2005年2月26日第1回JIC-Women’s Network親睦お食事会を開催

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第1回 JIC-Women’s Network 親睦お食事会報告
2月26日(土)、第1回JIC-Women’s Network親睦お食事会を開催いたしました。20代から60代まで9名が出席し、色々な分野で活躍されている方たちがそれぞれに魅力的なお話をしてく ださり、大変和やかな会となりました。会の名称は、多くの方たちにご参加いただけるよう開放的なイメージをということで、Networkを採用し、 JIC-Women’s Network となりました。
約3ヶ月に1回の割合で、会を開催する予定でおります。食事会だけではなく、小さなアクティビティーを取り入れるなど、実り多き会に発展させていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 JIC-Women’s Network副幹事 阿部一穂

梶恭子さんの2005年1月分レポート

岡沢 (LAS02-03, EALC 04-) です。
奨学生の梶さんからのレポートが届きました。
梶さんは写真の授業を取っているそうです。面白そうですね。
専攻以外のアートや音楽、スポーツなどの本格的な授業に挑戦できるのも、
UIUCの良いところだと思います。では、お楽しみ下さい。

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2005年 1月分レポート
梶 恭子
一橋大学 社会学部社会学科 3年
専攻分野 マスコミュニケーション
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JICのみなさま いかがお過ごしでしょうか。
シャンペーンは本格的な冬まっただなかといった呈ですが、最近ではマイナス10度
くらいの寒さなら、何とか乗り切れるくらいに慣れてきました。前回レポートを提出
してから、気温が急激に下がったのと同じくらい、ジェットコースターのようにいろ
いろな経験をさせてもらいました。

まず、12月はわたしにとって別れの季節でした。1セメスターだけの、同じ寮の友
人が大勢、国に帰ってしまったからです。彼らはイリノイに着いて初めて寮でできた
友人だったので、わたしは本当に、なんだかおいていかれたような気がして、自分も
どこかに帰りたくなってしまいました。みんな同じ日の同じ時間に旅立っていってく
れれば、別れも一時に済んでしまうのに、みんな驚くほどバラバラの日、時間に旅立
つので、何度も何度もさよならを言うのがとてもつらかったです。違う国に、自分の
ことを想っていてくれる友達がいるってことはとても幸せなことだけれども、やっぱ
り別れのつらさは好きになれませんでした。

クリスマスは、シカゴ郊外にあるアメリカ人の友人のお宅にお邪魔しました。アメ
リカで迎える初めてのクリスマス!ということでかなりわくわくしていたのですが、
予想以上に盛大で、最初はあっけにとられるほど、にぎやかなパーティーでした。
パーティーが、というよりもその場の人々が、ということですが。親戚が集まるとは
聞いていましたが、21人も集まるとは聞いていませんでしたから。しかも全員が驚
くほどにぎやかなのです。わたしが中学生のとき、担任の先生に「梶さんは鉛筆が転
がっても笑い転げるね」といわれたことがありましたが、一族全員そのノリです。
20代のわたしが負けるわけには、と思い必死にテンションあげっぱなしでした。大
きなクリスマスツリーの下におそらく50個近いクリスマスプレゼントが山積みにさ
れていて、みんなで一つ一つ、大騒ぎしながら開いていく過程は、まさにアメリカの
クリスマス、といったカンジでした。プレゼントの山の中にはちゃんとわたしの名前
が書かれたプレゼントも3個ありました!グレービーソースにマッシュポテト、クリ
スマスケーキにジンジャークッキーで過ごすアメリカのクリスマスは、改宗しようか
な、と思うくらい楽しかったです。この友人も、一月の頭にスペインに留学してしま
い、またさようならを言わなくてはいけませんでした。

冬休みの締めくくりには、ニューヨークに行ってきました。わたしにとってはこれが
二回目のニューヨークだったのですが、ニューヨークの辞書に「飽きる」という言葉
は絶対にありません。マンハッタンを東西南北に5日間奔走して、それでもやはり時
間が足りず、空港に向かう帰りのバスぎりぎりの時間まで、ニューヨークを精一杯満
喫しようと努めました。なにせシャンペーンに戻れば二日後には新学期が始まります
し、それでなくてもニューヨークのような大都会に来れるチャンスは、めったにない
のですから。寮に帰ってみると、お父さんのように慕っていた韓国人の友人が、突然
国に帰ることにしたから今日旅立つ、とのコト。あまりに突然&ショックすぎました
が、帰るという人は帰るので、徹夜で空港までお見送りに行きました。

