砂子知香さんの2004年5月分レポート

JICメンバー各位、

大田(’01-02 LAS)です。

JIC奨学生としてUIUCへ留学中の砂子知香さんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。砂子さんは先週、無事日本に帰国されたそうです。総会でまた留学中のいろいろなお話を聞かせていただくのが楽しみですね。1年間レポートをありがとうございました。

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2004年5月分レポート
砂子 知香
一橋大学法学部4年
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あっという間の1年でした。今期は少し余裕を持って取り組めたのではないで
しょうか。時間が経つのも早く感じられて、今こうして最後のレポートを書い
ていることに驚いています。

私は先週、無事に帰国しました。あまり実感もなかったのですが、ようやく様々
な手続きを終え、普段の生活に戻り、落ち着いてきたところです。

留学を通して本当にたくさんの人と出会うことができました。友達もどんどん
増えて、気付けばそこに自分の居場所があるという心地よさに包まれていまし
た。日本に帰りたくないという気持ちにさせてくれたのは、この留学が自分に
とってどんなに素敵なものであったかを表しているのだと思います。勉強の大
変さはもちろん、全てが挑戦、というような毎日でした。その意味で、とても
生気を感じる毎日でした。そして、発見の毎日でした。日本を離れて初めて気
付くことがいっぱいあります。また、自分を見つめ直すきっかけにもなったと
思います。

具体的にどんな生活を送っていたかというと、朝起きてまずパソコンに向かい、
朝食を取りつつメールやインターネットをしていました。そして、授業の予習
を少しやって、いざ授業へ。なぜか私が履修していた授業は、こまめにクイズ
をしてくれたので、毎回が真剣勝負でした。午前中に1つ、2つ授業を終え、
一人で、またはお友達と昼食。このリラックスした時間が幸せです。冬の厳し
さのためか、みんな日向ぼっこが大好きで、クオッドは大賑わい。また、お昼
の楽しみの一つとして、Daily Illiniを欠かさず読んでいました。自分から行
動するためには、まず情報収集が必要です。おかげで地元のことに詳しくなり
ました。午後も1つ、2つの授業。私の場合、一日の授業がすべて終わった頃
には疲れ切っていました。でも、まだまだやることはたくさんあります。ただ、
テスト前じゃないときはお友達との時間を最優先に考えていました。お食事に
行ったり、映画に行ったり、お友達のお家ではよくパーティーをしました。夜
遅くにキャンパス内を散策したりもして、普段のがんばりにご褒美。この楽し
い時間が恋しいです。

最後に、私の留学生活の大きな支えとなったのが、ルームメートの存在です。
日本ではできない経験を、と思い、寮は二人部屋にしました。問題も何かと多
いと聞いていたのですが、私は幸運にも素敵な素敵なルームメートに出会いま
した。初めての共同生活で、気を遣うことはもちろんありましたが、一緒にご
はんを食べたり、お買い物したり、とても仲良くしてもらいました。私の英語
の先生役でもあります。そして、悲しかったとき、つらかったとき、ルームメー
トにどんなに励まされたことか。ルームメートなしでの留学生活は想像できな
いくらいです。

この1年で、本当に多くの人に出会い、支えられ、素敵な経験をいっぱいしま
した。

こんな素晴らしい機会を与えて下さったことに感謝すると共に、帰国後はこの
経験を生かしてがんばっていきたいと思います。本当にありがとうございまし
た。

江崎歩さんの2004年5月分レポート

JICメンバー各位、

大田(’01-02 LAS)です。

JIC奨学生としてUIUCへ留学中の江崎歩さんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。

早いもので、最後のレポートとなりました。最後に書かれている「この留学に点数をつけるなら」というところ、さて江崎さんは何点をつけられたのでしょうか?!それでは、お楽しみ下さい。

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 2004年 5月分レポート
江崎歩
筑波大学医学専門学群6年
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JICのみなさま、ご無沙汰させていただいております。ここ数日はついにシャ
ンペーンにも夏のような暑さがやってきており、いよいよ最終レポートをお届
けするときが来てしまいました。5月分レポートの締め切りは5月末まで猶予を
いただいたのですが、私の場合、帰国してしまうと今の感情をうまく表現でき
なくなってしまうのではないかと考え前もって書かせていただいている次第で
す。

1月に前回のレポートをお届けしてから4ヶ月弱になるとは信じられない思いです。

書きたいことは山のようにあるのですが、このレポートでは、春休みのこと、
教会のことについてご報告し、最後にこの9ヶ月間について評価したいと思い
ます。そして、それだけではあまりにみなさまに対して恥ずかしいので(?)
授業のことについて最初に少しご報告できればと思います。

<授業のこと>

秋学期は10ページに渡るペーパー2つ(それから、スピーチ)を同時に抱えて
いたことなどもありよく生き延びることができたものだ、と今さらながら自分
で感心してしまいますが、今学期は授業の課題自体は秋学期よりは結果的に楽
なものとなりました。Health Statistics, Interpersonal Communication,
Health Education Evaluation, Macroeconomicsをとっていたのですが、どれ
も別の意味で意義深かった中で、特にInterpersonal Communicationのクラス
からはこれから自分の日常生活と仕事両方の場面で伸ばして行きたい大切な
Skillについてたくさん学ぶことができました。Emotional Support、Initianl
Interaction、Conflict、Criticism、Self DisclosureのSkillについて実際に
実践してみてジャーナルを書き、学期前と後でどう変わったかを評価するとい
う課題があったのですが、面白かったのは、多くのSkillについて学期終了時
の方が自己評価の点数が低くなっていたことです。これは自分のコミュニケー
ション能力についての意識が高まって自分に足りない部分に気づくようになっ
たためですが、長い目で見れば、足りないと思っている部分が実践できるよう
になればいいなと思います。

