松尾郁美さんの2002年5月分レポート

jicmlメンバ各位,

古市 (’92-94 MS in Computer Science)です.

昨年の秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学し,先月帰国された松尾郁美さ
んからのレポートが届きましたので,皆さんにフォワードします.

レポートの最後に書かれている次の一文,僕も全く同感です!

「・・・留学している最中は、勉強しかすることがない、と不満に思ったこと
もありますが、コンピューター設備が整っていること、落ち着いて勉強でき
る場所がたくさんあるということは大変恵まれた環境だったことに帰って来
てから気付きました。」

奨学生の皆さんは,留学前に想像した以上に多くの貴重な体験をして帰国され
た(帰国する)ことでしょう.この体験を今後それぞれの人生でどのように活
かすか,同窓生として楽しみにしてます.

以上.

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2002年 5月分レポート
松尾 郁美
一橋大学経済学部 4年
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他の奨学生より一足早く日本に帰ってきてから3週間少したちます。留学した
ての頃はなかなかアメリカに馴染めなかったのに、9ヶ月のブランクがあって
も日本にはあっという間に慣れてしまいました。やはり私は日本人なのだな、
と実感する今日この頃です。春学期はスモールビジネスコンサルティング、ビ
ジネス統計、ビジネス&テクニカルライティング、世界史、エアロビクス、ア
イススケートの授業を取っていました。

スモールビジネスコンサルティングは、ダウンタウンシャンペーンにある本当
のスモールビジネスのコンサルティングをするものです。この授業はフルだっ
たのですが、商学部のオフィスに嫌がられるほど通いつめ、そして担当の教授
にも何度もメールした結果、取ることが出来ました。私たちが担当したのはリ
タイアしたあと、Adapt-A-Lapという視覚障害者用につくられたブックホルダー
を売っているクライアントのベンチャービジネスのコンサルティングです。毎
週一回クライアントとミーティングをし、自分たちでもリサーチを進め、結果
的にクライアントの事務処理能力を改善するソフトウェアのパッケージの提供
と、ホームページやパンフレットの改訂、そして障害者のアソシエーションの
ニュースレターや、VAホスピタルなどの販売チャネルを探すというアウトプッ
トを生み出すことが出来ました。この授業は教科書もなく、「経験から学べ」
という方針だったので、全てがディスカッション中心で、わたしにとってはか
なりしんどかったですが、めげずについていきました。最後はクライアントの
方にイタリア料理をご馳走になり、しかも大変感謝していただけたので、とて
もよい経験になりました。

世界史は講義とディスカッションのクラスに分かれており、ディスカッション
のクラスでは、芥川龍之介の「歯車」など、バラエティーにとんだ読み物があ
り、とても面白かったです。ただ、私は高校で歴史を勉強しただけなので、専
門知識はまったくなく、ディスカッションではなかなか発言しづらかったので
すが、日本のことになると発言しまくったので、最後の方はクラスの友達も私
の存在を認めてくれたのか、テスト前に一緒に勉強会をしよう、と向こうから
誘ってくれてとても嬉しかったです。

秋学期は運動不足だったので、エアロビクスの授業も取りました。色んな音楽
にあわせて踊り、かなり気分転換になりました。あと、せっかくイリノイに来
たのだから、と思い、アイススケートの授業を取りました。この授業は、基本
のスケーティングに加え、スピンやジャンプなど、かなり高度な技を教えてく
れます。イリノイに留学したら、絶対オススメです。確か8週間(週二回)で
30ドルくらいだったと思います。

春休みはもとルームメートとニューヨークにある彼女の家にステイさせてもら
いました。マンハッタンで彼女の甥っ子のベビーシッターをしたり、一緒に
ショッピングに行ったり、ペルシャレストランを経営している彼女の友人にタ
ダでペルシャ料理をフルコースでご馳走してもらったり、とても有意義な一週
間でした。

ファイナルが終わった次の日にイリノイを発ったので、さすがに帰る間際は引
越しの準備、ファイナルの準備でかなりフラフラな状態でした。やはり帰国準
備として、最低一日確保することを次期奨学生にオススメします。予め荷物を
船便で日本に送っていたにもかかわらず、何故か異常に荷物の量が多く、空港
で散散怒られました。飛行機の出発時間まで僅かしかなかったことと、寝不足
と疲労で意識朦朧とし、悲壮感漂う目で見上げる私を航空会社の人もあまりに
哀れに思ったのか、「しょうがないわね、今回は許してあげるわ、」と罰金を
何とか免れました。テロのあと、かなり荷物のチェックが厳しくなったようで
す。