というわけであっという間に始まった新学期です。今学期のテーマは、古川さんと
同じく、「やりたいことをやる」と決めていました。デッサン入門のクラスが突然閉
鎖されるというハプニングもありましたが、以前から興味のあった環境学の授業と、
写真の授業、スピーチコミュニケーシションの授業と、ESLを履修することにしまし
た。

今学期最大の楽しみは、写真入門のクラスです。完全マニュアルのカメラを使って
撮影、現像まで全て自分でやるというとってもすてきな授業です。クラスは毎回2時
50分週2回という総じて長時間の集中を要する授業なのですが、毎回毎回新しい知
識が身について、とても短く感じます。写真現像の授業を日本の大学で受講すること
はまず不可能なので、毎回小さなことも聞き漏らすまい、と一生懸命メモをとってい
ます。写真現像に関する専門用語が英語なので、そこが少し大変ですが。

最近気がついたことなのですが、わたし(の顔?)はどうもアメリカ人、というか
日本人以外の人にはどうやら頼りなく見えるらしく、どの授業でも必ず誰かに「大丈
夫?わかる?」から始まる内容で話しかけられます。日本にいるときは、お酒を買う
にも必ずIDを求められた童顔を恨めしく思ったりもしましたが、こちらではいろん
な人が助けてくれるので、少しだけトクをした気分です。シニアというと必ず驚かれ
るので一体自分は何歳に見えるんだろうかと思いますが。もちろん頼ってばかりでは
いけませんよ!と自分に言い聞かせています。

このようにイリノイの風の様にあっという間に二月に突入してしまいました。来年
の奨学生も決定したと聞き、月日がたつのは本当に早いものだとしみじみしてしまい
ます。しみじみする間もなく、宿題にとりかからなければなりません。それでは次の
レポートまで、みなさまお変わりなくお元気でいらっしゃってください。

梶 恭子

中山明子さんの2005年1月分レポート

岡沢です。
中山明子さんのレポートをお送り致します。

中山さんは「本当に毎日幸せそのものです」と言えるほど、素敵な生活をされている
ようです。スポーツに、ボランティアに、勉強にと、まさに留学生活を楽しんでいる様子が伝わります。NYでのクリスマスにハワイでディナークルーズなんて、羨ましい!と思われるJICの先輩方も多いのではないでしょうか。。。

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2005年 1月分レポート
中山 明子
東京大学 教養学部基礎科学学科 3年
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JICの会長様、役員様、会員様、並びに私たちのレポートを呼んでいつも応援をして
いただいている皆様、いかがお過ごしでしょうか。留学以来書いた一回目のレポート
からはもうかれこれ2ヶ月が経ちました。先学期は何かと毎日翻弄されながらあっと
いう間に過ぎましたが、今学期は心機一転一分一秒を惜しんでがんばっていますが、
やはり時間が過ぎるのはまさに矢のように速いものです。12月にはやはりクリ
スマスシーズンということで、シャンペーンの町並みやモールで売られるものがクリスマス一色になりました。どこかのおうちにお邪魔するチャンスはなかったのです
が、私は友達と一緒にクリスマスディナーに挑戦し、とても満足のいくアメリカンのク
リスマスを過ごしました。そして25日クリスマスの日にはニューヨークに行きまし
て、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー前で押し寄せる人波に呑み込まれな
がらもクリスマスの温かさを感じたり、自由の女神やTimes Squareなどアメリカの心
臓Big Appleを存分楽しんできました。中でも印象に残ったのがメトロポリタン美術館
で、今までの人生の中で見た一番大きい美術館でした。そこには古代エジプトの遺品から、中世ヨーロッパの絵画、彫刻、アメリカ近代の歴史記念展や、日本、韓国、中国
の陶磁器、絵画などの展示があり、本当に歴史を知る上での、また美術鑑賞における
まなざしや考えを磨くことができました。そのあとはハワイに行きまして、少し休暇
を取ってきました。Locoの人たちの、誰とでも分け隔てなく接してくれる優しさに
感動したり、またそこを訪れている人たちの半分が日本人という変わった現実にもびっくりしつつ、毎日ワイキキのビーチで泳いだり、のんびり過ごしました。またディナークルーズやダイヤモンドヘッドのハイキングにもヒッチハイクで行ったりと、いろいろ冒険もできました。

