2006年度小山八郎記念奨学金の奨学生募集要項掲載開始

今年30年目を迎えたイリノイ大学小山八郎記念奨学金制度の,2006年度奨学生募集要項を掲載いたしました.本奨学金制度は,イリノイ大学卒業生有志に よるイリノイ大学日本同窓会(JIC: Japan Illini Club)の事業として、元会長であった故・小山八郎氏の志を受けて始められたものです。既に30年以上にわたってイリノイ大学へ日本人留学生を派遣する ことにより、日米間の国際交流に大きな貢献を果たしてきております。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校には、教養学部、理工学部、ビジネス学部などの 学部の他、ビジネススクール、ロースクールなどを含む大学院レベルでも様々な専攻がありますが、小山八郎記念奨学金制度では教養学部を受け入れ先としてお り、1年という短い期間ですが、それぞれの留学生の興味に応じた幅広い学習と体験をしてもらうことに主眼を置いています。

募集要項はここをクリックしてご覧下さい.

2005年6月25日にJIC年次総会を開催致しました

2005年6月25日(土),外の気温が30度を超える猛暑の中,東京青山のCity Club of Tokyoで2005年度JIC年次総会を開催致しました.JIC会員の方をはじめ,イリノイからは元UIUC CancellorのMorton Weir先生や郡司先生をお迎えし,これからUIUCに留学される方も参加され,約80名の方々が集う賑やかな会となりました.

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2000年度小山八郎記念奨学金奨学生の酒井祥子さんの司会による開会の挨拶の後,原会長がJIC活動報告等に関し,各理事の役割明確化や,日本館ファン ドレイジング活動に関する活動計画を中心に報告されました.大山名誉会長による挨拶に続き,新しい試みとして,会員同士の親睦を深めるためのアイスブレイ キングゲームをドラマセラピストの尾上明代様に行っていただきました.予想以上の効果があって,初めて参加された方同士のコミュニケーションが深まったよ うです.その後堂山名誉会長による乾杯の音頭の後,会はたけなわとなりました.

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続いて,元UIUC CancellorのMorton Weir先生によるゲストスピーチの後,原会長から先生には「JIC名誉会員証」が贈呈されました(写真).更に,郡司先生とトビー先生にはPC及びビデオを使ってプレゼンテーションをしていただきました.

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国 したばかりの2004年度小山八郎記念奨学金制度の奨学生4名(写真向かって右から梶恭子さん,中山明子さん,中山輝美子さん,古川愛季子さん)には帰国 報告をしていただき,2005年度の奨学生4名(写真向かって左から白水美佳さん,川崎藍さん,中根純香さん,甲田小百合さん)には8月からの留学に向け ての抱負を語っていただきました.

参加していただいた皆様,そしてスタッフとしてお手伝いをしていただいた皆様,どうもありがとうございました.

※当日午前中には理事会を開催し,2004年度の活動報告ならびに2005年度の活動計画等に関して審議しました.また,2004年度の収支決算書に関しても妥当であることを確認しました.

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日本館基金募集活動報告

Weir元学長、郡司教授、来日を機に財団チームと積極的に活動

6月25日の2005年JIC年次総会に参 加され、日本館基金募集をJIC会員に直接呼びかけをされた、イリノイ大学元学長Morton Weir博士と郡司紀美子日本館館長は、日本に滞在中、各 方面へも積極的に日本館における活動の重要性と、基金募金への支援を要請されました。財団チームも以下の二件に同行しました。
(レポート:JIC白幡常任理事)

大野松茂衆議院議員(前文部科学政務官)を訪問し、協力を要請

6月29日早朝、衆議院議員会館の大野代議士の 事務所を訪れました。郵政民営化法案の衆議院での採決を目前に控えた慌しい時期でしたが、同代議士はWeir元学長と郡司教授からの説明に熱心に耳を傾け られ意見交換をされました。日本館における文化交流活動の意義と重要性に大いに賛同され、大野代議士は今後のJICの募金活動への協力を約束されました。 財団チームから、田島チーフ・白旗が同行しました。なお、同代議士はJIC募金活動の発起人就任も快諾されています。

