2005年度奨学生の1月のレポートの最後を飾るのは中根純香さんです。授業準備のための睡眠不足、休暇に旅行、そしてよい友人関係。イリノイで過ごした人ならどれも懐かしく、共感を覚えるのではないでしょうか? それでは中根さんのレポートをお楽しみください。

JICの皆様、いかがお過ごしでしょうか。おかげさまで私は風邪一つひかずに順調な新学期のスタートを切ることができました。インターネットのニュースな どで今年の日本の冬の厳しさを耳にしますが、こちらシャンペーンでは昼間は気温も0度を下回ることがなくアメリカ人の友人達によると今年は「異常な暖冬」 なようです。話に聞いていた厳しい寒さを今のところ体験せずにすんでいることにほっとする反面、分厚いコートや雪用の靴などを用意して冬への準備も万端 だったため拍子抜けした感もあります。
前回のレポートをお届けしてから既に4ヶ月近くが経ち、その間に色々なことを体験し何をお知らせしようかと悩みますが、今回は<授業><休暇><友人>についてお知らせしたいと思います。
+授業+
先学期を振り返ってみると、常にレポートや試験そして日々の予習に追われていたような気がします。特にファイナルの時期などは夜に眠っていても夢にまで教 科書が出てきて、友達に「睡眠学習だ」とからかわれる有様でした。ただどのクラスも内容が面白く、自分の興味にある分野だったので勉強が苦になることは全 く無く、必死になって勉強したのは久しぶりだったので逆に新鮮で楽しい時間になりました。
前回のレポートでもPublic Speakingのクラスについてお話しましたが、結局先学期を通してこの授業が一番「取ってよかった」という実感のある授業になりました。スピーチを書 くためのリサーチ、スピーチを書き上げる過程、そして実際にクラスでスピーチをするための練習、などどのプロセスをとっても最後まで悪戦苦闘していました が、それらが「読む」「書く」「話す」といった総合的な英語力の向上に役立ったように思います。毎回自分のスピーチのビデオを見ては反省することの連続で したが、その甲斐があってか学期の最後にはクラスメイトの投票による「Most Improved Speaker」 の賞(賞品のチョコレートバー付き!)を頂き少し自信もつきました。一般にアメリカ人は人前で話すことが得意だと言われていますが、最初のころは緊張した りスピーチの途中で黙り込んだりしていたアメリカ人のクラスメイト達が回を追うことにプレゼンテーションの腕を上げていくのを見て、アメリカ人も決して生 まれつき人前で話すのが得意なわけではなく、このようなトレーニングを通して慣れていくのだということを実感しました。ただ、アメリカ人のクラスメイト達 がどのスピーチにも上手にユーモアを取り入れて笑いを誘っていたのには驚かされました。「ユーモアのあるプレゼンテーション」がこれからの私の課題になり そうです。
現在は新学期が始まって既に3週間が経っていますが、今学期は運良く希望していた授業全てに登録することができました。 Environmental Economics(ECON210), Tomorrow’s Environment(ENVST336), Computer Science for non-tech students(CS105)、Cooperate Finance(FIN 221), Business French(FR486)の5つです。CS105は「せっかくComputer Science で有名なイリノイ大学に留学しているのだから1つくらい授業を取ってみよう」と思い履修したのですが、ホームページを作ったり、これからの授業ではプログ ラミングをしたりと私にとってはかなり発展的で新鮮な体験になりそうです。これを機にコンピューター音痴を治すことができたら、と思っています。その他に も日本での専攻であるフランス語を再開するなど、盛りだくさんな授業内容になりそうですが今学期が最後の学期になるのでできるだけ多くのことを吸収できる ように全力で取り組みたいと思います。

