田村篤司君の1999年11月分レポート

ここでの生活も僕にとっては二ヶ月半になりました。早いもので、もう今学期も残りわずかになってきています。イリノイの秋は今年、とても暖かかったと感じ ました。ただ最近、冬の到来を感じさせるように少しずつ寒くなり、日も短くなり、木の枝からは茶色く染まって美しかった木の葉も姿を消していっています。
九月後半に日本に三週間帰ったこともあって、十月前半は授業に追いつくことと中間試験の勉強とでやや忙しかったのですが、十月後半から十一月初 旬まではのんびりと留学生活を楽しみました。東大法学部と違って緊張感のないところですし、今学期は友達をつくったり、アメリカの生活を味わおうという気 持ちがあったので、あまり勉強に集中していたとはいえません。寮の同じ階の仲間が金曜の夜によく映画に連れて行ってくれます。フラティニティのパーティー に行ってみたり、ハロウィーンのダンスパーティーに行っていみたり、フットボールやアイスホッケーの試合を見にに行ったりと週末はなにか予定をいれ、また はゆっくりとすごしました。
ただ、最近はもっと勉強をしなければ、もっと勉強をしたい、という気持ちが強くなったのと、授業のペースが速くなっ てきたり、リサーチペーパの課題が締切間近になってきたのとで、勉強にかける時間がかなり多くなってきました。それでも東京にいる時と比べて気持ちが緩ん でいるので、最近よく反省をしています。
この留学は英語と経済のインテンシヴのように捉えているのですが、今学期は Microeconomics, Macroeconomics,という経済学の基本を勉強し、さらにアメリカの政治社会の仕組みを知ろうとAmerican Governmentという 政治の授業を受講しました(その他に英語のライティングのコースも取っています。)。どれも100レベルなので比較的簡単です。
そしてつい最 近、来学期の授業の登録をしたのですが、来学期はMicroeconomics, Macroeconomics, Economic Statistics, Accounting,(さらにできればEuropean Economics)という授業を取ろうと思っています。全く希望どおりの登録ができました。今学期と比べると格段に大変になるはずです。

友達関係は、八月、九月の時と比べてやはり寮の同じ階のアメリカ人と仲良くなったという点で気が楽になってきましたが、まだ英語の壁は高く、「溶け込めて いる」とまでは表現できません。「混じっている」という感じでしょうか。ただ、このオグリズビー11階というところは、とても気に入っています。この階の 住人とOBとで作ったフラッグフットボールチームは、最近イントラミューラルの大会で優勝し、そして今はペニーウォーというどの階が一番多く募金を集めら れるかというイベントがあっているのですが、ここ六年間一番だそうで、今年も十分集まったと言っていました。同じ階でもいくつかのグループに分かれ、まっ たくコミュニケーションのない人も多くいますが、自分自身のまわりにいる人は比較的親切です。
英語の方は、まだまだ自信がありません。今週テレビを買いました。まだ日本語で考えている時間が多いので、もっと英語にふれようとおもっています。三ヶ月~六ヶ月目に変化が現われてくると言われてきたのですが、どうでしょうか。

Thanksgivingの大部分は勉強しますが、冬休みは1ヶ月、Chicago、Atlanta、Florida、NYとアメリカを旅行する計画を立てています。

塚本美由紀さんの1999年11月分レポート

こちらに来てから、3カ月余の月日が経ちました。初めはキャンパスの広さに圧倒されて、地図が手放せませんでしたが、今ではすっかり慣れて行動範囲も広がってきました。遠方にあるJapanHouseも、イベントがあるたびに訪れています。