振り返ってこの留学生活で得たものは、異なるバックグラウンドを持つ人とい
かにしたらお互いcomfortable に共存できるか、を学べたことが一番大きかっ
たと思います。異なるバックグラウンドを持つ人に興味を持ち、彼らのカル
チャーを尊重し、かつ自分のカルチャーにも自信を持ち、自分もオープンでい
る。それが私の解答です。また、留学から帰ってきてから思うことは、イリノ
イ大学で勉強できた私が、どんなに恵まれた環境にいたか、ということです。
もちろん、周りの音が全部英語だった、ということもありますが、あれほど勉
強環境が整っているところは日本ではなかなかないのではないのでしょうか。
尤も、留学している最中は、勉強しかすることがない、と不満に思ったことも
ありますが、コンピューター設備が整っていること、落ち着いて勉強できる場
所がたくさんあるということは大変恵まれた環境だったことに帰って来てから
気付きました。

最後になりましたが、この留学という機会を与えてくださったJICの皆様には
大変感謝をしております。勉強以上に、日々の生活や旅行を通して考え、感じ
たこと、そしてそこで得た友人は一生の財産です。

松尾郁美さんの2002年1月分レポート

jicmlメンバ各位,

古市 (’92-94 MS in Computer Science)です.

秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学中の松尾郁美さんからのレポートが届
きましたので,皆さんにフォワードします.

冬休み中のメキシコ旅行でとても貴重な体験をされたようで,とても良かった
ですね.JICの皆さんに紹介できるような写真があれば,また送っていただけ
れば幸いです.ホームページ上で紹介させていただきたいと思います.

私の場合,’92-94の留学中一度だけ海外旅行をしました.行き先は中米コスタ
リカ.コスタリカでは大西洋から太平洋へ車で半日で移動できるのですが,太
平洋側はサーフィンに最適な荒々しい海,カリブ海側はブルーグリーンの穏や
かな海と,全く違った光景なのにびっくりしました.結局私はカリブ海側が気
に入って,一旦太平洋側へ移動したのに,すぐに舞い戻ってカリブの海を存分
に楽みました.

JIC奨学生の皆さんに残された留学期間はもう半年もありませんが,機会があ
れば,米国の各地や周辺諸国を旅し,見聞を深める事をることをお勧めします.

以上

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2002年 1月分レポート
松尾 郁美
一橋大学経済学部 4年
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冬休みは旅行をしてきました。特にメキシコの旅がとても印象に残っています。
行く前はどちらかというとペルーに行きたくて、取り立ててメキシコに惹かれ
ていたわけではなかったのですが、あまりの自然の雄大さに感激して帰ってき
ました。かの有名なChichen-Itzaの遺跡から見た景色は一面ジャングルで筆舌
に尽くしがたかったです。そしてカリブ海で泳いでも来ました。カリブ海は濃
いブルーグリーンであんなにきれいな海をみたことは今までありません。ただ
見ているだけでも飽きない海です。新しい発見や新たな出会い、やはり旅はす
ばらしいと思います。かなり心をリフレッシュさせて帰ってきました。

そしてシャンペーンでの新学期。とても寒くて今日は雪が積もっています。授
業登録も今週から始まりましたが、また取りたい授業はfullで毎日やきもきし
て生活しています。誰かがドロップアウトするのを待ったり、先生に無理を言っ
て入れさせてもらったり。それでもまだもう一つ取りたい授業が先生からの
response待ちで、本当にこの登録過程には辟易しています。

とりあえず登録が出来た授業はBusiness & Technical writingでビジネスにお
いての手紙の書き方、レポートの書き方を勉強する予定です。あとは先学期に
引き続き、Business Statistics。エクセルを使って回帰分析を勉強します。
グループプロジェクトもあるのでまた締め切り前にはグループそろっての徹夜
が続くことでしょう。他にはWorld History。冬休みに旅行をしたのがきっか
けでこの授業を取ることに決めました。やはり、様々なバックグラウンドをもっ
た人々が同じ地球上でcomfortableに共存するにはお互いのcultureをよく知っ
て理解することが大事だな、と思ったからです。それに、ここに住むアメリカ
人の学生が他の国のcultureに対してどのような考えを持っているのかにも興
味があります。もう一つ、どうしても取りたいのがBusiness Administration
のSmall Business Consultingです。しかし、これは先生からのresponse待ち。
取れる可能性は五分五分です。あとは気分転換に体育の授業なんかも取ってい
ます。

やはり取りたい授業がフルでそのために先生やオフィスと何度も連絡を取った
りするのはかなりエネルギーを消耗します。しかも、それで確実に取ることが
出来ればいいのですが、ダメ、と言われたり、response待ちだったりするとな
おさらです。こればかりはJICの力でなんとかしていただきたいものです。きっ
と後に続く奨学生も同じことでものすごく苦労すると思います。

留学生活も残り半分になりました。もう半分、と思ったり、まだ半分、と思っ
たり気分は色々ですが、とりあえず残された時間で色々なバックグラウンドを
持つ友人を作ったり、勉強をしたり、英語を磨いたり、楽しいことをすること
も忘れずに、たくさんのことを吸収したいと思います。

松尾郁美さんの2001年10月分レポート

jicmlメンバ各位,

古市 (’92-94 MS in Computer Science)です.

秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学中の松尾郁美さんからのレポート
が届きましたので,皆さんにフォワードします.

松尾さんは一橋大学の4年生で,一橋では国際経済学(国際貿易)を専攻
されていたそうです.渡米してからの2カ月で様々なハプニングに遭遇し
ながらも,自力で問題解決して元気に留学生活を送っているようです.既
に東京のビル群がなつかしいと思っているようですが,とうもろこし畑に
囲まれて暮すという体験はめったに味わえるものではありませんから,是
非とも色々な楽しみを発見して頑張って下さい.例えば,IMPEのプログラム
に参加して汗を流すってのも1案かと思います.

http://www.campusrec.uiuc.edu

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2001年度10月分レポート
松尾 郁美
一橋大学経済学部
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こちらに来てから今まで、ありとあらゆるハプニング続きで毎日本当に
あわただしく過ぎてしまいました。着いた二日目の夜に計三度も火災警報
のベルにたたき起こされたり、その数日後にはトルネード警報で地下室に
二時間も待機させられたり。そして三月に買ったばかりのパソコンが何故
か故障してシャープUSAに送る羽目になったり、先日のアメリカへのテロ
の影響で日本からこちらの銀行に送金が出来なくなってしまい、寮費を支
払うためにシティーバンクのATMから大量の現金を引き出してこちらの口
座に移し替えたり、とたくさんの不運に見舞われました。先週はミッドター
ムの嵐で、今はやっと落ち着いたところです。と書きたいところですが、
ミッドタームが終わってさっそくLAR からSHERMAN に引越し、もうじき着
いてから二ヶ月がたとうとしているのに未だにあわただしい毎日です。

授業はESLのほかに、統計学、経済学、スピーチコミュニケーションを
取っています。統計学は日本と違ってEXCELを使ったり、グループプロジェ
クトをしたりしています。グループプロジェクトでは先日、日曜日に午後
3時から10時まで合計7時間にも及ぶミーティングをしました。経済学
は、women in the labor market というものを取っているのですが、日本
の大学、とりわけ私の通っている大学の経済の授業では決して開講されな
いような内容であり、しかも私が卒論で書こうとしているトピックなので
とても興味深いです。しかし、驚いたのは、先生は男性、生徒も半数は男
子学生なんですね・・・。スピーチコミュニケーションはパワーポイント
などを使いながら効果的なpublic speaking を学ぶ、というもので、割り
当てられた日にそれぞれがプレゼンテーションをするのですが、私として
はかなりしんどい授業です。周りはほとんどネイティブですが、先生は私
が外国人だからといって情け容赦ありません。ネイティブと同じ物差しで
計られます。

シャンペーンは想像以上にローカルで、外界から閉ざされている感があ
ります。先日のAttack on Americaでも、2,3日はキャンパス全体が騒
然とした雰囲気に包まれていたような気がしますが、私のとっているクラ
スではESL以外まったく事件についてのディスカッションはなされなかっ
たし、ディスカッションをするより授業を休講にしてほしいと考える生徒
が多かったのにはびっくりしました。ここでは、インターナショナルス
チューデントのほうがやはり、よく世界に目を向けているのだな、という
ことを痛烈に実感しました。しかし、大学側のほうは、いち早くアメリカ
人学生や留学生を対象にしたカウンセラーを設け、学生の精神状態の安定
化を図ろうとしていたので、その辺はさすがアメリカだな、と感心しまし
た。

また、ここはローカル故にこれといって勉強を妨げるような娯楽もない
ので、勉強に集中するのには最高の環境といえます(笑)。しかし、やは
り少々、いや、大分(?)東京のビル群、ショッピング街、喧騒がなつか
しいです。

ミッドタームと引越しも終わってほっとしているのも束の間。来週はま
たプレゼン、テスト、プロジェクトに忙殺される日々となりそうです。し
かもここ数日天候が思わしくなく、雨がちなので、ともすると憂鬱になり
がちですが、休みの日などに楽しみを作るなどして、うまく気分転換をし
ようと思っています。それでは。