甲田小百合さんの奨学生レポート

月の奨学生レポート第2段は甲田さんです。
シャンペーン生活にもすっかり慣れたものの、まだまだ授業、ボランティア、卓球、語学と挑戦の手を一切緩めることのない甲田さんのレポートをお楽しみください。

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ついこの前元旦を祝ったと思いきや、もう2006年も1ヶ月が過ぎ去ろうとしています。また私がシャンペーンでの生活を始めてから、はや5ヶ月が過ぎてし まいました。本当に時間のたつのは早いものですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?昨年の12月は今まで経験したことのない雪の量に驚き戸惑いましたが、 今年に入ってからというものシャンペーンではめっきり雪が降っておらず、路面を埋め尽くしていた雪もどこかに消えてしまいました。このような気候のおかげ もあってか、新学期が始まってからというもの、風邪も引かず心身ともに非常に充実した毎日を送らせていただいております。さて今回は、前回のレポートで詳 しくお伝えできなかった内容を踏まえつつ、今学期の私の目標をお伝えできればと思っております。

①先学期の授業について
②中学校でのボランティアについて
③卓球の試合について
④語学の勉強について

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①先学期の授業について
私は秋学期には、政治学の授業を2つと教育学の授業を1つとっており、そのほかにESLと中国語(会話がメイン)をとっ ていました。前回お伝えしたとおり、最初の頃は授業の内容を半分理解できればいいほうというような状況でしたが、11月半ばを過ぎてからリスニング力が アップし、90%以上理解できるまでになりました。ノートの分量も格段に上がり、自分でもその成長をはっきり見てとることができ、とても嬉しかったのを覚 えています。ところで、12月の期末試験前に面白い発見がありました。それは、試験の数日前に政治学のクラスのメーリングリストが流れ、内容は一緒に試験 のための勉強会を開こうというものでした。授業の理解度が上がっていったとはいえ、やはり試験に対してかなり不安があった私にとっては、その勉強会はとて もありがたく大いにためになりました。このような勉強会を通してクラスメイトと親しくなれたことも大きな財産になったと思います。しかしその一方で、日本 の大学でいろいろな授業をとってきましたが、今までそのような経験をしたことは一度もなく、個人主義といわれるアメリカの方が逆に集団で勉強しているとい うその姿が非常に新鮮でした。

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②中学校でのボランティアについて
前回のレポートを書いた時はまだこのボランティアを始めたばかりの頃だったため何も詳しく書けませんでしたの で、今回はぜひ中学校での経験をお伝えしたいと思います。私は週に1回3時間Urbana Middle Schoolに訪れ、ボランティアとしてESLの授業にお邪魔させていただいております。そのESLのクラスでは、6年生から8年生までの生徒が全部で 20人ほど一緒に勉強しており、私のそこでの主な仕事は1人の中国人の男の子のそばに座り、彼をアシストするというものです。ESLといっても生徒の英語 のレベルは実際はばらばらで、ほとんど不自由なく教師が言ったことを理解できる子もいれば、アメリカに来る前にほとんど英語に触れる機会がなく、教師が何 を言っているのか全くわからない子もいます。その中国人の男の子もまさに後者でして、私がはじめて中学校に訪れた時、彼は本当に授業の内容に困惑している 様子でした。さて私はといえば、中国語を多少勉強しているとはいえ、その場で英語から中国語に通訳ができるはずはなく、ありとあらゆる中国語の知識とそし て日本語の漢字を駆使して、少しでもその生徒が授業についていけるように頑張っています。言語の壁は厚くなかなか意思疎通が難しい上に、各休み時間が3分 程度しかないので生徒と個人的にしゃべる時間もほとんどないため、生徒との信頼関係を作っていくのに最初のうちはかなり苦労しましたが、毎週訪れ少しずつ その生徒と接する時間が増えていくうちに、その子にも笑顔が見られるようになってきました。また、毎週その子の様子をそばで見ていくことで、子供の適応能 力の高さ・すごさを間近で実感しています。まだ授業中何をすればいいのかわからないことも大いにあるようですが、しかし一歩ずつ確実に彼の英語力が上がっ ていっているのがわかります。今学期も引き続きこのボランティアを続ける予定なので、少しでも彼の助けができるように頑張るとともに、私自身彼からいろい ろなものを学んでいけたらと思っています。

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③卓球の試合について
これも前回少しお伝えしましたが、私は一橋では体育会卓球部に所属しており、イリノイ大学でも卓球部を見つけ、週に1回が 限度でしたが練習を継続して行っておりました。そして昨年の11月に、大学対抗公式卓球リーグ団体戦のメンバーの一人として試合に出させてもらうことがで きました。留学生かつ週に1回しか練習に参加できなかったのに選手として出させてもらえたことを本当に嬉しく思っています。名目上は男女混合の団体戦とい うことでしたが、7大学のうち女子の選手は私だけで、実質男子団体戦に混ぜてもらったような形となりましたが、私自身の成績は3勝3敗とアメリカ公式戦デ ビューとしてはまずまずの結果が残せたと思います。しかし何より嬉しかったのは、私が試合をしている時に同じチームのメンバーが熱いエールを送ってくれ、 かつセット間にたくさんのアドバイスをくれたことでした。まだこちらの練習に参加して3ヶ月程度の私をチームの一員として迎え入れてくれたことは本当に嬉 しく、とても感動しました。また、一緒に戦ったという共有意識のおかげか、この日をさかいにクラブの仲間とも今まで以上に親近感が生まれたこともまた大き な収穫でした。今学期も引き続き練習に参加し、また3月頃に開催されるリーグ戦に選手として出られるよう頑張りたいと思っています。

④語学の勉強について
先学期は毎週火曜と水曜に無料の英会話クラスに参加したとお伝えしたと思いますが、今学期は、水曜の同じ英会話クラスに通うのに加え、一対一の英会話にも 参加し、残りわずかとなった留学生活をできる限り有意義に使い、語学力をさらに上げていきたいと思っています。またこれらを通じて様々な人に出会い、文化 や価値観、宗教などの話を聞くことができるのもこうしたクラスに参加する大きな理由の一つです。大学の授業を通じて知識を深めることも勿論大事なことです が、大学のクラスの中だけではなかなか作りにくい個々の人間関係を別の場所で築き、英語を学びながら様々な国の歴史や文化をより深く学ぶことも、この留学 の大きな意義の一つであると考えています。というわけで、今学期は上で挙げたアメリカ人との英語の練習だけにとどまらず、インド人にヒンディー語、中国 人・台湾人に中国語を個人的に教えてもらいながら、私も彼らに日本語を教え、言葉を通じた文化交流をしています。

以上、授業、ボ ランティア、卓球、語学について、前学期に経験したこととともに今学期の目標を加えてお伝えさせていただきました。今学期の目標をまとめますと、前学期始 めたことを継続して行い、知識・人間関係ともに、より深く確かなものを築き上げるといった感じです。残り半分をきった留学生活を大いに満喫すべく、今年も 精一杯頑張ろうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。なお、次回は2月16日にCosmopolitan Club House で開くJapanese Coffee Hourの様子もお伝えできたらと思っています。これは、私達奨学生4人のほかこちらでであった数人の日本人が主催します。昨日もこれに向けて皆で話し合 いを開いたところでして、少しでも多くの人が日本に興味を持ってもらえるよう頑張りたいと思います。

なお、今回添付させていただいた写真は、卓球のリーグ戦、水曜の英会話クラスの打ち上げパーティー、教育学の授業の最後の時にそれぞれ撮ったものです。お楽しみいただけると幸いです。