結城一磨さんの2016年7月分奨学生レポート

「留学を終えて」

<学習面>

アメリカで、本家のファイナンスとアントレプレナーシップを学び体感する留学と題して今回は留学させていただきました。

ファイナンスの観点では、常に授業はアウトプットの場、インプットは自習にて行うといった傾向がレベルの高いクラスになればなるほど強かったと思います。日本ではセオリー中心で具体的に投資家がどういったことを行っているか、イメージしにくかった部分があったのですが、イリノイ大学では社会ですぐ使えるスキルを身につけられるように理論をいかに利用して分析するかに焦点が置かれ、実社会で投資家が行っていることの具体的なイメージができるようになりました。こうした授業や、実際の投資家のお話を伺えたことで、自分の今後の進路についてどうすべきか考えられるようになり、そこまでファイナンスを深く学ぶことができたのは非常にありがたかったです。

アントレプレナーシップに関して、アメリカのものと日本のものと比較をした結果、日本でそういった機会に多く触れてきていた分、日米で学生のマインドに圧倒的な違いがあるかといったらそうではないと実感しました。ただし、プレゼンやピッチをする技術や、社会から見た起業に対するイメージもあちらは異なります。組織の運営の方法の違いや日本人の国民性、社会や環境的な他の要因によって、起業率が日本は未だに低く、ビジネスに関してアメリカから遅れをとる結果になっているのであると感じました。日本のビジネスにもそれぞれいいところもあることは思いますが、それでもやはり海外の、特にアメリカのビジネスや研究分野から学ぶべきことは未だに多く、常にその意識の必要があると実感しました。

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<写真1−イリノイ大学の卒業セレモニーへ参加>

 

<生活面と今後>

帰国後2〜3週間ほどでこの記事を執筆しているのですが、アメリカへ帰りたいと思わない日はないほどにアメリカ、特にイリノイ大学に居心地の良さを感じていました。それはなぜかと深掘りしてみると、多種多様な人種と接する機会が毎日のようにあるアメリカと、良くも悪くも同じコミュニティ、同じ日本人で固まる気質のある日本といった環境の違いが理由にあります。僕自身居心地の良さを感じるのは前者の環境で、そうした環境を探し求め、現在就職活動を行っています。事業を起こすことや影響力ある価値を社会に残すことをしたいという軸と、グローバルな環境の確保という軸、この両者は今回の留学のおかげで固めることができなかった軸のように思います。

留学前までは漠然とそうした目標がありつつも、正直中弛みしかけていた自分がいました。一旦留学してあちらの学生を見渡してみると。日本で培っていたスキルは使えず、自分の英語力やその他スキル面で足りないものが多すぎることを痛感しました。10ヶ月という留学の期間はあっという間でしたが、今後のキャリア形成を選ぶ上でもこの留学が私自身に与えてくれた気づき、学びは非常に大きかったと実感しています。

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<写真2−今は恋しいARC。今後も筋力トレーニングのように着実に目標に向かっていこうと思います。>

 

〜余談〜

「Dance & Social〜競争社会からの離脱と人間力〜」

留学する前は日本の競争社会に生き、人生を最短距離で歩んでいこうという意識が無意識のうちに植えつけられていたような気がします。留学での新しい気づきのうちにsocialの文化があります。これは大きく私の価値観を変えてくれました。私は積極的にアメリカ、ヨーロッパや中南米など日本ではあまり会うことのできない国籍の友人たちを多く作ろうとしていました。この努力から、彼らから新しい生き方についてのヒントをもらえたと感じています。彼らはもちろん勉学を頑張ります。ですがそれと同時に趣味や教養、社交的な機会に関しても貪欲です。ヨーロッパ人とシカゴシンフォニーオーケストラに自分から誘って行った時は彼らの音楽への教養の高さに驚かされました。雑学を多く持っていることもより人を魅力的にすると気づかされ、そういった人間力的な要素も社会に出る、海外に出ると重要になってくると実感しました。

