Japan Illini Club is a registered alumni association overseas of the UIAA (University of Illinois Alumni Association). Japan Illini Clubは米国イリノイ大学(Urbana-Champaign校、Chicago校、Springfield校)の日本における同窓会組織で、JICまたはイリノイ大学日本同窓会とも呼びます。 同窓会としての活動の他、40年以上に渡って小山八郎記念奨学金制度を運営し、毎年4名の奨学生を University of Illinois at Urbana-Champaignに派遣しています。
★GLBL 392 International Diplomacy and Negotiation
タイトル通り、外交と交渉について学ぶ授業です。通常の授業に加えて週1回のディスカッションがあり、毎回とても楽しみにしています。学期途中からオンラインのシュミレーションシステムを使って他大学の学生と外交の交渉を行うようです。私のクラスはブラジルを担当することになりました。
★HRE 199 Leadership in Global Engagement
様々なゲストスピーカーを呼んで文化やリーダーシップついて学ぶ授業です。毎回リーディングが課され、授業ではそれについてのディスカッションが中心です。また、この授業をとっている学生の半数が澳門大学から来ているため、彼らからマカオについて様々な話を聞くことができます。
授業外では澳門大学の学生とイリノイ大学の学生がペアを組んでテーマを決めて研究を行います。結果は4月にあるUndergraduate Research Symposiumにて発表の予定です。
★SOCW 199 Community-Based Service Learning
イリノイ大学とTap in Leadership Academyが提携して行われる授業です。学生がシャンペーン市内の中学校(Franklin Middle School)と高校(Centennial High School)に行き、放課後数時間、チューターとして生徒の相談に乗ったり勉強を教えたりするというものです。
このプログラムは中高生に学外で刺激となる場を作ることを目的としてできたそうです。研修では、このセッションに参加するのは学校の勉強だけでは物足りない学生から授業について行けない学生まで様々であること、学校の授業ではないので生徒とたくさん話をしてほしいこと、また英語が母国語でないために勉強について行けない・勉強への意欲がわかない学生がいるので彼らのフラストレーションを取り除いてほしいというリクエストなどを聞きました。
先日、中学校に行ってきました。学生たちの課題をいくつか見て、アメリカの教育は(少なくともFranklin Middle Schoolでは)アウトプットを重視している印象を受けました。プレゼンテーション等、クラスでの発表の機会が非常に多いのです。また、授業内でパソコンを使うことが奨励されており、課題が知識の習得だけでなく情報リテラシーを高めるためのものとなっていました。例えば、私が担当した生徒のBlack Historyの課題は設問と共に調べ方のヒントが書かれていましたし、理科の授業ではプリントの最後に「これら答えを得るにはどのように調べるのが良いか」という設問がありました。
• GLBL298 International Development and Role of NGOs [Urubamba, Peru Prof. Laura Hastings]
12月28日から約2週間、南米ペルーへGlobal Studiesの授業で海外研修へ行ってきました。滞在したのは、Urubambaという標高2870メートル、人口2700とイリノイ大学の14分の1しかない大きさの町でした。ガイドブックの片隅にある日常会話ほどのスペイン語しか話せない私でしたが、現地に到着してから早速スペイン語しか話せないホストファミリーとの2週間の生活が始まりました。
この授業は国際開発と発展におけるNGOの役割を学ぶことが目的であり、2週間ProPeruという国際NGOでボランティアをしました。ペルーでは衛生的な水道が発達しておらず、飲料水も歯を磨く水も購入するか、家でお湯を沸かして使うしかありませんでした。衛生的な水にアクセスがないので、多くの子どもはInka Kolaというソーダばかり毎日飲み、歯が溶けてなくなっていました。また、衛生的なストーブが家庭にないため、呼吸障害や盲目に苦しむ女性と子どもも多くいました。初めて発展途上国へ行き、こうした現実に直面したことは もの凄い衝撃でした。
私たちのクラスはProPeruと共に毎朝山奥にあるTambbococchaという村へ登り、衛生的なストーブや水道フィルター、棚などを造りました。セメントや高度な機械はないので、レンガと泥(Barro)に全身まみれながら建築作業に励みました。
Ⅲ.Spring Semester 授業
さて、今学期は以下の授業を履修しています。
PS343 Government & Politics of China
PS283 International Security
PS282 Governing Globalization
GLBL250 International Development
