【速報!】JIC年次総会への申し込みはインターネットでOK!

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6月30日(土)に開催される2007年JIC年次総会への参加申し込みが、インターネットからも可能になりました。既に多くのJIC会員の方々から郵送による参加申し込みを頂いておりますが、インターネットによる申込のご希望に応え、→ここをクリック←して申し込みできるように致しました。

会 場: 東京・六本木の国際文化会館(TEL 03-3470-4611)
日 時: 2007年6月30日(土) 12時受付開始、12時30分開会

参加費は、JIC会員 6,000円、学生 3,000円で、JIC年会費は5,000円で、郵便振込み: イリノイ大学日本同窓会( 00110-2-603861 )または、当日に受付にて現金でお支払いいただけます。

原史郎JIC会長の挨拶、JICの多方面に亘る活動報告、郡司紀美子イリノイ大学教授・日本館館長のスピーチ、先月に帰国したばかりの留学生の報告、間も なくイリノイ大学へ出発する今年の留学生達の抱負、さらには想い出深いIlliniグッズの当たるビンゴゲーム等など盛り沢山の内容です。JIC年次総会 には、毎年初めて参加される方がいらっしゃいます。Champaign-Urbanaでの日々を思い起こさせる懐かしい方々に、再びお会い出来るかも知れ ません。

未だ参加申し込みをされていない方は、今直ぐ→ここをクリック←してお申し込み下さい。
大歓迎です。お待ちしております。 (白旗 修)

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「着物を楽しむ会」レポート

2007年5月27日(日)の午後,ハクビ総合学院の笠田先生をお迎えし,JIC-Women’s Networkの主催により「着物を楽しむ会」を開催いたしました。会場は,原会長御夫妻のご協力により会長宅最上階のラウンジをお借りいたしました。お 天気にも恵まれ,30名を越える方々にご参加いただき,また,笠田先生をご紹介くださった郡司先生も出席してくださり,盛会となりました。

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会の第一部は,笠田先生による,振り袖・男性礼装の着付けのデモンストレーション,続いて着物の基礎知識に関するお話,最後に浴衣着付けのデモンストレーションを行いました。参加者皆が美しい着付けに魅了され,活発な質疑応答もなされました。

会の第二部は,お食事をいただきながらの歓談,最後にお呈茶をいたしました。希望者にはお茶を点てる体験もしていただき,瞬く間に時が過ぎていきました。

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これからも多くのみなさまにご賛同いただけるような企画,活動をしてまいりたいと存じますので,どうぞよろしくご協力のほど,お願い申し上げます。

JIC-Women’s Network 阿部一穂

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イリノイ大学CHP学生が日本文化交流旅行で来日

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【写真: 大野総務副大臣室で記念写真】

シャンペーンでの卒業式から一週間後の5月22日、イリノイ大学CHP(the Campus Honors Program)に選ばれた学生20名が成田空港へ到着しました。 一行にはCHP教授陣メンバーであり、かつまた芸術学部教授の郡司紀美子日本館館長 と、Bruce Michelson CHP教授と, Elizabeth Rockman Directorの3名のfacultyが同行され、6月4日までの約2週間に亘り日本における盛沢山な企画や体験が予定されています。

来日2日目の23日(水)には長旅の疲れも見せずに、総務省、国会議事堂、さらには自民党本部を元気に訪れました。 総務省では日本館基金募金活動にもご 理解を頂いている、大野松茂副大臣(自民党衆議院議員)と面会をし、総務副大臣としての責務、行政改革や現在の国会議事について意見交換を行ないました。  JICからは、原史郎会長、田島洋一副会長と白旗修常任理事とがアテンドをし、原会長から歓迎の言葉と、JICの諸活動について説明がなされました。

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イリノイ大学の学生達は、国会議事堂の建築資材の90%が国産品で、外国からの輸入資材は3品目で僅か10%しかなく、その内の2品目がアメリカからの輸入 品でドアノブと議事堂内の郵便ポストであるとの案内人からの説明に興味を示していました。 因みに残りのもう1品目はイギリスから輸入されたステンドガラ スです。 学生達は、自民党本部の総裁室がとりわけ気に入ったようで、やはり大統領制の国から来た人達との印象を強く持ちました。

一行総勢23名はこの後のスケジュールとして、独協大学でのホームステイやハイテク企業訪問、京都・柳井・姫路での史跡めぐりや地元の方々との交流、広島での平和記念館訪問、さらに、お茶・生け花・着物などを通じて日本文化への触れ合いも計画されています。

(白旗 修)

JICゴルフコンペ開催報告

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5月19日(土)、甘楽カントリークラブでJICゴルフコンペを開催いたしました。当日は天候に恵まれ9名の方にご参加いただきました。

次回は10月か11月の開催を予定しております。多数の皆様方の参加を楽しみにしております。

(幹事:(株)ポトマックアソシエイツ 小峰尚)

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川島今日子さんの2007年4月奨学生レポート

2006年度奨学生4月分レポートの第一弾は川島さんです。川島さんはイリノイでの毎日を、その自然や人々に溶け込みながら楽しみ、また北はカナダ、南はジャマイカまで足を伸ばしてきたようです。本当に日々学び、楽しむ貴重なすばらしい留学経験をしてきたようです。

JICの皆様、お久しぶりです。イリノイでは例年より春の訪れが遅いようで、3月に一度暖かくなったものの、4月に入ってからは冬に逆戻りしたような寒さ が続いています。それでも、咲き始めた花々のやわらかなピンクや、芝生の目に染みるような緑にすぐそこまで来ている春を感じます。もう少し暖かくなったら 外に飛び出して、友人と一緒にQuadの芝生で昼寝を楽しもうと思っています。

今回のレポートでは、Snow Day、Japanese Coffee Hour、Spring Break、授業とスポーツの4つについてご報告いたします。 (写真:キャンパスの木に咲く花)

