PEATA総会を5月30日に開催しました

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イリノイ大学のPEATAプログラムは、1977年に第1期生が入学し、1998年に第21期生が卒業するまでに参加された日本人は約250名に上ります。一年間の留学とはいえ、アメリカに滞在して生活する経験をしたことは皆様のその後の人生に多大な影響を及ぼしたものと推察しております。このたびイリノイ大学のPEATA事務局を勤めたCarolynさんのご協力を得てPEATAの卒業生名簿が揃い,下記の要領でPEATA総会を実施いたしました.

PEATA総会発起人代表  鈴川(第1期)・小峰(第8期)・野澤(第12期)

  • 日時 2009年5月30日(土)
    • 16:00~18:00  PEATA総会
    • 18:00~二次会(期ごとの個別会)
  • 場所 銀座クルーズクルーズ (銀座数寄屋橋交差点そば)
  • 住所 東京都中央区銀座5-2-1銀座東芝ビル8F 電話03-5568-7770

PEATAに関する連絡はEmail(komine@gakushikai.jp PEATA事務局小峰宛)にてお知らせください。

2008年度奨学生レポート(森本 なずな)

JICの皆様、お元気でしょうか?日本はもう桜が咲き終わってしまうころでしょう。こちらはだいぶ暖かくなり10度を下まわるような日も少なくなってきました。外に出て空気を吸うたびに春が来ているなと感じます。それと同時に日本に帰る日がどんどん近づいてくるのだと思うととても切なくなります。残りの日々を大切に、悔いが残らないように過ごしたいと思います。さて、今回のレポートでは授業、日々の生活での出来事、春休みについてご報告させていただこうと思います。
①授業について
今学期はESL115(writing)、Child Psychology、Gender and Women’s Studies in The Social Sciences(GWS260)、Sex and Gender in Popular Media(MS356)の4コースを履修しています。中でもメディアのコースは今まで取ったことなかったのでとても興味深い授業となっています。授業では毎週のテーマに沿って、週の初めの授業でフィルムを見て、ジェンダーを中心にクラスや、文化、人種についての描写を議論します。毎週使うフィルムは映画やドキュメンタリー、またYoutubeやMTVからコマーシャルやミュージックビデオといった最近の映像も取り入れられているのでとてもおもしろいです。こういうフィルムを使った授業は本当にアメリカでは進んでいるなといつもとても感心します。また、先学期のジェンダーの授業は政治を中心に学び文献も難しく、初めてジェンダーの授業を本格的にとる私にとっては本当に大変でしたが、今回のMS356では日々私たちの触れるメディアでどのようにジェンダーやその他の社会的概念がつくられて行くかを学ぶので、毎日テレビや映画を見るたびにその映像について何らかのコメントを見つけられ、とても興味深い授業となっています。アメリカ人の学生の中でもジェンダーについての意見は本当にいろいろ分かれていて毎回の授業で自分の意見にそってのコメントを発言するので、人それぞれの個性がみえる授業となっています。

②日々の生活
今学期はとてもゆったりとしたスケジュールになっているので、先学期のように毎日勉強に追われているということはありません。実を言うと、先学期のジェンダーの授業がとても大変だったので今回はジェンダーから2つもとるからあまり授業を取らないでおこうと考えたのですが、課題の量や質は先学期ほどではなく後でもう少し頑張ればよかったと後悔しました。しかし、日々ルームメイトや仲のいい友達と時間をつくり、会って話すことができるので、本当に生活をEnjoyしています。その中でもセイントパトリックのUnofficial Dayとコスモが主催者の一部となったInternational Dinner Partyはとても思い出に残りました。

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そのUnofficial Dayは、3月6日の金曜日で私はお昼からテストがあったので、夜中に勉強して遅めに起きようと考えていたのですが、朝の8時には通りと隣のアパートメントからの騒ぎで起こされてしまったほど、学生はみな朝から飲んでよっていました。授業に行く道では本当にみんなといっていいほど緑のTシャツを着ていたり、緑のペインティングを顔にほどこしたりしていてお祭り騒ぎでした。私の授業はテストだったのでさすがに酔ってからくる生徒はいませんでしたが、キャンパス内には酔った生徒がたくさんいるといった状態でした。その日は特にとても暖かく半そでで十分という気候だったのでバルコニーやポーチ、いたるところでみんなパーティーをしていました。私も友達とテストのあとバーに繰り出しましたが、さすがにセイントパトリックデーにちなんだ緑のビールは飲む気がしませんでした。このような行事は日本ではないので本当に貴重な体験となりました。

