JICの皆様、ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいますか。
こちらイリノイ大学は、一ヶ月近くの長い冬休みを終え、後期に入ってから3週間近くが経ちました。休み明けは、またもやの大雪と発電所の火事が原因による 大学全体に渡る停電とが同時に重なるというハプニングに見舞われましたが(大学は休みになったものの、この寒にも関わらず、寮には暖房がつかない、次の日 までお湯が出ないという惨めな思いをしました)、今はあの頃のパニックも嘘だったかのように、キャンパス内は全体的に落ち着きを取り戻し、新学期の初々し い雰囲気が漂っているようにに思えます。雪は最近の大雨でほとんど消え、日は少しずつ長くなり始めました。今は、春が来るのが待ちどうしくてたまりませ ん。(いったんは暖かくなっているかのように感じたのですが、今日はまた急激に下がり気温は零下となる寒さでした。)
こちらの気候につ いてもう少しお話すれば、この冬は過去10年間のうちで最も厳しい寒さだったようですよ。(初めての冬なのでこれが普通と思っていたのですが、どうやら違 うようです。)冬休みはこちらで過ごしたのですが、連日のように雪が降り、気温は零下20度、30度という恐ろしい寒さが幾日も続きました。(これほど厳 しい冬は例年では稀なようです。)スノウ・ストームも何度かありました。外へ出たときの寒さは表現しようがありません。少し大袈裟かもしれませんが、沢山 の針が一度に頬に突き刺さるような寒さと表現すればいいのでしょうか。もう寒いという感覚がなく、痛いという寒さでした。(今も少しそうですが…)とにか く冬休みの間は、こちらでは暖炉の前でゴロリと過ごすのが最高です。しかし、雪景色のキャンパスタウンや周辺の公園や湖などは、辺り一面真っ白でとても綺 麗でした。(湖では氷が分厚く張り、アイススケートができました。)
さて、話しは変わりますが、冬休みに入る前には、期末試験がありま した。これも面白い経験になりました。とにかく驚いたのが、アメリカ人は大学でよく勉強するということでした。試験二週間前は寮全体が試験ムードとなり、 徹夜で頑張る学生達のために、夜は食堂で夜食のおやつが用意されたり、ユニオンの建物や大学のホテル自体が勉強部屋として開放されたりと、私もこの間はあ る意味でアメリカ人の学生に圧倒されながらもがんばった記憶があります。
そして、冬休みは先ほども書いたように、アーバン・シャンペ― ンで過ごしました。多くの友人が、この寒くて何もない場所になぜ留まるのか理解できないと、気の毒がりましたが、日頃あちこち歩き回っていたせいか、地元 に知り合いもいてこの町自体に少しでも長くいれたらという気持ちでした。逆に、やることがあって私なりに充実していたように思えます。キャンパス内は、学 部生達のほとんどが帰省してしまい、さすがに寂しい感じがしましたが、多くの友人が脅したように、キャンパスタウンがゴーストタウンになってしまうほどで はありませんでした。それどころか、教授達や研究熱心な院生達でキャンパスタウンに生活の雰囲気が感じられましたし、キャンパス内は普段とは違った大人っ ぽいアカデミックな雰囲気が漂っているような印象を受けました。
休み中は、知人のアメリカ人宅でホームステイをさせてもらいながら、4人 の子供達のベビーシッターをして過ごしていたのですが、それと同時に(4年に一度開かれる、クリスチャンの学生の会議、ウルバナ2000が開かれたため) キャンパス内での全国から集まる学生達の食事の世話をするアルバイトも見つかり、いろいろと挑戦していました。この期間中は、各州からまたは各国から学生 達が集まり賑やかでした。クリスチャンの学生達は礼儀も正しく、非常に人懐っこいという印象を受けました。働きながら、次第に知人が増えていき、様々な州 の話を聞くことができ、なんだかどこへも行かずして、旅行へいったような、そんな気持ちにさせられることがしばしばありました。ホームステイ先は9人の大 家族でした。毎日の9人分の食事作りを手伝うという(量の多さには驚くことばかりでしたが)、面白い経験もしました。私自身も家族同様に扱ってもらえ、彼 らからは家族の大切さや人の温かさを教わったような気がします。
また、クリスマスのころは老人ホームでボランティアをする機会も得ました。日頃できないことに挑戦しながら、勉強以外のことで多くのことを学んだような気がします。自分自身、こんなに力があったのかと驚くぐらいいろいろと挑戦したような気がします。
こ のような感じで過ごしているうちに、長かった休みもあっという間に過ぎてしまいました。後期の始めからは、少し張りきりすぎたのか、いきなり熱をだしてし まいました。でも遅れたくないという気持ちが強く、そのまま授業にでていたせいか二週間も苦しむ羽目になりました。後期は、会計学を勉強しています。他に も、チェコ文学とイギリス文学の授業もとっています。こちらの教授は生徒を引き付けるのがとても上手いと感じます。そのため、どれも授業は興味深いものば かりです。前期に比べると、気分的には落ち着いていますが、授業の課題をこなすのはいまだに大変です。これが最後の学期かと思うと寂しいです(英語の面で もこのままでは満足できないと言う気分です)、この残された後期、悔いのないように頑張らなくてはと気が引き締まる思いです。
JICの皆様のおかげでこのような貴重な体験をさせていただいていることに感謝しております。私達のこちらでの生活も残すところ半分となりましたが、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
武田 麻美(東京外国語大学3年)