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*Snow Day*

今年の2月13、14日はイリノイ大学で珍しいことが起きました!Snow Stormにより全学が2日間完全休校になったのです。大学の休校は1979年以来28年振りの出来事ということでした。積雪は約12インチで、風が強 く、まさに横殴りの雪。しかし、家でじっとしてはいられず、膝まで埋まるほどの雪を掻き分けてQuadへ行きました。そこでは解放感に溢れたたくさんの学 生が、それぞれにこの思いがけない雪の休日を満喫していました。私もSnowball Fightに参加してぐしょぐしょになり、雪に仰向けに倒れ込み手足をバタバタさせてSnow Angelを作り、最後はふかふかの新雪に飛び込んで全身雪まみれになりました。これ以上ないくらいに雪遊びを満喫した後は、みんなでコーヒーショップに 移動して温かいコーヒーを手にいつまでも話し込みました。

さて、イリノイは雪がたくさん降りますが、同時にどこまでも平坦な大地なのでなかなかスノースポーツができません。私はスノーボードが好きで、是非アメリ カでもやりたいと考えていたところ、嬉しいことに友人が声をかけてくれたので、台湾人と日本人の友人の5人でウィスコンシン州まで日帰りスノーボードに行 きました。小さなスキー場でしたが、山の上からの景色はきれいで溜息が出ました。初めてスキーを体験したという台湾人の友人もスキーは楽しいと嬉しそうに 話していて、とても充実した一日でした。私は実はこのスノーボード中に右膝を怪我してしまったのですが、McKinley Health Centerとその付属機関であるSports Wellness Centerから十分なケアを受け、早期に回復することができました。特にリハビリがしっかりしており、イリノイ大学の学生の健康に対する質の高いケアに 感心しました。 (写真:雪の日のQuadにて)
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*Japanese Coffee Hour*

今年もコスモポリタンクラブのJapanese Coffee Hourがありました。佐藤さん達もレポートの中で報告してくれると思いますが、少し触れておきたいと思います。事前に数人のアメリカ人学生から、「去年 のCoffee Hourはとても良かった。今年も期待しているよ」とプレッシャーをかけられ、今年もいい日本紹介ができるよう頑張ろうと思いました。

私たち奨学生以外の友人にも声をかけ、前日から佐藤さんを中心にみんなで料理を作りました。メニューは、おにぎり・雑炊・肉じゃが(ベジタリアンポットも 用意)・いんげんの胡麻和え・大福・麦茶です。佐藤さんと私は日本から持参した浴衣を着て配膳し、料理も衣装も好評でした!プレゼンは佐藤さん・西村君・ 私の3人で担当し、地理など基本情報、自然、文化に根付いた独特の宗教、伝統文化と現代文化などをテーマに話しました。会場では、日本の音楽を流したり、 国土交通省のVisit Japan Campaignのポスター掲示と資料配布をしたり、河手君が持参した書道セットを利用して書道体験コーナーを設けたりしました。書道コーナーは大盛況 で、外国人の学生に漢字名をプレゼントするととても喜んでもらえました。今年もJapanese Coffee Hourは大成功に終わりました。 (Japanese Coffee Hour)

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*Spring Break*

3月半ばの春休みには、日本から訪ねて来た母と一緒に、シカゴを基点に北と南を旅行しました。北はカナダのケベックシティ、南はカリブ海に浮かぶ国ジャマ イカです。ケベックシティはカナダの一部でありながらフランス語が公に話されることで有名ですが、街並みがとてもきれいで、通りに並ぶアパートのベランダ はまるでパリのそれのようでした。カナダは国旗にメープルの葉が描かれているように、メープルシロップの産地として有名です。今回の旅行はちょうどメープ ルシロップの収穫期に当たり、雪の上に煮詰めたメープルシロップを落として水飴のようにして食べるという有名なアトラクションを体験しました。飴が甘くて おいしかったのはもちろん、そこで出会ったフランス語を話すおじいさんと英語を話す私が、違う言語を話しながらも不思議とコミュニケーションをとれたこと が印象的でした。ジャマイカは想像した通り、明るくて陽気な人々の国でした。ジャマイカでは”No Problem!”が合言葉です。みんなニコニコして明るい太陽と豊かな自然に囲まれて楽しく生活しているという印象を受けました。ここでの有名なアトラ クションは「ダンリバーの滝登り」で、全長約180メートルの緩やかな滝を30人ほどのグループで一列に手を繋いで登るというものです。知らない人とも手 を繋いで助け合えば友達のようなもので、みなワーキャー叫びながらびしょ濡れになって登りました。日本からはあまり行かないような土地で新たな体験がで き、大変楽しい休暇となりました。 (写真:Quebec Cityにて)

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*授業とスポーツ*

今学期は5クラス履修しています。Media of Public Discourse, Intro to Organizational Communication, Economic Systems in Africa, Home Horticulture, Tap Dance2です。学期の初めに様々な授業を見学し吟味して履修登録したので、どれも興味深い授業です。特に、Economic Systems in Africaは、私の発展途上国の経済に対する関心と合致する部分が多く、毎回の授業で学ぶことが多いと感じます。また、前回のレポートで、授業の中で客 観的な質問・意見を出せるようにという目標を掲げましたが、Media of Public Discourseの授業にディスカッションセクションがあり、そこで実践中です。授業に積極的に参加しているとTAとも親しくなれるので、授業後も話が 弾んだり、課題について相談したりできることが嬉しいです。

先学期はスポーツと呼べるものはタップダンスの授業でしたが、今学期はそれに加えて週末にチームを作ってサッカーをしています。私は今までサッカーの経験 はなかったのですが、始めて本当に良かったと思います。授業や課題の気分転換になるということもあるのですが、なによりもスポーツを通した人との出会いが あります。新しい友人がたくさんでき、チームの戦術について真剣に話したり、他愛無い話に花が咲いたりするうちに、とても仲良くなりました。2月~3月に 行われた男女混合のIntramural Indoor Soccer Tournamentでは、みんなでひとつになって勝ちを目指し、結果こそ振るわなかったものの、とても良い思い出ができました。

スポーツと言えばもう一つ、私には去年の8月からどうしてもやりたいスポーツがありました。それは、スカイダイビングです。3月の末についにチャンスが訪 れて、イリノイの空高くから思い切って飛びました!からだ一つで空を飛ぶという、おそらく人生に一度の夢のような体験でした。着陸したのは、もちろんコー ンフィールドの真ん中です!

