2008年度奨学生レポート(武友 浩貴)

JICの皆様ご無沙汰しております。シャンペーンは少しずつではありますが暖かくなってきております。いろんな意味で刺激的だった留学生活も6週間余りとなりました。春学期開始からスプリングブレイクまでの近況報告をさせて頂きます。

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<春学期>
今学期は自分の専攻の中でもとくに、専門分野に近い授業を多くとることにしため、とっている授業全てが構造に関する授業になっています。CEE470はStructural Analysisという授業で、構造分析に関する理論を徹底的に学びます。この授業の良い点は、実際に紙とペンを使って構造を分析するということは勿論のこと、それと平行してMATLABというコンピュータプログラムを用いることで、授業で学んだ理論が実際にどのように応用されるかということを学ぶことができます。毎週のホームワークは結構なボリュームですが非常にやりがいのあるコースです。ちなみにMATLABはイリノイ大学の学生であればただでライセンスをもらうことができ、自分のコンピュータにインストールすることが可能です。

CEE360はStructural Engineering で、実はCEE470を受講するための必須科目なのですが、同時に両方とることが可能だったので、今学期に受講することにしました。実際は日本で学んだ構造力学の授業の内容とほとんど同じだったのですが、内容がとても濃く、新しく学ぶことも非常に多いです。このコースもとてもやることが多く、忙しいですがCEE470と同時にとることで構造力学に関する理解が相乗的に深まります。

CEE461はReinforced Concrete というクラスです。このクラスではReinforced Concreteのデザインのやり方や、その性質を学びます。このクラスの教授は非常にユニークな人で、授業中にYoutubeを使って彼のチームが行ったコンクリートの破壊試験をいくつか見せてくれました。彼はテキスト以外のことも詳細に教えてくれるので非常にわかりやすいです。ちなみにオバマ大統領の就任式が行われた日、授業中にも関わらず、教授がスピーチをオンラインで見せてくれたことはとても印象的でした。CEE461のもう一つ興味深い点は、ノートの提出を求められるということです。春学期の最後に各自をノート提出しどのように要点をまとめ、どれほどの内容を自分でカバーしたのかということがチェックされ、採点されます。ノートが全体の成績の20%を占めるため、きちんと整理されたノートをつくることが重要です。これらの科目は中間試験が二回以上あり、休む暇がありません。しかしハードなコースは非常に学ぶことが多いため後悔はしておりません。

最後にCEE498というコースを紹介します。これはIndependent studyと呼ばれており、担当の先生に指導してもらい論文を書くと言うコースです。僕の場合、自分の決めたテーマについて約35ページの論文を書きます。アメリカの大学では論文を書くことは卒業要件ではないことが多いのですが、僕はぜひこちらでリサーチをしてみたかったため、受講しました。論文のテーマは”Financial analysis of construction companies and economic research on construction industry” です。Civil Engineeringに直接関係するトピックではないのですが、担当の教授が認めてくれたため実現しました。内容は米国における金融危機がアメリカの企業にどのような影響を与えたか、そしてこれからの展望についてのリサーチです。企業のバリュエーション方法は金融に関するテキストを用いて独学しています。国際的経済危機にまで発展したこの金融危機ですが、本論文ではアメリカのローカルな経済問題にフォーカスしています。よってCaterpillar (本社はイリノイ州のPeoria という街にある)などローカルな雇用問題に直接関係する大建設会社をメインに分析し、よりローカルレベルでの経済分析ができればいいと考えています。4月末が締め切りですのでこれから忙しい日々が続きそうです。第一回の中間試験が一段落したころ、友人にあうためにシカゴに二度目の訪問をしました。今回はArt Institute of Chicago という美術館に行ってきました。以前から一度は是非行きたいを思っていたのですが、以前のシカゴ訪問では行きそびれていました。今回は多くのすばらしいヨーロッパ近代絵画を見ることができ非常に満足しました。