また、私は日本ではあまり学ぶ機会がなかったballroom dancing(二人一組で踊るダンスの総称)も後期から参加しました。ヨーロッパや南米はそういったダンス(salsa,chacha,swing,waltzなど)を学生の時期から学んでいる、親から教えてもらっているらしく、海外で人間力を高める一つのスキルになっていそうです。実際に踊れると見知らぬ人とでも仲良くなるきっかけが掴みやすくなります。こういったダンスは一見運動に見えて一種のコミュニケーションツール、言語のような要素が大きいということも学んでみて実感することができました。(第一外国語:英語、第二外国語中国語、第三外国語スペイン語、第四外国語:ダンスとするのが直近の僕の夢です。)

アメリカでは知らない人と知り合うきっかけが非常に多く、そういった機会は重要視しているように思います。また、日本との比較の話になりますが、日本人はイベントのテーマ、趣旨によってそのイベントへ足を運ぶ、目的を達成することに重きが置かれやすいように思います。一方西洋などはもちろんイベントに目的はありますが新しく交友関係を広げることにより重きを置く文化だと感じました。親しい友人などと時間を過ごす際も常に同じバーや行きつけを作るのではなく、オーケストラ、ミュージカル、他の社交イベントなど多くのイベントに足を運ぶ。そしてそこでも教養を広げるきっかけとなっている、そういった文化やイベント機会ももう少し日本に欲しいと感じました。ミュージカルなど旅の一つの楽しみにもなる夜のエンターテインメントが東京にあまり存在せず、訪日外国人ががっかりしてしまう、というケースもよくあるようです。

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<写真3−参加していたダンス団体のgraduation dance party>

 

話は多少ずれましたがsocialの時間を確保するために日々の効率を上げる、月曜日から金曜日の稼働時間は集中してやるべきことを終わらせる。全力で仕事や勉学をしつつ、今生きている一瞬一秒を大切にし、趣味や本業以外のことも全力で楽しみ、人生に彩りを持たせる。あちらの学生は皆そういったマインドを意識する文化が定着していました。オンとオフの切り替え、より人間力を高める時間を増やしたいと社会人になる前に考えられるようになったのは自分にとっても大きい学びでした。たとえ英語ができても、業務に関する専門的な用語が使いまわせるようになっても、実際に日本以外の国籍の人と交流、仲を深めるためには自身の教養の深さ、話題の手札の多さが重要だと身を持って実感しました。様々な人が集まるイベント、パーティ、ダンスなどに積極的に参加したのも、国際的な人間力と高め、様々な国の人に人として魅力的と思われることは今後ビジネスにしても人生においても重要だと意識していたからでした。今後も全力で本業に打ち込みつつ、自身の国際的な人間力を高める努力を常に続けて行こうと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。最後にはなりますが、多大な皆様のご支援のおかげでこれまで述べてきたような学びを得ることができました。皆様がいなければ今の価値観を持たずに今という時を迎えていたと思うと感謝の気持ちでいっぱいです。今後、私は今までの恩を社会へ還元すべく、自分らしく、人事を尽くしていきたいと思います。ご支援ありがとうございました。

 

 

結城一磨さんの2016年3月分奨学生レポート

JICの皆様、平素よりお世話になっております。2015年度小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学へ留学させていただいている明治大学商学部4年の結城一磨です。

 

イリノイでは様々な木々の花々が咲き始めると同時に、リスやウサギも活発に行動し始め、本格的な春の到来を感じているこの頃です。

 

さて、とうとう留学中に書く最後のレポートとなってしまいました。秋学期が終わり、冬休み、そして春学期前半終了となった今、心境の変化や新たな学びをこの期間だけでも得ることができたのを実感しております。今回のレポートではその一部をご紹介できればと思います。

 

以下三部構成で報告させていただきます。

 

⑴冬休み

⑵ダンス、マラソン、その他日常生活

⑶春学期授業

 