International Dinnerは3月15日にYMCAで行われました。これは私の住んでいるコスモが他の組織と共同でチャリティーのために料理を振る舞い、またショーなども行われました。私たちこすものメンバーは料理を作ったりサーブするのを担当しました。私も日本料理を作らないかと誘われたので、その日は3時から買出しに行き、4時から料理を作り、5時から浴衣を着て6時にYMCAにいくという大変なスケジュールでした。悩んだ結果お好み焼きとゆかりご飯を作りましたが、大量な料理をたくさん作るのは本当に大変でした。しかしおいしかったといってもらえとても嬉しく、また久しぶりに浴衣を来てとても気分がよかったです。4月16日にはコスモでJapanese Coffee Hourがあるのでそれのためのいい経験となりました。

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③春休み
3月21日から29日までの春休みは以前から仲のいい友人とNew Yorkに行きました。NYでは美術館に行ったりショッピングをしたり、ショーを見たり本当に盛りだくさんの日々を過ごしました。その中でもブロードウェーショーは本当にすばらしく、さすがだなあという感じでした。私たちはオペラ座の怪人を見たのですが、舞台の細工は一刻として同じことはないというほど考え抜かれ洗練されており、またショーの衣装は豪華で美しく見事でした。また、ワールドトレードセンターの跡地も訪れ、ビルが迫って建っているビジネス街にぽかんと広大な土地が開いており、ここで世界を大きく変えるような出来事が起こったのかと思いしばらく呆然としてしまいました。このほかにもCentral Parkから眺めるNew Yorkの町並みが美しかったり、美術館やギャラリーの芸術がすばらしかったりと心動かされることばかりでした。

これからはグループワークの発表やFinal Examが待っています。どれも早く終わらせてしまいたいことばかりですが、これら一つ一つのことを終えるごとに帰る日が近づいてきてしまいます。一日一日を大切に、アメリカで過ごせる残り少ない日々をすべて思い出に残せるように内容の濃い日々を送りたいと思います。

神戸大学4回生
森本なずな

写真解説
1、International Dinnerにて
2、Coffee Hourにて

2008年度奨学生レポート(武友 浩貴)

JICの皆様ご無沙汰しております。シャンペーンは少しずつではありますが暖かくなってきております。いろんな意味で刺激的だった留学生活も6週間余りとなりました。春学期開始からスプリングブレイクまでの近況報告をさせて頂きます。

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<春学期>
今学期は自分の専攻の中でもとくに、専門分野に近い授業を多くとることにしため、とっている授業全てが構造に関する授業になっています。CEE470はStructural Analysisという授業で、構造分析に関する理論を徹底的に学びます。この授業の良い点は、実際に紙とペンを使って構造を分析するということは勿論のこと、それと平行してMATLABというコンピュータプログラムを用いることで、授業で学んだ理論が実際にどのように応用されるかということを学ぶことができます。毎週のホームワークは結構なボリュームですが非常にやりがいのあるコースです。ちなみにMATLABはイリノイ大学の学生であればただでライセンスをもらうことができ、自分のコンピュータにインストールすることが可能です。

CEE360はStructural Engineering で、実はCEE470を受講するための必須科目なのですが、同時に両方とることが可能だったので、今学期に受講することにしました。実際は日本で学んだ構造力学の授業の内容とほとんど同じだったのですが、内容がとても濃く、新しく学ぶことも非常に多いです。このコースもとてもやることが多く、忙しいですがCEE470と同時にとることで構造力学に関する理解が相乗的に深まります。

CEE461はReinforced Concrete というクラスです。このクラスではReinforced Concreteのデザインのやり方や、その性質を学びます。このクラスの教授は非常にユニークな人で、授業中にYoutubeを使って彼のチームが行ったコンクリートの破壊試験をいくつか見せてくれました。彼はテキスト以外のことも詳細に教えてくれるので非常にわかりやすいです。ちなみにオバマ大統領の就任式が行われた日、授業中にも関わらず、教授がスピーチをオンラインで見せてくれたことはとても印象的でした。CEE461のもう一つ興味深い点は、ノートの提出を求められるということです。春学期の最後に各自をノート提出しどのように要点をまとめ、どれほどの内容を自分でカバーしたのかということがチェックされ、採点されます。ノートが全体の成績の20%を占めるため、きちんと整理されたノートをつくることが重要です。これらの科目は中間試験が二回以上あり、休む暇がありません。しかしハードなコースは非常に学ぶことが多いため後悔はしておりません。