学校の方はというと、新学期も始まり、クラスではたくさんの新しい友達と出会え
て、どんどん自分が社交的になっていくのが信じられないくらいに、本当に毎日幸せ
そのものです。今は誰とでも気軽に話せたり、また黒人のベストフレンドが出来たり
と、以前設定していたコミュニケーションスキルを上げるという目標が、いくらかか
なった気が致します。寮の人達とも以前よりももっと仲良くなり、食堂へいけばかな
らず知り合いの人が食べているので、すかさずそこに入り、また新しい人たちとも出
会 います。こちらの人たちは本当に十人十色で、みんなそれぞれ面白い特徴やキャラクターをもち、誰も愛すべき人たちだと感じました。自分よりも何かできない ことがある人でも、違う分野では自分よりも本当にたくさんの才能があるので、誰にも本当に尊敬するべきだと思いますし、そういつも努力しようと思っていま す。

今スポーツは、毎日IMPE(新しくできた大学のジム、すばらしい設備が整うのに無料!!)に通うのが目標で、Pilatesという ヨガに似たエクササイズに定期的に通っています。ほかにはRaquet ballやBadmintonなども一緒にすることで、友達の輪も広がったりしています。授業はというと先学期に続くラテン語(Latin102)、 Math 242(Calculus), 細胞生物学(MCB334), 免疫学(MCB408Immunology), そして心理学(Psyc199)を取っており、ボランティアもしつつそれを単位に認められています。ボラ ンティアは具体的には毎週一回Crisis Nurseryという施設に行って、親御さんから預かった子供たちの世話をしてあげるお仕事です。親はほとん どが家庭内暴力で悩んでいて子供の置く場所がない人たちだとか、チャイルドアビューズの問題で一時期親元から離れなければならない人などで、何かと教育に 関して問題のある家庭の子供たちを預かっています。施設内は食べるものから着るもの、オムツ、おもちゃなど何から何までが地域からの援助で、すべてが無料 です。ここにアメリカのCommunityの強いつながりを感じますが、やはり親として、どう子育てするかという教育が十分勉強せず、教育がいかに大切か あまり関心がないのがとても残念でした。

次に、私のルームメイトとのエピソードについて紹介したいと思います。彼女はブラ
ジル生まれ、アメリカ育ちの韓国人の女の子です。ポルトガル語とスペイン語と英語と
韓 国語をしゃべりますが、中国語と日本語を話す私とは英語だけが共通言語です。しかも私の英語は最初全然だめだったせいもあって、いつも意思が通じずお互い いらいらしていました。彼女のラテン気質交じりの韓国文化は、伝統的なアジア文化で育った私とは正反対で、私から見ればいつも余計な一言を言われたり、ひ どいほど皮肉だったり、なんでもあからさまに言われてプライベートがない(?)という状態がとても嫌でした。やはり文化や習慣の違いはいくら理解しろと言 われても簡単に頭でできるものではないと思いました。しかしやっと半年かけて彼女のNo privacy habitにも慣れてきて、彼女こそはじめのころとそのまま変わりませんが、私は少しずつどんなに自分と違う文化や個人の習慣を持つ人でも、まずはそのま ま受け入れることができるようになりました。良薬は口に苦しといいますが、本当にいいことを彼女に習ったと思います。

ところで、ルームメイトは経済学メジャーで、私は細胞生物学メジャーですが、私たち
はWIMSE(Women in Math Sciences and Engineering)というLiving-Learning
Communityプログラムのあるところに住んでいます。いつも生物研究系の教授や先
輩、女性の理系研究者などを招いてFaculty Dinnerをしたり、Medical Schoolの方た
ちも呼んで、Coffee Hourをして将来に対する質問や勉強をしたりします。また
Bowling大会などその他のリクリエーションもたくさんあります。回りに住んでいる人
たちがみんなサイエンスメイジャーの女性なので、何かとみんな心強くて、学問界ではMinorの自分たちが次のLeadersになるんだと日々がんばっています。ここでは生涯公私とも付き合っていけるような友達も見つけやすく、このプログラムの企画者や学校に
とても感謝しています。

最近気づいたことですが、自分はこの留学で今までの人生が翻るくらい変わってきた
ような気がします。精神的にも肉体的にも、独立し、かつ他人を思いやることが出
来るようになったと思います。これも本当にこんな千載に一機のチャンスを与えてく
ださったJICの皆様のおかげだと思います。とても感謝しています。残り時間はわず
かしかないですが、留学しているほかの3人と一緒に、がんばりつつお互い楽しんでいきたいと思います。皆様がご健康に過ごされて、よいお年を過ごされることをお祈りいた
します。

