2003年4月18日(金) JIC勉強会を都内で開催

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JIC(イリノイ大学日本同窓会)勉強会を4月18日(金)19:00より開催しました。参加は9名でしたが、活発な質疑応答もあり21:00頃までの有意義な勉強会となりました。

講師の原史郎さんは、現在、世界最大の不動産会社シービー・リチャード・エリス不動産投資部門であるシービー・リチャード・エリス・インベスターズ株式会 社の副社長を務められ、オフィスビルへの投資、マンションの開発分譲、日本初の100%住宅のJーREITの設立およびその株式市場への上場を目指して活 動されています。昨年11月よりJICの会長として会の活性化に取り組んでおられます。

テーマは「外資から見た日本の不動産投資」で、 豊富な経験を踏まえてプロジェクターを利用しながらわかりやすく説明していただきました。先ず地価下落や景気悪化による需要不足に加えて2003年問題を 抱える現在の不動産の状況を概観し、次いで外資系企業により持ち込まれたプライベート不動産ファンドやJ-REITなどの不動産投資手法を解説し、最後に 不動産投資を通じて今後の日本のあるべき姿を描いていただきました。
当日の参加者の希望で二次会にてさらなる意見交換を行い、楽しい夕べとなりました。
なお、勉強会の案内は、JICメーリングリストを通じて行なっております。連絡をご希望される方は、ホームページ上からメーリングリストに登録していただくようお願い致します。

堀川裕美子さんの2003年3月分レポート

JIC会員の皆様
昨日、今日とすっかり春めいて
桜の開花もちらほらと見られるようになりました。
ついつい歌詠みの真似事なぞしてしまいそうです。

留学中の堀川さんから3月のレポートが届きました。
どうぞお楽しみ下さい。

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2003年 3月分レポート
堀川 裕美子
東京都立大学 人文学部
社会福祉学科3年
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日本でも、穏やかな春を迎えていると想像しますが、
皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
現在留学中の堀川裕美子です。

すでにスプリングセメスターの半分も過ぎてしまったという、時の経過の早さ
に毎日驚くばかりです。今回のレポートでは、春セメスターについてご報告さ
せていただきたいと思います。

今セメスターは、English, Human Development and Family Study(HDFS),
Women’s Study(WS)のクラスを一つずつとKinesiologyのクラスを2つ履修して
います。HDFSは老年学、WSは古代におけるsex and genderというクラスをとっ
ています。この二つも大変興味深いものですが、今回はこのほかのクラスにつ
いてご報告させていただきたいと思います。

まず、Englishはintroduction to poetryという、なんとも特殊な領域にチャ
レンジしています。俳句や短歌などは、好きですが、それも別に特に詳しいと
いうわけでもなく、日本の詩歌の解釈にも中高の国語の授業で四苦八苦した記
憶があるのにもかかわらず、おもわず、履修してしまいました。一つの理由に
は、英語の詩を日本で学ぶという機会は稀であり、仮にあったとしも解釈の方
法などは違ってくるのではないかと思ったことがあります。ここでしか学べな
いものをという観点からいえば、これは非常によい機会だと思ったのです。ま
た、詩のよいところは、これ、といった絶対的な答えがないことです。大筋の
正しい解釈というものは存在するものの、何をどこから感じたか、ということ
が大事であって、それは、大いに私の主観的な判断にゆだねられているという
ところが面白いところであり、また、難しいところでもあります。