⑴冬休み

冬休みはLA観光から始まり、アメリカ大陸の南側を通ってNYCまで行く横断旅行を2週間かけて行いました。その後はNYCから南アメリカに飛びペルー、ボリビア、コロンビア観光を残りの2週間ほどで回りました。

まず横断旅行では友人たちとキャンピングカーを借りて、一つ屋根の下生活を共にするという生活を送りました。もちろん7人ほどの学生が横断旅行をすると様々なトラブルにも合います。(テキサス周辺の異常気象による雪で脱輪、予想以上の私のいびきに対する苦情など。)しかし、メンバー皆の協力のおかげで旅行を楽しむことができました。

旅行中は将来どういった場所に住みたい、また来たいと感じるかを基準にあらゆる場所を見ていました。LAなどの西海岸や、ニューオーリンズなどヨーロッパの雰囲気があるJazzの街、そういった賑やかで温暖な気候が自分には合っていると確信しました。

また、余談にはなりますが、リタイア後キャンピングカーでアメリカを回りなが旅しているという人も多く、RVパークに泊まると基本周りはかなり年上で可愛がってくれます。こういったノマド的な生き方には私も憧れがあります。

 

写真1_Kazuma写真2_Kazuma

(西海岸とニューオーリンズ)

 

一方の南米旅行では前述した三ヶ国を観光しました。大まかにまとめるとLima-Cuzco-Machu Picchu-La Paz-Uyuni-Bogota-Medellinといったルートで観光しました。ここでも旅行中、もちろんトラブルはありました。(La Pazでの高山病、大きなデパートでドルから換金した際に偽札を渡される、カメラ、電子辞書盗難など。)しかし思った以上に南米は良い人が多く気をつけることさえきちんとしていれば、評判ほど危険ではない気がします。何よりラテン系は陽気でダンス好きな人が多いので居心地がいいです。

 

今回の旅行で自分はあらゆる場所の自然を楽しむというよりはそこでどういった人たちがどのように生きているのか、コミュニュケーションを取りながら観光していく方が合っていると実感したのも学びの一つです。テレフェリコと呼ばれるゴンドラの交通機関が南米の治安を変えた話、メデジンの歴史、それぞれストーリーがあり、皆が生活水準の一定ラインを保てるようになると治安も良くなる。改めてビジネスや経済の必要性を痛感することができた旅行でもあったように思います。

 

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(La Pazの公共交通機関、テレフェリコ。南アメリカでよく見られる。すり鉢状地形のため電車の代替機能として活躍している。国民皆が利用できるよう値段は格安。)

 

⑵ダンス、マラソン、その他日常生活

春学期は新しいことを始めること、自身の時間管理を上手くこなすことが目標です。作学期のブラジル人のルームメイト達との交流、南米旅行などで本格的にラテン系の血が目覚めはしたのですが、実際に旅行中などはダンスが踊れない、スペイン語が話せないことで悔しい思いをしたのでこれら二つを新しく始めました。

歌とダンスは世界的な共通言語であり、アメリカの社交的な場でも非常に仲良くなりやすくなります。週に2回ダンスのレッスンがあり、サルサ、チャチャ、スイング、ウォルツなどを学んでいます。それぞれのダンスで基本ステップは違うのですが、基本さえ押さえれば、パートナーを回す、リードするタイミングなどは似ている部分もあり、応用が利きます。帰国までに他人に基本を教えられる程度まで身につけられればと思います。スペイン語の方は後述の春学期授業の箇所で詳しく述べたいと思います。

また、イリノイマラソンが4月の下旬にあるということで、将来トライアスロン、アイアンマンなどに出たいとも考えていた私はすぐに申し込みを決めました。初めてのフルマラソン参加になるので多少不安はありますが、うまく時間を管理するようにして準備を進めています。また、ジムに行くと誰かしら友人がいるので互いに励ましあって筋肉トレーニングにも引き続き努めています。トレーニングも私の中で重要な社交的な場です。

その他友人に誘われたイベントには極力足を運ぶようにしたり、後述する18単位の学習量に追われたりと、落ち着くことがなく毎日を過ごさせていただいています。

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(ダンスレッスンの様子)

 

⑶春学期授業

今までの大学での経験、留学の軸、旅行での経験を生かして以下18単位を履修することに決めました。

 

ACE 444: Financial Services and Investment Planning Credit: 4 hours.

