高田修太さんの2012年1月分奨学生レポート

 

早いもので既に第二回のレポートの時期となってしまいました。前回のレポートでは、主に「生活」と「講義」について書かせていただきましたが、今回は前回カバーできなかった「試験」や「休暇」について書かせていただこうと思います。

 

本題に入る前に、宣伝になってしまいますが、現在、米国大使館後援の下で、別のブログを書かせていただいています。留学に興味をお持ちの方、小山八郎奨学制度に興味をお持ちの方など、楽しんでいただける内容を書くよう心がけておりますので、以下のリンクを参照していただければと思います。

 

 

 

http://blog.livedoor.jp/educationusa/tag/%E2%80%9CShuta%E2%80%9D

 

特に反響を頂いた記事は、留学時の経済的事情に関してのものです。学費や生活費など、アメリカは物価が安い国ではないため、やはりそれなりにかかってしまうとは思います。(ですが、勿論当奨学制度は学費は免除ですから、圧倒的に安価に済んでいると思います。)その件だけでなく、他にも色々と書いているので、是非ご覧ください。なるべく、奨学生レポートとの内容重複は避けております。

 

 

 

<講義・試験について>

 

さて、先学期に履修した講義は以下の通りです。

 

CEE472 Structural Dynamics

 

ECE310 Digital Signal Processing

 

SHS120 Children, Communication, & Language Ability

 

CEE497 Independent Study

 

(・ENG360 Lecture in Engineering Entrepreneurship

 

講義内容は前回の奨学生レポートに書かせていただきましたので、試験内容などに言及したいと思います。

 

ENG360に関しては、期末試験を受験したくなかったため、途中でDropしてしまいましたが、聴講はしていました。詳しくは前回のレポートを参照していただければと思います。

 

 

 

CEE 472 Structural Dynamics

 

 こちらのクラスは、中間試験・期末試験がありました。この他に毎週の宿題が成績に加味されます。中間試験は非常に出来が良かったのですが、期末試験では他の科目との関係で学習に時間が割けず、満足行く結果にならなかったことが残念です。試験内容は、初見の系から運動方程式を立て、振動のインプットを与えられたときのアウトプットを求める、といったものや、地震の応答などです。

 

ECE310 Digital Signal Processing

 

 この講義は昨年までECE410で、今年から数字がダウングレードされたものでした。ですが宿題内容等は一切変わらず、宿題の量・質共に一番苦しまされたクラスでした。2週間に1回ある小試験と期末試験が総合で評価されるのですが、期末試験の量が尋常でなく、3時間の制限時間をフルで使うことになってしまい、最後まで苦しんだ科目となりました。(なんと、大問が20個以上…。)

 

SHS120 Children, Communication, & Language Ability

 

 こちらの試験は、中間試験を2回、期末試験が1回というもので、全てマークシート形式でした。50問の選択肢問題であり、そこまで真面目にやらなくても、平均点以上が取れるような非常に簡単なテストでした。その他には途中のレポートや、課題図書を読んだ感想や分析等がありましたが、やはり1・2年生向けの授業だけあって、それなりの負荷でした。

 

CEE497 Independent Study

 

こちらは講義ではなく、研究です。現在、こちらの大学ではSmart Structure Technology Laboratoryという研究室に所属しており、オフィスを使わせていただいています。毎週、この研究グループのミーティングに参加して研究内容をプレゼンテーションする他、別の日に自身の研究に関するミーティングを大学院生と共に行っています。講義の課題に追われてなかなか自分の研究を進めることができないことが多く大変もどかしいのですが、なんとかアメリカでも研究生活をエンジョイしています。研究室グループのメンバーとは、週末のパーティをしたり、一緒に勉強をしたり、と仲良くやっています。

 

現在はリアルタイムハイブリッドシュミレーションというものを研究しています。「制御」の分野を勉強する必要があるのですが、自分にバックグラウンドがなかったため、こちらもなかなか思うように進まず、自分の力不足を強く感じる毎日です。

 

 

 

 

 

また、今学期は以下の講義を履修しています。

 

CEE 573 Structural Dynamics II

 