そして、Kinesiologyのクラスは、tennisとinjury in sportsというクラスで
す。tennisの授業はその名のとおりテニスをするのですが、これはハーフセメ
スターの授業なので、スプリングブレイクの直前にはじまり、まだ2回しか授
業がおこなわれておらず、これからというところです。いっぽう、injury in
sportsもその名のとおり、スポーツにおける怪我について学ぶのですが、講義
と実技のクラスがあり、実技のクラスでは、テーピングの仕方を中心に、血圧
や脈拍をはかったり、担架での移動を行ったりしています。うまいテーピング
というは才能だ、ということを聞いたことがありますが、それが本当ならば、
私には才能がないようです。というは、足首のテーピングをペアになって行っ
ていたとき、私は、テーピングがゆるすぎて意味を成さないということになら
ないように、注意してやっていたのですが、逆に、私のパートナーの足先は、
私のきついテーピングのために血流が滞って、変色してしまいました。ごめん
なさい、私のパートナー。もちろん、そのあと、すぐにテーピングははずしま
したし、何事もなかったのですが、まあ、才能があるとはいえないということ
を証明してくれるには十分だったのではないかと思います。ただ、それは初め
てのテーピングでしたので、成功の9割は努力から、1割だけが才能から、と
いう言葉もあることですし、練習した後には、もしかすると、テーピングの才
能も花開くかもしれないという、ささやかな希望を願ってやみません。

こういった、すばらしい経験があともう少しで終わってしまうかと思い、最近
では時々憂鬱になるほど、こちらの生活を楽しんでいます。改めて皆様のご支
援にお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。残りわず
かとなりまし

たが、一日一日を大切に、最後まで頑張りぬきたいと思いますので、どうぞ、
よろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。
東京都立大学 人文学部 社会福祉学科 堀川裕美子

前田耕君の2003年3月分レポート

JICの皆様

続きまして、前田耕くんからのレポートをお読み下さい。

カリフォルニアでのドライブ!! なんとも羨ましい限りですね。
シャンペーンでのこれからの季節が私は大好きでした。
目に鮮やかなみどりの木々が目に浮かびます。

いよいよ四月ですね! 心機一転です。

それでは。

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2003年 1月分レポート
前田 耕
立命館大学国際関係研究科
博士前期課程
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JICの皆様、毎度でございます。

日本ではすでに桜が咲き始めているようですね。桜といえばお花見。私もつ
いつい京都は八坂神社に咲く満開の桜を思い浮かべてしまいます。今年は日本
でお花見に行くことはかなわないのでこのようにせっせと頭の中でイメージト
レーニングにはげんでおります。イメージの中でもほろ酔いの自分がいるのが
少し怖いですが。。。

さて、こちらイリノイにも待ち焦がれていた春がついにやってきました。3
月に入ったころはまだ冬の様相だったのですが、2週目ぐらいから急に暖かく
なり、今ではもう日本の5月ぐらいの暖かさです。イリノイの春は短いと聞い
ていましたが、本当にその通りのようです。もうしばらくすると汗ばむ季節に
なるのでしょう。

私の気持ちも気温とともに上昇してきたような気がします。思えば、冬の間
は幾分鬱屈した気持ちでした。あまりの寒さに外へ出ることにも億劫になり、
日が暮れるのも早いので、寮と学校の往復だけというワンパターンな生活に陥っ
ていました。秋頃は休日にテニスをしたり、サッカーをしたりと気分をリフレッ
シュする手段がいくつもあったのですが、冬に入ってからはそうしたアクティ
ビティもできなくなり、生活がマンネリ化してしまっていました。結果的に気
分も何となく沈みがちになります。そんな私でしたから、春の到来を実感した
ときはうれしい気持ちで一杯でした。そしてすぐに新たなことにチャレンジし
てみました。ドライブです。

実は長い間アメリカでドライブに行ってみたいと思っていたのですが、冬の
間は凍結を恐れて控えていました。しかし、ついに春がやってきて雪がなくなっ
たこの季節、もはや私の前に立ちふさがるものは何もありません。地平線の広
がる壮大な大地が私を待っている!などと都合のいい想像を膨らませ、春を感
じさせる陽気のある日車を借りてドライブに出ました。特別な目的地はありま
せん。とにかくどこか遠くへ行きたかったのです。道路地図を適当に見て、セ
ントルイスに行くことにしました。

このドライブは非常に楽しいものでした。とてもいいリフレッシュになりま
したし、新たな発見もありました。南下していって一番驚いたのは、シャンペー
ンをいったん外に出るとほとんどアジア系の人々がいない点です。ここシャン
ペーンにはたくさんのアジア人がいますが、セントルイスではアジア人を見る
ことはありませんでした。ほとんどが白人と黒人です。そこは典型的なアメリ
カ中部でした。これまでにも北米は何度か訪れていますが、今まで見てきた街
はほとんどが大都会でマルチカルチャルな雰囲気でしたので、今回のドライブ
ではアメリカの新たな一側面を見ることができ貴重な体験となりました。

