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2003年10月分レポート
中村寿美子
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こちらに来てからの約2ヵ月半、なんだかあっという間のような気もします
が、本当に濃い毎日をすごしています。毎日毎日、新しいもの、人に出会う
日々・・・そして自分自身へのチャレンジの日々です。
シャンペーンに到着したその日から街そのもののようなキャンパスとその広さ
にじっくりと浸る時間もないくらいに、中身の濃いオリエンテーションが始ま
りました。
「ちょっとは休ませて・・・」と思いながらも、手続き手続きの連続で、キャ
ンパス内を行ったり来たり・・・。おかげで方向音痴の私も、最初のこの一週
間でなんとかキャンパス内の地理もつかめるようになりました。
やはり、大学として、留学生へのサポートはしっかりと充実しているんだなと
つくづくと感じます。“困ったときはここへ連絡しなさい”“あなたはこのよ
うなサービスを受けることができます”という情報がしっかりと与えられ、実
際じゅうぶんなサポート体制が組まれていると思います。留学生の数が断然多
いのもその理由かもしれませんが、日本の大学を思い出すと、留学生やその家
族へのサポートが決定的に不足しているのではないかとも感じます。
具体的にどんなことがあるかというと、たとえば、私は、International
Hospitality Committee というところで、ホストファミリーを紹介してもらい
ました。(ホストファミリーといっても、いっしょに住むわけではないのです
が、週末や時間のあるときにいっしょに食事をしたりします。)私は、イリノ
イ大学を退職された元教授のすてきなご夫婦に出会うことができ、アメリカに
家族を持てたような感じでとても幸せだなぁと思っています。毎週金曜日には、
そのご夫婦が退職後の楽しみにとして参加されているボランティア活動に私も
加わらせてもらって、シャンペーンのNursing Homeでお年寄りを相手にギター
とともに歌を歌ったりと楽しいときをすごしています。
また、私はCosmopolitan Clubというところにすんでいるのですが、そこで
毎週木曜日に開かれるCoffee Hoursも楽しみな時間です。毎週それぞれの国の
テーマがあって、Traditional Foodやときにはその国の踊りも楽しみながら、
いろんな人と出会うことができるので、英語の練習とともに楽しんでいます。
授業は害して大変で、毎日毎日ぎりぎりの状態ですが、そのぎりぎりのところ
で何とか生き延びているという感じです。最初は授業中に何でも発言してしま
うアメリカの学生に大いに戸惑い、何も言えない自分にすごく落ち込んでしま
いました。何か言おうとしても、一瞬ひるんでしまうと話題はもう別のところ
へ・・・。発言するタイミングがあわず、口の中がからからになりながらも、
そういう自分にショックと反省の日々・・・。
はじめは意見をべらべらというこちらの学生がすごく賢く見え、自分の存在が
とっても小さく思えてしまいましたが、賢いうんぬんの問題ではなく、思って
いることを言うか言わないかの違いなんだと思えるようになったことだけでも、
この2ヶ月の進歩かなぁと自分を慰めつつ、そう思っています。
日本の大学と違って、クラスの中でもさまざまな国籍、人種の生徒が混じって
おり、それぞれが話す英語もかなり独特です。なので、“日本人だから・・・”
“留学生だから・・・”ということは、ディスカッションに参加しないことの
理由にはならないのだということも、あたりまえのことなのですが、ひしひし
と感じました。また、自分の意見を自分の言葉でいう限り、先生も生徒もそれ
を否定することはまったくないし、むしろうまく取り入れて授業を進めてい
く・・・そのやり方は、ほんとうにすごいなぁと思います。
アメリカにくる前に、「交渉すればなんとかなる国だよ」と聞かされていたの
ですが、その点に関しては本当にそうだなと思います。むしろ、交渉していか
なければ、何も起こらないし始まらない・・・そういう国だと思います。黙っ
ていても誰かがやってくれるなんていうことは決してないので(男の人が女性
に扉を開けて待っていてくれる、ということだけは例外のようですが・・・)、
自分というものを常にしっかり持って、“人にあたってくだけろ”精神で訴え
ていかなければいけないのだなぁ、と思っています。その分、ある意味で厳し
いところだとも思いますが・・・。大切なことでもあると思っています。
たとえば、授業でもヘルプが必要なら、いつでも先生のところに相談しに行っ
ていい、むしろ行かなければならないのですね。私は、どの授業もいつもぎり
ぎりの状態ですので、ほとんど取っているすべての授業の先生のオフィスアワー
にお邪魔して(お邪魔という表現もここでは当てはまりませんが・・・)何度
も助けを求めに行きました。特に、ジャーナリズムのクラス(これも交渉して
履修にこぎつけたのものなのですが・・)のリサーチペーパーの課題に悩まさ
れ、にっちもさっちも行かなくなったので、オフィスに行きました。文献検索
の方法から最初に読むべきアーティクルまで、いろいろと情報を与えてくださ
り、“あなたのテーマはすごくいいから、がんばりなさい”と何度も何度も励
ましてくれました。私が“できるかどうか不安です・・”というと、“I am
sure you can!” と何度も何度も・・・。そのフレーズがずっと耳に残って
いて、(乗せられているとは思いながらも)、残りのセメスターでこのペーパー
と格闘して後悔のないようにいいものが書けたらいいなぁ、と思っています。
最後になりますが、この二ヵ月半一緒に来た三人の仲間たちには本当に支えら
れました。小さなことから大きなことまで、相談し合い報告し合い、時には一
緒にカレーを作って食べながらこのアメリカでの生活をよりかけがえのないも
のにしてくれているよい仲間です。彼らも含め、こんな良い機会を与えてくだ
さったJICの皆様に本当に感謝しております。
まだまだスタートラインに立ったばかりですが、残りの時間も(寒さに負けず)
がんばりたいと思っています。
書きたいことがいっぱいあって、幾分まとまりのない文章になりましたがお許
しください。