最後にCEE498というコースを紹介します。これはIndependent studyと呼ばれており、担当の先生に指導してもらい論文を書くと言うコースです。僕の場合、自分の決めたテーマについて約35ページの論文を書きます。アメリカの大学では論文を書くことは卒業要件ではないことが多いのですが、僕はぜひこちらでリサーチをしてみたかったため、受講しました。論文のテーマは”Financial analysis of construction companies and economic research on construction industry” です。Civil Engineeringに直接関係するトピックではないのですが、担当の教授が認めてくれたため実現しました。内容は米国における金融危機がアメリカの企業にどのような影響を与えたか、そしてこれからの展望についてのリサーチです。企業のバリュエーション方法は金融に関するテキストを用いて独学しています。国際的経済危機にまで発展したこの金融危機ですが、本論文ではアメリカのローカルな経済問題にフォーカスしています。よってCaterpillar (本社はイリノイ州のPeoria という街にある)などローカルな雇用問題に直接関係する大建設会社をメインに分析し、よりローカルレベルでの経済分析ができればいいと考えています。4月末が締め切りですのでこれから忙しい日々が続きそうです。第一回の中間試験が一段落したころ、友人にあうためにシカゴに二度目の訪問をしました。今回はArt Institute of Chicago という美術館に行ってきました。以前から一度は是非行きたいを思っていたのですが、以前のシカゴ訪問では行きそびれていました。今回は多くのすばらしいヨーロッパ近代絵画を見ることができ非常に満足しました。

<スプリングブレイク>
今回のスプリングブレイクは特に旅行をしたわけではなく、セントルイスにあるWashington University で論文の執筆などに勤しんでおりました。Washington University ではRelay for Life というボランティアに参加しました。このイベントはガンに関する知識を広めるため、よりよい治療法のためにボランティアを集い、夜6時から朝の6時までグランドを歩き続けるというイベントです。僕の友人がイベントのリーダーをしていたこともあり参加したイベントでしたが、ガンに関する知識や、それがもたらす恐ろしさや悲しさを学ぶことができとてもいい経験でした。

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これからファイナルまでは論文や中間試験であっという間だと思いますが、最後まで精一杯頑張りたいと思います。JICの皆様、友人、そして家族への感謝の気持ちを忘れずにこれからも精進していきたいと考えております。

武友 浩貴

写真解説
1、シカゴにて
2、Relay for life のキャンドル点火の写真

2008年度奨学生レポート(椿 晴香)

JICの皆さま、日本では年度変わりのお忙しい頃と存じますがいかがお過ごしでしょうか。研究室の4℃の冷蔵室に入った時に暖かく感じたほど外が寒かった1月からあっという間に花が咲き始め、3月も終わりになってしまいました。帰国後の計画を本格的に考えなくてはならなかったり、春休みはどうするの?に加えて、学期が終わったらどうするの?という会話が出てき始めたりと、残り時間を意識するようになりました。今回は留学期間もまだ半分あると思っていた春学期前半から春休みまでのできごとをご報告致します。

☆授業

春学期の授業も半ばを過ぎました。今学期はGEOL 333 Earth Material and Environment、GER 101 Beginning German 1、GER 199 Undergraduate Open Seminar (German Choir)、CPSC 483 Outreach Education Skills、NRES 487 Soil Chemistry、HIST 142 Western Civilization since 1660を履修しています。週1回2時間しかないクラスも二つあり、科目数の見た目よりはコマの数は少ないのですが、研究室での作業も引き続き続けているためなかなか忙しくなってしまいました。さらに、高学年向けの授業が多くなり、西洋史の講義以外は6~20人程度の少人数クラスになったため、毎週の小テストがマーク式でなく記述になったり、各先生方が名前で学生を覚えて下さったりと、真面目に取り組まざるを得ない環境になったので、ますます大変です。