PS199 Undergraduate Open Seminar: US State & Local Politics
今学期は専攻分野を中心に、ディズカッションやプレゼンテーションが多い少人数制の授業を履修しています。特に、PS199のState and Local Politics は興味深く、昨年12月にコネチカット州で起きた銃乱射事件を機に再燃している銃規制や、麻薬(マリワナ)の合法化などを巡って、連邦政府と州政府の法律の違いや権限や役割について学んでいます。詳しい科目内容については、試験等と併せて、次回の奨学生レポートにて報告させていただきます。
Ⅳ.課外活動
• Habitat For Humanity
Habitat For Humanityとは、貧しい家庭や被災した家族の住まいを再建する活動をしているNGOです。私はイリノイ大学の学生チャプターのボランティアとして週末に活動しています。2年前にニューオーリンズでハリケーンカトリーナの復興ボランティアに携わったのが参加のきっかけになりました。このボランティアを通して、アメリカ国内の至る所にも人種格差や貧困問題が存在することを再認識させられました。釘とトンカチを両手に週末は地域の人と協力しながら建築作業に励んでいます。
• Illini Women’s Ice Hockey
春学期も毎週月木の二日間、夜11時から深夜1時までキャンパスのアイスアリーナでアイスホッケーの練習に励んでいます。練習は厳しく、 コーチに何度も怒られたり、チームメイトとのコミュニケーションに思い悩むことも度々ありましたが、昨年最後のホーム試合で嬉しい出来事がありました。最終ピリオドで私が初ゴールを決め、試合終了後にロッカールームに戻ったらチームメイトたちが勢揃いし、コーチが全員のサイン入りのホッケーパックを私に贈呈してくれました。あの時の気持ちとホッケーパックは一生忘れられない宝物です。私たちのチームは秋学期のリーグを4位で勝ち抜いたため、春学期の決勝プレイオフに進めることがつい先日決まりました。残すところわずかな部活動、悔いのないよう全力で突き進みたいと思います。
・SOC160 Global Inequality and Social Change
コース名の通り、世界的な格差問題について様々な文献やビデオを通して学習しました。前半期は、格差問題がどのように形成されてきたか、という過程について、植民地時代から1980年代にかけてのレクチャーが中心でしたが、後半期には現代の格差問題やそれに抵抗する様々な動きについて中心に学び、より現代社会の問題と関係するテーマが多く議論に出てきていて、興味深かったです。特に、世界全体の格差問題だけでなく、リーマンショック以降のアメリカ内における格差問題や、消費大国アメリカの消費社会への言及についてなど、アメリカの社会問題についても取り上げられていて、日本ではなかなか聞けない講義であったと思われます。
また、成績は3回の試験、グループワーク、オンラインで毎週提出するディスカッション、及び期末レポートで評価され、毎回の授業を週ごと、試験ごとにフィードバックできるような形になっていました。
・EPSY203 Social Issues Group Dialogue
週に1回、2時間、少人数でのディスカッションが中心の授業です。毎回のトピックは前もって決められていて、そのトピックに関する文献や動画を見て、ディスカッションします。トピックは慈善支援の是非や、移民問題、グローバル化によるアイデンティティ形成の困難化について等多種多様です。また、前回のレポートにも書きましたが、違ったバックグラウンドを持つ生徒たちによってアットホームな雰囲気の中で行われるディスカッションでは、それぞれの経験談を聞くことができる貴重な機会でした。特に私が関心を持ったのは、KONY2012と呼ばれるNPO団体によって、現在行われている運動についてです。KONY2012とは、ウガンダを中心に貧しい子供たちを少年兵として誘拐し、ゲリラ活動にさせる反政府勢力の指導者、ジョセフ・コーニーを逮捕することを目的とした世界規模の運動です。KONY2012の活動を学ぶだけでなく、一体それは実現可能であるのか、どのような点が障壁や欠点であり、今後どのように変えてゆく必要があるか、などについて意見を交換することができました。
成績は、毎回の授業参加、事前の小レポート(2~3枚)、期末レポートによって評価されました。
・GLBL298 Global Studies Seminar Abroad
この授業は、以前紹介しましたが、秋学期後期8回2時間のレクチャーと冬休み中2週間にわたるペルーのstudy abroad tripで構成されたクラスです。授業内容は、観光都市として発展したペルーの現状と今後の展望・課題について学びます。授業では、ユネスコによる世界遺産の採択に関する文献や、観光都市としての繁栄における宣伝・広告等メディア活動の影響についての文献など、幅広く扱いました。また、出発前の個々のプレゼンテーションでは、各々実際にペルーの観光ツアーやガイドブックを用いて、実際の研修で訪れる地域や建造物がどのように観光者に向けてアピールされているか、また、観光都市クスコやマチュピチュにおいて現地の人々はどのような役割を果たしているのか、について発表し、実際の研修に備えました。
成績評価は、出席、現地でのフィールドワーク、出発前・後のレポート、プレゼンによって評価されます。実際のペルーでの体験については、このあとの休暇での体験の欄で触れます。