日々実りある体験をしているうちに、気づけばもう授業も残り一ヶ月となりました。春学期は秋学期の2倍のスピードで過ぎていくように感じられます。残りの時間でどれだけ多くを吸収できるか、自分に挑戦するつもりで頑張ります。 (写真:スカイダイビング)

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佐藤真莉子さんの2007年4月奨学生レポート

4月分レポート第二弾は佐藤真莉子さんです。佐藤さんはCosmopolitan HouseのCoffee Hourで積極的に日本のアピールをしたり、またダンスやバレーボール、ブラックコーラスなどパワフルに課外活動をしています。インタビューの取り方など 学校では学べないものも、実際にアッタクしていろんなことを学んでいるようです。残りの1ヶ月も十分に思い出を作ってほしいですね。

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JICの皆様ご無沙汰しております、佐藤真莉子です。今学期は先学期より1コマ授業を減らし、よりイリノイでの生活に“Involve”されることをモッ トーに生活しています。イリノイでの留学も残りわずかとなりましたが、今学期のイリノイでの生活について近況をお伝えしたいと思います。

1.Japanese Coffee Hour

2月22日、私の住んでいるCosmopolitan Houseで恒例のJapanese Coffee Hourを開きました。先学期のうちから何をしようかと企画を練っていたものの、皆忙しくなかなか本格的に準備ができず、かなりのドタバタになってしまいました。

プレゼンは西村君、川島さんと私の3人で担当し、料理は川島さんと私が中心となり、他の日本からの留学生などに手伝ってもらって作りました。当日は河手君も駆けつけてくれて、部屋の装飾や書道スペースの設置などを手伝ってくれました。

直前になってプロジェクターがないということに気づき、私の準備不足でみんなをハラハラさせてしまったことは大変反省していますが、Engineeringメジャーの友達に頼み込んでプロジェクターを借りてもらい、なんとか無事にプレゼンをすることができました。

料理は日本の家庭料理を味わってもらおうということになり、かつおぶしとゆかりのおにぎり、肉じゃが、いんげんの胡麻和え、サラダを振舞いました。 AMKOで買い物をした時、ダメもとで「Japanese Coffee Hourで日本料理を作るので何かDonationしていただけますか?」とお 店のオーナーに聞いたところ、なんとあんこの入ったお餅を4パックも寄付してくださいました!日本ではお店に無料で寄付してもらうことなんてとてもできな いだろうな、と思い、ちょっと感動しました。小さいコミュニティーならではなのか、アメリカ中部ならではなのか、アメリカ人の温かみを感じた瞬間でした。

実は私はCoffee Hourの次の日にNYで開かれるCareer Forumに参加したいと思っており、直前までCoffee Hourに参加する かどうかとても迷っていました。将来に関わることなのでキャリアフォーラムには絶対参加したかったのですが、Cosmoに住んでいる身としてやはり Coffee HourをOrganizeしないというわけにはいかない、ということで相当悩みましたが、周りの友達が支えてくれると言ってくれたので、 結果としてはちょっと無理してでも両方がんばろう、という結論に達しました。体力的にも精神的にも追い込まれており、かなりいっぱいいっぱいになっていま したが、両方やる、という決意のとおり両方やってみて、本当によかったと思います。こんな私を支えてくれたたくさんの友達に感謝の気持ちでいっぱいです。

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2.International Dinner

次のイベントはYMCAで開かれるInternational Dinnerでした。 このイベントはYMCAとCosmopolitan Houseが共催しているイベントで、各国の料理を振る舞い、ステージではパフォーマンスをする、と いうものです。私はCosmoのOrganizerのAndreaから、「ステージで歌を歌わない?」といわれ、調子に乗って「Yes」と答えてしまった ため、なんとなんと100人以上の前で歌を歌うというビッグイベントになりました。

一曲目はハウスメイトのZhongNingと一緒 に、アラジンより“A Whole New World”を、2曲目は一青窈さんの“ハナミズキ”を日本語で歌いました。ピアノ伴奏は同じくハウスメイト のYoungJae。“Far East3人組”などと冗談を言いながら練習をしていました。練習中はなかなかうまくいかなかったりして3人でかなり焦っ たり言い争いのようになったりもしましたが、本番前は緊張していた私を二人が和ませてくれたりして、無事に歌い終えることができました。

実はこのInternational Dinnerの様子がCBSの地元ローカル局、WCIAで放送されて、2秒くらいですがなんと私の歌っている様子が流れたのです!!わーい!!アメリカデビュー!!!!!笑

このイベントにはほとんどのハウスメイトがなんらかの形で関わっており、MCはYoungJaeとMichelle、ZNとYJと私は歌を披露、 Daniella、Inaki、Anna、Gabi、Sharylは各国の料理を作って振舞いました。Cosmo総動員でのイベントは去年の Thanksgiving Dinner以来だったので、とても楽しかったです。ハウスメイトが一体となって何かするというのはやはりつながりを感じられ て、とても良い思い出となりました。

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3.春休み

春休みは、ここでよく一緒に遊んでいるDanielsに住んでいる友達と一緒に一週間まるまるカナダのバンクーバーに行き ました。そのなかの一人Naviがカナダに住んでいるということで、彼の家にお邪魔させていただきました。彼はカナダで生まれたのですが家族は皆インド 人。私たちの滞在中は毎日お母さんがインド料理を振舞ってくださいました。

