捉えていました。また、ディスカッションの中で両親の世代がアメリカに移民してきた学生は自分のルーツについて考えるよりもアメリカの文化に馴染もうとしていること、祖父母の世代が移民してきた学生は自分のルーツに強い関心を持っていたことが興味深かったです。

★    BDAM 199 Entrepreneurship and Enterprise Development
この授業では、起業について学んでいます。マーケティングの手法から資金集めの方法など、非常に実践的な内容を学ぶことができ、満足しています。現在はチームに分かれて企業のコンサルティングを行っています。私のチームは世界中の美術館や博物館の検索、レビューの投稿・閲覧、チケットの売買ができるウエブサイトを作りたいという女性のためにビジネスプランを作成しています。
残された時間が少ないですが、仲間と協力して仕上げたいと思います。

               ビジネスの授業が行われる建物の内部の様子

★    DANC 105 Jazz I
ジャズダンスの本場はアメリカということでこの授業を履修してみました。現在は、想像していたような種類のジャズダンスではなく、コンテンポラリーに近いダンスを習っています。先生は現役のダンサーで、以前は自分のダンスカンパニーを持ち、公演をしていらしたそうです。
驚いたのが、イリノイ大の施設のすごさです。広いダンススタジオにピアノやドラムが揃っており、最近はプロのドラマーやピアニストを呼んで生演奏に合わせてダンスをする…という贅沢な時間を過ごしています。
施設だけでなく、UIUCのパフォーミングアーツを支援する制度は素晴らしいです。まず学内に衣装や小道具の専門家がおり、ダンス科や声楽科主催の公演のセットや衣装を作っています。また、ダンスの授業を取っている学生はダンス科主催の公演に2つ以上参加し、レポートを書くことが義務付けられています。ダンス専攻の上級生やプロのパフォーマンスを観ることで学生のモチベーションを上げることができ、さらにチケットの収益を増やすことでダンス科の公演がより良いものになるという一石二鳥の制度です。

II.その他
★    10 Minutes Play Festival
10 Minute Play Festivalとは、The Penny Dreadful Playersという演劇サークルによって開かれる脚本コンテストです。10分間の作品を役者が演じ、部門ごとに一番観客から人気のあったものが表彰される…と言うものでした。私はコメディ部門の”C.R.A.P. Exam”という、とある試験の会場を舞台にした作品に出演しました。残念ながら賞に入ることはできませんでしたが、仲間との楽しいリハーサルなど、良い経験となりました。
このサークルは今年で20周年を迎えたようで、コンテストにはもちろん、打ち上げのパーティーにもたくさんのOB・OGが参加していました。様々なバックグラウンドを持った人と話をすることができ、改めてUIUCの良さを実感しました。

★    フットボール
こちらでは大学スポーツが大きな話題の一つです。フットボールは中でも大人気のようです。私が観に行った試合は、イリノイ大学対ペンシルベニア州立大学というホームゲーム。スタジアムはイリノイ大学のカラーである青とオレンジに染まり大盛り上がりでした。
…しかし、残念なことにその日のイリノイ大チームはあまり調子が良くなかったようで、試合の中盤で相手チームとの間にかなりの差をついていました。
驚いたことに、こちらの人たちは負けと分かるとすぐに帰宅してしまうようです。2時間もしないうちに、満員に近かったスタジアムの人数が半分以下になっていました。一緒に行った知人曰く「いつもなら皆もっと早くに帰りだす」そうです。
試合途中で帰った人は家に戻るというわけではなく、スタジアムの周りでテントを張ってバーベキューをするようです。スタジアムから出ると、多くの人たちの楽しそうな姿を見かけました。

              青とオレンジに染まり大盛り上がりのスタジアム

III.大統領選挙
4年に一度の大統領選挙。こちらに住む人たちの関心の高さを日々感じています。例えば、食堂で毎朝聴こえてくるラジオには必ず選挙の話題が出てきますし、先日はユニオンでは大統領のディベート(テレビで放映されるもの)を鑑賞するイベントが開かれていました。授業でも教授が選挙には行ったかどうか、どちらが勝つと思うかなど、学生によく質問しています。

                     投票を推奨するポスター

ただ、大統領の演説や選挙関連のイベントが近くでないからか、日本でイメージしていたような大きな盛り上がりはこちらでは特にはありません。投票日はどのような雰囲気なのか、今からワクワクしています。

(追記:11月10日、大統領選挙当日のこと)
大統領選挙当日も特に学内の雰囲気に変化はありませんでしたが、街で多くの人が選挙に関して話をしているのを耳にしました。また、寮のラウンジなどが投票所となっており、多くの学生が並んでいました。

                     投票に並ぶ学生達

夜の選挙結果の中継は、私は寮の一室で友人たちと見ていました。部屋には何人もの学生が集まっており、大統領選挙に対する関心の高さを感じました。オバマ勝利の瞬間の盛り上がりは今でも忘れることができません(と同時に肩を落としていた学生も何人かいましたが)。夜、部屋に戻ると「Obama~!」と外で何人もの学生が叫んでいるのを耳にしました。

簡単ではありますが、以上で10月分のレポートとさせていただきます。残りの留学生活も楽しみながら様々なことにチャレンジしていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

2012年11月10日                                               鹿山ゆかり