いかに投資判断を下すかExcelを使って学ぶ実践的な授業です。日本で学ぶことができなかった部分まで深く踏み込んで実際の投資家は判断を下すにあたってどういったところを見ているのかを体感できていて面白く感じています。

 

ACE 360: Spreadsheet Models and Applications Credit: 2 hours.

ACE446: Modeling App’s Finan Plan Credit: 2 hours.

ACE360はACE446を取る際に必修になっていたので履修しました。春学期前半のみの授業です。基本的にExcelを使ったSpreadsheetの作成について学びます。ここで培ったスキルを用いてこれから春休み以降本格的にACE446に臨みます。ACE 446はACE444と同様Excelを使ってフィナンシャルプランニングをしていくという授業で関心のある分野でしたので履修することにしました。短期集中で課題も多く大変ですが残りの学生生活を満喫するためにもやり抜きたいと思います。

 

AGED 260: Intro to Leadership Studies Credit: 3 hours.

イリノイ大学の一つの特徴でもあるLeadership Studyを体感することもこの留学の目的でした。そこでイリノイ大学のリーダーシップセンターが主催する、Leadership Certificate が定める条件を探り、この科目があったので履修しました。本来は1年以上の期間を使ってこのCertificateをもらえるらしく、全てを行うことは時間の関係上できないため、同機関が主催するi-programも同時進行で少なくとも参加して行こうと決めました。

本授業は名前にあるとおり、学問としてリーダーシップについて学ぶ授業です。月、水曜日は大教室での授業、金曜日は少人数クラスでのディスカッションといった構成です。リーダーシップにも様々なアプローチがあり、先天的なもの、スキルや能力といったように磨いていくもの、状況や態度に合わせたアプローチなど多くの選択肢を学べています。自分のリーダーシップの引き出しを増やすことはこれからの生活にも活きてくると感じています。

 

ENG 333 – Creativity, Innovation, Vision at University of Illinois: 3hours.

Creativityをいかに向上させるかに焦点をあてた授業です。この授業は留学生にも人気で、大学院生、MBAプログラムの人なども混じっての授業となっています。Creativityは先天的なものではなく、磨いていくことが可能なスキルであるといったことを一貫して実感します。また、一般の教育はいわゆる左脳的な論理的思考を向上させることに集中しがちですが、人工知能やコンピュータがそうした部分を代替するようになってきた分、右脳的な発想の豊かさを向上させようといったことがクラスの趣旨だと感じています。1冊のアイデアノートを作り、授業を通して様々な経験を得られるように工夫されています。グループに分かれてディスカッションや課題などが多く、費やさなければならない時間は多いですが、その分実りの多い授業となっています。

 

SPAN122: Intensive Elementary Spanish: 4 hours

アメリカの外国語教育を知りたいことと、南米旅行やアメリカでの生活、今後の自分のためにも、スペイン語は必要だと考え、スペイン語学習を始めました。月曜日、水曜日に50分ずつスペイン語アウトプットの授業があり、オンラインクイズ、課題が週に2〜4つほど出されるといった、徹底的にアウトプットを重視した構成になっています。自身の外国語勉強哲学として、外国語学習は勉強というより筋肉トレーニングに近いと考えているので、自分にはこの環境は適していると感じています。徹底的な反復練習、アウトプットによって知識が洗練されてきているのが分かります。2年間日本で学習してきた中国語よりも、この半年間追い込んで学習したスペイン語の方が上達するような気がしています笑

 

 

これまで読んでいただきありがとうございます。最後になりましたが留学のご支援をいただいている皆様に改めて感謝を申し上げます。

Japan Houseでの朝食イベントが成功に終わり、一安心している間もなく、4月もイベントが目白押しです。ビジネス学部の学生とのシカゴ観光や、マラソン、学期末試験、Japan Houseでの東北に関するプレゼンテーション、後悔しないよう全てに自分らしく全力投球で頑張りたいと思います。