彼の家はバンクーバーから車で45分ほど離れたところにあり、とても静かな住宅街です。彼はArtitectureメジャーで、なんと彼の実家は彼が全て設計したそうです!!とても広くておしゃれな家で、「こんなところに住みたい!!!」と思いました。

毎日昼頃起きてご飯を食べ、観光をして夜はみんなで飲みに行く、というなんとも休みらしい休みを過ごしました。Thanksgivingはとにかく観光の連続でしたが、今回はゆったりしつつも観光できて、いいリフレッシュになりました。

初日に彼の友達の友達の結婚式の披露宴にお邪魔したのですが、なんとその披露宴が豪華なこと!インドのパンジャーブ地方出身の友達の結婚式で、まさに食べ る、飲む、踊る、という3拍子そろったドンちゃん騒ぎの結婚式でした。アペタイザーといって出てくる料理がすでにとても豪華だったのですが、そのあと ビュッフェがオープンして食べ放題、というなんとも豪華な結婚式。さらにお酒も飲み放題ということで、みんなかなり飲んでいました。でもインドの文化で、 飲むのは基本的に男性。女性は人前では飲まないというのが礼儀だそうです。なので女性は皆友達の男の子にお酒を頼んで飲んでいました。国や宗教が違うと文 化も違うんだなぁ、と再確認です。

旅の終わりには、ウィスラーにスキーに行きました。多くの友達が暖かい海を求めてフロリダやカリフォ ルニアに行く中、わざわざ北へ来た私の目的はスキー!!スキー大好きっこの私は、とにかくこのスキーを楽しみにしていました。山の下のほうは雨だったので すが、上のほうは雪で、景色はいまいちでしたがスキーをするコンディションとしては新雪だったので最高のコンディションでした。Vermont出身の友達 とひたすら滑りまくり、ウィスラーを満喫しました。

この旅を通して、一緒に旅行をしたNavi、Kevin、Dimitrios、 Vilas、GoEunとは本当に仲良くなれました。実は旅の途中にはいろいろと揉め事もあり、私ともGoEunが大泣きするというハプニングもあったの ですが、本心をさらけ出したことで本当に仲良くなれた気がします。

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4.Dance for Darful

以前のレポートでお伝えしたと思うのですが、先学期バレエの授業を一緒にとった友達と一緒に新 しくダンスグループを作り、パフォーマンスを開くためにがんばっています。きっかけとなったのはダルフールでのジェノサイド。そのためのファンドレイジン グとして何かできないか、ということで、私たちがダンスパフォーマンスをして、そのチケット代をダルフールに寄付しようということで始まりました。

一緒のグループにいるのは私以外全員アメリカ人!!!奇跡です(笑)ダンスをやっていたことにこんなに感謝したことはありません。文化は言葉を超えま す!!!このダンスは全て自分たちで振り付けをしたのですが、種類としてはモダンダンス。私はクラシックバレエをずっと続けていたのでモダンはほとんど 踊ったことがないのですが、友達に教えてもらいながら練習しています。パフォーマンスが来週の日曜日に迫っているので、今はなんと5日連続で踊るというか なりハードなスケジュールですが、成功させるために残り一週間、みっちり練習したいと思います。

5.Volleyball

先学期に引き続き、今学期もバレーボールのチームを作って試合をしています。今回は全員女の子のチームです。メンバーはこれもまた私以外ほとんどがアメリ カ人。まさにSorority Girlという雰囲気をかもし出している子が半分くらいいて、最初は声をかけるのもとてもドキドキしていましたが、何回か 練習を重ねるうちにだんだん打ち解けることができました。今のところチームは2連勝!これからも練習と試合を通してもっと仲良くなりたいと思います。

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6.Black Chorus

つい昨日のことですが、今学期最後のBlack Chorusのパフォーマンスを終えました。今回はMom‘s Day Concertということでチ ケットはほぼ完売!一年の中でも一大イベントでした。コンサートの最中、Dr.Davisがスピーチの中で「今学期で卒業するSeniorと Exchange studentのContributionは忘れられない」といってくれた時は本当に感動しました。歌っているとき、卒業する Seniorだけでなく、なんと私にも握手をしてくれました!Dr.Davisの目には涙が浮かんでいて、涙もろい私は感情を抑えることができず思わず ちょっと泣いてしまいました。

一回2時間半、週に2回の夜遅くまでの練習は大変だったし、Blackという未知の世界に飛び込むことはかなりの勇気が必要でしたが、この1年Black  Chorusのメンバーとして練習とパフォーマンスを重ねることで、新しい自分が見つけられた気がします。今回のパフォーマンスには多くの友達が見に来 てくれて、「よかったよー」と言ってくれるのがとても嬉しかったです。西村君は本当に感動してくれたようで、パンフレットをぐちゃぐちゃに曲げてしまうほ ど興奮してくれたみたいです。Black Chorusの一員であることを誇りに思います。

7.授業

今 学期の授業で一番楽しいのはやはりReportingの授業です。Broadcastingのクラスなので、一番大事なのは音!自分でトピックを決めて ニュースの原稿を書く、という宿題がメインで、そのためにインタビューをするのですが、毎回インタビュー前にはものすごく緊張しています。でも、思い切っ てアタックしてみると意外ととてもいいインタビューが取れたりして、なんでもまずはアタックすることが大事だな、と毎回勉強になっています。

今はSmoke-free LawがUrbana-Champaignだけではなくイリノイ州全体で施行されることが決定したことについてのニュースを書 いています。そう、ちょっとしたイリノイ情報ですが、今ここUrbana-Champaignでは、全てのPublic spaceでの喫煙が禁止されて います!バーも例外ではなく、今はどこのバーに行っても禁煙です。