中山 明子

中山輝美子さんの2005年1月分レポート

岡沢 (LAS02-03, EALC 04-) です。
中山輝美子さんからのレポートが届きました。
同じ寮に住む留学生が病気になり、病院に連れて行ったものの診察を拒否され、亡く
なってしまった、という悲しい出来事についての記述があります。私も保険がない、
保険会社と連絡が取れない、などという理由でなかなか診察してもらえなかった、と
いう話を聞いた事があります。JICでも、これからの奨学生のために、病気や事故へ
の対応や、災害緊急時の連絡についての対策を検討する必要があるのではないでしょ
うか。

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2005年 1月分レポート
中山 輝美子
上智大学 比較文化学部比較文化学科 3年
International Business and Economics専攻
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JICの皆様、遅ればせながらあけましておめでとうございます。イリノイで迎える初
めてのお正月も終わり、授業が始まって二週間が過ぎました。早いものでもう折り返
し地点かと思うとなんだか不思議な気持ちです。二度目のレポートなのですが、前回
のレポート提出からサンクスギビング、期末試験、クリスマスと様々なイベントがあ
り書きたいことが沢山あって何から始めたら良いのか迷ってしまいますが、やはり時
の流れに逆らわずに行きたいと思います。

前回のレポートでお約束したとおりその後少しだけですが引きこもり生活の改善を心
がけました。手始めに中間試験期間の終了後友達に誘われテレビ番組の試写会へ。みなさんはThe O.C.という番組をご存知でしょうか?ご存じでない方もBeverly
Hills, 90210の21世紀版のような高校生・大学生向けのドラマといえば大体のイ
メージはつかんでいただけるかと思います。そのThe O.C.なのですがAMAというビジ
ネス系のsororityの働きかけによりChampaignまで来て試写会をしてくれることに。
当日の夜Foellinger Auditoriumの前で友達と待ち合わせていると、突然明るい光
が。驚いてそちらのほうを見てみるとなんとFOXのレポーターがインタビューをし
ていました。明かりはカメラのフラッシュだったのですね。集まっていたすごい数の
学生もカメラの登場に大騒ぎ。その辺は日本と変わらないなと思いました。試写会終
了後はraffleが始まりました。テレビ局が学生団体の呼びかけによりこんな田舎まで
試写会をしにきてくれた上に商品まで提供してくれるなんて驚きました。テレビ局提
供の商品の他にもVictoria’s Secretからもパジャマ、クッション、そして商品券な
どの提供が。ちなみに一緒に来ていた友達はクッションが当たり、そのクッションは
今わたしの部屋のベッドの上に置いてあります。この試写会に行って感じたことはア
メリカの学生の行動力と企業協力です。日本では考えられないと思い感心させられま
した。あっちなみにThe O.C.の内容なのですがtoo much dramaで2話見ただけでおな
かいっぱいに。残念ながら試写会後一度も見ていません。

実は11月に入ってからとても悲しい出来事がありました。この場でお話するようなこ
とかどうなのか迷いますが、今後二度とこのようなことが起きない為にもみなさんに
聞いて頂きたいと思います。11月8日の夜中、Cosmopolitan Club Houseに住んで
いるドイツ人の男の子が体調の不良を訴えました。とりあえず様子を見ようと言うこ
とで薬を与えました。数時間後どうしても良くならならず腰が痛いと言うことで車を
出してEmergency Roomへ。彼は持病もあると言うことで念のため英訳された診断書を
提出したのですが、薬のおかげか熱も下がっており異常も認められなかったため一度
帰るように言われました。しかし朝方になり症状が悪化したため再び病院へ。すでに
この時点で彼は一人では歩けない状態でした。今回はあきらかにおかしいだろうと言
うことで付き添っていた子達が必死に交渉したのですが対応は思わしくなく。一般人
が見ても顔色がおかしいと思うような症状だったのですが、医者も含めて病院のス
タッフは酔っているのでは?精神的なものなのでは?などと相手にしてもらえず。挙
句の果てには帰らないと警備員を呼びますと脅かされるしまつ。しょうがなく帰って
きたのですが、その数時間後には足は青く変色しまったく感覚がなくなってしまいま
した。救急車を呼んで病院に。今回は病院側も異常を認めて懸命に治療をしてくれま
した。しかし時すでに遅し彼はその日のうちに亡くなりました。後日分かったのです
が彼の持病は免疫力が弱まり薬を飲まないと風邪を引いただけでも亡くなる危険性が
あると言うものでした。医療の心得が有る人なら英訳された診断書を見れば一目瞭然
だったはずなのに。もし仮に助からなかったとしても、回りに家族のいない状態で最
後まで苦しんで死んでいく必要はなかったのに。彼の死のあとCosmopolitan Club
Houseに住んでいる残された13人はとても悲しみ、何もしてあげられなかったこと
を苦しみました。もし自分たちがアメリカ人だったならば病院はちゃんと対応してく
れたのか。もし学生ばかりではなく大人が一緒にいれば追い返さずに話を聞いてくれ
たのか。今でも疑問に思うことばかりです。もうひとりのドイツ人の子は例え病気に
なったとしてもアメリカの病院に行くくらいならドイツ行きの飛行機の中で死ぬほう
がましだとまで言っています。今後JICの奨学生の人たちが同じ思いをしないため
にも、もし病院に行くような事があり、このような対応をされた場合emergency
dean’s officeに電話をしてください。何時であったとしてもofficeから人が来てく
れるはずです。今後二度と私たちのような、何よりも彼のような思いをする人がいな
いことを祈っています。