ECE 486 Control Systems

 

CS 105 Introduction to Computing with Application to Business and Commerce

 

CEE497 Independent Study(引き続き研究)

 

 

 

先学期は非常に座学が多かったため、今学期はLaboratoryのクラスのあるものを受講することにしました。はじめは4つ履修していたのですが、友人や先輩に、Laboratoryのあるクラスを4つは不可能だと言われ、さっそく1つDropしてしまいまして、現在の履修状況になっています。CEE573に関しては、大学院、ECE486に関しては院・学部共通講義ということで、大学院生の中に混ざって勉強をさせていただいています。彼らは僕と違い、大学入学時からその分野を学んできているため学習歴に3年くらいの差があり、Laboratoryのクラスなどでは非常に助けられる場面が多いのは事実なので、より精進しなくてはと思っております。詳しい科目内容については、試験等と併せて、次回の奨学生レポートにて報告させていただきます。

 

 

 

<休暇について>

 

学期中、間に1回は長期休暇があります。夏学期はサンクスギビング、冬学期は春休みといったものです。1週間以上の休暇で、かつ寮には住めなくなる(院生向けのShermanなどは住めるのですが、学部生向けの寮は追い出されてしまいます)ため、旅行せざるを得ませんでした。サンクスギビングでは、はじめはセントルイスに友人と行き、その後シカゴ郊外にあるアメリカ人ルームメイトの家にお邪魔し、アメリカならではのサンクスギビングを楽しむことができました。そこで頂いたターキーは今まで食べたターキーで一番おいしいと思えたほどで、大変楽しい時間を過ごすことができました。また、セントルイスは、非常に治安が危ない街ということで不安だったのですが、思ったほど治安は悪くなく、名物である巨大アーチを観光し、ビール醸造所でビールを飲みまくる(無料!)ということを体験し、休暇を満喫しました。その後は、シカゴ郊外のアーリントンハイツに住む友人の家に1泊しました。アーリントンハイツは日本人が多く住んでいることで有名で、Mitsuwaという日本のスーパーマーケットや日本人医者のいる病院、ヘアサロンなど、非常に日本人が住みやすいエリアです。そこで久々に髪をカットし、日本食も堪能しました。休暇の最後では、シカゴのダウンタウンへ行き、奨学生である中村さんと共通のアメリカ人の友人たちと観光をしていました。過去、日米学生会議というプログラムに参加した際の友人だったのですが、当時を思い出し非常に楽しい時間となりました。

 

 

 

(写真1:シカゴのマリリン・モンロー像で友人と)

 

(写真2:セントルイスの有名なアーチとCity Hall

 

 

 

また、サンクスギビング前ではあるのですが、インディアナ州のパデュー大学と、ボストンにも行ってまいりました。パデュー大学と言えば、近年ノーベル化学賞を取った根岸英一先生のいらっしゃる大学で一時期有名になったかと思います。今回は研究に関するカンファレンスに連れて行っていただきました。ここでは本当に自分の未熟さを感じ、悔しい思いをしましたが、更なるモチベーションにもつながったと思います。

 

ボストンでは、有名なボストンキャリアフォーラムに参加し、ハーバードの友人を訪問しました。久々に会う友人たちとのひとときは大変楽しいもので、課題に追われて疲れている日々での大事な息抜きとなりました。

 

 

 

<その他>

 

最近は、学期初めで比較的課題も少なく、空いた時間にジムに通っており、体力作りに励んでいます。もう大学4年生になってしまったため、1年生のときのような無茶(お酒に関しても、勉強時間に関しても…)ができなくなってきていることをアメリカに来てから非常に感じています(笑)そのため、ちゃんと規則正しく運動をしようと思っている次第です。このキャンパスにはARCCRCEという大きなジムが2カ所あり、主に自分はCRCE(通称「サーシー」)に通っています。筋トレマシーンやランニングマシーン、ジョギング用のトラック、ラケットスポーツ用のボックスルーム、室内サッカー場、バスケットコート、アクアティックセンターなど、これが学生なら無料で使えるというのはかなりお得です。お気に入りはアクアティックセンターで、プールやジャグジー、ウォータースライダーなどがあり、運動後のジャグジーでリラックスをよくしています。ARCには競技用プールがあり、オリンピックサイズかつシンクロナイズドスイミング用のかなり深いプールで泳ぐことができます。しかもサウナ付きです。ウォールクライミングの施設もありますし、卓球場もあります。とにかく、この田舎街で大したレクリエーション施設がない中で、このジム施設はかなり充実しており、学生の憩いの場になっているものだと思います。