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【写真:向かって左から Weir元イリノイ大学学長,大野松茂衆議院議員,郡司先生】

トヨタ自動車(株)瀧本正民副社長を訪問し、寄付を要請

7月1日、愛知県豊田市のトヨタ自動車(株)本 社を訪れ、同社の瀧本代表取締役副社長と面談をしました。日本館における活動の説明の後、JIC原会長からの寄付の要請書を手渡しました。同副社長から は、「日本館における活動が真の日本文化への理解、またそれを通じて人と人さらに国と国との相互理解に繋がってゆく。」との好感触のコメントを頂きまし た。前日の6月30日には、Weir元学長と郡司教授のお二人は工場・トヨタ会館の見学と、同社経営企画部の幹部との会食をされました。白旗が同行しまし た。

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【写真:向かって左から 郡司先生,瀧本代表取締役副社長,Weir元イリノイ大学学長】

財団チームに新メンバー加入

2005年JIC新役員体制に伴い、阿部 史理事が新たに強力なメンバーとして加入されました。これに伴い財団チームの構成は、チーフの田島洋一副会長、白旗修常任理事、田山裕丈事務局長の4名となりました。

イリノイ大学名誉教授 佐藤昌三先生著 「和のこころ」 プレゼント実施中

2005-06-12-satoshozo.jpg佐藤昌三先生が執筆された「和のこころ」を,JIC(Japan Illini Club)会員の方にプレゼントします(送料はプレゼント当選者の方負担).「和のこころ」は,英語と日本語の両方で歌舞伎,お茶,お花,生け花,墨絵等 の日本の伝統芸術が解説されている,まさしく世界に日本伝統芸能を伝える会心の一冊です.プレゼントを希望する方は,電子メールで masa@furuichi.com宛てに「和のこころプレゼント希望」と明記の上,2005年7月7日(日本時間,必着)までにお送りください.

 

なお,応募は2005年度のJIC会費を納入済みのJIC会員の方に限定させていただきます.また,これから入会を希望される方は,その旨を電子メールに明記してください.

 

抽選日を待てない方,あるいは惜しくも当選を逃した方は,アマゾンブックストアで
「和のこころ」をご購入いただけます.

JICインタビューシリーズ 「ドラマセラピスト尾上明代さんに聞く」

2005-06-05-onoe-001.jpgJIC Newsletterの新企画として,様々な分野で活躍されているJIC会員の方へのインタビューをニューズレターとして行う事となりました.第1段とし て取り上げさせていただいたのは,JICの年次総会にいつも参加されている方ならご存じの,日本を代表するドラマセラピスト,尾上明代さんです.

昨 年の10月13日(水)には,NHKのラジオ第一「いきいきホットライン」に出演される事をjicml(JIC会員のためのメーリングリスト)でアナウン スさせていただいたので,番組をお聞きになった方も多数いらっしゃることでしょう.また,NHKの英語会話番組や,テレビ朝日のニュース番組等,テレビで お目にかかった記憶のある方もいらっしゃるでしょう.今回のインタビューでは,尾上明代さんがドラマセラピストとなるきっかけとイリノイ大学との関係等を 中心に,お話しを聞かせていただきました.

ドラマセラピスト 尾上明代さん
1998年~1999年:UIUC芸術学部演劇学科・客員講師,
現在:NHK学園講師,東京家政大学講師

<記者>
まず,ドラマセラピーとはどのようなものか,簡単に説明していただけますか?

<尾上>
ドラマセラピーとは,悩みを抱えている人が,自分とは全く別の人物になってドラマを演じることによって,ストレス解消や心の癒しを得る事を目的とした,芸術療法の一手法です.私が属する全米ドラマセラピー学会(The National Association for Drama Therapy) では,「ドラマ・演劇のプロセスと結果を系統的,また意図的に用いて,症状を緩和する治療を行ったり,感情的・身体的な統合をすすめたり,また個人の成長 を発達させようというもの」と定義し,医療,福祉,教育など様々な分野への応用が研究・実践されています.私はこれを日本で一般の方々への自己啓発や教育 現場へ応用することを目的とし,大学,企業,生涯学習の場などへの実践を行ってます.実践方法等の詳細は,関連URL等で詳しく紹介されているので,そち らをご覧下さい.