貴重な体験といえば、春休みを利用したカリフォルニア旅行もそうです。実
は、つい先日カリフォルニアから帰ってきたばかりです。現在こちらイリノイ
大学は一週間の春休み中で、学生は実家へ帰ったり、旅行に出かけたりしてい
ます。私も周囲に習って旅行に出かけていたわけです。

セントルイスへのドライブで味をしめた私はカリフォルニアでも車を借りて
旅行することにしました。主な目的地はロスアンゼルスとサンフランシスコで
す。ロスで車を借り、そこから太平洋岸に沿いながらサンフランシスコへ向か
い、サンフランシスコで何泊かしたのちロスへ戻る、これが大まかな行程でし
た。

何よりも素晴らしかったのはロス・サンフランシスコ間の景色です。綺麗な
ビーチを通り過ぎると今度は断崖絶壁の海岸線、さらにはのんびりとした牧場
の風景、と長時間車を運転していても飽きることがありません。イリノイに来
てから海や山を見る機会があまりなかったので久しぶりの風景にウキウキして
しまいました。特にロサンゼルスから2時間ほどのサンタバーバラは本当に美
しい街でした。落ち着いていて喧騒もなく、山と海に囲まれた美しい街です。
思わずいつか機会があれば住んでみたいなどとも思ったりしてしまいました。

それにしてもアメリカは広い国です。同じ国の中でもイリノイとカリフォル
ニアでは景色や雰囲気が全く違います。山や海のないイリノイでは一面地平線
が広がっていますが、カリフォルニアでは逆に海や山が起伏に富んだ地形を作
り出しています。加えて、植物の種類もかなり違うので、お互い全く違った雰
囲気を醸し出しています。もちろん、そこに住んでいる人たちの種類も異なり
ます。イリノイ南部やセントルイスでは白人と黒人しか見なかったのに、カリ
フォルニアではヒスパニック系の人々をたくさん目にしました。このように、
今回のカリフォルニアへの旅行ではアメリカの地理的そして文化的な広大さを
改めて実感させられました。そして、これからもっと旅をして新たなアメリカ
の姿を発見したいと思うようになりました。 さて、これまでレジャーの話
ばかりしてきましたが、勉強の方も今のところ大きな問題もなく進めさせてい
ただいています。すでに先学期の経験があるので今学期はだいぶ楽です。もち
ろん宿題、テストは相変わらず頻繁にあるので忙しいことも事実ですが、それ
でも先学期に比べると幾分気楽です。やはり、勉強のペースがつかめたのが大
きいのではないかと思います。学期も後半に入ろうとしているので、とりあえ
ず勉強の方もこのペースで進めていき、今学期も無事終えることができればと
考えています。

最後に、ついにイラクとの戦争が始まってしまいました。非常に残念なこと
です。私はこれまで7ヶ月間アメリカに滞在し、この国を内部から見る機会に
恵まれましたが、本当に戦争の必要性があるのかつくづく考えさせられます。
ブッシュはイラクによる脅威を取り除くための戦争だと言いますが、戦争を始
めるほどの脅威が本当に存在するのでしょうか。例えば一体このシャンペーン
の街の何人がイラクの脅威に怯えて暮らしているというのでしょう。自分たち
の国が攻撃されているわけでもないのに、「脅威」だと言って他の国に攻め込
んでいく。そして多くの人が血を流す。理解に苦しみます。とにかくこの無益
な戦争が早く終わってくれることを願うばかりです。

さて、気がつけば留学生活も残りわずかとなってしまいました。私の場合、
夏学期は残らない予定ですので本当に残すところわずかです。残された時間は
わずかですが、これからも思う存分こちらの生活を満喫したいと思います。

ありがとうございました。

3/29/2003
立命館大学大学院
前田 耕

岡沢宏美さんの2003年3月分レポート

JICの皆様
岡沢宏美さんからレポートが届きました。

みなさん、春休みの真っ最中だったようで、いろいろ
旅行されていて羨ましい限りです!