新聞ではなくラジオのための原稿なので、インタビューは全てテープに 録音しなくてはなりません。この間は初めて電話でのインタビューに挑戦しました。電話だと相手の反応もわかりにくいし、ボディーランゲージを使えないとい うことでかなり緊張しましたが、何回か失敗を重ねた後、とてもいいインタビューがとれたときには感動しました。ここで学んでいるのはAcademicな知 識よりむしろ度胸のような気がします。

⑧最後に・・・

イリノイでも生活も残り1ヶ月を切りました。あと1ヶ月しかないですが、でもまだあと1ヶ月あります。JICの皆様の支えがあってこその留学生活、最後まで悔いのない様に毎日思い切り充実した日々を過ごしたいと思います。

河手賢太郎さんの2007年4月奨学生レポート

4月分レポートの第3弾は河手賢太郎さんです。裁判所に足を運んだり、ホームレスや子供たちと触れ合うボランティアに参加したりと、盛んにコミュニティに参加しています。この経験を是非将来生かしていただきたいですね。

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JIC関係者の皆様
ご無沙汰しております。
JIC奨学生の河手賢太郎です。

体験レポートも第三回目となりました。
一人でも多くの人にみてもらえることが何よりの喜びです。
読者を意識すると良い意味で緊張感も沸いてきます。

イリノイ大学への留学もあと残すところ1ヶ月弱となりました。
体験レポートを書いていると、春学期が始まって以降に起こったことすべてが思い出と共に目に浮かびます。

さ て、前回のレポートでも書きましたが、私は2月中旬から8~9回程、裁判所に足を運び法廷を見学してきました。幸運にもChampaign County Courthouseと Federal district Courtがキャンパスからバスで3分の位置にあり、アクセスに不自由はありませんでした。

County Courthouseでは飲酒運転に関する否認事件の陪審裁判を何件か見学しました。私が見学したのは陪審裁判Jury trialと裁判官による裁判Bench Trialでした。手続きは罪状認否手続arraignmentから始まります。拘留されている被疑者は、裁判所に行き罪状の認・否認をします。公開の法 廷で行われるこの手続きは、裁判官が「Plea guiltyをしますか?」と被疑者に聞き、認plea guiltyか否認 plea not guiltyをするわけです。傍聴席には被疑者の家族らしき人々が法廷を見守っていました。一度に4人の被疑者が法廷に呼ばれます。皆囚人服を着、手錠を はめられたままで、非常にリアルな場面でした。

裁判はまず陪審員選びから始まります。選挙人名簿に登録された一般市民が courthouseに呼ばれます。期日当日、30人程度の市民のなかから12人の陪審員が選ばれます。これがjury selectionという名の手続きで、公開の法廷で行われます。裁判官、検察官、被告代理人が陪審員候補者に次から次へと質問をし、当該候補者が公正な 事実認定ができるか否かを探ります。特に、私が傍聴した飲酒運転のあるケースでは証言台に立ったのが検察によって呼ばれた警察ただ一人だった事情もあり、 警察の証言をバイアスなしに評価できる陪審員を検察側はもとめているようでした。

「かつて身内に飲酒運転でつかまったことがあります か?」「身内が逮捕されたことはありますか」「あなたあるいは身内で飲酒運転の事故に巻き込まれた人はいますか。」「犯罪被害に遭われたことはあります か?」プライベートでセンシティブな質問にも答えなければなりません。「身内に犯罪者がいました」と答えた陪審員は、不快感がふっと顔に表れたのが記憶に 残っています。こうして12人の陪審員が選ばれ、いよいよ裁判のスタートです。両当事者がopening statementで争点を明確にし、その後証人尋問がありました。お昼休み休憩中、証人として呼ばれていた警察官に話しかけると気前よく答えてくれまし た。彼が小さいころから警察官に憧れていたこと、その日は公務中ではないことなどを教えてくれました。公務中でないのに制服を来てしかも銃まで腰に下げて 証言台に立っていたのは、おそらく陪審員に対する心理的な効果を期待したのかもしれません。

その裁判の評決は有罪guiltyでした。被 告人が身体検査を拒絶し、結局運転をしていたときに飲酒運転が成立する要件physically impairedがあったかどうかは客観的には明らかでなかったものの、結局beyond reasonable doubtと判断されました。

その時は「そんなもんか」と思いましたが、歯にものがひっかかったような感覚はいつまでものこりました。「市民社会ってけっこう不確実で脆いものなんだな。」というのが率直な感想です。

私 が裁判所に足しげく通っていたちょうどその頃、Law and PsychologyとSociology of Law の授業では陪審員の心理学というテーマで授業をやっていました。目撃証言などの正確性や証言の陪審による認識のされ方、性別あるいは人種による陪審の偏見 等の文献をいくつか読んでいたこともあり、法廷傍聴は非常に意義深かったです。

さらに幸運だったのは、ロースクールで行われた刑事事 件の模擬裁判の陪審員に選ばれたことです。裁判において陪審員が評決を下す前にする評議deliberationは非公開で、外からは伺い知ることができ ません。模擬裁判とはいえその陪審員の一人として評議の内部にもぐり込めたのは幸運でした。結局評議の大部分は、証言の信頼性とreasonable doubtの基準についての話し合いで占められました。私は「Reasonable doubtの基準についてはなかなか合意には至らないだろう」と当初思っていました。しかし、陪審員のなかにロースクールの学生がおり、彼が「うちの教授 がreasonable doubtは90%の疑わしさだ。」と言ったとたん、皆さん争わなくなりました。実際はそんなに高い基準の運用がなされているとは思えないのに、一留学生 の発言よりも現役ロースクールの学生の発言の方が説得的だったのでしょう。その他にも、自分が当事者になってはじめて「なるほど」とわかることが多く、非 常に有意義な体験でした。