<春休みにクリニックで実習をしたこと>

JICの交換留学とは直接は関係がないのですが、シャンペーンで勉強させてい
ただいたことがきっかけになり、Springfield,ILにあるSouthern Illinios
University のFamily Practice Clinicで5日間の見学実習をさせていただきま
した。私は現在医学部の6年生を休学中で、同級生の中には大学から与えられ
る機会を利用して海外で病院実習をした友人もいましたが、交換留学生として
ここに来るまでは、特にアメリカで臨床をやりたいと考えたことはありません
でした。患者さんとのinterpersonal communicationが重要になってくる臨床
の場で、私がアメリカ人の医者以上に患者さんのために役に立てるはずなどな
いと考えたからです。その気持ちは、今でも変わっていません。ただし、今は、
将来日本の患者さんにもっと役に立てるように自分の医者としての力を磨くた
め、アメリカ人の患者さんの役に立つというよりもむしろ自分が学ばせていた
だくという目的のためであれば、アメリカは非常に素晴らしい訓練の場所だな
と感じるようになっています。そんな風に感じるようになったのは、秋学期の
授業で、わからないことをつっこめばどこまでも一生懸命教えてくれるこちら
の教育の姿勢を経験したからでした。この機会を与えられたことに改めて感謝
します。

実習では、短い間(春休みが1週間だったので、月から金まで5日間お世話になりまし
た)だったことと私が英語に自信を持ちきれずあまり積極的になりきれなかったこと
から患者さんから病歴をうかがって診察をして診断と治療を考えて先生にプレゼン
テーションしてカルテに記入して、、という一連の流れをやらせていただけたのは1
日だけでしたが、とてもいい経験になりました。私の問診や診察に文句も言わず、最
後には”Nice to meet you! Good luck!!”と笑ってくださった(笑うどころではない
患者さんもいらっしゃいましたが)患者さんたちの優しさに心から感謝します。

<新しい命>

非常に個人的なことであること、別の宗教をお持ちの方がどのように受け止め
られるかがわからないことからレポートに含めるかどうかを迷ったのですが、
このことを抜きにして自分の9ヶ月間は語れないと考えご報告させていただく
ことに決めました。もしも、JICのレポートとして不適切な部分がありました
らご指摘願えれば幸いです。

2004年5月2日、クリスチャンとして洗礼を受けて、新しい命をいただきました。

こちらに来て9ヶ月間、international studentsのために開かれたBible Study
に参加させていただいてきたのですが、最初のうちは少しでもよくキリスト教
を理解できれば、というくらいの気持ちでおり、「人間の力を超える何か大き
な存在に対する畏敬の念は抱くけれど、それは何か特定の宗教が説く神様でな
くてもいい。むしろ、特定の宗教に属することは避けたい。」という自分の根
本的な姿勢自体を変えるつもりなどほとんどありませんでした。

しかし、教会の友人たちの、決して言葉でキリスト教の正しさを説き伏せよう
などとせず、ひたすら行いと、長い間Visitorだった私に対する深い愛だけに
よって、イエスに従うということはどういうことなのかを教えてくれた姿が私
の心に神様を真剣に求める情熱を注いでくれました。そして、自分なりに行う
ことができたリサーチなどに基づいてイエスを真実の私の救い主として受け入
れ、恐らく私の人生にとって最も重要な決断、イエスに一生従うということを
決めるにいたりました。

神様が、今の教会に私を導いてくださったことに深く感謝します。それは、今
までの日本での経験などから考えて、別の教会に出会っていてもこの決断にい
たったかと聞かれればそれは何とも答えがたいからです。先週の日曜日は学生
が夏休み前に全員集まる最後の礼拝で、卒業する学生に記念品を贈って送り出
してくださったのですが、たった9ヶ月しかシャンペーンにおらず、最初のう
ちはむしろ反発するような発言や行動ばかりしていた私のことも同じようにし
て送り出してくださったことに涙が出そうになりました。この友人たちと一緒
にお祈りした時間を、一生忘れることはないと思います。

そして、1年半前の面接のとき、私をここに送ることを決めてくださったJICの
みなさまに心から感謝いたします。

<この留学に点数をつけるなら>

たった9ヶ月しかいなかったシャンペーンなのに、ここ数日はどこに行っても
「もうここに来るのは最後かもしれない」と思って胸がいっぱいになったりし
ます。あらゆるところに、友達と一緒に過ごした忘れがたい思い出が詰まって
います。マーケットプレイスに向かうバスの中から眺める景色にも、Downtown
まで歩いた道の中にも、友達と一緒に走ったArmoryのTrackの中にも、中村さ
ん(寿美子ちゃん)が住んでいるコスモポリタンクラブハウスのキッチンにも、
Green Streetのひとつひとつのレストランの中にも、たくさんたくさんつまっ
ています。

この9ヶ月を採点するなら、ということを考えていました。自分の授業などに
対する態度を評価するなら、もっともっと積極になれたかもしれないところで
声をあげるのをためらってしまったりということが何度もあり、もう少しここ
に滞在できたら今度こそ頑張ろうと言ってみたところでもう授業はすべて終わっ
てしまったので、85点くらいしかあげられないなあと思います。一方で、9ヶ
月の私の人生における意義は、ということを考えると、それは今後私がどんな
風に生きていくか、ここで出会った友人たちと、離れ離れになってしまった後
でどんな関係を築いていけるかということに多くを左右されると思いますが、
今の気持ちとしては、100点満点をあげたいです。これだけのすばらしい友人、
出来事、チャンスをいただいたことに対して、自分がこれからの人生を持って
答えていく順番だと思っています。

JICのみなさま、本当にありがとうございました。これから、今後JICから派遣
される留学生の方たちのお手伝いが少しでも出来ればと思っています。今後と
もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

中村寿美子さんの2004年5月分レポート

JICメンバー各位、

大田(’01-02 LAS)です。

JIC奨学生、中村寿美子さんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。

中村さんは、夏まで引き続きシャンペーンに滞在し、ボランティア活動に関するインタヴューをされるんだとか。「私が夏までシャンペーンに残ろうと決めたのその理由」という部分に書かれています。

残りの留学生活、充実したものとなりますように!