このような話をした後に続きを書くのは微妙なのですが、気持ちを切り替えてイリノ
イで辛いことばかりではなく楽しいことも沢山経験しているということを報告したい
と思います。私は11月下旬のThanks Giving BreakにWisconsinへ行ってきました。
Wisconsinには高校の時一年間留学していたこともあり、友達のお家にお世話になる
ことに。三年ぶりに友達に会えるチャンスということでJICから奨学金を頂けるとい
うことが決まった時点で相談していた旅でした。朝6時Champaign発のAmtrakに乗っ
てChicagoのUnion Stationで乗り換えます。アメリカで電車に乗ったことなど一度か
二度しかなくそれもローカルライン。初めての電車一人旅に緊張とワクワクした気持
ちの混ざった複雑な思い出朝を迎えました。心に決めていたのはあまり期待しないで
乗ろうということでした。きっと日本の新幹線に比べたらひどいのではないかという
先入観があったためです。しかし見事に予想を裏切られ、一時間遅れたことを除いた
らとても快適な旅でした。座席はアメリカ人サイズなこともありとても広々、車内で
は映画の上映も。Union Stationでの乗換えで一時間の遅れも取り戻し時間通りに
Milwaukeeに到着。Wisconsinでも滞在中は懐かしい人たちに会いに言ったり、食事に
連れて行ってもらったり、買い物に行ったりとあっという間に楽しい時間が過ぎて行
きました。Thanksgiving当日はアメリカの一般的な家庭のThanksgivingを経験しまし
た。前日に料理の準備の手伝いをして、当日はお料理を手伝って、そして何よりもも
う動けないというほど食べました。そうそう。珍しいことにここのお家のturkeyは
オーブンで焼くものではなくdeep friedされたものでした。オーブンで焼いたものよ
りもジューシーになりより一層美味しくなるそうです。あまりturkeyを食べたことの
ない私にはいまいち違いが分からなかったのですが、美味しかったです。Wisconsin
ではいっぱい楽しい思い出をつくれて、これ以上無いぐらい素敵なThanksgivingを過
ごせたと満足しています。

さて今回のレポートのビッグイベント冬休みなのですが、私はクリスマスシーズンを
シカゴとウィスコンシンで、その後をプエルトリコで過ごしました。Thanksgivingに
遊びに行った友達のお家に再度お邪魔したのですが、そのことをU of Iで知り合った
シカゴ在住の友達に話したところだったら泊まって行きなとお誘いを受けてそうする
ことにしました。クリスマス前のシカゴということで観光を楽しみに出かけたのです
が、クリスマスショッピングに訪れた人の多さと湖から吹き付ける風の冷たさにギブ
アップして早々に帰宅しました。「夏のほうが断然ステキだよ。またそのころおい
で。」という友達の言葉を信じて観光はまたの機会に。その後彼女のお友達何人かと
クラブに出かけたり食事に行ったりと地元人の楽しみ方を教えてもらいました。冬の
シカゴでクラブに出かけるというのがどれほど努力を要することなのかということを
学んだ一日になったのは間違いありません。クラブに出かけるとなるとスカートにタ
ンクトップなど女の子は特に薄着をしますよね。家をでるときはもちろんコートを着
ていきます。外は氷点下なのですから当然です。さて問題は車を駐車場に止めたとこ
ろからクラブに入るまでです。殆どのクラブでは数ドルでコートを預かってもらえま
す。しかし学生の身分ではその数ドルも惜しいと思ってしまうものです。車からドア
までわずか数メートル、コートを車に置いて行くことにしました。しかし盲点が。ア
メリカのクラブではドアのところでIDチェックがあるのです。IDチェックのため
のライン。外で並んでまつことに。とっても寒い思い出と供に数ドルを惜しむような
ことは二度としないという教訓を学びました。その後ウィスコンシンにクリスマス前
日に移動し、数日間お友達の家族と過ごしました。Thanksgivingの時に友達のお父さ
んに「どうせ近いのだから冬休みもくれば良いよ」と気軽に言われ急遽決まった旅。
クリスマスには“サンタさん”からプレゼントを貰ったり、親戚の家にお呼ばれした
り、サンタさんと写真も撮ったりThe American Christmasを過ごしました。唯一しな
かったことといえば教会のミサに出かけなかったことくらいかな。