<スプリングブレイク>
今回のスプリングブレイクは特に旅行をしたわけではなく、セントルイスにあるWashington University で論文の執筆などに勤しんでおりました。Washington University ではRelay for Life というボランティアに参加しました。このイベントはガンに関する知識を広めるため、よりよい治療法のためにボランティアを集い、夜6時から朝の6時までグランドを歩き続けるというイベントです。僕の友人がイベントのリーダーをしていたこともあり参加したイベントでしたが、ガンに関する知識や、それがもたらす恐ろしさや悲しさを学ぶことができとてもいい経験でした。

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これからファイナルまでは論文や中間試験であっという間だと思いますが、最後まで精一杯頑張りたいと思います。JICの皆様、友人、そして家族への感謝の気持ちを忘れずにこれからも精進していきたいと考えております。

武友 浩貴

写真解説
1、シカゴにて
2、Relay for life のキャンドル点火の写真

2008年度奨学生レポート(武友 浩貴)

JICの皆様、ご無沙汰しております。シャンペーンは一段と冷え込み、日本では経験したことのない寒さが続いています。さて、秋学期がすでに終了し残されたイリノイでの生活も春学期の約4ヶ月になりました。以前のレポートから今までの近況報告させて頂きます。

<ボストンキャリアフォーラム、中間試験>
十月の終わりから十一月の初めにかけての3日間、ボストンで行われたキャリアフォーラムに参加してきました。このキャリアフォーラムはアメリカの大学で学ぶ日本人や、日本語を学んでいるアメリカ人の学生を対象とした非常に規模の大きいフォーラムです。多くの留学生やアメリカ人の学生たちが就職活動をこの短期間で行います。約10000人近くが参加していたらしく、日本人の多さに驚きました。最初の二日間は昼食をとる暇もないくらい忙しいスケジュールでした。日本語、英語で合計約15回の面接を受けた結果、幸いにも米系投資銀行からオファーを頂くことができました。

最後の1日はボストン観光をしました。僕をボストンで滞在させてくれた友人とともに歴史溢れるボストンの街を歩き回りました。この季節のボストンは紅葉がとても美しく、ボストンの魅力を満喫でと思います。

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ボストンから帰ってきてから、サンクスギビングブレイクまでの3週間は、中間試験やクラスのプロジェクトに追われ非常に忙しかったです。時間をもう少し上手く管理できれば、プロジェクトももう少し進められたのではないかと反省しています。中間試験はクラスのノートを持込みできるというものあったのですが、その分難易度が上がったりと上手く調整されていました。

<サンクスギビング>
サンクスギビングブレイクの約1週間にシカゴ大学に通う友人を訪れてきました。実は僕にとってはこれが最初のシカゴ訪問ということもあり、僕の友人がシカゴを色々案内してくれました。滞在したシカゴ大学は校舎も古いものが多く、歴史ある大学だという印象を受けました。また僕の滞在した寮から、次期米大統領オバマの自宅が徒歩10分ということが判明し、見に行ってみようと考えましたがセキュリティーが厳しく、見ることも不可能ということで断念しました。シカゴのダウンタウンは多くの高層ビルが立ち並んでいますが、その中にユニークなモニュメントが潜んでおり、とても面白い街です。自分の専攻の観点からも、様々なビルを見ることができてよかったと感じています。しかし11月のシカゴは風も強く、極寒でした。シカゴは “Windy City” と呼ばれており、風の強さは有名ですが、まさかここまでとは思いませんでした。

<期末試験、ファイナルプロジェクト>
サンクスギビングが終わると、期末試験の準備やファイナルプロジェクトの完成に向け、学生たちは一斉にスパートをかけます。僕はとっていた授業がほとんどプロジェクトをメインにしたものでいたので、期末試験は一つしかありませんでした。心配されたプロジェクトもほとんどが締め切りに余裕をもって終わらせることができ、クラスメートに向けてチームでプロジェクトの内容についてプレゼンテーションを何回か行いました。チームで約25分間のプレゼンテーションでしたが、限られた時間の中でいかに自分の言いたいことを伝えるかということは今後の大きな課題となりそうです。この数回のプレゼンテーションで見つかった課題などは、克服することで将来自分の仕事に生きてくるはずです。またこの期末試験シーズンにイリノイ大学の日本館の郡司先生がディナーに招待してくださり、日本風のカレーをごちそうになりました。とても懐かしい味がしておいしかったです。また日本館は内装がとても美しく、日本の文化をアメリカ人の学生たちが味わうことのできるすばらしい施設だという印象を受けました。