 

 

2016/03/27

 

第40期小山八郎奨学生 結城一磨

結城一磨さんの2015年12月分奨学生レポート

JICの皆様、平素よりお世話になっております。2015年度小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学へ留学させていただいている明治大学商学部4年の結城一磨です。

ここ最近でイリノイの方は急に冷え込み始めていますが、私は宮城出身でなおかつ祖父母の実家は山形にあり、よく冬はそちらの方で過ごしていたのでどことなく実家に帰ってきたような不思議な感覚を味わっているこの頃です。

さて、留学生活二度目のレポートということで何を書こうかと考えてみて、今回は

 

⑴留学生活で感じた環境の変化

⑵観光

⑶秋学期学習内容と春学期の予定

などについて報告させていただきたいと思います。

 

⑴留学生活で感じた環境の変化

こちらに来てからというもの、本当に多くの出会いがありました。日本にいた時は会うことができなかった優秀な学生と出会う機会がこの留学を通して極端に多くなりました。そうした出会いの中で自分のできること何か、と考える機会がやはりどうしても多くなります。こういった経験を今、学生中にできているのは本当にありがたく感じています。

日本では、留学する人は多少特別扱いされる部分があったものの、いざ留学してみると自分がどれほど小さな存在なのか気付かされます。ですがただ単に能力の優劣を比較するのではなく、十人十色であり、それぞれを尊重すべきということも留学生数全米2位の環境だけあって、常々再認識させられます。

また、これまでに海外現地生や交換留学中の学生たちとも語り合うこともありました。宮城県生まれ、宮城県育ち、19歳まで一度も日本から出たことがない、いわゆる純ジャパの中でも純ジャパな私は地方での教育しか知りませんでした。彼らとの交流の中で様々な環境、国での教育という選択肢があるのだと理解できたことも大きな収穫の一つでした。気が付いたら子供ができたら教育、国をどうするかまで議論が発展するほど意外と話が盛り上がります。笑

まとめると、就職活動もはじまり、学生らしく、そして留学生らしく、色々悩んだり考えたりする時期に直面しています。結局自分は今まで過ごしてきた自分で作られているわけで、海外経験、留学によって急激な中身の変化があるわけでなく、新たに組み込まれた留学生活という過去を元にどうなりたいか、今後の方向性を考えていくべきなのだろうなと考えております。今まで野球一筋だった頃や大学生活でやってきたとおり、一歩一歩着実に前に進んでいければと思います。

最後に“環境の変化”ということで、書いておくと後々振り返るといい思い出になるとアドバイスを受けていたので、こちらでの一週間のルーティーンを記録しておきたいと思います。

<日> 体調調整・課題消化

<月>〜<木> 学習ルーティーン再開

<金(TGIF)>・<土> 何かしらイベントに行くor ヨーロッパ人のだれかしらの誕生日パーティor ルームメイトのブラジル人の突発的なブラジリアンパーティ途中参戦(無許可・自分の部屋主催)

 

日本の学生生活から環境が大きく変化していますがだいぶこの流れに落ち着いてきました。このように書くと簡単ですが毎週様々なイベントが尽きず、飽きることのない秋学期でした。

 

写真1 yuki

(日本館での浴衣イベントにて二度目の半纏装備)

 

⑵観光

少し話はずれますが日本で観光業に勤めていたものの自分自身は語学留学でフィリピンしか訪れたことがないことから外国人観光客と話す際にうまく会話の中で相手の懐に入れない経験を多くしていました。そこで留学中と残りの学生生活でより多くの国、地域に訪れようと決めました。留学中はせっかくアメリカ大陸に来ているので、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を回る予定です。