 

 

 

(写真3:インターネットで見つけたAquatic Centerの写真です。青いのがウォータースライダー。)

 

 

以上、簡単ではありますが、1月のレポートとさせていただきます。1学期を終えて、思うところはたくさんあり、2学期にその反省を活かさなくては、と強く感じております。今後ともよろしくお願いいたします。

菊池智子さんの2012年1月分奨学生レポート

JIC会員の皆様、お久しぶりです。第36期奨学生の菊池智子です。

前回レポート提出時は目に色鮮やかな紅葉の時期だったと思いますが、木々の葉もすっかり落ち、いよいよ本格的なイリノイの冬到来という印象です。しかし、思っていたほどまだ寒くなく、気温は1月下旬でも日本の冬と同じくらいです(風はもちろん強いですが)。

奨学生4人とも感じていることだと思いますが、もう留学生活も残すところ半分もないのだなと思うと、本当に不思議な気分です。冬休みが明けて1カ月ぶりに戻ってきたキャンパスには以前と同じように学生が溢れ、そんな中で食べる久しぶりの寮の食事さえも懐かしく感じました(嘘だろうと思われると思いますが、事実です。今や、茹でていない生のブロッコリーやカリフラワーのサラダが好物になっています)。

ハロウィーン以来のレポートになりますが、今振り返ってみても実際には勉強や友達とのハングアウトが大きなウエイトを占めているので、「特別」という聞こえはしないかもしれません。しかし、私にとって、普段の「特別ではないこと」がいかに「特別」であるか、また、日本での「普通」がここでの必ずしも「普通ではない」ということを思い知らせてくれるということが、この留学を通して約5カ月感じてきたことです。

 

<ハロウィーン~ボストンキャリフォーラム>

前回レポートでお伝えしたのはハロウィーンの前までだったかと思います。アメリカのハロウィーンというものにイメージは漠然とありましたが、実際にどのようなものだろうと興味津津でした。2週間ほど前から段々ハロウィーンのムードが漂い、パーティーでの仮装はどうするかという話が持ち上がり始めます。寮や街もハロウィーンの装飾が多くなり、授業でも

11月中旬にはボストンキャリアフォーラムという就職活動イベントがあり、私たちもそれに参加してきました。私自身は本心から言うと大学院で勉強を続けたいのですが、一度社会というものを見てからアカデミアに戻ることも考えているため、今回は非常に良い機会でした。私は現在日本の大学を休学して来ており、日本の就職活動に参加することができませんでしたが、ボストンキャリアフォーラムでは200社弱の日本(あるいは外資)企業が3日間で集中的に採用活動を行うので非常に効率的でした。一度に様々な企業の説明会に参加したり、その場で面接を受けられる機会はキャリアフォーラム以外にはほとんどないのではないでしょうか。企業によってはその日のうちに内定を出してしまうところもあるようです。

特に就職活動時期の大学3年生、4年生は是非行くことをおすすめしますが、そうでない2年生以下でも、ボストンの街並みは必見だと思います。レンガ造りの街並みはとても落ち着いた雰囲気ですし、何よりも、シャンペーンでなかなかありつけない新鮮なお寿司を食べることができました。ボストンで唯一日本人の方が経営されているお寿司屋さんだそうです。来年以降、ボストンに行く機会があればぜひお立ち寄りください。URL http://www.osushiboston.com/

 