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復学後は研究に没頭することになると思うと事実上最後の学部の授業になるので、専門の科目やイリノイで深めたいと思った土壌学の他に、日本の大学の教養課程の時に学びきれていなかったものを学びたいと、ドイツ語をやり直し、近現代史を履修することにしました。特に、西洋史の授業は20世紀世界史が面白いという旧友の勧めだけでなく、11月の大統領選の時に研究室の先輩と日本の人はアメリカのことが嫌いなのかしら、という話をしたことがありアメリカ人の歴史観に触れてみたいという意図がありました。中間試験も終わったにも関わらず慣れない科目もありますが、どこか発見があり考えさせられる授業は面白いです。

忙しい中、息抜きになっているのがGerman Choirです。これは正式な科目の一つとして加わったのですが大学生のメンバーは私一人、他は社会人で合唱のベテランの方々ばかりでした。しかし、たった一人の学生でしかもアジア人の私を温かく迎えてくださいました。このメンバーの良いところは、お子さんの就職状況などの話が出てくるなど大学生との会話ではわからない社会情勢が少し見えるところです。高校まで音楽が比較的盛んな学校に通っていたため、ドイツ語だけでなくラテン語の宗教曲が出てきても幸いにしてそう困らず、初めての混声合唱を純粋に楽しんでいます。2時間のまとまった練習も英語での歌の指導も経験がなかったので慣れるまでは少し戸惑いましたが、大きな声でソプラノの高い音を歌うと気分がすっきりします。4月末の発表会を楽しみに練習しています。

☆新学期徒然

春学期が始まり、1月後半はこれもまた体験と思いつつ、どういうわけだか娯楽の多い日々を過ごしました。Super Ball(アメリカンフットボールの年1回の大きな試合)をテレビで見ながらトランプをするパーティーをし、アカデミー賞発表の前だからか今までにないほど友人たちに誘われて1月だけで4回(そのうち冬休み後の2週間で3本)映画を見るなど。この間に見た映画の一つ『Yes Man』には、留学を希望する前から今までの自分の姿勢を振り返させられました。どんな機会も逃さずとりあえず「Yes」と答え、いろいろなことに挑戦することが果たして最もよいことなのか。もちろん、私の場合はそんな主人公とは異なり自分なりに考えた上で選んできたことですが、「挑戦」と「無難な道」との間の選択で、後悔していないかどうか。高校時代に芸術家の岡本太郎さんの言葉を聞きました。「私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた。」、そして「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ」と。結論は留学期間が終わるまで持ち越しかもしれませんが、この冬は改めて今までの選択を振り返る時となりました。

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日本で言うところの四月病(新学期にやる気になりすぎること)、五月病でもないでしょうに、1月末から2月前半は何となく憂鬱な日々になってしまいました。きれいですらあった雪は数日の南風で融け、道は水浸し。雪どけ水は地球をめぐる水循環の大切な一要素とは思えど、実際に体験するとちっとも気持ちのよいものではありません。また、日本の同級生たちは卒業論文を仕上げて春には次の道を歩もうとしているときに私はまだ授業を受けるのみの学部生。それでも精一杯学ぼうと楽しみにしていた時間割なのにどこか日本で聞いた話ばかりで充実感がなく、イリノイに来てもう半年になるのに未だに先生やTAの英語が日によってはさっぱりわからず、やはり日本で勉強をつづけた方がよかったかと思うことさえありました。アメリカ風バレンタインデーについて話していた人たちにはたまたまアメリカ人留学生に関わらず家族と同居している人が目立ち、親族が恋しくもなりました。一時帰国をさえ考えましたが授業や宿題を休まずに帰省するのは難しく断念せざるを得ませんでした。そんな時に構内でばったり同期奨学生の本間さんに会いました。忙しい中、昼食がてら日本語でのおしゃべりにつきあってくれ、それだけで気分が随分変わりました。心からありがたかったです。親しい人との日本語での会話が、こんなにも助けになるとは想像だにしていませんでした。新たに日本人の友人を増やすほど社交的でもない私にとっての数少ない仲間、JICの仲間と一緒に留学していて本当によかったです。

その後は雪のなく汚らしい景色にも授業にも慣れ、落ち着いた日々を過ごすことができました。日本で習得した偏光顕微鏡を使って岩石を鑑定する実習も、またかとつまらなく思うのではなく、ペアの子がわからないと言った瞬間に英語で説明できると快感、私でなく後ろの子に聞き始めると、もっと上手い説明はないかと考えるなど、前向きに考えることができるようにもなりました。ちょうどこの頃から、言語学専攻でドイツ語と日本語ができるかねてからの友だちと3カ国語でおしゃべりをするようになり、他愛もない談笑が何とも楽しかったです。悩みは絶えそうにありませんが、自分で選んだ留学という無難ではない選択肢を楽しんで過ごすことができたらと思います。JICの方々を初め、たくさんの人たちのお世話になっているということも励みにし、日々を大切に生きていきたいです。