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<ウィンターブレイク>
期末試験やプロジェクトが終わり、約一ヶ月のウィンターブレイクが始りました。僕はニューヨークにいる友人たち、そしてカリフォルニアのスタンフォード大学にいる友人たち、教授を訪れるために、まずニューヨーク行きのチケットを買い、2009年の1月1日にカリフォルニアに飛ぶというプランをたてました。年末のニューヨークは観光客でいっぱいで、特にタイムズスクエアは歩くこともままならないほどです。ニューヨークでも友人のおかげでほぼすべての観光スポットを回ることができました。ニューヨークでは本当に色々な人が自分独自のスタイルを持って生活しているなという印象を受けました。

年が変わった初日は移動に費やしました。ニューヨークから、サンフランシスコまで約7時間のフライトでした。サンフランシスコの気候はニューヨーク、シャンペーンに比べるととても暖かく穏やかな気候でした。滞在したスタンフォード大学付近はシリコンバレーの中心でFacebookなどのテクノロジー中心のオフィスが立ち並びます。スタンフォードでは多くの友人、日本でお世話になったカレン教授に会うことができとても嬉しかったです。サンフランシスコにも何度か足を運びました。スタンフォードからサンフランシスコまでのドライブは景色もよく非常に気持ちのいいものでした。サンフランシスコはニューヨークに比べると人もそんなに多くなく、リラックスしながらゆっくり観光ができました。

現在はシャンペーンにもどり、春学期に向けて準備をしています。次が最後の学期ですので思い切り頑張りたいと思います。最後になりましたが、JICの皆様、友人、そして家族への感謝の気持ちを忘れずにこれからも精進していきたいと考えております。

武友 浩貴

(写真一枚目はボストンの紅葉、二枚目はイリノイ大学の友人たちとキャンパスのバーにてです。)

2008年度奨学生レポート(武友 浩貴)

JICの皆様、ご無沙汰しております。アメリカに来てから約2ヶ月半、そしてイリノイ大学に来てから約一ヶ月半が過ぎました。私のこれまでの近況報告をさせて頂きます。

<Washington University in St. Louis>

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イリノイ大学にいく前の一ヶ月間、私は知人が通うWashington University in St. Louisに滞在しておりました。この大学は米国でもトップ10に入るとても優秀な私立大学でキャンパスの綺麗さや学生へのサポートの充実ぶりに驚きました。ここでの一ヶ月間は非常によい経験でした。ちなみにこの大学はthe best quality of life on campus in the statesという評価をうけているらしく、レストランやカフェでの食事はすばらしいです。また大学のすぐそばにはフォレストパークやアメリカで一番大きい国立動物園があるなど非常に良い環境にあります。イリノイ大学にきてからも二週間に一度はこの大学にきて快適な週末を過ごしております。

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Washington University in St. Louisに一ヶ月滞在した後、イリノイ大学に来たのですが、こちらはWashington University in St. Louisとは違い州立大学なので私立大学にはない大学の雰囲気を感じることができました。特に学生の多さには驚きました。友人に尋ねたところ約4万人の学生がひとつのキャンパスにいるらしく、非常に活気溢れるキャンパスだなという印象を受けました。Washington University in St. Louisは私立大学であるためundergraduatesはおよそ6000人ほどであるため、イリノイ大学の規模の大きさがわかります。ちなみに今日10月2日にWashington University in St. LouisでSarah PalinとJoe BidenによるVice Presidential debatesが行われ、幸いなことに私も同日にこのキャンパスにいることができました。学生たちはみな自分がサポートする候補のグッズを身につけ、Vice Presidential debateを見ていました。アメリカでは経済の悪化に伴い大統領選がますます盛り上がって来ています。私も忙しい合間を縫ってニュースに目を通し、みんなとよく議論をしています。