年末年始はChampaignに戻って年越しをしました。年越しといっても特になにかした
わけではなくテレビでNYのカウントダウンを見て、一時間後にシカゴのカウントダ
ウンを見たくらいです。その後二時間後のラスベガスやシアトルも見ようと思ってい
たのですが眠気に負けて寝てしまいました。頑張って見ておけば良かったと後悔して
います。Central Timeのカウントダウンでは今コスモで流行っているピニャコラータ
を飲んでお祝いしました。

いよいよ冬休みのメインイベントについてお話したいと思います。一緒に暮らしてい
るドイツから来た女の子と冬休みどこか旅行しようとかなり前から話をしていたので
すが、どちらも行動に移さずにダラダラとしていて気がついたら12月初旬。これは
大変だということでとりあえずどこに行くか決めようということになり、メキシコ→
ハワイと候補地が変わって最終的にはプエルトリコに決定しました。正直なところプ
エルトリコがどこにあるのかもいまいち分かっていない状態で時間のない中準備をし
たわりにはかなり良い旅ができたと満足しています。4日に出発して14日までの
10日間の旅。プエルトリコの本島自体は一周6時間ほどの小さな島なのですがとて
も充実した10日間が過ごせました。ChicagoのMidway Airportより国内線でプエル
トリコの首都San Juanへ。アメリカの自由連合州ということでパスポートのいらない
気楽な旅ができるのも魅力の一つだと思います。さて、着いてすぐ南国独特の湿気を
含んだ暖かい空気がわたしたちを迎えてくれました。アメリカの一部だと言っても現
地の人々は明るいラテン系、みな気さくに声をかけてくれます。レンタカーを借りて
San Juanより東の港町へ。翌日の朝そこからフェリーにのって二つの島へ。その後本
島へ帰り何日かかけて島を一周しSan Juanへ帰ってきました。異文化体験、南国の美
味しいフルーツ、アメリカ唯一のレインフォレスト、馬にのって散歩したビーチ、ラ
テン系の音楽、青い海と白い砂などなどステキな出会いが沢山ありました。すべてこ
こでお伝えしたいのですが書き始めるときりがなくなりそうなのでその中から抜粋し
てお話したいと思います。一番思い出に残っていることそれは離島のひとつで経験し
たkayak tripです。お昼ごはんのあと2時くらいに港に集合してそこからkayakに
のって出発します。わたしは今までkayakに乗ったことはなく初体験。15人くらい
のグループに3人のインストラクターがついてのtripだったのですが、潮の流れに負
けて前に進めなかった私はインストラクターのひとりにずっと引っ張ってもらう羽目
に。ずっと独占して同じ料金でよいのかと心配になるほどお世話をされました。さて
浜から入り江を横切るとマングローブ林の中へ。歴史的背景や鳥などの興味深い話を
してもらいつつ林を抜けたところのビーチへ。そこで一度陸にあがり小休憩。その後
シュノーケリングをしてビーチに帰ってくるとキャンプファイヤーが準備されてあり
ました。暖かい火を囲んでみんなで夕食を食べます。インストラクターの方がどこか
らかギターをとりだして歌を歌い始めます。カヤックにくくり付けられていたゴミ袋
の正体はギターだったのですね。太陽が沈むのを見届けた後再びカヤックに乗り込み
ます。さて、ここからが旅の目玉です。この潮の流れがとても強い入り江、初心者が
いるのにわざわざ選んだ理由があったのです。みなさんは夜光虫をご存知ですか?海
の中にいる微生物なのですが夜になり何かが触れると光るのです。この入り江は世界
一の夜光虫多さを誇る特別な入り江。カヤックの周りが緑色に光ります。周りは真っ
暗なのですが魚がどこを泳いでいるのかも一目瞭然。入り江の真ん中でカヤックから
降り泳いでみると自分の体のまわりも緑色に光ります。まるで夏祭りで売っている蛍
光色のブレスレットのようでした。とても幻想的な夜でした。夜光虫に出会えただけ
で死ぬ気で漕いだカヤックの疲れも忘れるほどでした。

