針谷彩花さんの帰国後奨学生レポート

JICの皆様、いかがお過ごしでしょうか。2009年度JIC奨学生の針谷彩花です。7月1日に帰国してから、早くも3か月が過ぎました。10月1日からは大学に復学し、徐々に私の本分を再認識しつつあるところです。
今回の留学は、私にとって二度目の留学になります。高校生の時にも約10か月間、アメリカ・イリノイ州に交換留学しました。その頃から英語が好きで、「将来は英語の先生になりたい」という夢を持っていた私は、喜び勇んで親元を離れ、生まれて初めて日本を飛び出したのです。しかし、現実は厳しく、最初はホストファミリーや学校の先生、友人との意思疎通もままならず、実は寂しさや辛さから何度も日本に逃げ帰りたいと思っていました。結局、なんとか途中帰国はせずに約10か月間の留学を終えたものの、帰国した私の中には「もう二度とあんな思いはしたくない。留学なんて金輪際絶対しない」という強い決意がありました。
そんな私が二度目の留学に挑戦しようと思えたのは、ひとえに大学の先生方の勧めや、両親の「やってみないとわからない」という力強い励ましや、「寂しくなるけど、私もがんばるから彩花もがんばって!」という友人たちの温かい応援があったからです。そして運良くJICの選考試験に合格し、嬉しくも思いましたが、やはりいつもどこかで「受からなければよかったんじゃないか」という後悔と「本当にやっていけるのか」という不安がつきまとっていたように思います。
しかし、出発前の後悔や不安はほどなくして霧散しました。4年前の最初の留学の時とは私の英語力も心構えも、周囲の環境もまったく違っていたためでしょう。すんなり馴染めたとは言えないまでも、毎日の授業は新しい発見の連続でしたし、周囲の人々はバックグラウンドも考え方も一人として同じ人は存在せず、日々の生活はそれまで私が経験したことのない生活でした。一日一日がキラキラ輝いていました。もちろん、楽しいことばかりではなく、苦しいこともありました。日本ではまず絶対にありえない量の宿題を出され、図書館で夜を徹して勉強したこと。ルームメイトや友人と意見が合わず、泣きながら衝突したこと。けれど、きっとそれも留学を良い思い出として記憶するためには必要なのでしょう。2度の留学を経た今なら、留学とは楽しいことばかりではなく、苦しいこともあるから、楽しかった記憶がより強調されて「留学してよかった」と言えるのだろうなと思います。そして2度目の留学から帰国した今、今度こそ私も「留学してよかった」と言えます。当初の不安通り苦しい思いもしたけれど、それ以上の収穫がありました。
今回の留学は、私にとって新たな知識や経験や友人を授けてくれただけでなく、前回の留学の嫌な記憶を払拭してくれ、さらに改めて「夢を持ち、その実現に向けて邁進することの大切さ」を教えてくれました。辛い時、教育実習の最終日に生徒たちと一緒に撮った写真を眺めては「がんばってください」と言ってくれた生徒たちを思い出して「もう一度がんばろう」と自分を奮い立たせることができたからです。「先生になりたい」という夢を最初に抱いたのは、14歳の時でした。その頃から変わらずに「先生になりたい」と思い続けていますが、「どんな先生になりたいか」ときかれたら答えに窮していました。けれど、今回の経験を通して、私は「生徒に『夢を持つことって素晴らしいんだよ。それだけでいつだって前向きに生きる気力が湧いてくるんだよ』と伝えられる先生、そして生徒が夢を追いかけることを隣で応援できる先生になりたい」と強く思いました。
このような素晴らしい経験をさせてくださったJICの皆様方、両親、友人たち、そして大学の先生方には、感謝してもしきれません。これからは「先生になる」という夢を追いつつ、JICの活動にも積極的に参加していきたいです。皆様、本当にどうもありがとうございました。これからもどうぞ宜しく御願い致します。

2009年度JIC奨学生
群馬県立女子大学 国際コミュニケーション学部 4年
針谷 彩花