<記者>
尾上明代さんとドラマセラピーとの出会いのきっかけを教えて下さい.

<尾上>
私 は元々アナウンサーとしてTV番組の仕事をするかたわら,市民劇団の指導を行って来ました.国際基督教大学では米文学を専攻しましたが,もっと演劇に関し て勉強したいと思い,文化庁芸術家在外派遣研修員に応募しました.幸い受かることができ,「一般市民に演劇を普及するための研究」という目的でイリノイ大 学の 演劇学部の客員講師となりました.

イリノイ大学へ行った当初はまだドラマセラピーの存在を知りませんでした.そもそも,イリノイ大 学ではドラマセラピーという科目はないのです.しかし演劇というものが持つ,素晴らしい「癒し」の力を感じていた私は,そのことについて,学科長の奥さん (私のアドバイザーでもあったNancy Hovasse先生)に話したのです.滞在中,私は演劇学部で講師として演技を教えるかたわら,大学院の一年生として授業も取りました.この時の演技につ いての学びが,後にドラマセラピストとなる上でどれだけ役に立ったかわかりません.

さて,ドラマセラピーとの出会いは,偶然の出来事の重 なりでした.ある時Nancyが,夫のもとにくるたくさんのダイレクトメールを整理していて,思わずゴミ箱に捨てようとしたものの一つに「ドラマセラ ピー」ということばが書いてあるのを見て,ふっと私の話しを思い出したそうです.Akeyoはこれに興味ある? と言って持ってきてくれたのが,そもそものきっかけでNancyにとても感謝しています.

そのパンフレットは,シカゴのITA (Institute for Therapy through the Arts) のもので,早速シカゴに行こうと,電話をしました.偶然電話を受けてくれたDebra は,日本に住んでいたことのある親切な女性で,ドラマセラピストの卵でした.シカゴ滞在中は,彼女のアパートに泊まらせてもらい,以来仲の良い友達になり ました.そしてさっそくセッションの現場へ助手として入らせてもらったのですが,そこで初めて出会ったドラマセラピストTedに,Nancyとパンフレッ トのいきさつを話すと,何と彼とNancyは大学時代の同級生だったことが偶然わかりました.

現場で体験したのは,ドラマの持つ療法的効 果に対する身震いするような感動でした.これが,私のドラマセラピーとの出会いです. その後,日本に広く普及させるべく,Kansas State Universityの大学院でドラマセラピーを学び,現在は講演やセミナーを通じて日本で実践しています.

<記者>
イリノイ大学滞在中はどのようなところにお住まいでしたか?

<尾上>
演 劇学部のスタジオがあるクラナートセンターから歩いて約10 分のお宅へ下宿してました.ちなみに,クラナートセンターは,ニューヨークのリンカーンセンターとワシントンDCにあるケネディーセンターと並ぶ全米3大 劇場として有名ですので,是非とも一度は行く事をおすすめします.

<記者>
今後の活動予定等ご紹介いただけますか?

<尾上>
8 月にオレゴン州のポートランドで開催される全米ドラマセラピー学会で,私が日本で行っているドラマセラピーの実践法に関して発表します.学会発表といって も,パワーポイントを使って論文の内容を紹介するような形式ではなく,実践法を学会の会場で実践し,その効果を体感する事により評価してもらいます.

<記者>
ドラマセラピーの国内での普及活動,学会発表の成功など今後のご活躍を期待してます.どうもあ りがとうございました.

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<尾上パピ>

愛犬パピは尾上明代さんを癒す能力を備えているのでセラピスト犬と呼ばれています:-)

 

<関連URL>

1.尾上明代さんのホームページ
2.DEN(Drama Education Network)での紹介記事1
3.DEN(Drama Education Network)での紹介記事2