(3)春学期の履修
今学期は以下の授業を履修しようと考えています。
・SOCW410 Social Welfare Policy and Services
・SOC 364 Impacts of Globalization
・SOC351 Social Aspects of Media
・ACE270 Consumer Economics
・KIN101 Dance Activities
前回とは違い、専攻の社会学に関係した授業を多めに受講してみようと考えています。Impacts of Globalizationは一昨年の奨学生の後藤さんにも勧めていただいたクラスです。また、Consumer Economicsは先学期の様々な授業で消費社会という点に関心を持ち、受講しました。また、ダンスのクラスでは日々の運動不足解消を目的に受講しました。
次回のレポートで詳しく紹介したいと思います。
I. 授業 ~課題はきつい、アメリカ人でもきつい~
II. 課外活動と行事 ~安全保障、アメリカ文化、芸術~
III. 英語 ~ETCカフェとドラマ~
IV. 春学期の目標
I. 秋学期の授業を振り返って
まず勉学面について総括すると、やはり言語面による課題が残りました。学期末の課題の山を乗り越えて痛切に感じたことは、やはり、英語のインプット・アウトプットの速度を上げないことには、クラスメイトに追いつくことができないということです。前回のレポートで報告しましたように、秋学期の目標は、表現は乏しくても中身のある発言をすることでした。しかし、日々課される課題はネイティブにとっても大変と感じられる量であり、結局、教科書や論文を読んでも、理解の度合いも理解の速度とも満足のいく結果を残せなかったと思います。
春学期はこの点を改善すべく、予復習に時間をかけられるよう予定を組み、さらにそれを通して英語の向上を図ろうと思っています。(もちろん、こんなことは留学前にやっておくべきだったのでしょうが、一方で、実際にこの環境に入ってみないとここまでの切迫感はわかなかったと思います)
以下では、それぞれの授業を簡単に振り返ってみます。
・PS 280 Introduction to International Relations (Prof. P. Diehl)
・GEOG 110 Geography of International Conflict (Prof. C. Flint)
・PS 300 Human Rights (Mr. Malekafzali, PhD)
・CMN101 Public Speaking (Mr. York)
Human Rightsの授業は、最後まで密度の高い授業で、第二次大戦後の世界のあり様を人権という観点から眺める内容となりました。先生は、自分の見解をかなり強く主張するタイプの人でしたが、その一方でYou don’t have to agree with what I say in this class.と何度も確認し、学生からの質問には多くの証拠(例えば国連の報告書)を提示して応えていました。とりわけアメリカの中東政策に関する見解では相当批判的な見解も提示しており、人権尊重が謳われる一方での裏の実態について考えるいい機会だったと思います。この授業は、人権の現実について考えることがテーマの一つだったのですが、講義の中ほどで彼が言った”We cannot reach any world where human rights are respected unless we consider political and economic context”という一言は、巷で聞かれる安易な人権擁護の議論とは一線を画した言葉で、強く印象に残っています。
このHuman Rightsの授業は現地の学生の間でもtoughな授業として知られているらしく、reading assignment(しかも、講義とテーマは一緒だが、別内容)を学期中にはこなすことができず、期末試験の2週間前くらいからThanksgiving休暇を使って一気に読みとおすことになってしまいました。もっと前からやっておけばよかったと後悔もしていたのですが、これに関係して、アメリカの学生の実態が垣間見える面白い出来事がありました。この授業では少し話すようになった友人がいて、彼らが主催する試験前のStudy Session(自主勉強会)に誘ってもらったときのことです。課題の本の理解も甘く、授業の内容も100%フォローできているとはいえなかったのでためらいましたが、いざ行ってみるとそこにいた当の主催者の彼は、そもそもReading Assignmentの範囲を知らず、私がたまたま持っていたシラバスを見てその量(約400ページ)に驚き、「これはヤバイ、自分はこれから家に帰って読む」(当時、すでに試験前日の夜6時ごろ)といって、さっさと帰ってしまうということが起こったのです。Study Sessionの企画自体を持ちだしたのが彼だったので、あまりの気楽さにぽかんとしてしまいましたが、結局彼がいなくなってしまったので、集まりも自然解散になりました。彼は中間試験でも成績が上位だったと噂だったのですが、一夜漬けに頼るときもあるんだなぁと日本の大学生と似た面を見つけた気がします。