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 2004年5月分レポート
中村寿美子
大阪大学人間科学部ボランティア人間科学講座4年
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JICの皆様、ご無沙汰しております。

気がつけば、あっという間に五月も下旬となり、春学期の終わったシャンペー
ンは人もまばらで、少し寂しげですがのんびりと時間が流れています。先に帰っ
てしまった砂子さん、江崎さん、篠原君とは少し行動が別になってしまいまし
たが、学生の身勝手な身分をいいことにひとりシャンペーンに残らさせていた
だいております。

 前回のレポートは「体調を壊しました~」という悲惨なメールになってしま
い、ご心配をおかけ致しました。あのときは一時の風邪で、それからは元気に
過ごしています。そのレポートでは冬休みのことを書きましたが、それから春
学期、春休み、ファイナル、夏休みと、時間は経つのが本当に早いものだなぁ
と改めて思っています。

春休は、冬休みのアイオワ農場体験を忘れられず、今度は、ご存知の方も多い
と思いますが、シャンペーンから車で20分ほどのMonticelloという街にあるイ
リノイ大学付属のAllerton Parkというとろで一週間泊り込みのボランティア
プロジェクトに参加しました。

またもFarmで働いたり、木屑を拾って森を整備したり、と(とっても重労働で
したが)自然の中で思い切り楽しんできました。夜のナイトハイクやキャンプ
ファイヤーはすごくいい思い出です。

 前置きが長くなってしまいましたが、今回は、私が夏までシャンペーンに残
ろうと決めたのその理由について簡単にまとめたいと思います。

 第一の理由は、この留学期間で学んだことを、いちどここアメリカでじっく
り振り返りたいと思ったことです。何かにつけてストレスの多かった秋学期、
がんばろうがんばろうと思ってなんだかちょっとしんどくなってしまった感も
ありました。そして前回のレポートでも書いたように、アイオワのゆっくり時
間の流れるファームで過ごした冬休みの一週間。その間に、「春学期はもっと
余裕を持ってすごそう!」と心に決め、単純な私は勉強のストレスをいかに少
なくして楽しく過ごすかを念頭において、春学期の授業をミニマムにおさえ履
修しました。ですが、なんとなく「もう少し頑張れたかもしれないなぁ・・」
という気持ちが無きにしもあらずなのです。授業はもちろんとても充実してい
ました。特に、先学期は仲間の3人は履修したのに私だけ履修していなかった
スピーチコミュニケーションの授業は、ほんとうに勉強になりましたし、スピー
チをすることで度胸も少しついたような気がしています。

またレジャー・スタディの授業も取ったのですが、これは私の興味関心をさら
に深めてくれることになりました。現在は人間科学部ボランティア人間科学講
座というところに在籍しているのですが、このレジャー・スタディがいくつか
の点で私がボランティア人間科学講座で学んだことに似ていたこと、そしてそ
れにプラスして新たな学問的視点を与えてくれたということでは、この春学期
最高の授業と言っていいかもしれません。

それからコミュニケーション・スタディの授業では、この分野で基礎となる文
献などを読み、勉強することができました。しかし、「もう少しがんばれたの
になぁ」と思ったのは、自分自身の授業への取り組みが少し甘くなっていたこ
とや、やっぱり授業中になかなか発言できなかったことなどがあると思います。
秋学期と春学期での違いを考えたとき、反省すること多々、またちょっと自分
を褒めてあげたいこと少々(?)、などなど思い出すことはいっぱいあります。
時間はかかりそうですが、この夏にそれらをじっくり見つめていけたらいい
なぁ、と思っています。

 第二の理由は、私の研究分野であるボランティアについて、この夏休みを利
用してシャンペーンで聞き取り調査を行いたいと思ったからです。先ほども書
きましたが、私は大阪大学のボランティア人間科学講座というところに属して
いて、そこでボランティア・福祉などをキーワードに勉強してきました。私自
身は、ボランティアとメディアの関わりに興味があるのですが、今回は私自身
の卒論に向けて、少し思考を変えて、ボランティアがコミュニティーでどのよ
うに組織されマネージメントされているのかを日本とアメリカで比較できたら
いいなぁと思っています。

ボランティアという考え方は日本では阪神大震災を機に関心が高まったと言わ
れています。その意味では日本にとってはとても新しい分野なのですが、アメ
リカはボランティア大国とも言われ(その中にもいろいろと問題はあると思い
ますが・・・)、私たちがアメリカから学ぶところは大きいと思っています。

そこで、春学期が終わる前のこの4月から少しずつこのコミュニティでのボラ
ンティア団体のボランティア・コーディネータにコンタクトを取ってインタ
ビューを始めました。特に、私自身がボランティアに行っているナーシングホー
ムのコーディネータさんには本当に様々な情報を教えてもらい感謝しています。
そのほかにも、キャンパス内のOVP(Office of Volunteer Program)、United
Wayなどのこのこ出かけていってはお話を聞く日々です。このところを書くと
止まらなくなりそうですが、ボランティアマネジメントひとつにしても、アメ
リカらしさが出ていて面白いなぁと思います。例えば、ボランティアをたくさ
んした人にはAwardを与えて派手に表彰してあげるとか(そのイベントにも参
加しました)、またボランティアだからと言って細かい規則は大目にみるとい
うことは決してなく、その団体に雇われているのと同じようにして
Applicationを書いたりサインをしたり・・・といった具合です。また、何か
の機会にもっと詳しくご報告させていただければうれしいなぁと図々しくも思っ
ております。(もし、どなたか、ご自身が参加されていたボランティア団体や
プログラムについて情報を提供していただける方がいらっしゃいましたら、ご
連絡いただければ幸いです。ぜひよろしくお願いいたします。)