春学期が始まってから早3週間。まだまだ早起きして授業に行くことに慣れません
が、残り3ヶ月ということを肝に銘じてできるだけのことをしたいと思います。次回
のレポートが今回のレポートほど盛り沢山になるかどうかは分かりませんが、また書
ききれないほどの体験をしていきたいと思います。では次回3月のレポートまで失礼
します。

中山輝美子

古川愛季子さんの2005年1月分レポート

岡沢(LAS 02-03)です。
UIUCでは新学期が始まり、冬休みの静かさから一変し、にぎやかになりました。
今年は年明けから雪が多く、今もキャンパスは一面の雪景色です。

今年度奨学生の古川愛季子さんからのレポートが届きました。
友達の家で素敵な冬休みをすごされた体験や、授業にボランティア、旅行、
趣味のコーラスと、とても充実した生活のようすを伝えてくれています。
他の奨学生からのレポートも届き次第、送らせて頂きます。
それでは、お楽しみ下さい。

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2005年 1月分レポート
古川 愛季子
お茶の水女子大学 文教育学部 言語文化学科 3年
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こんにちは。早いものでもう二回目のレポートとなりました。話に聞いた時点では不可能と思われたー20度の気候にも適応し、元気にやっています。今回は冬休みのこと、学校のこと、日常生活のことをお伝えしたいとおもいます。

冬休みは日本には帰りませんでした(Thanks givingは寮の留学生友達とシカゴ旅行
~ルームメイトのお宅にお邪魔して、とっても伝統的なThanks givingを体験しまし
た)。というのは、メキシコ人の寮のフロアメイトが秋学期の初めの頃から「アキコ
はクリスマスメキシコで過ごすの♪」と言って誘ってくれていたからです。結局メキ
シコ~シカゴ(また、寮の隣の部屋の子が、「うちにおいで」と誘ってくれました。
友達ほどありがたいものはありません。その他にもルームメイトを始め、沢山の人が
うちにおいでと誘ってくださりとても嬉しかったです。感謝、そしてGC¹万
歳!)と一週間ずつ居候させてもらい、それから香港出身の友達とロサンゼルスに旅
行にいきました。メキシコでの親戚一同が揃う、伝統的なカトリックのクリスマスは
忘れられません。デコレーションもアメリカに比べると俄然派手で、街全体が全力で
クリスマスをお祝いしている感じです。Monterreyという北部の山に囲まれた美しい
街で、驚くほど近代化が進んでおり、私のメキシコのイメージとは全く違うものでし
た。ご飯も何を食べても美味しくて、寮のゴハンを食べている私は何かを食べる度に
いちいち感動していました。それから、スペイン語が全く話せない私が何一つ不自由
なく過ごせたのは友達、そして暖かいご家族のおかげです。本当に感謝しています。
その後、シカゴでは「地元っ子のシカゴ」を体験し、ロサンゼルスでは100%観光
客をしてきました。どれもほんとに楽しく、忘れがたいです。日本に帰らなくて良
かった、と思えるのは友達のおかげです。

そして始まった新学期。忘れがたい、と思っていた冬休みも忘れそうになる毎日が
また始まりました。そういえば、あれだけ大変だった先学期の成績は予想に反して満
足するものでした。特に一番面白いけど、一番苦労した批評理論のクラス(小説10
冊プラスMarx, Freud, Foucaultなどなどからポストモダンに至るまでの批評理論を
文学に応用したり、このような偉い批評家の理論自体を分析、批評したり)でよい成
績がいただけた事は本当に励みになりました。このクラスの教授は有名で、更に生徒
からの人気も高く、常に忙しい方なのですが、Freudの理論を批判するペーパーで、
どうしても行き詰まり、もうだめだと思いながらオフィスアワーをたずねたところ、
「I know you can do it」と励ましていただきました。結果第一主義のイメージが強
かったアメリカの大学ですが(勿論その通りとは思いますが)、頑張れば認めてもら
えることもあるんだなぁと思いました。

今学期は、Survey of American Literature Ⅱ, Rhetoric 233(先学期、あまりにひ
どいESLの授業に辟易したので、English DepartmentのAcademic Adviserに相談して
こちらを取る事になりました), Public Speaking (多くの先輩方が懐かしく思い出さ
れることと思います), Introduction to World Music, そしてUniversity Choir
(Black Chorus)をとっています。今学期は、難しくて成績としての結果が多少下
がっても、「やりたいことを全部やって、できるだけ見えやすいカタチで力がつくも
の」を目標に選びました。