☆課外活動

今学期も寮のMA(Multicultural Advocate)さんやRA(Resident Assistant)さんが各種イベントを主催しています。彼女たちの人格によるところも多いのですが、私と年齢が近いこともあり日ごろから親しくしているので、都合がつく限り参加してみました。参加者はあまり多くなかったのですが、小正月のお祝いやダンス教室(写真Busey3)はよい気晴らしになりました。

土曜日には隔週で地元のUrbana Park Districtが自然公園の整備のボランティアを募集しています。もとからそのような活動が好きだったのと11月に参加して楽しかったため、宿題や試験勉強が少ない日には行くことにしました。作業中の気温が華氏10度台(摂氏-10℃ほど)のような寒すぎる日には中止になりましたが、0℃前後の日に外で2時間働くのは楽とは言えません。体を動かすとはいえ、息が切れるほどは動かないので。しかし、地元の自然のことを知り外来種駆除に少しでも加わる機会があるのは、一般の住民にとってもよいことだと思いました。2月に参加したときには草原にもともと生えていない種類の木を公園の係の人が切り、私たちボランティアは切り出した丸太をひたすら運びました。次の整備の時に野焼をするとのことでした。(写真:Weaver Park)

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春休みには、冬休みにも参加したAlternative Spring Breakという団体でオハイオ州のエリー湖の畔にある公園整備のボランティア旅行に参加しました。公園整備ということだったので上記のUrbanaの活動の拡大版かと想像していましたが、実際はスキー場の貸靴の片づけ・ビジターセンターの部屋の模様替え・砂浜の流木を取り除くなどレクリエーション施設の整備が主な仕事でした。その他には農場で果樹園の剪定のお手伝いが私にとってはアメリカでの初の農作業で新鮮でした。イリノイとあまり変わらず外仕事がつらい気温ではありませんでしたが、終日となると大仕事をした気分になりました。しかし、フリスビーのコースを新設するための試行と称して半日は実質遊んでいたり、仕事後に森に連れて行って下さったり、掃除をした湖で貸しカヤックを無料で使わせてくださったり(写真:Lake Erie)、半日の休みには近くのCleveland観光に行ったりと、気候のよいところや実家に遊びの旅行に行った学生たちをうらやましく思わないほど遊ぶ時間もありました。

このボランティアは普段の大学生活では知りあわないような学生に出会えることが大きな魅力です。アメリカ人と寝食を共にする点は、ルームメイトと暮らす日々と大して変わりませんが、一緒に活動をすることで今までのアメリカ人に対するイメージが少し変わりました。女子寮で暮らし、冬休みの旅行も女子ばかりだったのに対し、今回は男子学生も多かったこともあるかもしれません。私にはとても真似のできない人格者なのに身だしなみもお行儀も日本の知り合いと比べてまるでなっていない人がいるかと思えば、普段は愉快なのに公園のベンチに土足で上がってはいけないと思うと真顔で言う人がいるなど。適当な人ばかりではないことがわかりました。

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この2ケ月の活動のどれも、日本で忙しい大学生活をしていた頃にはできなかったことばかりで、授業以外のことにもこれだけ精を出すことができるのは幸せなことだと思います。残りの1ヶ月は、最終発表ラッシュで、学業中心の日々になりそうです。ぼんやりしているとあっという間に過ぎ去ってしまいそうな短い間ですが、やり足りないことに挑戦し有終の美と言えるようなひと月にしていきたいです。JICの方々、また他の関係者の方々、引き続きお世話になりますがよろしくお願いいたします。

東京大学理学部地球惑星環境学科4年 椿晴香

写真解説
1、Quadの小型除雪車です。
2、Busey Hall(寮)の3階の住人たちでダンス教室に行きました。
3、Weaver Parkです。球戯場として開発する計画もありましたが、遊水池にもなる公園として保存することにしたそうです。
4、ASBのメンバーとエリー湖でカヤックに乗りました。私は中央寄りの黄色のボートに乗っています。

2008年度奨学生レポート(本間 奈菜)