 まだまだ理由は尽きませんが、最後の理由は、シャンペーンで自分の居場所
を見つけてしまったことでしょうか。この“我が家”コスモポリタンクラブも
住んで9ヶ月。思い出がいっぱい詰まっています。今はメンバーも入れ替わり
立ち代りという具合ですが、新しい人たちとも仲良く楽しくやっています。

不思議なのは去年の8月ここにやってきたとき、洗濯機の場所も冷蔵庫の場所
も、ガスコンロのひねり方も(コスモのガスコンロのひねり方は微妙なコツが
必要なのです・・・)分からなかった私が、今は教えてあげる立場にいること
です。時間が経つってこういうことなんだなぁ、としみじみしてしまいます。

それから、“My family”のホストファミリー、ベッキーとジャック。ベッキー
はこの8月で80歳、ジャックはこの3月に86歳になった連れ添って60年のご夫婦
ですが、このお2人との出会いは本当に本当にラッキーでした。もしかして私
がアメリカに来る前からそういうことに決まっていたんじゃないだろうか、と
思うくらい、私の家族として私のここでの生活を精神的にしっかりと支えて下
さっています。このお2人と週一回のナーシングホームで歌を歌う時間、そし
てその後のランチの時間、大切にしていきたいと思っています。

 あと残りのこの夏の時間を大切にして、欲張りながらもっともっといろいろ
と吸収して帰れたらいいなぁと思っています。このような機会を与えてくださっ
たJICの皆様、本当にありがとうございました。残念ながら次の総会には参加
できませんが、最新シャンペーン情報ならお届けできると思いますので、

次の奨学生の方、何か調べてきてほしいこと、知りたいことなどがあれば、
いつでもメールしてください。

 そして、最後に、先に帰ってしまった、ちか、あゆみちゃん、しおんくんへ。
今まで本当にどうもありがとう!一緒にここでたくさんのことを経験し勉強で
きて本当によかったです。いっぱい助けてもらって支えてもらってありがとう。
3人のようなステキな友人ができたことに心から感謝しています!

それでは、失礼いたします。

篠原史温君の2004年5月分レポート

JICメンバー各位、

大田(’01-02 LAS)です。

JIC奨学生の篠原史温くんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。高度9448メートルの雲の上で書かれたレポート。文章の中に、留学を通して感じたこと・学んだことがぎっしり濃縮されています。人間的にひとまわりもふたまわりも大きくなって、しかもIMPEでの肉体改造もすすんだという?!篠原くんにまたお会いする日が楽しみです。篠原くん、レポートありがとうございました。

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2004年 5月分レポート
篠原史温
東京大学システム量子学科修士課程一年
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ご無沙汰しております。篠原史温です。時が経つのは早いもので、奨学生レポー
トも今回が最後となってしまいました。現在僕は高度9448メートルの雲の上で
このレポートを書いています。今回はこの留学生活の総括として、「僕がイリ
ノイに来た本当の理由」「9ヶ月間で感じた自分の中の変化」「様々な枠を超
えた友情」の3本立てで行きたいと思います。かなり長く書いてしまったので
どうかごゆっくりとお楽しみください。

「僕がイリノイに来た本当の理由」

ほとんどの日本人がそうだと思いますが、僕は小さい頃から映画を通じてしか
アメリカを知りませんでした。「アメリカ→何となくかっこいいイメージ」と
いう何とも具体性に欠けた僕のアメリカ観を決定的に変えたのは2001年3月に
ボストンに1ヶ月間語学留学をしたときです。一言でいってしまえば、あのボ
ストンでの生活はあまり楽しいものではありませんでした。語学留学という性
格上、現地のアメリカ人と知り合う機会はあまりなく、ホストファミリーは僕
に対して「~はしてはいけない」とか言うだけでとても友情を築き上げるどこ
ろではありませんでした。その上、語学学校に行く途中のバスの中で体中にピ
アスをしたアメリカ人にからかわれたり、運賃を不当に請求したと抗議したら
バス運転手に逆切れされたりと、僕の中の「ナイスでフレンドリーなアメリカ
人」像は音を立てて崩れていきました。

帰国してから「なにがいけなかったのか?」を自分なりに考えてみました。その結
果、二つの理由が思い浮かびました。

1. 語学学校の学生はアメリカ人と「対等に」接する機会が少ない。
2. 僕の英語力(コミュニケーション能力)が不十分。

一つ目は僕の接したアメリカ人は、皆「先生」や「ホストマザー」だったりし
て普通の人間関係を築けなかったということです(でも今から考えたらアメリ
カでは先生や少しばかり年の離れた女の人とでもフレンドリーな関係になれま
すが…)。二つ目は、単純に僕のコミュニケーション能力の問題です。自分の
考えていること、言いたいことがしっかりと口に出せないようではアメリカで
はやっていけません。そういう意味での「英語力」に欠けていたと思います。

この二つの原因を解消する方法として思いついたのが、語学留学ではない「普
通の留学」をすることでした。ここでいう普通の留学とは、アメリカ人の大学
生と対等な立場で同じ授業を受ける環境に身を置く留学のことです。その意味
で、JICのプログラムは完璧でした。一年間という非常に限られた期間、アメ
リカの大学生と同じ授業が受けられる。さらに僕は、学部時代、特に一年生と
二年生のときにあまり勉強をしっかりやらずにいたことを後悔していました。
アメリカの大学は入ってからが厳しいらしい。もし1年間みっちりそういう環
境で勉強したら大学1、2年のときの「遅れ」を取り戻せるかも。。。そういっ
た経緯でJICのプログラムに申し込み、非常にありがたいことにこんな僕を選
んでいただきました。本当にほんとうに、感謝の念が絶えません。

「9ヶ月間で感じた自分の中の変化」

1. 性格

この9ヶ月で僕の性格は非常に良い方向に変わりました。主なものとして、積極的、
能動的になったということです。例えば
● ディスカッションの授業中に手を挙げて自分の意見を堂々と言えるようになった
● オフィスアワーに出向いていってTAに徹底的に質問できるようになった
● パーティーなどを企画して実行できるようになった
● 大学や公共のサービスで「これはフェアじゃない」と感じたら質問したり抗議で
きるようになった