特にRhetoricは、スケジュールの関係で現在のセクションになったのですが、
topic; “Critically Queer”がついており、普通のcompositionだけでなく、
gender, sexuality関係についてもかなり深く勉強する感じです。文章については、
短い(二枚程度の)文章で最大限conciseなものをつくる、ということが目標で、5~
7枚程度の “classical English paper”に慣れている私にとっては難しいですが、
頑張った分力になりそうです。更に、先学期批評理論の授業で私を悩ませたFoucault
を、今回は本ごと読まなければいけなかったりして概念的に難しいですが、今のとこ
ろ面白いです。

それから、今学期一番の目玉がBlack Chorusです!!もともとblack musicが大好き
で、以前からゴスペルもやってみたいと思っていたので、上手く歌えるか不安でした
が、思い切って参加することにしました。いまのところの感想は“It’s just
AMAZING!!!”という感じです。Black Chorusは3つあるUniversity Choirの中でも最
大規模、そしてクオリティーも最高とされるもので、なんと2月13日、始まってか
ら一月もたたないうちにもう、Krannert Centerの舞台に立ちます! パフォーマン
スは決まっているだけで既に8回、二月末にはシカゴまで行って歌います。
Non-creditの上、週五時間というかなりみっちりの練習ですが、楽しくて仕方ありま
せん。どの曲も素晴らしいのですが、成り立ちの経緯にはBlack People(私の知って
いる限り、彼らは敢えて 、実情と離れてpolitically correctな
“african-american”を使いたがらない傾向があります)の抑圧された歴史があるこ
と、このChoir自体、african-americanプロモーション団体のワークショップとして
始まったことなど、音楽の他にも学ぶことが多いクラスです。

さて、普段の生活ですが、初めは不便に思われたChampaignでの生活も、慣れた
せいか至って快適です。ウィークデイはお勉強、週末は思いっきり遊ぶといった感じで
す。特に学部寮に住んでいることもあり、週末は空気が一変します。週末は主に、寮
の友達とパーティーに出掛けたり、たまには皆でのんびりビデオを過ごしたり、と大
概友達と一緒に過ごしています。ここUIUCはパーティーではタイトル通り全米1だと
思います。毎週毎週必ずどこかでパーティーがあり、そして社交的な友達に恵まれた
ので、娯楽面では全く不自由していません。毎週末、フレッシュマンの友達の携帯電
話を駆使したパーティー探し術には脱帽しています(笑)。こちらに来てから、アメ
リカにいる人は楽しむことがとても上手だなと羨ましく思っていました。そして今で
はルームメイトに「アキコの性格にタイトルを付けるなら“fun-loving”だね」と言
われるようにまでなりました。「どうすれば楽しくなるのか、そして楽しむためには
普段からどのような人間関係を築いておかなくてはならないのか」がちょっと分かっ
た気がします。

日常生活でもう1つ是非お伝えしたいのが、先学期から始めた週一回のボランティア
です。毎週木曜日にUrbanaにある老人ホームに出掛けて、ビンゴゲーム大会を開いて
います。たかがビンゴゲームと言って侮ってはいけません。彼らは賞品を狙って「真
剣」そのものなのです。だから、“Are you good at playing bingo?”と聞かれた
ら、嘘でも “yes”と答えなければなりません(笑)。ボランティア、といってもこ
れはただ、100%自分が好きだからやっているという感じです。もともとお年寄り
好きな性格と、こちらに来てからいろんな人に助けられたので何かのカタチで還元し
たいと思っていた私には最適のものでした。始めは英語も流暢に喋れないのに大丈夫
かなぁと不安でしたが、そんな心配は全く不要でした。今では、毎週「アキコは私と
ビンゴをするの!」とお年寄りの人気者です。先学期の後半では、私のことを
“best friend”とまで呼んでくださる方までいました。今学期はまだ始まっていま
せんが、再開が待ち遠しいです。

ということで、私の最近の様子が伝わったでしょうか?極寒のなかでも、楽しく、
そして毎日がいまだに新鮮に感じられる様子が伝われば幸いです。もう半分終わって
しまったと考えるだけで寂しいですが、まだ半分、思いっきり楽しみ、そして学んで
帰りたいと思います。最後に、この機会を与えてくださったJICの皆様に感謝いたし
ます。

注1 GC;Global Crossroadという、私が住んでいる学部寮のliving-learning
community.