授業の話しがつづいて恐縮ですが、

法社会学の授業が非常に面白いです。かつて体験 レポートにも書きましたが、法解釈中心の実弟法学とは離れて実際に法律が社会の中でどのように機能しているのかありは機能していないのかについて勉強した くてアメリカに来たという背景があります。今学期の法社会学の授業では様々なテーマを扱いました。以下に例をあげますと、紛争が発生する過程、学会・実務 家・裁判所の間の利害関係、アメリカ人の訴訟好きという日本にすら流布しているイメージがどのように形作られていったのかの過程、不法行為法における改革 におけるシンクタンクの役割、離婚問題における弁護士とクライアントとのやりとりの傾向、法律における性差別や人種差別の温存構造、などなどです。

授業の話しばかりで大変恐縮ですが、これで最後です。

Law and Psychology の授業では、社会調査や統計が判決に与える影響についてケースブックを使い学びました。商標侵害訴訟における侵害の程度、表現の自由訴訟における猥褻性の 程度、別学訴訟における人種別学や性別学の子どもに与える影響、刑事事件における心神喪失の程度等を判断するために、社会調査・社会が重要な証拠として訴 訟において取り上げられます。抽象的な何々standard をそのまま適用するのではなく、つまり法文の質的分析だけでなく社会統計的な量的考慮が判決に直接影響を与えるのには目を開かせます。

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アメリカにおける法社会学は、「学」内にとじこもらずに、それが判決に大きな影響を与えていています。裁判官による原理原則の恣意的な適用を、統計でヘッ ジする態度は、本音(社会統計)と建前(法律の条文なり原理原則)との距離を小さくしていこうとする努力の現れなのだと感じました。

春 休み中、私はシカゴで ボランティア活動をしていました。教会の施設に寝泊まりしながら、地域の小学校で子どもたちと遊んだり、ホームレスのシェルターに言って話し相手になった りしました。教会が位置するCentral 通り、Washington通りはシカゴではドラッグの取引が行われる最も治安の悪いことで有名な場所だそうです。

C.U.Pは春休 みにある5日間のコミュニティー・サービスプログラムで、イリノイ州の大学約5校から100人ぐらいの学生が教会の近くのアパートに寝泊まりする合宿形式 のプログラムです。春休みは留学期の最後の長い休みでもあり、これまでのイリノイ大学留学で授業の内外で学んだことを咀嚼・消化し振り返り、次にどのよう につなげていくかを考える貴重な時間でした。プログラムのテーマは社会正義。都市部における貧富の格差を肌で体験し、絶えない人種的偏見に対して市民とし てどう対応するのかを考えさせるプログラムでした。5日間のプログラムは3つの柱から構成されていました。第一に、social worker として活動しているスピーカーを招くことです。第二に、自分の社会経済的・人種民族的背景を見つめなおしアイデンティティを再構築することです。第三の柱 はコミュニティーサービスです。実際にシカゴのダウンタウンに出て、ボランティア活動をしました。

私の班はwarming center というホームレスの人が日中シェルターが閉まっている間に身を寄せられるコミュニティーセンターに行き、そこにやってきた人々との会話を楽しみました。

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今Chicago Urban Projectを振り返ってみると、ボランティアとは言っても、ほんの短い期間で実際のニーズは現地でホームレスとかかわっている人、地域の小学校の関係 者が痛いくらいわかっていて、それを3日間しかいない学生がやってきも何もわかりっこない。要は、大学が休みの期間に見学しにいったお客さんのようでし た。「誰かを助けようと自発的に行動する」volunteerというよりも「学ばせてもらう」という意識の方が正確かもしれません。こう考えて行動する方 がはるかに気持も楽でしたしもっと謙虚に人々のお話も聞けました。

Chicago Urban Projectが終わった後は一緒に参加したRyanの家に学校が始まるまでステイさせてもらいました。彼の家があるシカゴ郊外は、ダウンタウンとはうっ てかわって閑静で綺麗な住宅街でした。あまりのギャップに戸惑いました。もともと東京のど真ん中でこれまでの人生の大半を送ってきた自分にとって、 suburb – inner cityの二分法に渦巻く感情を理解できないでいました。しかし今回、大都市に住むよりも、都市の中心から自動車で4,50分離れた郊外に一戸建てを建 て、犬を飼い、広い庭を持つことを夢とするアメリカ人のものの考え方の一端を垣間見ることができました。

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復活祭Easterは毎年、春分の日の後にくる満月後の最初の日曜日にあります。2007年のイースターは4月8日でした。私は4月6日の金曜日から Easterにかけて、Chicago Urban Projectで知り合ったBethの家族と共に過ごしました。彼女の実家はO’ Fallonというイリノイ州南西部のセントルイスに近い町にあります。彼女の両親はかつて日本に住んでいたことがありました。父親のBob Vaughnさんはアメリカ空軍の元軍人として沖縄、東京の米軍基地にいた経験があるそうで、当時のことを思いで深く語ってくれました。Sueさんも大の 日本好きで、2人がもつ日本の伝統工芸品のコレクションや絵画のコレクションを見せてもらいました。国境を超えて渡ってきた文化との思いがけない再会で、 私も興奮してしまいました。

4月7日の土曜日はVaughn さん一家と共にセントルイスへと足をのばしました。早朝マーケットで買い物をすませた後、グランドアーチというモニュメントに行きました。このアーチは由 来がありまして、セントルイスはミシシッピ西岸に位置し、古くは西部開拓の前哨基地でした。1960年に入るとセントルイスのアメリカ史におけるかつての 位置づけを物語るようなモニュメントを作ろうという話が持ち上がり、西部開拓へのゲートウェイという意味を込めて、巨大なアーチがつくられるに至りまし た。帰宅後Sueさんが自慢の日本料理を振る舞って下さいました。牛肉も餃子の中身たりえる、と知ったのはその時です。

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日曜日の朝は家族全員と教会の礼拝につれて行ってもらいました。ベス曰く「Easterはクリスチャンにとってクリスマスと並ぶ、いやそれ以上に重要な日 なの」と言っていました。日本ではクリスマスを“祝う”習慣はありますが、イースターは祝いません。アメリカでは他の国では祝わない感謝祭thanks giving がありますし、南欧のある国では子ども達がプレゼントをもらうのはサンタクロースからではなく1月6日の東方の三博士Three Kingsからです。こうしてみると、日本も含め、キリスト教の受容のされ方の多様性を考えさせられます。

2月上旬より治療済みの歯が再び痛み始め、授業の負荷を減らし1週間~2週間日本に帰国するというトラブルもありましたが、

最後の一ヶ月を勉強も課外活動も思いっきり取り組んできます!