それでは。

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2003年 3月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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時が経つのは本当に早いものです。

何もかもが初めてだった先学期に比べ、生活にも、授業にも余裕が出てきてい
ますが、その分、時間は格段に早く過ぎていくようです。 私は春休みに、仲
の良い友達と二人でフロリダへ旅行に行きました。ずっと行ってみたかったディ
ズニーワールドや、NASAのケネディスペースセンターに行ってきました。丸一
週間滞在し、今夜帰ってきたばかりです。少し、今日の出来事を書きます。今
日の朝7時半にオーランドを発ち、大学の寮に戻ったのは夜10時でした。オー
ランドの空港が爆弾さわぎで閉鎖され、飛行機3便乗継ぎのそれぞれが1,2時
間遅れ、オーバーブッキング(?)で、40人ほどの小さな飛行機に17人が乗れな
い、などという場面にも遭遇しました。バスもやっぱり1時間遅れました。ア
メリカの交通機関はのんびーりと利用しなくてはいけないのですね。そうやっ
てトラブルに巻き込まれながらも、寮にたどりつき、ほっとしているところで
す。寮がすっかり居心地のいい、自分の家となっています。

さて、前回のレポートを書いて以降、私に起こった出来事といえば、謎の伝
染病にかかった事です。ルームメイトと私は同時に病気になり、血液検査を受
け、二人ともモノ(単核症)という、こちらではよくある若者の病気にかかっ
ていることがわかりました。ただ疲れたり、熱がでたり、抵抗力が弱り、アレ
ルギー反応が出たりする病気だそうです。そんなにたいした病気じゃないので
すが、聞いた事のない伝染病にかかった!という事実に、少々不安でしたが、
診断書があれば、授業を休んだり、課題の期限延長が認められるので、その手
紙を武器に(?)、休養しながら授業に出ていました。そしてシングルルームを
与えられ、1ヶ月ほど、一人部屋で過ごしました。もちろん、今はディズニー
ランドで遊べるくらい、とても元気です。多くの人にとても親切にしてもらい、
あらためて友達のありがたさを感じました。 もう一つ、私にとっての大きな
出来事は、パッチアダムスとの出会いでした。となりの寮に映画で有名なお医
者さん「パッチアダムス」が講演に来るということで、聞きに行きました。人
生、平和、愛、ユーモア、などというテーマで四日間続けて講演があったので
すが、彼の話がとても面白く、彼の考えに共感し、ついにはパッチアダムスと、
彼の仲間たちと、ピエロの格好をして老人ホームに慰問に行く、という貴重な
体験もしました。

普段の生活についてですが、週末はガールスカウト活動をしたり、コンサー
トに行ったり、折り紙クラブに参加して楽しく過ごしています。授業は先学期
の1,5倍にあたる6つも取っているので大変ですが、がんばっています。

言語学の概論、統語論、音韻論、心理言語学、それにスピーチの授業、週三回
の女声コーラスです。こちらの言語学の授業は、基礎から応用まで系統立って
教えてもらえるので、わかりやすく、面白いです。スピーチはパワーポイント
を使ってのプレゼンの仕方の授業です。こちらのビジネス専攻の人は必修なよ
うです。先生はロースクールの学生で、とてもフレンドリーです。プレゼンの
準備はとても大変ですが、毎回クラスメイトのスピーチを聞くのが楽しみです。
コーラスは先生がドイツ人で、バッハ、ブラームスなどドイツ語やイタリア語
で歌うので、何を歌っているのかよくわかりませんが、楽しい授業です。学期
末には恒例のクラナートでのコンサートです。田中千絵さんに引き続き、わた
くしもクラナートの舞台に立ちます! この有意義な生活を少しでも長く続け
たく、私はサマータームも履修しようと思っています。夏は友達とアパートを
シェアする予定です。 一つ残念なことは、やはり戦争についてです。United
We Stand というポスターや看板、星条旗、また反戦ポスターなどを目にする
度、複雑な気持ちになります。留学生で国に帰った人もいると聞きます。キャ
ンパスでは学生による反戦活動もなされていますが、戦争自体にあまり興味を
示さない人も多いように感じます。授業中に先生も戦争を支持する発言をする
場面があります。多くの人が、戦争を止めよう、と望んでいる中、支持する人
も、無関心な人もたくさんいるのが残念に思います。多くの人が平和について
考え、戦争が終わることを願います。