Japan Illini Clubの皆様、いかがお過ごしでしょうか?一橋大学法学部4年の本間奈菜です。このたび、3回目の奨学生レポートをお送りします。長いシャンペーンの冬も終わり、ときおり寒い日もあるものの、晴れの日にはQuadで勉強する学生も増えてきました。と同時に、私たち2008年度JIC奨学生の留学期間も、残すところ2か月弱となりました。今回は、今学期の授業や課外活動の様子(ボランティア、春休みのワシントンDC~ニューヨーク旅行)、そしてこちらで仲よくしている友人たちについてご紹介したいと思います。

<Spring Semester の授業>
前回のレポートでも軽く触れましたが、今学期履修している授業は、”Political Science 230 Introduction to Political Research”, “Political Science 241 Comparative Politics in Developing Nations”, “Political Science 358 Comparative Political Behavior”, “Global Studies 296 Understanding Global Water Issues”, “Global Studies 296 Citizens and Citizenship in the Era of Globalization”, “ESL 110 Pronunciation” の6クラスです。先学期よりもクラス数も多く、また授業自体が積極的な参加が求められるものや毎回課題がある授業が多く、必然的に今学期は勉強中心の生活になっています。

PS241は、私の住んでいる大学寮Pennsylvania Avenue Residenceで開講されている授業で、Mohandus Gandhi の孫であるRajmohan Gandhi教授が教えてくださいます。授業自体は、板書もハンドアウトもなく進行するので留学生には難しいですが、先生はフレンドリーで学生の意見を積極的に授業に反映してくださいます。受講している学生も、約半数は、私と同じGlobal Crossroadに住んでいるので、中間テスト前は、連日皆でラウンジで勉強会を開きました。私は皆に教えてもらうばかりになるかと思ったのですが、日本で受けてきた授業等の知識で皆を逆に助けてあげることもでき、study groupに貢献できたことは自信になりました。

PS230は、今学期で一番難しい授業です。 統計データを政治学の論文に用いるための「初歩的な」(教授曰く)ソフトウェアの使い方を習うのですが、毎回の課題をこなすのが本当に大変で、他の学生といつも苦労話が絶えません。私にとっては英語とコンピュータ言語の二重苦ですが、アメリカ人の学生でも、政治学専攻で統計を使った経験のない人がほとんどなので、ここでもあまり気後れせず、グループワークでは同等に働くことができ、難しいですが充実しています。やりたいことを思うようにソフトウェアで表現できるようになったときの達成感はなんともいえませんし、教授もTAも手助けしてくれるので、最終課題のリサーチペーパーも頑張って書き上げたいと思います。

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<Spring Semesterの課外活動>
☆ボランティア
忙しい授業の合間に気分転換のよい機会となっているのが、Krannert Center Student Associationで今学期始めたusheringの ボランティアです。これは、Krannert Center for the Performing Artsで行われる様々なパフォーマンスに、座席案内の係員としてボランティアをする代わりに無料で鑑賞できるというものです。もともと、人を案内したりもてなしたりする仕事が好きなので、パフォーマンスを見に来るアーバナやシャンペーンのコミュニティの方と交流できることも大変面白く感じていますが、なにより、今までも行きたいと思いつつなかなか行く機会のなかったクラナートセンターでは、本当に様々な公演が組まれており、改めてイリノイ大学の恵まれた施設と、提供されている機会の幅広さに感動しました。先月は、アクロバットと無声演劇を組み合わせたカナダのサーカス団のパフォーマンスで見ることができ、満員のお客さんと一緒についショーに見入ってしまいました。

☆旅行
先週21日から今日29日まで、イリノイ大学は春休みでした。私は、一人でワシントンDCにて二日間過ごした後、長距離バスでニューヨークに向かい、日本から訪ねてくれた友人と合流し、しばし学業とも静かなシャンペーンとも切り離された生活を楽しみました。
DCでは、国会議事堂やホワイトハウスなどアメリカの行政を担う機関や、アメリカ国会図書館、スミソニアン博物館と総合して呼ばれる、巨大な博物館群や歴代アメリカ大統領の記念の建物などを訪れました。驚いたことに、DCにある博物館の入場料や、国会議事堂等の内部見学ツアーはすべて無料です。DCのどこにいてもアメリカという国の歴史や精神を感じることができ、素晴らしい二日間でした。特に、博物館でのリンカーン特集やリンカーン記念館は、イリノイ大学に学びなんとなくですが親近感があるため、大変興味深く見ることができました。
NYでは、観光スポットに加え、国際連合本部と世界貿易センタービル跡地を訪れたことが、この旅行で最も印象深いことの一つです。同行した友人も、同じく一橋大学で国際関係論を学んでいたので、こうした機会を通して多くのことを考えさせられ、アメリカで感じること、日本に対して考えることなどの議論にも発展しました。しかしやはり、ニューヨークは、シャンペーンともシカゴとも違い、夜遅くまで通りが賑やかで、交通手段もお店も便利でやはり大都会は違うなと思いました(笑)当初はどんな犯罪に巻き込まれるかわからない、とかなりびくびくしていたのですが、堂々としていれば却って危なくないのだと気付き、積極的に歩き回ったり人と話したりしました。3日4日と過ごすうちに、静かで集中できるシャンペーンが恋しくなりましたが(笑)、残り2か月を充実させるための、良い充電期間になりました。