今回のthanks giving weekの休暇ではBoston, DC, NYCを巡ってきました。

Bostonの学生街やワシントンの観光名所も楽しめたのですが、やはりNYが一番興味深かったです。

移動手段は基本夜行バス・自転車・徒歩で、宿泊はすべてAirbnbで転々と巡りました。NYCではアッパーイーストの地域を中心に華やかな印象でしたが、南に行くとチャイナタウンがあり、少し一般住宅のような雰囲気で落ち着いていきます。島を移り、2件Airbnbを利用したジャージーシティの地域に行くとインド系の地域、アフリカ系アメリカ人の地域などに分かれており、どちらにも宿泊したのですが、NY周辺のイメージとは違った一面も見ることができたのもいい経験になりました。

冬休みはアメリカ大陸横断、ペルー、ボリビア、コロンビアなど北アメリカ、南アメリカをもっと深く観光予定ですので、また何かしらの形で報告できたらなと思います!

写真2 yuki

(セントラルパークにてアメリカ人力車と馬車発見!)

 

写真3yuki

(ハーバード学生から学生が靴にpeeしているとの情報を仕入れ、触るに触れなくなった自分。)

 

 

⑶秋学期学習内容と春学期の予定

 

前回も多少内容は述べさせていただいたので、履修したものの中から興味深かったものの内容をいくつか述べたいと思います。

 

ACE345 Financial Decision Making for Individuals and Small Business (3 credits)

 

振り返ってみるとほぼ毎週宿題があり、cash flow statement, B/S,P/Lなど基礎的な会計から始まり、ROE,ROAなどの評価手法、プロジェクトを現在価値にして評価することなど、秋学期で一番内容が充実していたと感じています。課題も日本でやっていたものより実践的で面白く、TAのところに毎週通うのが恒例になっていました。

やはりこの授業などを通して見てファイナンスの中でもコーポレートファイナンスやプロジェクトファイナンスなどに自分は関心があるのだなと実感させられています。来季もそれに関連した授業をとれたらなと考えています。

 

ACE240 Personal Financial Planning (3 credits)

 

この授業は基礎的なfinancial planningの知識を学んでいく授業です。ACEの学部のfinanceの中でもmajorが3つほどに分かれていて、financial planningというmajorがあるのは日本ではなかなかないユニークなところだなと感じています。スウェーデンからの交換留学生のグループも履修していたり、なかなか人気の授業のようです。実際に働いている社会人の方の話や大学院でfinancial planning専攻のゲストスピーカーが来たりなどいろいろな講義を楽しめるのも魅力の一つです。どんな職業につくのであれ、働き始めてからリタイヤまで積み立て投資をしていく重要性や保険や投資の重要性など幅広く学びます。なにか、ファイナンスを学ぶというよりか社会人生活をスタートさせる準備、知識を学ぶ授業のように感じていて面白いです。「21歳の時に知っておきたかった51のこと」と題して人生の教訓を学んだ日も中にはありました。

 

BADM199/395 Entrepreneurship and Enterprise Development (3 credits)

 

基本的には様々な形(法律やマーケティングなど)でentrepreneurshipに関わる社会人の講義を聞きます。前回のレポートにも書かせていただきましたが自分はArtで地域を活性化させるプロジェクトに参加させていただき、ミネソタでのミーティングなどにも参加しました。アメリカでの実際のスタートアップを体感できているので、非常にありがたい経験をさせていただいていると実感しています。今までチームで複数回conference callやミーティングを行い、現在、今後のビジネスプランをどうするか、最終調整中です。

写真4 yuki

(ミネソタ行きのドライブにて。周りはコーン畑か地平線か空のみ。)

 

春学期は引き続きfinanceやentrepreneurship系の授業を中心に実践活動系の授業とバランスをとりつつ、ずっと学びたかったSpanishの授業などもとることを考えています。

 

これまで読んでいただきありがとうございます。最後になりましたが留学のご支援をいただいている皆様に改めて感謝を申し上げます。残りの留学生活も悔いがないよう、自分らしく過ごしていきたいと思います。よろしければ今後も暖かく見守っていただければ嬉しいです。