ありがとうございました。

大阪外国語大学 岡沢宏美

田中千絵さんの2003年3月分レポート

JICの皆様
奨学生・田中千絵さんのレポートをお届けします。

今回の奨学生のみなさんのレポートも残すところ五月のみ、
となりました。
最後のレポート、楽しみにしています!

それでは。

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2003年 3月分レポート
田中 千絵
東京大学大学院教育学研究科
総合教育科学専攻
比較教育社会学コース 修士課程
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JICの皆様、こんにちは。
イリノイ大学に奨学生として留学させていただいている田中千絵です。

こちらではようやく長い冬を抜け、キャンパス中が一気に息を吹き返したかの
ような様相をみせています。二週間ほど前に突然20度近くになった日には、
春どころか、みんな夏を迎えたかのような薄着になって、MainQuadはここぞと
ばかりにスポーツや読書、昼寝など思い思いにあたたかさを満喫する人々でいっ
ぱいになりました。私もそれに加わってぼんやりとここに来たばかりのころの
夏の強い日差しのことを思い出したりしつつ、それにしてもなんと時間の経つ
のが早いことだろうと、これから来る素晴らしい季節を一日一日大切に過ごさ
なければとしみじみ思いました。

さて、春学期ですが、今回とっている授業は、マーケティング、アカウンティ
ング、コンピューターサイエンス、イタリア語、そしてミュージックの5つで
す。 このような授業のとりかたをしていると専攻はいったい何なんだという
質問をよく受け、そのたびに回答に窮するのですが、実は私のもともとの専攻
は社会学なのでした。が、ここに来た一つの目的は、他の分野のやってみたかっ
た勉強をすることで視野を広げ、これからどのような道に進んでいくかについ
て選択肢を広げてじっくり考えてみたかったということなので、日本ではなか
なか困難な、専攻以外の勉強を一から始めるということがここでできて非常に
満足しています。また、日本とは違い社会学が非常にポピュラーなこの国で、
さまざまな学問が社会学の影響をうけている様をみるのもとても興味深いこと
です。

こちらの授業は非常に体系的で、教科書もよく構成されており、TAのサポート
などもしっかりしていますが、進度が恐ろしく速く、宿題やクイズも毎週のよ
うにこなさなければならないので、今までは一つのテーマを自分のペースでじっ
くり進めるという勉強の仕方になれていた私には、今学期の理論的で、かなり
自分にとって新しい勉強の山に新鮮さを覚えつつなかなか苦労しています。と
いっても二学期目なので、先学期よりはそれほど不安を覚えることなく、何か
あれば誰かに質問すればいいのだ、というスタンスで臨むことができているの
で、気分的には余裕をもって生活できているように思います。

一番気に入っているのは、依然少しだけかじったことのあるイタリア語の授業
で、週4時間、毎日なのですが、アメリカ人ばかりの授業なのに、英語を使う
ことが禁止されているため、全く同じ立場で授業を受ける、ということが非常
に新鮮で面白いです。ラテン系の先生もかなり大らかで楽しい先生なので、毎
日楽しい語学学校に通っている気分になれます。こちらは101番の授業であっ
ても語学はこのようにとにかく無理やりしゃべらせて会話中心に上達させてい
くというスタイルをとっているようで、全く知識なしに日本人が始めるには相
当ハードなようですが、日本での語学の授業を思いうかべるとずっと楽しいで
すし、会話レベルにもっていくという意味では非常に効率的な感じがします。
日本での授業の場合、文法をつめこみすぎてかえって間違えることを恐れるよ
うになったり、発音をきちんと習得しないままだったり、ということが起こり
がちであるように思うので、、。 最もハードかつためになりそうなのはCSの
授業で、これは主にノンメジャー用のビジネス専攻向けの授業なので、最初は
驚くほど初歩的なことから触れてくれるのですが、その後はあっという間にこ
んなことまでやらせるのかというほど高度な内容になってきます。何週か毎に
プログラミングの課題がでるのですが、一回ごとにかかる時間が倍になってい
くような感じで、面白くやりがいもありますが、とても苦労しています。