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もともとの旅行の目的であった大学院訪問も、国際政治で有名なGeorgetown University, Columbia University など、二都市合計で4か所行くことができました。百聞は一見にしかずといいますが、授業の様子や学生の雰囲気など直に見ることができ、自然と大学院への意欲が高まりました。

<U of Iの友人たち>
最後に、こちらで仲良くしてもらっている友人たちについてお話したいと思います。最近よく感じることなのですが、私はこちらイリノイに来ても友人に恵まれており、彼らにいつも助けられています。香港や中国などから来ている留学生の友人たちは、授業や英語やアメリカでの暮らしなどに関する私の悩みを聞いてよく理解してくれますし、アメリカ人の友人は、Nanaが外国で、外国語で頑張っていること自体がgood tryだよと、いつもポジティブにはげましてくれます。授業の合間に彼らとおしゃべりをして過ごすのが、今の私にとって一番のリラックス方法です。政治学専攻以外の友人が多いのですが、みなそれぞれ違う将来へのビジョンを持って勉強に取り組んでいる姿勢から、学ぶことはたくさんあります。

また、日本に対して深く理解してくれていたり、よく知らなくても興味を示してくれる人がたくさんあり、それが接点となって友人が増え、大変うれしく思っています。半年私がこちらで過ごす間に、私や他の友人に影響され、日本語を習い始めた友人は片手では数え切れません。イリノイ大学での留学期間自体はあと2か月弱で終了してしまいますが、ここで得た一番の財産である、人とのつながりは、それ以降も持続させたいと強く思います。日本に留学や旅行にくる予定の友人も多いので、こちらで私が助けられた分、今度は私が彼らの力になりたいなと思います。

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最後になりましたが、イリノイでの友人だけではなく、日本から送り出してくれた友人や家族、そしてなにより、このような機会を与えてくださり、そしていつも温かく応援してくださっているJICの皆様には本当に感謝してもしきれません。大学内で過ごしていても、旅行の際などに大学の外に出てみても感じるのは、イリノイ大学という素晴らしいチャンスの宝庫に学ばせていただけることの貴重さです。ひとつも心残りのないくらい、残りの期間を120%のつもりで充実させていきたいと思います。

本間奈菜
一橋大学法学部4年

写真解説
1、バスケの試合を見に行きました!
2、NY、国連本部総会議場にて
3、Global Crossroadのパーティにて。真中にいる中国人の女の子とは、日本のドラマで盛り上がり、勉強を励ましあう仲です(笑)

2009年度リユニオン・パーティ(旧称:年次総会)は7月4日(土)@国際文化会館

今年度から,懐かしい仲間が楽しく再開する会を ”リユニオン・パーティ”と名称を改めて開催することにしました.冒頭には年次総会を行い,あとはパーティです.ご家族,ご学友,みなさまお誘いあわせの上,ご参加ください.開催通知は,JIC会員の皆様に郵便または同等の手段でお送りします.住所等に変更がある方は,早めに住所変更の手続きをしてください.

JIC Newletter Archives

JICでは会員の皆様への情報提供及び相互の情報交換のため,JIC Newsletterを発行しています.編集作業はニュースレター担当理事によるボランティアにより行い,印刷と発送作業に要する経費は会員の皆様方からの会費に依存してます.JIC Newsletter Archivesでは,1年以上前のニュースレターの一部がどなたでも閲覧できるようになってます.新規に入会してくださった方には,最新のニュースレターもPDFで閲覧できるようになりますので,この機会にぜひともホームページ上から入会手続きをしてください.

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