岡沢(LAS 02-03)です。
UIUCでは新学期が始まり、冬休みの静かさから一変し、にぎやかになりました。
今年は年明けから雪が多く、今もキャンパスは一面の雪景色です。
今年度奨学生の古川愛季子さんからのレポートが届きました。
友達の家で素敵な冬休みをすごされた体験や、授業にボランティア、旅行、
趣味のコーラスと、とても充実した生活のようすを伝えてくれています。
他の奨学生からのレポートも届き次第、送らせて頂きます。
それでは、お楽しみ下さい。
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2005年 1月分レポート
古川 愛季子
お茶の水女子大学 文教育学部 言語文化学科 3年
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こんにちは。早いものでもう二回目のレポートとなりました。話に聞いた時点では不可能と思われたー20度の気候にも適応し、元気にやっています。今回は冬休みのこと、学校のこと、日常生活のことをお伝えしたいとおもいます。
冬休みは日本には帰りませんでした(Thanks givingは寮の留学生友達とシカゴ旅行
~ルームメイトのお宅にお邪魔して、とっても伝統的なThanks givingを体験しまし
た)。というのは、メキシコ人の寮のフロアメイトが秋学期の初めの頃から「アキコ
はクリスマスメキシコで過ごすの♪」と言って誘ってくれていたからです。結局メキ
シコ~シカゴ(また、寮の隣の部屋の子が、「うちにおいで」と誘ってくれました。
友達ほどありがたいものはありません。その他にもルームメイトを始め、沢山の人が
うちにおいでと誘ってくださりとても嬉しかったです。感謝、そしてGC¹万
歳!)と一週間ずつ居候させてもらい、それから香港出身の友達とロサンゼルスに旅
行にいきました。メキシコでの親戚一同が揃う、伝統的なカトリックのクリスマスは
忘れられません。デコレーションもアメリカに比べると俄然派手で、街全体が全力で
クリスマスをお祝いしている感じです。Monterreyという北部の山に囲まれた美しい
街で、驚くほど近代化が進んでおり、私のメキシコのイメージとは全く違うものでし
た。ご飯も何を食べても美味しくて、寮のゴハンを食べている私は何かを食べる度に
いちいち感動していました。それから、スペイン語が全く話せない私が何一つ不自由
なく過ごせたのは友達、そして暖かいご家族のおかげです。本当に感謝しています。
その後、シカゴでは「地元っ子のシカゴ」を体験し、ロサンゼルスでは100%観光
客をしてきました。どれもほんとに楽しく、忘れがたいです。日本に帰らなくて良
かった、と思えるのは友達のおかげです。
そして始まった新学期。忘れがたい、と思っていた冬休みも忘れそうになる毎日が
また始まりました。そういえば、あれだけ大変だった先学期の成績は予想に反して満
足するものでした。特に一番面白いけど、一番苦労した批評理論のクラス(小説10
冊プラスMarx, Freud, Foucaultなどなどからポストモダンに至るまでの批評理論を
文学に応用したり、このような偉い批評家の理論自体を分析、批評したり)でよい成
績がいただけた事は本当に励みになりました。このクラスの教授は有名で、更に生徒
からの人気も高く、常に忙しい方なのですが、Freudの理論を批判するペーパーで、
どうしても行き詰まり、もうだめだと思いながらオフィスアワーをたずねたところ、
「I know you can do it」と励ましていただきました。結果第一主義のイメージが強
かったアメリカの大学ですが(勿論その通りとは思いますが)、頑張れば認めてもら
えることもあるんだなぁと思いました。
今学期は、Survey of American Literature Ⅱ, Rhetoric 233(先学期、あまりにひ
どいESLの授業に辟易したので、English DepartmentのAcademic Adviserに相談して
こちらを取る事になりました), Public Speaking (多くの先輩方が懐かしく思い出さ
れることと思います), Introduction to World Music, そしてUniversity Choir
(Black Chorus)をとっています。今学期は、難しくて成績としての結果が多少下
がっても、「やりたいことを全部やって、できるだけ見えやすいカタチで力がつくも
の」を目標に選びました。
特にRhetoricは、スケジュールの関係で現在のセクションになったのですが、