2005年度奨学生 甲田小百合さんの自己紹介

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2005年度のJIC奨学生として,8月からイリノイ大学で学べることになりました,一橋大学法学部4年の甲田小百合です.私は,法学部の中の国際関係 コースに所属しています.具体的には,紛争解決,安全保障,貧困問題,核抑止などといった内容を勉強しています.また,教育問題にも非常に関心があり,教 職科目を数多く履修してきました.こうして国際関係学・教育学を学んできて,現在私の興味関心は「開発途上国においてどのような教育制度を作っていったら いいか」という点にたどり着きました.イリノイ大学では,こうした問題関心をもとに,政治学・社会学・人間開発学等を学び,日本とは違う視点に立った考え 方に触れて視野を広げていきたいと思っています.また,大学の授業以外でも,様々なバックグラウンドを持った人と接することでたくさんの刺激を受けたいと 思っています.具体的には,種々のパーティやアクティヴィティへの参加,そしてできればアメリカの小中学校を訪問して生徒に触れ合いたいと考えています.

なお,一橋では体育会卓球部に所属しているので,イリノイでも卓球ができたらいいなと,かすかな希望を持ちながら渡航の準備を進めています・・・.しかし,たとえ卓球ができなかったとしても,とにかく何か運動をしてぜひ日本人体型を維持したいと思っています(笑).

何もかもが新しくわからないことだらけで不安でいっぱいですが,全力でぶつかってたくさんのものを得られるよう頑張ってきたいと思っていますので,今後ともどうぞよろしくお願いいたします.

2005年度奨学生 川崎藍さんの自己紹介

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川崎藍 東京大学 教養学部基礎科学科

JIC奨学生として留学させていただくことになり,イリノイ大学での生活を想像しては胸を躍らせる毎日です.この留学に期待していることはとてもここには書ききれませんが,その中でも核となる三つの点をお話させていただきます.

一 つ目は,コミュニケーション能力の向上です.ここでは日常会話においてだけではなく,学会など様々な場面で自分を表現する能力を指します.私は現在東京大 学教養学部基礎科学科に所属し,生物学を専攻しています.医療や環境など生活と関わりの深い分野ですが,政治などに比べ社会の関心が低いのが現状です.研 究内容を社会に伝え,科学がもっと身近になるような教育をしながら,世界を活動の場にできる科学者になりたいと考えています.そのためには自分の考えを人 に伝える力が不可欠です.主体的な参加を求められるアメリカの授業を体験し,論理的な思考力とそれを主張できる力を身につけていきたいです.

二つ目は、国や専門にとらわれない広い視野を持つことです.そのため,イリノイ大学では国際関係学を専攻しようと考えています.また,ボランティアなどの課外活動にも参加したいです.

最後は,多くの友達をつくることです.様々な背景や目標をもつ人々に出会い,大きな刺激を受け,私自身も彼らに影響を与えられたらと思います.一年後には,友達を頼りに世界一周旅行するのが目標です.

帰国後にはさらに多くのことを得たとお伝えできるよう,事にも積極的に取り組み,最大限に楽しんできたいと思います.

2005年度奨学生 中根純香さんの自己紹介

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JICの皆様,はじめまして.東京大学文学部4年の中根純香と申します.今は8月からのイリノイでの留学生活を想像して期待95%,不安5%というような 日々を過ごしています.私は日本ではフランス文学を専攻していますが,イリノイ大学では以前から興味を持っていた環境問題を中心に勉強したいと考えていま す.将来,国際機関で環境に関わる仕事ができたらと考えているので,その第一歩としてしっかりと勉強してきたいと思います.

また,アメリカ人の学生や他の国からの留学生など異なるバックグラウンドを持つ友達をたくさん作りたいと思います.スポーツや音楽,パーティーなどのアクティビティに参加するのを授業と同じくらい楽しみにしています.

言葉の問題など苦労することも多いと思いますが,このようなチャンスに恵まれた自分は幸せなのだということを肝に銘じて充実した時間を過ごしてこようと思います.

2005年度奨学生 白水美佳さんの自己紹介

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ICの皆様,はじめまして! 2005年度小山八郎記念奨学金留学生に採用していただきました,白水美佳と申します.私は現在東京大学理学部化学科の三年 生で,毎日午前中は講義,午後は実験と,化学漬けの日々を送っております.研究室の配属は三年の冬に決まるため,化学の中での専攻分野はまだ決まっていな いのですが,今のところは物理有機化学の研究をしようかと考えています.