JICの皆様、これからも宜しくお願いいたします。

西村崇さんの2007年4月奨学生レポート

006年度奨学生4月レポートの第4弾は西村崇さんです。西村さんは日常の出来事からアメリカという社会について深く考えたり、アメリカの特徴ある場所を訪れたりしています。とても興味深い西村さんのレポートを、どうぞお楽しみください。

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陽春の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。JICの皆様はいかがお過ごしでしょうか。ここアーバナ・シャンペーンでもようやく春が訪れ・・・ と言いたいところですが、3月中旬~下旬に2週間ほど暖かくて天気のいい日々があったのを最後に、どんよりとした雲空と最高気温10度以下の日々が続いて 冬に逆戻りしたような気分です。この帰国までの短い日々の中で、ここの澄み渡った青空を見る機会があまりないのだなと考えるのは少々憂鬱です。しかし、そ の寒空の下では先学期にも増して充実した日々が過ごせているという自信があります。

今回のレポートでは、春学期の日々の生活から、春休みのアメリカ国内旅行についてお話していきたいと思います。

<授業>

今 学期は、SOC226 Political Sociology, SOC367 Globalization Dynamics Debates, SOC 380 Social Research Method, SPCM323 Argumentationの4つのクラスをとっています。今学期は授業以外の活動に時間を使いたいと思い、クラスのレベルを上げる代わりに授業数を減ら して金曜日を完全休日にしました。先学期に勉強に集中して取り組んだ分だけ、同じ時間で処理できる課題の量が以前に比べて大幅にアップした感覚があり、少 ない勉強時間で成績を維持することが出来ています。もっとも勉強以外に費やす時間が大幅に増えているので、相変わらず睡眠不足の日々は続いています が・・・さて、上の授業の中からお気に入りの授業2つについて紹介したいと思います。

・SOC367 Globalization Dynamics Debates

冬 休み中に参加したドミニカ共和国での短期プログラムの影響で、Globalizationという現象が世界各地にどういう影響を与えているのだろうかとい うことに興味を持ち始めていたので、またせっかく留学しているのだからアメリカ人や海外の大学生とひとつのテーマについて討論する機会を持ちたいと思い、 今までほとんど縁の無かった分野の授業をとってみることにしました。そして結果的に、この一年で一番面白い授業に幸運にもめぐり合うことが出来ました。教 官はイラン革命に参加したこともある中東出身の方で、せいぜい20世紀後半ぐらいから、あるいは先進国の視点から語られがちなGlobalization という現象やそれが及ぼした影響を、歴史的な観点からあるいは発展途上国などの視点から批判的に捉えなおしていくという講義をしてくださいます。授業のタ イトルの”Debate”の意味は「研究者・識者間の論争」というもので、残念ながら授業中に学生同士が議論するという機会があるわけではないのですが、 それでもなお、これからの世界を考えていくうえで、あるいは日本国内の問題(例えば、フィリピン人看護士受け入れ問題)を考察していくうえでも貴重な視点 が得られているという心地よさがあります。また、単に講義の内容だけでなく教官が授業中にしばしば発するジョークも冴え渡っていることも、この授業をより 魅力的なものしてくれています。ちなみに一番の私のお気に入りのジョークは、多国籍企業や先進国がどういう場所に投資するかというトピックについて講義し ていた時に、イラク問題に関連させて教官がおっしゃったものです;”You know, people do not want invest their money in unstable places because of the fear of losing money. Or, you should be Dick Cheney”

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・SPCM323 Argumentation

先学期に履修したSPCM101 Public Speakingの授業が、英語のスピーチの練習をするうえでもどのようにスピーチを書いていくかを学ぶ上でも役にたったことから、今学期も何かしら Speech Communicationの授業をとりたいと思いましたそこで自分がどちらかといえば苦手としている議論のやり方などを学べればよいと思い、上記の授業 を履修しました。授業が始まる前は、ディベートなどの口頭での議論を練習していく授業を想定していたのですが、実際に始まってみると、媒体を問わずいかに して有意味な議論をつくりだしていくかということに主眼が置かれ、課題の内容も、新聞への投書作成から巷で論議を呼んでいる話題について紹介するプレゼン テーション、「トールミンモデル」と呼ばれる議論の形式に関する理論を用いて先日アカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画『不都合な真 実』(“Inconvenient Truth”)を批評する課題、ディベートなど多岐にわたり、様々な切り口から議論の深め方について学んでいけてとても楽しいです。人生で初めて出した投 書がシカゴ・トリビューン紙のWebサイトに掲載されたことは、ちょっとした記念になりました(笑)