ここに挙げたどれも、元々こういうことが出来る人から見たら、「何を言って
るんだ。こんなこと出来て当然じゃないか」とお叱りを受けてしまいそうです
が、こっちに来る前の僕はこんな当然のことすらしっかりとできない人間でし
た。でも「声を上げなきゃ、自分から始めなきゃ何も始まらない」というアメ
リカ社会の良き(?)風習のおかげで自分の欠点を改善することができたこと
は非常に嬉しいです。

2. スキル

「英語能力、コンピュータ能力以外で身につけたスキルは何か?」と聞かれた
ら、一つ目はCritical Thinking Skillだと答えると思います。どの授業も「~
は~だ」と教えられるのではなく、「~は~だから~だ」というように教えら
れました。つまりただ単に現象面、事実を追うのではなくその根本にある原因
にまで深く言及していたのです。ペーパーを書くときも、プレゼンをするとき
も、試験の答案を書くときも論理の流れは非常に重要視されていたと思います。

二つ目はプレゼンテーション能力です。秋学期にスピーチのクラスをとり、強
制的に6回もクラスの前でスピーチをさせられたという辛い(?)経験を通し
て得たものはかなり大きいと思います。最初は、「アメリカの大学生は自分の
スピーチを聴いてどう思うんだろう?」とか「本当に伝わっているのだろう
か?」とか迷いはあったのですが、途中から吹っ切れて人前に出て言いたいこ
とを思いっきり言えるようになりました。今学期のコンピュータ倫理の授業で
最終プレゼンテーションがあったのですが、40点中39点をいただきました。
自分でもまだまだ山のように改良の余地があると分かってはいるものの、この
結果にはかなり大きな驚きと喜びを感じました。

三つ目は社交スキルです。こっちの社会の性格上(?)、ほぼ毎日のように”
I’m Shion. Nice to meet you.”を言っていました。おかげで「自己紹介→
スモールトーク」の流れはほぼ完璧になりました(ただしその後会話を面白く
維持できるかはまだまだ改良が必要ですが)。

四つ目は聞き上手になれたことです。もともと人の意見を聞くのは好きなので
すが、イリノイに来てからそれがさらに深まり、友達と夜遅くまで語ることも
しょっちゅうでした。特にルームメートとはありとあらゆる分野にわたり意見
を交換したように思います。この間、彼に「いつもしっかり聞いて、適切なア
ドバイスをくれてありがとう」と言われたときかなり嬉しかったです。

3. 身体

他のJICの奨学生メンバー(江崎さん、中村さん、砂子さん)は知っていると
思いますが、「篠原史温」と「肉体改造」は切っても切れない関係にあります。
学部のときに少林寺拳法を3年間半やってたときから筋肉トレーニングは割と
好きだったのですが、イリノイに来てからそれが見事に「開花」してしまいま
した。始めは多すぎる寮の食事を燃焼させるために何となくIMPE(キャンパス
内のジム)に通っていたのですが、凝りだしてしまいいつの間にかほぼ毎日の
ように通うことになってしまいました。さらに春休み前くらいからは毎日外を
走っていました。結果的に「トレーニング好き」で知られているのアメリカ人
よりよっぽどトレーニング好きになってしまいました。でも僕がトレーニング
に励んでいた理由は実はもう一つあります。それはアメリカ人の「典型的な日
本人像」を壊したかったからです。背が(比較的)低めで、(アメリカ人と比
べれば)やせ気味で、眼鏡をかけている(人もいる)。僕はたまたま普通の日
本人より(またたいていのアメリカ人より)背が高いのであとは筋肉をしっか
りつければ良いだけでした。僕のせいでアメリカ人が「ああ、こんな日本人も
いるんだな」と思ってくれれば良いなと思っていました。「日本人は~だ」
「アメリカ人は~だ」という過剰な一般化は国際社会において百害あって一利
無しだと思います。その点で僕は国際交流に少しばかり貢献したと自負してお
ります(ちょっと言い過ぎです。実はそんなに思っていません)。

「様々な枠を超えた友情」

イリノイに来て何よりよかったと思うことは多くの友人、それもイリノイに来
ない限り絶対に作れなかったであろう友人を作れたことです。僕はもともと友
達作りがそんなに得意ではないのですが、イリノイの空気が僕を開放的にして
くれて本当の意味で良い友達ができました。

まず、JICの奨学生メンバーの江崎さん、中村さん、砂子さんです。イリノイ
に来る前は僕だけ男だということもあり、かなり不安でした。ある意味あきら
めていたようにも思えます。さらに追い討ちをかけるように僕の住んでいる寮
は他の三人が住んでいる場所からはかなり遠かったので、最初の1ヶ月くらい
はかなり「距離」を感じました。でも、9月末に僕の誕生日パーティーを開い
てくれてからちょくちょく会うようになって、夜まで話し込んだり、お互いの
悩みを打ち明け合ったりしているうちにいつの間にか強力な絆が生まれました。
こんな関係は4人でアメリカに留学をしない限り生まれないと思います。さら
にそれぞれのメンバーの「似通っている部分」と「違う部分」がうまく機能し
て化学反応が起こっていたように思います。この3人には本当に感謝していま
す。さらにみんな出身が関西地域ということもあり東京育ちの僕の喋りが関西
訛りになってしまったということにも感謝の意を表したいと思います。