+休暇+
課題に追われる学期中と比べてThanksgiving breakやWinter breakなどの休暇は文句なしにひたすら楽しいもので良いリフレッシュになりました。
Thanksgiving Breakには日本の大学でのサークル仲間を訪ねてカナダのバンクーバーに旅行してきました。アメリカの国内線・バスでのカナダへの国境越えなど初めての ことが多く不安もありましたが、無事にバンクーバーで良い時間を過ごすことができました。その後、シアトルでイリノイでのESLのクラスメイトに合流して 彼女の友人の台湾とアメリカ人の夫婦にシアトルを案内してもらい、シカゴで他の交換留学生達とも合流してアメリカ一番のショッピングシーズンであるという Thanksgiving後のセールを体験して(ショッピングシーズンと言ってもやはり日本のバーゲンの迫力にはかないませんでした)キャンパスに戻って くるという充実した1週間を過ごしました。
そして、ファイナルの後のWinter breakには試験からの開放感も覚めやらぬまま川崎さんと一緒にメキシコのVilla Hermosaという都市に出発しました。現地でUIUCの友達2人と合流し、そのうちの1人の親戚の家にお世話になりました。その親戚一家がとても暖か くもてなしてくれたこと、そして長年の念願だったマヤ遺跡を実際に見ることができたことなど思い出深い旅です。

その後、日本から訪ねてきた両親 とクリスマスをニューヨークで過ごし、シカゴ、シャンペーンと旅をし、新年には日本に帰国しました。日本では卒論を終え後は卒業を待つのみとなった同学年 の友人達が4月からの仕事について話すのを眩しく感じた一方で、私は自分で選んだアメリカ留学という道で自分なりに成長できるように努力しようと改めて決 意しました。
とても充実したThanksgiving休暇と冬休みでしたが、それと同時に周囲の色々な人の優しさを感じた期間でもありました。 Thanksgivingにシアトルを案内してくれたESLの友人の友人夫婦、Winter Breakのメキシコで私たちの訪問を歓迎してくれた友達の親戚一家、両親がシャンペーンに来た際に大雨の中を車でキャンパスを案内してくれたホストファ ミリーなど、本当に周囲の人々のフレンドリーさと有難さを感じ、自分もそのようなホスピタリティーの精神を持ちたいと思いました。
+友人+
先学期を振り返って、1学期の間に得たものは色々とありますがその中でも友人は私の生活の中で欠かせないものです。先学期を通して出身地も様々、交換留学 生や正規の学生など立場も様々な友人が数多くできたのはとても幸せなことです。実は留学前に私は「ちゃんと友達ができるのだろうか」などと不安に思ってい ましたが、そんな心配は全くの杞憂だったことがすぐに分かりました。寮の食堂やパーティーなどで、どんどん交友関係が広がっていき、他愛の無い話から真面 目な話まで様々な話をして多様なものの考え方にふれることができるのは素晴らしいことです。一方で、友人の輪がどんどん広がっていくのと同様に私にとって 嬉しいことは「自分の居場所」とも言えるような、とても仲の良い友達が何人かできたことです。一緒に料理をしたり、勉強をしたり、そんな友人達のおかげで 特にイベントがなくても何気ない日常を楽しいと感じることができています。
先学期の末には一学期間だけの交換留学の友達が何人かUIUCを去っ てしまい、彼らにもうキャンパスで会うことができないことに少し寂しさも感じますが、その中の1人が別れ際に冗談めかして“See you on-line!”と言っていたように今はインターネットなどで連絡も容易に取れる時代なので、連絡を取り続けていつか彼らを訪ねて色々な国を旅行できる ことを楽しみにしています。一方で新学期になってからは、先学期に住んでいたIllini Towerから院生用のSherman Hallに移ったこともあり、これからまた色々な人と出会えるのが楽しみです。
ちょうど1年前の今頃に奨学生としてイリノイ大学に留学できるこ とが決定して期待に胸を膨らませていましたが、その時の期待以上に幸せな充実した時間を過ごして実感しています。このような素晴らしい機会を与えてくだ さったJICの皆様に感謝すると同時に残りの4ヶ月弱を今まで以上に充実したものにできるよう努力していきたいと思います。
写真)①Illini Towerと秋の紅葉 ②Halloween Party にて ③ホストファミリーのお宅でのクリスマスツリーの飾りつけ