授 業の方は、希望通りの授業が取れ、満足しています(広告2教科、統計、ESL)。まだまだ先生の言葉を一字一句理解するには至りませんが、教科書で予習を してから授業に出るので、全体的な内容は理解できます。OHPを使う先生も多いので今のところはそんなに問題もないです。ただ、宿題とテストの多さには当 初やはり驚きました。特に統計の授業では、Marardというプログラム(←パソコンがここまで普及しているというのがアメリカらしいところなのですが) を使ってオンラインで提出する宿題が毎週あり、平日は課題に追われる毎日です。また、広告の授業では、アメリカの広告事情について教授が具体例をだしなが ら説明をしてくれるものの、広告主が何を作っている会社なのかという予備知識がないので苦戦することが今だにあります。テレビを見るのも勉強のうちとして 少しずつ慣れていきたいと思っています。 広告という、文化に関係する分野を勉強しているからかもしれませんが、こちらに来て「1つの国に長く住むことの 意味」を考えさせられるようになりました。日本にいる時は、日本に住むことについて、別に何の価値も見い出さなかったのですが、離れてみて日本に20数年 暮らしてきた履歴というのが、1つの貴重な財産であることに気づきました。毎日何気なく暮らしているようでも、メディアを通して社会の様子を知り、それを 1つの知識として蓄積し、周りの人と同じ文化を共有するということはすごいことです。例えば、こちらだとジョークを理解するのにも、背景の知識がないので 分からず、笑えないということがよくあります。アメリカに長く暮らしているわけではないので、これは仕方のないことなのですが、同じ文化(狭い意味での文 化ではなく、娯楽なども含めた広い意味での文化)を共有していたら、コミュニケーションがどんなにスムーズで深い内容のものになるかと思うことがよくあり ます。 ただ、折角こちらで勉強する機会を与えていただいたわけですから、文化の違いを楽しめるようになっていきたいと思います。ここでの生活は、本当に 「国際的」な点が魅力的です。留学生も世界各国から集まっていて、アメリカにいながらさまざまな文化に触れられる点がすばらしいと思います。アメリカ人で も、キューバからの移民の人など、多様な人間が揃っていて、今まで聞く機会のなかった話が多く勉強になります。逆に私の方も日本人の代表のような扱いを受 けることが多いので責任が重いですが、自分ができる範囲で日本について語るようにしています。

今、唯一抱えている問題は寮(SnyderHall)についてです。undergraduateの寮なので、周りにアメリカ人がいるという点では恵まれているのですが、私の
場合、ルームメートが日本人になってしまい、あまり生活の変化が実感できない点が残念です。今、部屋の変更願いを出しているところですが、寮が満室状態なので、今学期中は移動できなさそうです。来学期に期待したいと思います。

最近は時間が過ぎるのが、とても早く感じられます。Thanksgiving(今週の水曜日からの授業がお休みです)が過ぎると、今セメスターはほぼファ イナルを残すのみになります。留学生活もこのままだとあっという間に過ぎてしまいそうですが、時間を大切にして、吸収できるものは全て吸収する位の勢い で、欲張りに行動していきたいと思います。

1999年11月13日JIC総会を開催

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御茶ノ水駅から東京医科歯科大へ向かいながら,右手はるかな聖橋に目をやると,色づいた枝々がアーチ型の橋梁に掛かり,外堀の深緑の水面はきらきらと輝いていた.「花のこと今は忘れて紅葉かな」を,ふと思い起す.四時はめぐり,今年も秋実り,冬蔵すの季節に入ろうとしている.そして,今日この爽やかな小春日和の11月13日の昼下がり,私は恒例の総会が開かれる,東京医科歯科大のグリルセインツに急いだ.

会場には既に,イリノイ大学に学んだ人々,又は有縁の方々70余名が集い,イリノイで過ごされた日々を懐かしみ歓談されていた.大山会長から開会のご挨拶があり,来日されているConlin学部長からは日本館の1周年記念茶会で600人もの来館があり,感動されたことなど話された.同行された郡司先生からは日本からの篤志家を募り,工芸美術品などを提供してもらい,日本館でオークションを開いて,運営資金の一助としたいなど,今後の日本館運営計画などを話された(先生の御挨拶をここでご覧いただけます).その後,JIC留学生として昨年イリノイ大学で学んだラビットの帰国報告があり,この夏に留学する新ラビットの自己紹介が続いた.恒例のビンゴゲームでは,景品のイリノイ・グッズの中でも,オレンジ色のイリノイカラーばっちりのベービー服には歓声が上がった.

閉会の挨拶で粟飯原名誉会長はJIC設立にまつわる苦労話に触れられ,この会の存続の大切さを思った.参加者全員がイリノイ大学の2000年のカレンダーと長野パラリンピック優勝者松江美季さん(イリノイ大学留学中)のポスターを頂いて,私は今キャンパスは燃えるような紅葉の季節を迎えているかなと想いつつ,そして微力ながら何か恩返しをしたいものだと念じながら会場を後にした.

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