<サンクスギビング>

1119日~27日まではサンクスギビングで学校が休みだったので、以前から一度は行ってみたいと思っていたニューヨークに足をのばしてきました。普段生活しているシャンペーンとは全く違い、また、シカゴのアーティスティックな建築群ともまた一味違うダイナミックな街だと感じました。タイムズスクエアに行った時は夜の10時頃だったのですが、休日だったせいか人の多さとネオンの眩しさに圧倒されるほどでした。Big Appleと呼ばれるだけあり、本当に様々な人種の様々な階級の人が混ざり合っている、そういう街でした。

特にニューヨークで好きだったのは、お洒落なカフェやレストラン、バーが多かったことです。東京や大阪そして他の大都市にもそのような場所は多いですが、ニューヨークの場合特にモダンで洗練されていながらフランクで賑やかなスタイルのお店が多いと思いました。この雰囲気はBig Appleならでは、という感じがします。

コロンビア大学にも行きましたがとても素敵な大学で、街の中にありながらアカデミックさを崩さず落ち着いた空間でした。少し建物の中にも入ってみましたが思っていたより校舎も格式高い造りになっており、いつかこの大学で学ぶためにまたニューヨークに戻って来たいとさえ思える魅力を感じました。

 

<ファイナル試験>

ミッドタームやファイナル試験では「英語すらままならないのに英語で学科試験なんか受けられるのだろうか」という不安を抱えながら臨みました。しかし結果としてわかったことは、英語で試験を受けて良い点数を取るということは、英語の問題ではなく内容理解度の問題であり、やはり言語は違えど、どれだけ勉強したかによって決定するということです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、言語の面でのディスアドバンテージは言い訳にならないということを思い知りました。試験のやり方は様々で、チームでプレゼンテーションをした授業、レポート、筆記試験もあり、中にはこれらの2つ以上を課す授業もありましたが、特にチームで動くプロジェクトはアメリカ人の友達とも仲良くなることができ、ミーティング等忙しくはありましたがとても楽しかったです。

また、私は日本語の授業でTAのアシスタントをさせていただく機会があり、日本に興味のある学生たちにビジネスの場での会話を教えたり、実際に面接官としてファイナル試験ではevaluation(成績評価)にも関わらせていただきました。これもまたとない貴重な体験として秋学期の良い思い出となっています。

 

Spring Semester開始、授業内容>

いよいよ、Spring Semesterが始まりました。今学期履修しているのは以下の6クラスです。

PS101 Introduction to US Government & Policy

ECON103 Macroeconomics

BADM199/395 Entrepreneurship and Enterprise Development

ECON202 Economics Statistics

ENG360 Lecture in Engineering Entrepreneurship

CHLH465 Environmental Health

今季は前回よりもビジネスや政治といった科目に注力して履修しています。一番面白いと感じるのは BADM199/395Entrepreneurship and Enterprise Developmentです。その名の通りアントレプレナーシップを学びますが、定義やマインドセットなどの講義から始まり、実際に起業するときに必要になってくる素養や思考方法について学びます。最終的にはプロジェクトとして3~5人の班をつくり、起業計画を行う予定です。

その他に、Political ScienceMacroeconomicsの授業も取っていますが、特に政治学については文化的にアメリカの根底と言える部分を垣間見ることができるので、Reading Assignmentは多く大変ですがその分得るものが多い授業です。以前から少し感じていたことではありますが、やはりアメリカは学生でも政治への関心が高いという印象を受けます。学ぶという受け身の姿勢ではなく、様々なイデオロギーに関して進んで議論していくスタイルの授業で、4か月経った今でも自分はまだまだだと痛感させられる瞬間です。そもそも日本にいるときはあまり政治に関心がなく、選挙もただ何となく行っていたのですが、アメリカでの選挙というのは国の一大イベントであり(現在もちょうどその期間ですが)、国民それぞれがポリシーをもって政治に参加しているようです。違う国の政治を勉強するにあたって、自分がいかに自国の政治について無知であるかも身をもって感じることができました。

春学期はまだまだ始まったばかりなので、これから自分なりの要領を模索していいペースで勉強に取り組んでいけたらと思います。

いつもレポートやビデオを楽しみに見てくださるJICの皆様の存在は、アメリカ生活で日本とつながる大きな心の支えになっています。残り4カ月を切りましたが、後悔の無いように、日本に帰って良い報告ができるように頑張ります。