topic; “Critically Queer”がついており、普通のcompositionだけでなく、
gender, sexuality関係についてもかなり深く勉強する感じです。文章については、
短い(二枚程度の)文章で最大限conciseなものをつくる、ということが目標で、5~
7枚程度の “classical English paper”に慣れている私にとっては難しいですが、
頑張った分力になりそうです。更に、先学期批評理論の授業で私を悩ませたFoucault
を、今回は本ごと読まなければいけなかったりして概念的に難しいですが、今のとこ
ろ面白いです。
それから、今学期一番の目玉がBlack Chorusです!!もともとblack musicが大好き
で、以前からゴスペルもやってみたいと思っていたので、上手く歌えるか不安でした
が、思い切って参加することにしました。いまのところの感想は“It’s just
AMAZING!!!”という感じです。Black Chorusは3つあるUniversity Choirの中でも最
大規模、そしてクオリティーも最高とされるもので、なんと2月13日、始まってか
ら一月もたたないうちにもう、Krannert Centerの舞台に立ちます! パフォーマン
スは決まっているだけで既に8回、二月末にはシカゴまで行って歌います。
Non-creditの上、週五時間というかなりみっちりの練習ですが、楽しくて仕方ありま
せん。どの曲も素晴らしいのですが、成り立ちの経緯にはBlack People(私の知って
いる限り、彼らは敢えて 、実情と離れてpolitically correctな
“african-american”を使いたがらない傾向があります)の抑圧された歴史があるこ
と、このChoir自体、african-americanプロモーション団体のワークショップとして
始まったことなど、音楽の他にも学ぶことが多いクラスです。
さて、普段の生活ですが、初めは不便に思われたChampaignでの生活も、慣れた
せいか至って快適です。ウィークデイはお勉強、週末は思いっきり遊ぶといった感じで
す。特に学部寮に住んでいることもあり、週末は空気が一変します。週末は主に、寮
の友達とパーティーに出掛けたり、たまには皆でのんびりビデオを過ごしたり、と大
概友達と一緒に過ごしています。ここUIUCはパーティーではタイトル通り全米1だと
思います。毎週毎週必ずどこかでパーティーがあり、そして社交的な友達に恵まれた
ので、娯楽面では全く不自由していません。毎週末、フレッシュマンの友達の携帯電
話を駆使したパーティー探し術には脱帽しています(笑)。こちらに来てから、アメ
リカにいる人は楽しむことがとても上手だなと羨ましく思っていました。そして今で
はルームメイトに「アキコの性格にタイトルを付けるなら“fun-loving”だね」と言
われるようにまでなりました。「どうすれば楽しくなるのか、そして楽しむためには
普段からどのような人間関係を築いておかなくてはならないのか」がちょっと分かっ
た気がします。
日常生活でもう1つ是非お伝えしたいのが、先学期から始めた週一回のボランティア
です。毎週木曜日にUrbanaにある老人ホームに出掛けて、ビンゴゲーム大会を開いて
います。たかがビンゴゲームと言って侮ってはいけません。彼らは賞品を狙って「真
剣」そのものなのです。だから、“Are you good at playing bingo?”と聞かれた
ら、嘘でも “yes”と答えなければなりません(笑)。ボランティア、といってもこ
れはただ、100%自分が好きだからやっているという感じです。もともとお年寄り
好きな性格と、こちらに来てからいろんな人に助けられたので何かのカタチで還元し
たいと思っていた私には最適のものでした。始めは英語も流暢に喋れないのに大丈夫
かなぁと不安でしたが、そんな心配は全く不要でした。今では、毎週「アキコは私と
ビンゴをするの!」とお年寄りの人気者です。先学期の後半では、私のことを
“best friend”とまで呼んでくださる方までいました。今学期はまだ始まっていま
せんが、再開が待ち遠しいです。
ということで、私の最近の様子が伝わったでしょうか?極寒のなかでも、楽しく、
そして毎日がいまだに新鮮に感じられる様子が伝われば幸いです。もう半分終わって
しまったと考えるだけで寂しいですが、まだ半分、思いっきり楽しみ、そして学んで
帰りたいと思います。最後に、この機会を与えてくださったJICの皆様に感謝いたし
ます。
注1 GC;Global Crossroadという、私が住んでいる学部寮のliving-learning
community.