<UIUC>
ここまで私のこれまでの生活面をお話致しましたが、ここからは授業についてお話させて頂きます。私はなぜかイリノイ大学で工学部に入学したため、とっているクラスはすべて私の専門であるCivil and Environmental EngineeringのコースでCEE422, CEE421, CEE465, CEE320です。工学部いるからといって工学部以外のクラスを取れないわけではありませんが、イリノイ大学の工学部はとても有名だということもあり、せっかく工学部の入ったのだからという思いでこれらのクラスをとることにしました。すべてUpper Levelのコースなので一つ一つのクラスはとても内容の濃いものとなっております。特に400レベルのコースはすべてマネジメントに関するクラスで、京都大学では学ぶことのできなかった分野であるため、非常に面白いです。私がとっているこれらのクラスは全てチームプロジェクトに基づいているため、チームメイトとのミーティングが週に3、4回あり、そこで各自どのような役割を担うかということを議論しプロジェクトに取り組みます。よって単なるマネジメントに関する知識を得るだけではなく、チームプレイの大切も学ぶことができます。

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イリノイ大学には全米で一番大きい工学部の図書館があり、主にここでミーティングや勉強をしています。コンピュータラボラトリーなどの設備のすごさに圧倒されつつ、時には静かに勉強、そして時にはチームメイトと議論できるこの図書館を私は本当に気に入っています。また私の住んでいるSherman Hallという寮は基本的に大学院生のための寮ですので、静かな環境で勉強できます。シングルルームかルームシェアかを選ぶことができるのですが、私はシングルルームを選びました。しかしバスルームは共有です。私はミールプランを買っていないので、基本的にカフェやレストランで食事をとっております。このように非常にすばらしい環境の中で日々勉学に励んでおります。

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これからは中間試験や、膨大な宿題、そして更なるチームプロジェクトでますます忙しくなるとは思いますが、勉強面以外でも色々なことを学んでいきたいと思っております。ちなみに私はアメリカンフットボールが大好きなため、イリノイ大学の試合を観戦したことはとてもいい経験でした。これからこちらはとても寒くなっていきますが、体に気をつけながら頑張っていきます。

最後になりましたが、このようなすばらしい経験させて頂けるのもJICの皆様、そして家族、友人たちのおかげです。本当に感謝しております。

10/3/2008
武友 浩貴

「2008年度奨学生を囲む会」を東京ミッドタウンで開催

2008年4月12日(土)の午後、東京・六本木の東京ミッドタウン内のフレンチレストラン Orange にて、2008年度奨学生を囲む会を開催いたしました。当日は22名もの方にお集まりいただき、4名の奨学生を囲んでイリノイ談義が約3時間半にも渡って花咲きました。

今年度の奨学生の方4名を、次の写真向かって左から順に紹介します。

  • 椿晴香さん:東京大学理学部地球惑星環境学科。
  • 森本なずなさん:神戸大学国際文化学部。
  • 本間奈菜さん:一橋大学法学部。
  • 武友浩貴さん:京都大学工学部地球工学科。

各自の自己紹介は、まもなくJIC会員の皆様に郵送でお送りするJIC Newsletterに掲載しておりますので、楽しみにお待ち下さい。会員登録をなさってない方、あるいは住所等に変更がある方は、この機会にJICホームページ上から新規会員登録あるいは登録情報の更新手続きを行って下さい。 2008年度奨学生(椿さん、森本さん、本間さん、武友君)

会は幹事を担当した2006年度奨学生の河出君の開会の辞によりはじまり、原会長の挨拶、古市理事による乾杯の音頭の後、料理とワインを楽しみながら、奨学生及び参加者全員のスピーチを行いました。1995年度の奨学生だった庄司さんからは、7年振りにコロンビア大学への留学を終えての帰国報告、そして2005年度の奨学生だった白水さんからはこの秋学期からUCバークレイの大学院への留学が決まった旨の報告等があり、奨学生の先輩方の皆さんがその後も海外の大学等で活躍されている様子を知ることができました。

いつものように写真を担当した古市理事の心残りは、集合写真の撮影をすっかり忘れてしまった事です。以下の写真で会の雰囲気をご察し下さい。

開会の辞

料理

歓談中