佐藤香織さんの2013年4月分奨学生レポート

JICの皆さま、いかがお過ごしでしょうか。第37期奨学生の佐藤香織です。先月の春休みまで、大雪等とても寒い天候が続いていたシャンペーンにもようやく春が訪れ、街が賑やかになってきているのを感じる毎日です。イリノイでの生活も残すところ、あと1カ月を切り、今までのこちらでの生活を振り返る機会が増え、もうすぐここを発つことを考えると、寂しさや焦りといった複雑な感情がこみあげてきます。
今回のレポートでは、①春学期の授業紹介、②春休みでのボランティア活動、③その他の活動、の3点について詳しく触れていきたいと思います。

(1)    Spring Semester
今学期履修している科目は以下の7つです。
SOCW410 Social Welfare Policies and Services
SOC364 Impacts of Globalization
MACS351 Social Aspects of Media
RST330 Leisure and Consumerism
KIN101 Dance Activities
ESL110 English Pronunciation for Academic Purposes
ESL115 Academic Writing
このうち、最後のpronunciationのクラスは、授業時間は他と変わりませんが、単位には含まれないため、今学期は計16単位を履修しています。また、前回のレポートではACES270 Consumer Economicsを履修予定と記載しましたが、似たような授業で、Group projectやReaction paper等の課題があり、シラバスもよく組んである、RST330により関心を持ち、履修科目を変更しました。

①    SOCW410: Social Welfare Policies and Services
アメリカでの様々な社会問題について、ドキュメンタリーやケーススタディを扱いながら学習しています。クラスはわずか10人程度のため、ディスカッションをする機会も多く、また、専攻である社会学と関連した分野(格差問題や医療制度等)が中心であり、とても興味深い授業です。先月には、各々Social Workに関わる団体をひとつ選び、活動内容を吟味(Strength, weakness, opportunity, threat)し、どのように改善し、どれほどの資金が必要かについてリサーチする課題がありました。また、来週にはふたりひと組で25分のプレゼンテーションがあり、その準備で忙しくしています。

 
②    RST330: Leisure and Consumerism
Recreation, sports and tourismと呼ばれる、日本ではなかなか受けられない学科の授業です。授業では、レジャーやスポーツがどのように現代の我々の生活に浸透してきたか、また、現代の消費社会は我々にどのような影響を与えているのかについて学習しています。シラバスが良く練られていて、授業以外に、リアクションペーパーやリーディングサマリーなど小さな課題が多く出されています。グループプロジェクトでは、Hines Wardという韓国系アメリカ人のフットボール選手が、数年前のスーパーボールでMVPに選ばれたことを通じて、韓国におけるアイデンティティの概念がどのように変化したかについて話し合い、発表しました。

発音の授業でもらった個別のフィードバック

③    ESL110: English Pronunciation for Academic Purposes
本来なら秋学期に履修しておくべきだったのかもしれませんが、1学期間アメリカで学習し、発音をもう少し基礎から学んでおいた方がよいと感じ、またこの機会を逃したらなかなか発音から見直す機会がないのではないか、と考えたことから、履修することにしました。当初は、単位認定もされず、本当に履修しようか迷いましたが、実際授業を受けてみると、とてもしっかりしたカリキュラムで満足しています。毎回の授業では、ひとつひとつの発音を学ぶだけでなく、フレーズの中でどこにアクセントをつけて話すか、また単語のどの母音にアクセントがつくかを予測する訓練など、なかなか学ぶことのできない内容が盛り込まれています。毎回必ず宿題があり、1学期間にわたって行われる12回のレコーディング課題や、月1回ある講師との面談、チューター制度等、とても充実しています。

④    ESL115: Academic Writing
この授業も、発音とともに、ライティングの基礎を学ぶコースになっています。アメリカではAPAスタイルと呼ばれる論文の書き方が一般的で、日本の論文に比べて、引用や参考文献等の決まりが厳しく決まっていて、成績にも関係します。アメリカ人の学生も高校から習い始め、大学でもライティングのクラスが必修であるほどライティング能力を重要視しているので、私も基礎の授業を受講しようと思いました。授業ではAPAスタイルの方法や、どのようにふさわしい参考文献を見つけ、使用するか等ひとつずつ細かく説明され、他の授業でのライティング課題の参考にもなり、とても役立っています。また、学期末には、集大成として8ページのリサーチペーパーを提出することになっています。

(2)    春休み
3月の中旬にある1週間の春休みの間は、シャンペーンにとどまり、ボランティア活動に参加しました。Allerton Parkと呼ばれる、キャンパスから車で30~40分のところにある、私立庭園にて、春に向けての木植えや、花壇の土換え、古くなった物置き小屋の解体、ビニールハウスの植物の水やり等、様々な仕事を行いました。このボランティアに参加しようと思ったのは、たまたま寮の掲示板に貼ってある募集ポスターを見て、特に予定が決まってなかった私は、ちょうど良いチャンスだと思い、応募したことがきっかけでした。正直、この庭園がどのようなものか知らずにボランティアに行った訳ですが、初日のオリエンテーションでは、1500エイカー以上もの敷地内にある、古い建物や庭園、世界各国から集められた銅像、ハイキングコースを案内してもらい、Allerton Parkの広大さを実感しました。スタッフのみなさんも、とても親切に仕事を教えてくださり、他の5人のボランティアメンバーとも毎日一緒に仕事をするにつれ、結束が生まれていったように感じます。気候は氷点下前後と、とても寒かったですが、とても充実した春休みを過ごせました。

Allerton Parkでのボランティア

(3)    その他
①    ズンバダンス・ヨガ
今学期が始まってから、ARCと呼ばれるジムで行われているズンバダンスとヨガのクラスにほぼ毎日通っています。ダンスの授業で知り合った友人に進められたのがきっかけで、通いはじめました。もとはブラジルで始まったズンバダンスをアメリカ人好みにエアロビクス風にアレンジされたダンスは、運動不足の私には良い運動です。同じくダンスの授業でヨガを習って以降、関心を持ち、早速ヨガマットを購入し、ヨガやピラティスのクラスにも通っています。その他にも、ARCには屋内プールがあり、夕方から夜10時まで利用でき、脇にはサウナが設置されており、とても施設が充実しています。4月末には、屋外プールも開園するため、帰国前に一度訪れたいと思っています。

ARCで行われているZumbaダンス教室

②    5月のボランティアトリップ
学期末後、5月の中旬から2週間弱、ワシントン州オリンピアへボランティア旅行に参加しようと考えています。Alternative Spring Breakと呼ばれるボランティア団体が企画した活動で、現地では貧しい子どもたちとともにLocal Food Systemについて学び、Garden Kitchenを建てる等の活動をする予定です。旅行前の活動として、現在毎週のグループミーティングやキャンパス内でFund Raising活動に取り組んでいます。

③    日本館
ひなまつりの日に日本館で行われたイベントの見学に行ってきました。イベントでは、郡司先生ほかインターンシップをしている学生も皆きれいな着物をきて、お茶の披露をし、手づくりの和菓子をごちそうしてもらいました。

日本館でのひなまつりイベント

イリノイでの生活も残りほんのわずかとなりましたが、最後まで色々なことにチャレンジし続けていきたいと思っています。また、今回の留学を支えてくださっている皆さまに感謝し、7月のリユニオンパーティで良い報告ができるよう、最後の期末期間やその後の課外活動にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

バスケットボールの試合 vs Indiana State University

 

 

 

 

 

第37期JIC奨学生
佐藤 香織