結城一磨さんの2015年9月分奨学生レポート

JICの皆様、平素よりお世話になっております。2015年度小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学へ留学させていただいている明治大学4年の結城一磨です。

簡単な自己紹介から失礼します。宮城県から大学へ上京してきて早くも4年が経った今、大学の方を後期から休学してこちらに留学させていただいております。地元宮城で東北の震災を経験してから色々と思うことがあり上京してきました。東京の学生生活で学んだことや2年以上職場であった浅草でも学んだことの集大成としてこの度これまで培ったものを生かす機会を頂けて非常に嬉しく思っております。詳しくはcountdownの方にも書かせていただいたのでそちらの方もよろしければご覧ください。

 

<日本のこと>

到着してはじめに驚いたのが日本の存在感の薄さでした。中国、韓国、インドなどアジアからの学生の割合が大きくなってきていると言っても、日本人は本当に一握り。今まで日本の浅草で人力車の仕事で外国人観光客と接していたからか、日本のプレゼンスが下がってきている、ということは頭でわかっていても実感・納得することができませんでした。日本にいる外国人は皆日本のことに少なからず興味があって、相手側から質問が飛んでくる会話だったのに対し、アメリカでは自分から発信しないと日本の良さを実感してもらえない、興味を示してもらえないといった壁にぶつかりました。本当の意味でのコミュニケーション能力の必要性を開始1週間ほどで実感させられました。日本の良さ、日本人の良さは人一倍浅草でも体感してきたので少しずつでもその良さを発信していけたらと思います!

 

<目標>

ここで今回の留学の最低限の目標をはっきりさせておきたいと思います。

  • 英語のコミュニケーション能力の向上
  • 人脈作り
  • 海外のビジネスの体感
  • 日本のプレゼンスの向上

 

  • フィリピンと浅草でこれまでは英語を使っていたので、ある程度は自信があった英語もこちらに来て、未熟さを痛感させられる毎日です。今回の留学でコミュニケーション能力を磨き続けたいと思います。
  • 英語を上達させるためにはアメリカの現地生と絡んだ方がいいという考えはあるとは思いますが、全米2位の留学生数を誇るイリノイ大学で世界各国の友人を作る機会を逃すわけにはいかないと考え、留学生とも積極的に交流していき世界各国に友人を作っていくつもりです。
  • 海外のビジネスを体感することが本来の大きな目標であったので軸をぶらさずに過ごしていければと思います。
  • 上述したようにこちらに来て感じた日本のプレゼンスの低さを少しでも向上できるよう尽力していければと思います。

 

<日本発信>

1.早速参加してきました、日本発信イベント。

日本館が今年になって始めた日本発信イベント、”Matsuri” festivalへ参加しました。初回にも関わらず4,000人以上の参加者が足を運んだらしく、太鼓のパフォーマンス、日本文化の体験などで楽しんでいるようでした。私自身も日本から持参した人力車衣装で訪れました。道行く現地の学生の友人に注目を浴びたのはいいものの、途中からスタッフと思われて道案内に徹したり、太鼓の演奏者ではないという説明に追われていましたが笑。

写真1

(“Maturi” Festivalにて友人に撮影された写真の一枚。)

 

2.カラオケ大会

アメリカにもカラオケがあると言うことでこれもよい日本発信だと思いエクアドル、ロシア、インド、チリ、ヨルダンなどのメンバーで訪れました。いつものメンバーのエクアドルの友人以外のメンバーは初めてのカラオケ。という中でカラオケの楽しさを終始痛感、感動していたので大成功です!現在は英語の曲のレパートリーを増やそうとその友人たちと英語版カラオケメジャーソング集を作り、密かに練習中です。

写真2

(カラオケにて。集合写真。)

<授業内容>

アメリカにてfinanceやentrepreneurshipを学び、体感したいと留学開始当初から考えていましたのでそれらを重点的にとろうと決めました。授業内容の詳細は次のレポートで総括できればと思います。春学期の履修も見越して秋学期に履修するものを以下のように決めました。