私のモットーは「何にでも一生懸命に」.興味の幅は広げておきた いという思いがあり,このプログラムの受け入れ先が教養学部で様々な分野の授業が取れるというのは,応募に際し私にとって大きな魅力のひとつでした.これ を機会として,通常の化学科の授業では学べないようなことを勉強したいと思っています.具体的には,化学工学,生物化学,fundamental skillとしてのプログラミングの基礎等です.またインターンシッププログラムにもぜひ参加したいと思っています.

渡航の日が一日一日 と近づいてきていますが,他の三人の今年度奨学生や様々な情報提供等励ましてくださるJICの先輩の方々,「人」に恵まれて不安よりも期待でわくわくして います.このような形で留学できることを,本当に幸せだと思っています.一年間,一言で言うなら「楽しみつくして」帰ってきたい! これが私の抱負です.

梶恭子さんの2005年最終レポート

JICの皆様、いかがお過ごしでしょうか。日本に帰国して一週間が経過しました。帰国直後は、シャンペーンでの親しい友人たちとの別れに涙し、喪失感に襲 われるばかりでしたが、長い長い一週間をかけてようやく日本に帰ってきた自分を実感し始めました。今では自分がシャンペーン・アーバナで学んでいたという 事実が夢のようにも感じられます。振り返ってみるとUIUCで学んだこの一年は、たくさんの友人と出会い、新しい価値観に触れてたくさんのことを学んだ、 人生で最も濃密な一年間でした。

感度をいっぱいに上げて臨んだ一年間でしたので、シャンペーンでの日々はまるでついさっきのことのようにくっきりと頭に描くことができます。シャンペーン に到着した日初めて見た地平線から地平線まで続くとうもろこし畑、自分が一年住むことになるんだ、と見上げたSherman Hall、張り詰めた糸のように緊張して臨んだ初めての授業、初めてできた友達…つらいことや悩んだりすることもたくさんありましたが、振り返って浮かぶ のは、楽しい思い出ばかりです。特に、シャンペーンで出会ったすばらしい人々には感謝しています。みな驚くほど温かく、到着直後で英語もうまくしゃべれな い私を本当に歓迎してくれ、帰国直前までその温かさは変わりませんでした。Photographの教授や、幼稚園の園長先生、世界各国からの留学生の友 人…尊敬できる人にも何人も出会ったことで自身が一回りも成長した、と胸を張っていえるほどではありませんが、尊敬できる人とのふれあいの中で、自分自身 少しでもその人に近づけるように良いところから学ぼうとしたことで、人間の成長は人と人との触れ合いの中にあるのだと実感しました。

そういう人々との別れはとてもつらく、学期の終わり、お別れのあいさつをするたびに涙が次から次から溢れて来て泣いてばかりいました。そんな中友人が教え てくれたのは、私たちの世代はjet set generationだから離れてもすぐ会える、悲しくないよということです。Jetというのは飛行機を意味し、飛行機を使って誰もがどこへでも行ける時 代に生まれた世代を、jet set generationというのだそうです。かつてはヒトやモノの移動が今ほど簡単ではなかったので一時の別れはともすると一生の別れにもなりましたが、現 代では世界中どこへでも行けるので、いつでもまた会えるよ、とのこと。つまりは人と人とのつながりさえ忘れなければ、会いたいという気持ちさえあれば、い つでも会える時代だとのこと。そのときは「純粋に別れがつらくて泣いているのに、そんな屁理屈こねられても!」と全く納得できなかったのですが、帰国した 今、その言葉には納得するものがあります。というよりも、そういった気持ちを胸に携えて、それでも前に進んでいかなければならないのだなあと思いました。 出会いも別れも経験して、もっとたくさんのことを学んでいくために。

このような機会を与えてくださった原会長始め、JIC運営に携わっておられる皆様、本当にありがとうございました。現在まで過去3回のレポートを通して、 わたしがどれほどすばらしい経験をしてきたか、が少しでもJICの皆様にお伝えできていれば幸いです。このプログラムを通してイリノイ大学でたくさんのこ とを学んでいく未来の人たちのために、わたしも先輩方に少しでも近づけるよう努力していきたいと思います。本当にありがとうございました。