寮の友達は主にアメリカ人学生です。ルームメートを始めとして多くの人と友
達になりました。少し驚いたのはかなり多くの人が日本に興味を持っていると
いうことです。”Kill Bill Vol. 1”、“The Last Samurai”、“Lost in
Translation”の三つの映画が僕たちの滞在期間に公開されていたという事実
からもアメリカにおける密かな日本ブーム(?)を感じました。日本語の授業
をとっている友達も何人かいて、日本語と英語の違いについて議論したことも
何度となくあります。彼らと「対等に」接することで生身の「アメリカ人」の
姿を見れたことは僕の今後の人生に大きな意味を持つと思います。というのは、
日本でしばしば「アメリカが~だから」論理で正当性を主張する議論がよくあ
るからです。アメリカが全て正しいわけじゃない。日本が全て間違っているわ
けでもない。そういった相対的なものの見方が出来るようになったのも彼らの
生き様(?)を生で目撃したからだと思います。そうでなかったら、いつまで
たっても「アメリカコンプレックス」みたいな感情を持ってしまったかもしれ
ません。彼らは非常に多くのことを僕に教えてくれました。でも一番強く感じ
たのは彼らも殆ど僕らと同じであるということです。来る前はアメリカと日本
の考え方は正反対だと思っていたのですが、それは表現方法すなわち表面的な
違いであって中身はそっくりであると気付きました。

留学生の友達も、とくに韓国人の友達がたくさん出来ました。隣の国、韓国の
人とはるばる太平洋を渡ってさらに陸地をかなり行ったところにあるイリノイ
の地で出会い友情を深めるなんてよく考えたらとても凄いことだと思います。
しかもお互い話す言葉は英語という外国語。それでもみんな巧みに自己表現を
してお互いを理解し合えるというのはある種芸術の域に達しているとさえ思い
ます。片方がネイティブスピーカーならもう片方の人が喋ることについて予想
が出来るので比較的簡単ですが、お互いがノンネイティブだとそうもいきませ
ん。ジェスチャー、想像、フィードバックを駆使しながら深める会う友情もな
かなか味のあるものです。こうやって英語を通じて世界中の人と友達になれた
らとても幸せなことだと感じました。その「世界中の人」が英語を話せるとい
う条件付きなのが少し難点ですが。。。

9ヶ月を振り返るつもりで徒然なるままに書いていて、気がついたらWordで5
ページ目に突入してしまいました。ここまで辛抱強く読んでくださった方、本
当にありがとうございます。でも本当は僕の5ページの作文なんかではまるで
収まらないくらい日々多くのことを感じて、考えて、行っています。江崎さん
のレポートにもあったようにこの留学を100点満点で採点するなら、僕は9
0点をつけると思います。本当は100点といいたいところですが、「自分が
満点なんか取れるわけがない」と考えているのでちょっと控えめに(?)90
点です。でも普段僕は自分にかなり厳しいので90点は相当満足な点数です。

こんなにまでも満足な留学生活が送れたのも、JICの皆様が僕を選んでくださ
り、いろいろな面で支えてくださったからです。これからは僕が奨学生を支え
る番だと思っています。また、JICの様々な活動に参加したり、JICの組織自体
に貢献したりすることもとても楽しみにしています。

これからは行動を通してこの感謝の気持ちを表現できたらと思います。いまま
で本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。

江崎歩さんの2004年1月分レポート

JICメンバー各位、

大田(’01-02 LAS)です。

JIC奨学生としてUIUCへ留学中の江崎歩さんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。

クリスマス休暇の旅行では、ハプニングにあいながらも、心に残る旅ができてよかったですね。また、今学期は”Terrorism,Disaster and Health” というセミナーを受講されるとのこと。次回もまた興味深いお話を聞かせていただけるのを楽しみにしています。

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2004年 1月分レポート
江崎歩
筑波大学医学専門学群6年
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JICのみなさま、あけましておめでとうございます(というには季節外れになっ
てしまいましたが、、)。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。早いもの
で、私の留学生活も既にその半分が過ぎてしまいました。前回みなさまにレポー
トをお届けしてからの主な出来事といえば、楽しかったサンクスギビング休暇
とクリスマス休暇の旅行、そして、学期末のレポートやファイナルに追われる
毎日でしょうか。とにかく、いつの間に春学期が始まってしまったのかわから
ないくらい飛ぶように時間が過ぎた3ヶ月間でした。今回のレポートではみな
さまに、クリスマス休暇の旅行と、授業のことについてお話したいと思います。

<Advebture of four brave girls…>

物語は、私がESLのクラスメイトである韓国人の女の子の一人に「冬休みは何
をする予定?もしまだ何も決めてなかったら、一緒に旅行しようよ。」と誘っ
たところから始まりました。彼女の2人のルームメイトも一緒に、4人で行くと
いうことならOKとのこと、彼女らとも仲良くなりたかった私にとってその申し
出に対する返事はもちろんOKで、ボストン、ワシントンDC、ニューヨーク周遊
(?)旅行の計画が始まったのです。ところが、パッケージツアーならともか
く、4人で旅行の計画を一から話し合うというのは想像する以上に大変です。
予算のことにはじまって、重要だと思うことが一人一人みんな違うので話はな
かなか進まず、全員とても楽しみにしているにも関わらず出発の5日前になっ
ても泊まる場所が決まっていない、というとんでもない状態になってしまいま
した。

結局、(こんな話をJICのレポートに書くのが適切なことなのかどうかわから
ず少し不安なのですが)泊まる場所が最後までなかった夜が1回、駅に明け方
の3時に着いてしまって行くところがなく夜明けを待った朝が1回、電車に20時
間前後揺られて電車の中で眠った夜が3回というはちゃめちゃな旅になり、周
りの人たちを驚かせ、心配させる羽目になってしまいました。最初からそんな
計画だったので当然と言えば当然なのかもしれないのですが、これまた面白い
くらい、予想外のハプニングが次から次へと起こるのです。電車の席が予約で
きていなくて、最初に行くはずだったボストンに行けなくなったり(結局旅行
の予定を延ばして最後にボストンに行きました)、ようやく手に入れたと思っ
た切符が翌日の切符で(駅員さんが間違えたのだけれど、私たちは気づかなかっ
た)改札で追い返されたり、、、。それでも、どうしてあんなに楽しかったの
かわからないくらい、忘れられない、最高の思い出になりました。

