岡沢宏美さんの2003年1月分レポート

JIC会員の皆様

奨学生 岡沢宏美さんの一月分のレポートをお送りします。
岡沢さんはご自身のホームページがあるようです。
時間がありましたら、皆さん覗いてみたらいかがでしょう?

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2003年 1月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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明けましておめでとうございます。

新年を迎え、この貴重な留学生活を実り多いものにするためがんばろうと、新
たな気持ちで決心しています。そして、今、こうしてイリノイ大学で学ぶ事が
できるのも、JICの皆様をはじめとする多くの人たちのおかげであると改めて
感謝致します。

前回のレポートを書いてから、早くも3ヶ月が経ちます。
たくさんの課題に追われながらも、楽しく、充実した日々を送っています。
秋学期は言語学の授業を二つ、教育学を一つ、作文の授業を一つ取りましたが、
特に言語学の授業はすばらしいものでした。統語論の授業では課題が多く苦労
しましたが、わからない時はオフィスアワーに通い、教授に個人レッスンをし
ていただき、言語学の分野の中で苦手だった統語論が、とても面白く感じるよ
うになりました。 音声学の授業も面白く、自分の声をコンピューターで分析
したり、アラビア語、ビルマ語、ヒンディー語などの音声を聞き分け、記述す
る訓練も受けました。世界中からの教授や留学生が集う、ここイリノイ大学だ
からこそ、このような勉強ができるのだと思っています。

年が明け、秋学期の成績も出ました。なぜか日本の大学の成績より良く、驚い
ています。日本のように課題はほとんどなく、一回の試験のみでの評価という
スタイルより、多くの課題やレポートを着実にこなしていき、オフィスアワー
やスタディーグループで、教授やクラスメイトと関わりながら勉強を進める、
という授業のスタイルの方が私に合っているのだと思います。

来学期は授業数を増やし、教育分野でより応用ができる言語学を学びたいと思
い、第二言語習得、音韻論、発達心理学、スピーチコミュニケーションの授業
を取ろうと考えています。ビジネスやジャーナリズムは人気があり、取りたい
授業がなかなか取れない、という話を聞きますが、言語学の分野に限ってはほ
とんどそんなことがないのが幸運です。それに加え、写真やジュエリーの芸術
科目も取りたいと思っています。

生活面で他の奨学生と違う事は、私は学部の寮に住んでいる、という事です。
ルームメイトとも仲がよく、寮の食事もおいしく、快適な生活ですが、一つ困
るのは、休みには寮が閉まってしまうという事です。アメリカ人の学生は、試
験や授業が終わるとすぐ実家に帰り、授業が始まる前日に戻ってくる人がほと
んどです。寮が閉まる日々をどう過ごすか?というのは、私にとって大きな問
題です。

サンクスギビング中も寮を追い出されるので、どうしようかと思案していたと
ころ、ガールスカウトの友達が「うちにおいでよ」と誘ってくれて、ミシガン
のその子の家に一週間滞在させてもらいました。お父さんがミシガンから7時
間かけてシャンペーンまで迎えに来てくれて、また7時間かけてミシガンの家
に戻りました。そして、一週間後の休み明けにも、お父さんは14時間の運転を
もう一度する事になります。アメリカでは里帰りも大変です。ミシガンはイリ
ノイより寒く、11月の時点でほぼ毎日雪が降っていました。その家ではなん
と、ペットにミニチュアホースやウサギを飼っていたので、雪の中、動物と遊
んだり、買い物に行ったり、料理を手伝ったりして、アメリカの家庭のサンク
スギビングを満喫できました。親切な友人に恵まれ、貴重な経験ができ、とて
も嬉しく思います。

そして冬休みには、また寮も閉まるし、旅行するしかない、と、私はファイナ
ル直後からメキシコに行き、昨日シャンペーンに戻ったところです。カンクン、
アカプルコ、クエルナバカ、メキシコシティーと旅をしていました。カンクン
では日本では免許のいるモーターボートを乗り回し、マングローブのラグーン
を探検しました。サンゴ礁のシュノーケリングポイントに行くと、泳いでいる
海ガメと遭遇、という感動も味わいました。クリスマスは美しいカリブのビー
チで、新年はアカプルコの盛大な花火のもとで迎えました。世界に4つしかな
いガールスカウトのワールドセンターがクエルナバカという町にあるのでバス
で移動し、アメリカやカナダからのガールスカウトと一緒にキャンプをしまし
た。チェチェンイッツァとテオティワカンの遺跡にも行き、ピラミッドに登り
ました。なんだか優雅なバケーションに聞こえるかもしれませんが、実は泊ま
るところはドアがベニヤ板の一泊4ドルのバックパッカーの宿で、食事は20円
のタコス2つだったりします。