こちらでは成績が就職時などに非常に重視されるため、学生は成績をとるた
め、先生は、少しでも点をとらせるのに必死です。どの宿題にも課題にもみん
な必死になってとりくんでいちいち答え合わせをして満点に近づくようにしま
すし、テストの一点にものすごいこだわりを見せるので、リグレイディングの
要求もしょっちゅうです。先生のほうもこれをだしたら何点、遅刻したら何点、
などと細かく点数のつけ方を開示したりして、そこまでやるかなあと私はとき
どきのんびり思ってしまったりもします。学生の授業へのモチベーションを保
たせるという意味では非常に効果的で、かつあまり計画的に学習をすすめるの
が得意なほうではない私のような学生にとっては、とにかくついていけば気づ
いたら習得できている、というのはありがたい仕組みですが、こちらの学生の
成績への恐ろしいほどのこだわり様をみて、成績のとりやすい授業をとりたい
がために、本当に面白そうでとりたい授業をとることは難しいなどという話を
聞いたりすると、日本の学生は入ると勉強をしないと悪名高いとはいえ、どち
らがいいのか一概にはいえないのかもしれない、と思います。

さて、春休みですが、私は大学にどうしてもしなければならない用事があり、
10日間ほどの非常に短い期間ですが、日本に一時帰国していました。毎日用
事をこなし、人に会い、とばたばたしているうちにあっというまに終わってし
まいましたが。日本に帰ってきてみて、戦争について明らかにアメリカよりも
みんなが深刻に受け止めているという事実を強く感じました。戦争が始まった
から帰ってきたのか、という質問をうけてこちらが驚いたほどでした。アメリ
カでは周りの人々は関心をよせてはいるものの、どこか遠くの出来事のように
話すことが多く、関心の低さにあきれることもしばしばで、私の印象では、学
生のデモ運動も、どこかベトナム戦争の反戦スタイルをそのままスタイルだけ
真似たかのようだと思ってしまい、いったいどれだけこの人たちは心からこの
戦争の無意味さと残酷さを理解しているのだろうと考えたりもしていました。
けれども日本に帰ってきて、桁違いの深刻さでいろいろ考えている人々に出会
い、さらに友人の「できるものならあの人間の壁に加わりたかった」というまっ
すぐな言葉にも出会い、自分もまた、アメリカの、平和なキャンパス街にぬく
ぬくと住んで、自分の生活に必死になっているうちに、もっと大きな流れに無
関心になっていたのではないかということを考えさせられました。自分の学ん
でいることの一つ一つが、将来、何か少しでも社会に貢献できるものにつなが
ればと考えているのに、今は学んでいる期間だということを言い訳にして、ど
こにいてもきちんと広くまわりのものをまなざして、考えるということを忘れ
る、というのではいけないということを感じました。

ともかく、幸か、不幸かこのような時期にアメリカに滞在している、という
ことはアメリカの様々な面を見られる時でもあると思うので、じっくりいろい
ろな人を見て、話して、自分の考えを深めていけたらいいなと思っています。
私は春学期の後、夏学期も履修して、短期間ながら集中して、じっくりと本
家の社会学を学んで帰ろうかなと考えているところです。とはいってもこの時
間の流れの速さでは、帰国まではあっというまでしょう。一日一日大切に、友
達とともに過ごせる貴重な時間をめいっぱい楽しんで意味のあるものにして帰
りたいと思います。 シャンペーンでも桜がみられるとか。外国での花見はど
のような気分のするものか、たのしみにしているところです。

それではまた次回のレポートでお会いしましょう。
ありがとうございました。