状況が困難になったときに、それがお互いの関係を深めるときもあれば、壊す
ときもあると思います。私たちの場合は、常に助け合えるように、お互いを思
いやれるようにとみんなが願い続けられたおかげで楽しい時間を共有すること
ができたのだと思います。そういう友だちに出会えたことに、心から感謝して
います。一生の友だちでい続けたいというのが、今の願いです。

さてさて、旅行の中で苦行のような側面についてばかり書いてしまいましたが、
もちろんこの3都市はどれもとても素晴らしいものでした。ただ、ニューヨー
クでの厳しすぎるセキュリティチェックには嫌な思いをさせられることがしば
しばではありましたが。テロリズムに対するニューヨーク、またアメリカの反
応については、今学期取っている”Terrorism,Disaster and Health”というセ
ミナーコースを通してもう少し考えることができればと思っています。

<授業について>

1ヶ月の休暇をはさんでしまった今、ファイナルの時期に自分がどんな風に過
ごしていたのかすらはっきりと思い出せずにいます。でも、新学期が始まって
みてひとつ言えることは、自分でははっきり意識していなくても改めて考える
とこの5ヶ月で自分は随分変わったなあということです。今でもときどき、タ
イミングを失ってしまってしようとした質問をしそこなうこともしばしばです
が、少しずつ、話を中断させてでも質問ができるようになってきたし、みんな
の議論が速すぎて完全にはついていけず、「これってもうすでに議論されたあ
となのかな?」と気になっても「自分が思ってることをとりあえず発言するこ
とは正しいことなんだ」と思えるようになってきました。

今学期は、Healtheducationevaluation, Health Statistics,
Macroeconomics, Interpersonal communication,”Terrorism,Disaster and
Health” の5科目に登録しています。どれも自分が学びたいと思ったものを受
講することができたので、とても満足しています。残り4ヶ月のここでの生活、
たくさんの人と出会うことも然りですが、帰国後はしばらく十分にはできなく
なる(帰国したら、医学部の卒業試験を受けさせていただく予定でいます)、
広い分野から見た”健康”について考え学ぶことができればと思っています。

<おまけ>

しおんくん(篠原君)が、友情について書いていたのを読んで、私も少し書い
てみたくなりました。先に書いた、一緒に旅行したクラスメイトですが、私に
とっては、韓国人と日本人で共有できることが多いのはとても自然なことに思
えましたし、2つの国の関係の歴史についてもそれほどは深く考えず「いつか
きちんと話してみたい」と思っていました。ところが彼女にとっては、日本人
と仲良くなるということはアメリカに来る前は予想できないことだったし、ま
してや第2次大戦のことを話せるなどとは思いもよらないことだったのです。
彼女に韓国料理をおごってもらいながらとても自然に(?)第2次大戦中と戦
後の日本と韓国のことについて話したあとで彼女のそういう思いを耳にして、
国境を越えて本当の友達になることは、努力を必要とすることなんだなと思い
知らされました。それでも、話ができたことに感謝し、これから先も、もっと
もっと友情を育てていけることを願っています。

実は、国籍が一緒だからといって少ない言葉でわかりあえるというのも錯覚な
のかもしれません。ここに来て、相手をケアする気持ちを言葉で表現すること
の大切さを日本にいることき以上に実感しています。しおんくん、すみこちゃ
ん、ちかちゃんとの友情を続けていくためにも、日本人同士の間でも照れずに
(すでに、私たちは照れるということを忘れてしまっていますが)相手をケア
する気持ちを伝え合って、支え合っていければいいなと思います。

砂子知香さんの2004年1月分レポート

JICの皆様、こんにちは。大田(’01-02 LAS)です。

秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学中の砂子知香さんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。

砂子さんの学期末の猛勉強の様子を読んで、カフェのコーヒーの香りや、試験前の殺気だった(?)雰囲気を思い出された方も多いのではないでしょうか。イベントや旅行なども楽しまれている様子。気候の厳しい頃ですが、体に気をつけてがんばって下さいね。

次回のレポートも楽しみにしています!

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2004年1月分レポート
砂子 知香
一橋大学法学部4年
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がんばるぞっと意気込んで始まった秋学期も、課題提出と試験勉強に追われ
ているうちに終わってしまいました。どの授業もクイズにペーパーにと、中間
テストや期末テストのような大きいものの他に、学生に課されるワークの多い
こと、そして、その一つ一つに細かく点数が付けられるのです。まるで日本の
高校生のような生活をしていました。とにかくやるべきことがたくさん!授業
が大変で忙しくて…と、一時は疲れ果てていましたが、つまらないと感じたク
ラスは一つもありません。教授がやる気なだけに、私達も必死になれるのです。
院生のTA(アシスタント)が付いている授業も少なくありません。そして、勉
強をする場所も至る所にあり(日本で思い付くのは、図書館くらいですけど)、
どこに行っても本を開いている学生を見かけます。このように、勉強をするに
はこれ以上ないほど恵まれた環境が整っています。 ウィークデーにがんばっ
た分、週末はのんびり過ごしました。遅くまで寝ていて一日ボ~ッとしたり、
友達とご飯を食べに行ったり。留学生を対象にしたイベントもたくさんあって、
どんどん参加していました。いろんな国の人と出会えうことで、自分の興味も
広がります。また、大きいスーパーがキャンパスから離れたところにあるため、
半日を費やしてお買い物に行ったり。あと、映画は日本の半額以下で見られま
す。

そして、結果に関わらず、今期をやりきった自分へのご褒美として、冬休み
はN.Y. に旅行しました。広い広いアメリカを見るいい機会となりました。キャ
ンパス・ライフとは全く違った都会での生活をしてみて、いいリフレッシュと
なると共に、アメリカ社会の新たな面を垣間見ることができました。やはり、
キャンパスは限られた人々の空間であり、その意味で落ち着いた平和な場所で
す。それがN.Y.ではアメリカ中、世界中から人が集まって来ています。当たり
前のことだけれど、世の中にはいろんな人がいることを実感しました。 既に
春学期が始まっています。アメリカに来てこれまでに経験した全てのことが今
の自分を作り、ここに至っているのですよね。前学期よりは少し余裕を持って
周りに目を向けられるようにしたいです。