ちなみに、現在も寮は閉まりホームレスなので、寮が開く20日まで友達の家を
渡り歩く予定です。寮が閉まってしまうのは不便ですが、旅行や居候をしなけ
ればならないという立場も、面白いものです。

Web上に日記やキャンパスの写真を公開しています。よければ覗いてみて下さい。
http://sc.gaiax..com/sc/cools/maypanda

次回も楽しいイリノイでの生活レポートをお届け出来るよう、春学期も元気に
がんばります。お読みいただきありがとうございました。

大阪外国語大学
岡沢宏美

田中千絵さんの2003年1月分レポート

JIC会員の皆様

一月レポートのラストを飾るのは、田中千絵さんです。
Shermanhallを見上げるときに安堵感…という表現にシャンペーンでの
生活の楽しさを窺うことができます。
確かに私もいつもDanielsに辿り着いてはホッとしていました…。

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2003年 1月分レポート
田中 千絵
東京大学大学院教育学研究科
総合教育科学専攻
比較教育社会学コース 修士課程
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JICの皆様 遅ればせながらあけましておめでとうございます。
本年もよろしくおねがいいたします。

日本から未の絵の入った年賀状が届いて、日本の時間の流れの感覚をふいに思
い出したような気がしました。前回レポートを書いてから3ヶ月以上が経ちま
したが、その間には1年間かけても起こりえないようなことを、楽しいことも
つらいことも非常に濃縮された形で経験してきたような気がします。

この学期中にもっとも思い出に残っていてここに書き記しておきたいのは、
11月末の私自身の誕生日のことです。誕生日を迎える夜中の12時、何人かの友
達が部屋を予告なしに訪れてくれ、surprise happy birthdayをしてくれたの
です。ドアを開けた瞬間に目の前に巨大な白いくまのぬいぐるみがあらわれ、
その背後から友達の笑顔、笑顔がみえたときには、あまりの驚きと感激にパニッ
クになり、どうしていいかわかりませんでした。もちろん本当に心からいいた
かったことは、“I love you, guys all!!” そして、その週末には20人近い
友人を招いて寮の地下のゲームルームでパーティーを開き、日本食をふるまい
ました。(親子丼、肉じゃが、カレー!)みんながそれだけ集まってくれただ
けでも感激ものでしたが、アメリカ人やinternationalの友達がみんな日本食
をたのしんでくれたことが非常に心に残りました。間違いなく生涯忘れられな
い誕生日で、パーティーであふれるほどとった写真を次々と見ていくたびに同
じ感動がじんとこみあげてくる気がします。

さて、楽しい11月も終わり、12月、ファイナルの時期にはさんざん楽しい思
いをしたつけか、テストにレポートに非常に追い詰められ、一人で図書館で夜
を明かしたり(朝6時に図書館でうたたねからめざめるという経験はなんとも
いえないものです)、かと思うと、寮の友達とみんなで一緒に階下で勉強した
り(あるいは邪魔しあったり夜食を食べたり!)と、とにもかくにも友達に囲
まれつつ、忙しさと楽しさとつらさがそれぞれ濃くまじりあった、この一学期
間を象徴するような時間をすごしたように思います。

ファイナルの周辺には、知らない間に積み重なった疲労からか、冬休みには
日本に帰ろうかとだいぶ迷ったこともありましたが、結果はともかく(!)ファ
イナルやらmusicのクラスのconcert@klannert!やらを終えて、そのまま勢い
よく気の合う友達とクリスマスをN.Y、年越しをChicagoですごし、楽しく、
リラックスした時間をもつことができ、今はもう10日ほどあとに控えた春セメ
スターに向けてかなり充電ができたような気がします。しかし、White
Christmas @ N.Y も、ジャズと花火にいろどられたChicago でのHappy new
year も素敵でしたが、やはり旅行を終えてChampaignに戻り、Shermanhallを
みあげる度に感じる安堵感はなんともいえず、幸福なものです。今は友達とひ
たすらごはんを作って食べたり、IMPEでひたすら泳いだり、ここぞとばかり映
画をみたりとのんびりとすごしています。

すっかり慣れ親しんだChampaignの街、Shermanhall、一緒に暮らしているか
のように毎日会っていろいろな話をする友人達、そんなものたちと過ごす時間
がもう半分近くも過ぎてしまったかと思うとあせりと寂しさを今から感じてし
まいそうになりますが、次のセメスターも後悔のないよう、精一杯、目いっぱ
いの経験をしたいと思います。ではではまた次回のレポートでお会いしたいと
思います。 ありがとうございました。
田中 千絵