留学報告書3 (00.01)
東京大学法学部3年
専攻 経済学
田村 篤司
あけましておめでとうございます。そしてついに新しい千年紀ですね。千年紀を単位に話しをすることなど僕にはできませんが、来る年一年一年がよりよい年であってほしいと思います。
今回はあらためて自己紹介をするようにということなので、それから始めさせていただきます。生まれは佐賀で、まもなく長崎県佐世保市へ、それから福岡県久 留米附設中・高を卒業してと、九州北部で育ちました。友達からよく「おまえは九州男児やね」(性格のこと)と言われます。
東大では法学専攻ですが、マクロ経済にも興味があります。また一方で教育・犯罪といった問題についてもよく話しをします。中央銀行を含め、官庁への就職を考えています。
趣味はサッカーをすること、ジャズをひたすら聞くこと、メールを書くこと、買物をすることです。
秋学期の最後の数週間は、勉強と試験とに集中しました。結果はまずまずといったところです。
冬休みは日本に帰らず、クリスマス前後の1週間ほどを留学生のためのあるプログラムに参加しメリーランドのある一家で過ごさせていただいた後、同じように 留学している高校時代のクラスメートと会い、アメリカ東部をあちこちと旅行しました。贅沢なことだと思いますが、やはりいろいろといい勉強にもなったし、 楽しい思い出にもなりました。今回はそのことについて書きたいと思います。
メリーランドに滞在していた時の一番の見所はワシントンDC でしたが、意外な発見だったのがアナポリスでした。十ヶ月間だけ合衆国の首都だったこの港町は、アメリカの古い町並みをそのままに残していて、とても小さ な街だけれどやさしく美しい街でした。ちょうどクリスマスシーズンだったこともあり、かわいくて小さなお店でのショッピングが楽しかった。きっとボストン もこういう都市なのだろうと想像しています。
アトランタでは、アメリカの光と陰がくっきりと意識されました。危険な匂いのするダウンタウンは、 イリノイにはなかなかない黒人独特の文化が感じられ、一歩離れると荒廃した寂しいストリートになります。その一方、郊外のミッドタウン以北には白人の中上 流階級が安全でクリーンな街を形成していて、豪華で大規模なショッピングモールが賑わいをみせています。企業のオフィス群もダウンタウンからそうした郊外 へ移っているように思えました。 またアトランタではたまたま、ノルマン・ロックウェル展がやってきていて、さっそく見に行きました。アメリカ人に広く愛 された彼は自分にとって最も大好きな画家でもあり、あまり絵画を解しない自分にとっても十分以上に楽しむことができました。
世界一のテーマパーク大国オーランドでは、童心に戻って疲れるまで遊び(しかも半袖でOK)、アメリカ人の創造力(想像力)の豊かさ、そして「人を楽しませる、笑わせることの上手さ」にあらためて感心させられました。
ニューヨークでは、ミュージカルが一番の楽しみでした。ミュージカルを見るのは初めてで、Catsを見たのですが、思っていたよりずっと面白くて、「あわ てて」次の夜もまた見に行くことにしました。それが旅行最後の夜だったのですが、なんと第一列目のまさに真中の席というチッケットにあたり、Miss Saigon の迫力のある舞台を十分に楽しめました。そのほか、エンパイアステートから見る夜のNYの美しさには圧倒されました。ここでは日本料理も毎日食べにゆき、 お腹も満足したというところです。
というわけで、この冬休みは十分楽しむことができました。なお、塚本さんとはボルティモアとNYとで二回、全く偶然に出会い、驚きました。
ただ一方で、日本の友達からは就職活動を始めたという話(昨年内に就職の内定が出たという話も)や、国家公務員試験や司法試験の話などが届いていて、自分 だけモラトリアムを一年延ばしていることの贅沢さを感じています。新しい学期が始まりますが、今学期はもっとしっかり勉強しようと思っています。