ある意味で一番苦手だったPublic Speakingのクラスは、学期中頃にあったinformative speechは自分の中で最高の出来でしたが、最後の課題だったビデオに録音して発表するceremonial speechは原稿を覚えきれず、いまいちの出来になってしまいました。なお、その最後の課題をクラスで見て、たがいに評価し合う最後の授業では、クラスのムードメーカーだった女の子の提案で、皆でピザを食べながら鑑賞することになりました。そこでの自分への評価は、改善点も色々指摘される一方、「最初はずっとshyに見えたけど、今では自信を持って喋っていると思う。ずっと良くなった」というコメントをクラスメイトからもらい、素直に嬉しく感じました。
II. 課外活動と行事
年末年始は一度日本に帰り、年明けはChicagoを観光しました。このときは生まれて初めて本格的な時差ボケにかかり寝ていることも多かったのですが、宿泊したHostelでカナダから来た中国人学生と出会い、朝食を一緒にとりながら現在の中国政治について教わるなど面白い経験もすることが出来ました。
秋学期はどちらかというと日々の講義についていくので精一杯でそれといった課外活動はできなかったのですが、いくつか参加した活動、行事を紹介します。
ハロウィーンのアメリカ文化のクラス。Pumpkin Carvingです。
1. ACDIS
これはThe Program in Arms Control, Disarmament, and International Securityの略で、いわゆる「安全保障」の分野に関係する諸学の先生たちが集まった学際プログラムです。せっかくイリノイ大学に来たのだから、何か形に残るものがほしいと思っていたところ、ここが認定した授業を一定数履修すればCertificate(修了証)をもらえるという学部生向けのプログラムを見つけ、メンバーに加わりました(このため、後述の通り春学期の授業は全てこのACDIS認定科目にしました)。なお、秋学期のHuman RightsとGeographyの授業も、ここの認定科目だったことも選んだ理由だったのですが、留学生がCertificateを認めてもらえるかわからないままだったので、本格的に参加したのは11月頃です。
このプログラムでは、ただ授業を認定してくれるだけでなく、Securityに関する資料の揃った資料室を自由に使わせてもらえたり、関連分野のセミナーやインターンシップの情報を頻繁に流してくれたりして重宝しています。少し前には、「Terrorist Threats in/to the Lab」というテーマで、FBIで生物兵器対策に当たっている方を招きGenomic Biology学科が主催したセミナーに参加させてもらいました。アメリカで911直後に発生した、郵便で炭疽菌が送られるという事件は日本でも報道されましたが、そのような生物兵器の入手先として大学の研究室が狙われうるという内容で、非常に興味深く聴くことが出来ました。
2. American Culture Class (ACC)
これは、キリスト教系の団体が運営している異文化交流団体の活動の一つで、週に一度集まり、文字通りアメリカ文化について海外からの学生に紹介してくれるものです。あまり頻繁に顔を出しているわけではないですが、例えばHalloweenのときはカボチャのデコレーション体験をさせてくれるなど、留学生にとっては面白い企画となっています。なお、同じ団体の活動でBible Study、Conversationなどもあります。
III. 英語
前回のレポートで苦労していると報告した英語ですが、このままではまずいと思い、秋学期の中頃からいくつか取り組みを始めました。その一つが、ETC Coffeehouseというカフェでの会話教室です。現在では週に一回1時間半あるだけなのでそれ自体ではあまり英語が伸びるわけではないのですが、宿題としてアメリカのドラマを観て、そこで出てきた表現を集めるというものがあり、これが非常にためになります。やはり、日本で教わる英語はフォーマルな場面を想定しているので、くだけた場所での会話に出てくる表現は別に覚えないと分かりません。その点、ドラマは若者の生活を描いている現代のものだと頻繁にそうした口語表現が出てくるうえ、ニュースよりずっと速いスピードの英語に触れられるため自分にとっては良い訓練になっています。ちなみに、アメリカではNetflixという動画サイトがあって、月々8ドル程度払えば、数多くのドラマと映画を無制限に見ることが出来ます。(残念ながら、日本では利用できません)
一方、期末試験の論文を書いていて感じたことですが、口語表現だけを練習していると、表現がくだけた、あるいは幼稚な感じになり、フォーマルな文章が書けなくなってきます。現在では、この友人との会話のためのくだけた表現と、フォーマルな場での正式な表現の二つをバランスよく習得するのが課題です。
というわけで、まだまだネイティブ同士の会話にはついていけないことも多いのですが、それでもこちらに着いたころと比べればだいぶとましになった気がします。
III. 春学期の目標
今学期は、以下の4科目を履修しようと考えています。
GELG118 Natural Disasters (Prof. S. Altaner)
PHYS280 Nuclear Weapons & Arms Control (Prof. M. Perdekamp)
PS283 Introduction to International Security (Prof. S. Miller)
GLBL 397 International Diplomacy and Negotiation (Dr. T. Wedig)