また、この授業を履修していて印象深 い点は、決して単なるスキルの修得に終始していないことです。文献課題の大半は修辞学などの分野での主要な論文で、”Argumentation”の定 義・適用範囲や過去と現在を比較して議論画タイプ別に社会に対してどのような影響を与えうるのかといったトピックを扱っています。これらの文献課題を読ん でも、上手な議論の進め方が分かったり説得力のある文章を書くためのヒントを得られたりというように直接的な利益があるわけではありません。ただ、このよ うな作業を通していくことで、表面的なスキルを修得するだけでなく良質な議論の受容者、発信者になることを目指していくという授業の方針は、アメリカの大 学での授業はとにかく実践的なものが多いというステレオタイプを持っていた私には少なからず衝撃的なものでした。それと同時に、日本の現状に対しても若干 危機感を覚えるものでした。単純に言ってしまえば、日本の風潮として、実践的なことを学ぶことばかりが奨励されて、理論的なものが軽視されていると個人的 に感じています。しかし、もし理論と実践の両方をこなしてきた者が競争相手となったのなら―そして振り返ってみれば、UIUCで受けた授業の大半は両方こ なすことを求められていましたが―、(大げさに言って)日本人は果たしてこれからも立ち向かうことが出来るのだろうかと疑問に感じています。この点につい ては、できれば最終レポートで考察を深めたいと思います。

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<課外活動>

上の方でも述べましたが、今学期はなるべく授業以外のことにも時間を割こうと思い、時間を見つけては外に出て何らかのプログ ラムに参加したり、寮の友人達と様々なトピックで話をしたりしています。今回のレポートでは、その中からIllinois Leadership Center主催の”Insight”というプログラムについてご紹介したいと思います。

・”Insight”プログラム

イ リノイ大学では、”Illinois Leadership”というなるものを大学の一つの誇りとしていて、学部の授業としてはアメリカでもこの大学独自の授業といわれている ”Introduction to Leadership”という授業もあるなど、Leadership教育を充実させています。その教育の中心にあるのがIllinois Leadership Centerという機関で、学生に対して様々なプログラムやインターンシップの機会などを提供しています。メインプログラムとしては全部で5つあるのです が、その全てが大学の卒業生や民間企業による寄付金で賄われているため、驚くべきことにホテルへの宿泊を含むプログラムですら参加費用は全て無料です。そ のため学生の間での人気も非常に高く、参加者の募集が始まるとすぐにFullになってしまうほどです。このプログラムの存在を知って以来、自分も参加する 機会を伺っていましたが、先日ようやくその願いを実現することができました。

私の参加したプログラム”Insight”は、グループワー クやワークシートへの作業を通じていわゆる自己分析を1泊2日かけて行うものです。JICの奨学生に選出されるまで就職活動をしていた者としては、残念な がらプログラムの内容自体には目新しいものを感じませんでしたが、プログラムの充実度には感心しました。会場までは高速バスをチャーターして、一泊数十ド ルはするだろう中級ホテルを何十室も借り切って宿泊し、食事・軽食なども無料、性格診断なども受けさせてもらえて、最終的には参加者全員がプログラム参加 記念の写真立てをプレゼントされるというように、いったいどれほどのお金と時間が準備と実行に費やされているのだろうと思います。これだけのプログラムな のに参加費用は無料ということに、イリノイ大学の学生はいかにめぐまれた環境で生活を送っているのだろうということを改めて知らされました(もちろん、そ の分学費も高いわけですが…)

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<春休み>

春休みは、一緒に旅行を計画していた相手が直前になって遠出ができなくなってしまったために、残念ながら一人でコロラド州とネ バダ州を旅行していました。いかにもアメリカらしい場所を回りたいという単純な理由から、ロッキー山脈があるデンバーと世界最大の歓楽街のひとつであるラ スベガスにそれぞれ2日間ずつ滞在し、今は寂れてしまった町で金鉱山の歴史を誇らしげに説明する元鉱山労働者がいる一方で、途上国数ヶ国に相当するエネル ギーを消費しているのではないかと思われる街が共存しているという現実を前に、この国の幅広さを体感しました。

ただ、この旅行で一番興味 深かった時間を過ごせたのは、ある日本人女性の方と話した時のことでした。デンバーには、「さくらやスクエア」というデンバーに住む日本人コミュニティに よって運営されている共同施設や小売店が集まっている地域があるのですが、そこにある中古書店兼レンタルビデオ屋を興味本位で訪ねたところアルバイトをし ている中年女性の方とたまたま出会い、しばしお話させていただきました。その方は70年代前半にアメリカ人男性と結婚して渡米して以来、現在に至るまでの ほとんどの時間をアメリカ人で過ごされてきた方で、デンバーには80年代半ばから住んでいるそうです。長期滞在者から見た日本、バブル期に絶頂を迎えたデ ンバーの日本人コミュニティ、それに関連して日本人が起こした不名誉な事件と東洋人への偏見、そして近年の韓国人・中国人コミュニティの進出と日本人コ ミュニティの衰退、デンバーで深刻化する富裕層と貧困層の棲み分け問題・・・淡々な彼女の口調とは逆に、語られる話はどれも生々しくかつ刺激に富むもので した。お話しした時間はたった1時間ぐらいだったと思いますが、この1時間があっただけでも旅行した甲斐があったと感じさせてくれる時間でした。

以 上、春学期の生活とアメリカ国内旅行についてお伝えいたしました。奨学生の先輩方からは、春学期は時間が過ぎていくのが早く感じるとお聞きしていました が、本当にそのように思います。残り1ヶ月、授業だけならば2週間を切りましたが、アメリカを離れる最後の瞬間まで最大限に満喫して留学生活を終えたいと 思います。次回のレポートを書く頃には、既にこの留学を終えて日本に帰国している頃でしょう。次回には、留学の総括についてお送りしたいと思います。

最後になりましたが、私達の留学を支援してくださっているJICの皆様方、東京大学関係者各位、日本にいる家族や友人、そしてここで出会った全ての友人達に、この場を借りて心から感謝いたします。
2007年4月20日

西村崇

東京大学文学部
行動文化学科社会学専修課程4年

<写真>
1、気温が氷点下だった日の深夜にもかかわらず雪と戯れた後、友人達と
2、ロッキー山脈
3、ラスベガス
4、ドミニカプログラムの友人達とバーにて