 

ACE345 Financial Decision Making for Individuals and Small Business (3 credits)

アメリカ式で会計を学び、投資について学ぶ授業です。一番やることが多く毎週課題に追われていますが日本のものと比較しながら理解していくのはなかなか面白いです。

 

ACE240 Personal Financial Planning (3 credits)

文字通りfinancial planについて学ぶ授業です。前半の授業で車を買うことや家を買うことなど将来設計、家計管理を学んだりもしています。日本ではなかなかこういった機会はなく、アメリカの学生のfinanceへの関心意欲の高さも毎回痛感しています。

 

BADM199/395 Entrepreneurship and Enterprise Development (3 credits)

起業やビジネスプランの立て方などを学ぶ授業です。実際にプロジェクト単位でチームに分かれます。私はもともと音楽イベントなどにも興味があったのでArt,具体的には音楽などのイベントで地域をより活性化させようというプロジェクトに参加しています。早速ミネソタまで9月の下旬にミーティングのために訪れる予定です。

 

ENG 360 Lecture in Engineering Entrepreneurship (1 credit)

本来はlearning community しかとれない授業らしいのですが、どうしてもと言って教授に参加させてもらっています。毎週経営者、投資家など起業関連の人々が来て講演をしてくれます。大学内の起業関連イベントの情報が流れてくるので非常にありがたく参加させてもらっています。

 

PSYC 245 Industrial/Organizational (I/O) Psychology (3 credits)

リーダーシップのプログラムに関心があり調べていた時に見つけ、心理学は日本で学んだことがなく、関心がある分野でしたので履修しました。前半はリサーチ手法や分析方法などを学んでいます。過去に就職活動を少しした経験もあり、採用側の視点に立ってなぜあの時あのテストを受けさせられたのか、あの質問にはどのような意味があったのか、など講義形式ではありますが毎回学ぶことの多い授業だと感じております。

CMN101 Public Speaking.  (3 credits)

英語のプレゼンテーションに自信をつけたかったので履修しました。プレゼンテーションの手法は日本であまり学ぶ機会がなかったのでいい機会になっています。

 

<課外活動>

学業と同様、秋学期は課外活動にも力を注いでいます。留学生数の多いイリノイ大学で世界各国に友人をつくる目標も人脈作りの点で掲げました。今まで野球や人力車で体力だけは人一倍つけてきていますので、持ち前の体力を生かしフットワーク軽く色々な場所に訪れ、コミュニティーに参加しています。

さすがに皆、全米有数のパーティースクールの自覚があるらしく、年中いとまなく様々なイベントがあり、田舎ではある一方で浅草に負けないぐらいの忙しい場所という印象が強いです。

写真3

学内でもお気に入りの場所、krannert centerでのguitar festivalの様子。

 

 

浅草の人力車では神道や仏教を学ぶ機会があったのでせっかくのアメリカなのでキリスト教を学ぼうとしています。そのため、週1〜2回のBible Studyグループにも参加しています。その他では不定期にentrepreneurship系イベントへの参加、international eventsなどへの参加も心がけています。 最後に忘れていけないのは週2回以上のARCジムでのトレーニングです。健康管理には人一倍気をつけ、アメリカ太りしないよう、食事と栄養を摂取するタイミングもしっかりと管理しています。(提供されない限り自分でピザは選ばないといったルールを自分に課しています。)出国前に矢部先生からプロテインをもらって背中を押されましたので、帰国する頃までにはアメリカに留学していたことが分かる程度の体に磨きあげ、期待に答えたいと思います。

 

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(全米大学最大級のジム、ARCにて。徒歩2分ほどで着くので大満足です。)

 

 

最後にはなりましたが、このような貴重な留学の機会をくださったJICの皆様に感謝を申し上げます。この留学期間の多くの人たちとの出会いは一生ものだと思います。最大限にこの機会をいかすべく、毎日を過ごさせていただいております。よろしければ今後も応援のほどよろしくお願い致します。