次のレポートではどんなことを皆様にフィードバックできるのか楽しみです。

篠原史温君の2004年1月分レポート

JICメンバー各位、

大田(’01-02 LAS)です。

JIC奨学生としてUIUCへ留学中の篠原史温くんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。

篠原くんらしい見事な表現で、クリスマスやキャンパスでの交流の様子が生き生きと伝わってくるレポートです。皆様どうぞお楽しみください。篠原くん、ありがとう!次回も楽しみにしています。

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2004年 1月分レポート
篠原史温
東京大学システム量子学科修士課程一年
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どうもご無沙汰しています。2003年JIC奨学生の篠原史温と申します。今回は
二回目のレポートということで、「クリスマス」「今学期の授業」「友情」に
ついて書こうと思います。

「クリスマス」

僕はAllen Hallという学部生の寮に住んでいるため、大きな休みがくるたびに
一時退寮することになっています。ほかのみんなは実家があるのでそこに帰れ
ばすむだけなのですが、僕の実家は日本にあるのでちょっとした「ホームレス」
になってしまいます。そこでThanksgivingの時と同様に最愛の(?)ルームメ
イト、Andrewの家にクリスマスが終わるまでお邪魔することにしました。

学期が終わってクリスマスまでの間は本当になーんにもしないでダラダラ過ご
しました。学期中、特に期末試験前、は死ぬほど勉強で忙しかったので「(生
産的なことを)何もしない」ことの喜びを生まれて初めて実感できました。

クリスマスパーティーはAndrewのご両親、お姉さんとその旦那さん、Andrewの
最愛の彼女Debbieと僕の7人でしました。TurkeyとCranberryという超アメリ
カンなごちそうを食べたあと、プレゼント交換をしました。プレゼント交換な
んて小学生以来なのでとても新鮮でした。プレゼントをそれぞれの人の性格に
合わせて選ぶ喜び、他の人がプレゼントを開けたときの反応を見る喜び、そし
て自分がもらったプレゼントを開ける喜び。すべてがここ10年間以上忘れて
いた新鮮な喜びでした。こういう良いアメリカの習慣はぜひ日本に持ち帰りた
いなと思っています。

僕は日頃からJet Li(中国系映画俳優)がいかにクールかをAndrewに話してい
たためか、”Romeo Must Die”という映画のDVDを彼からプレゼントされました。
かなり嬉しくて冬休み中に買ったばかりのノートパソコンで何度も観てしまい
ました。この時期に一番感動したことは、Andrewの一家が僕のことをまるで家
族の一員のように温かく迎え入れてくれたことです。僕の実家では親族同士で
集まることはあっても、親族以外の人(この場合、僕やDebbie)をそういう場
に迎え入れたことはありませんでした。僕はこの冬休み中にほかにも二つの家
庭を訪問したのですが、どこでも「熱烈歓迎」されました。

「なんでこの人たちはこんなに良い人たちなんだろう?」「どうしたら僕自身、
これくらい良い人間になれるんだろう?」こっちに来てから人々の優しさに触
れる度にそんなことを考えてしまいます。今までは優しさを「受信」するばか
りだったので、今年からは積極的に「発信」できる人間になりたいと強く思う
ようになりました。このようなことに気づけたのも、JICの皆様のが僕たちを
ここに送り出してくれたからだと思うと、皆様に感謝しても仕切れません。

「今学期」

今学期は先学期と同様にComputer ScienceとSpeech Communicationの能力を強
化していこうと思っています。Computer Scienceは前回の続きのような授業を
とっていて実際のプログラミングを通して「コンピューターがいかにして情報
を処理しているか」を学ぼうと思っています。プログラミングの課題がかなり
つらそうなので積極的に先生やTeaching Assistantに質問に行く予定です。

こっちに来てから勉学のことで一番驚いたことは勉強をするためのリソースが
とてもしっかりと整っているということです。先生がオフィスアワーをもうけ
ているのはもちろんのこと、Teaching Assistantが補講を開いて学生の理解を
助けるし、ウェブページは毎回の授業のポイント、授業中に用いたスライド、
テストの過去問を貼付けています。「こんなにしっかりと『教育』を行ってい
る大学は日本にあるのだろうか?」とふと疑問に思いました。

僕はもともとコミュニケーションが専門ではないのですが、先学期たまたまス
ピーチのクラスをとって以来、コミュニケーションに興味を持つようになりま
した。「どのようにしたら様々な人と円満な関係を築き上げられるか」が僕の
個人的な課題です。今学期は実際に討論をするクラスと個人間のコミュニケー
ションを扱うクラスの二つを受講します。どちらも実際に体と頭を使って学ぶ
スタイルの授業なので今からわくわくしています。でもきっと大変です。

「友情」

イリノイに来てから5ヶ月間が経ちましたが、何よりの財産は友達だと思って
います。僕はもともと友達を作るのがそんなに得意ではないのですが、ここで
はなぜかいっぱいできます。僕の友達は大きく、「アメリカ人」「韓国人」
「日本人」の3つのカテゴリーに分けられると思います。

アメリカ人の友達は主に同じ寮の友達か、日本に興味がある(または行ったこ
とがある)友達かに分かれます。本当にはじめのころは彼らが喋る内容を全て
理解するのが大変だったのですが、今ではかなり慣れてジョークを言い合った
りしています。そういうとき、この寮を選んで本当に良かったと思います。も
し僕がほかの場所に住んでいたら彼らには絶対出会えなかったと思うと、運命
を司っている神様に感謝せざるを得ません。日本に行ったことがある友達と話
すのも僕の大きな楽しみの一つです。昨日映画”Lost in Translation”を友達
の部屋で観ました。この映画は日本に滞在している二人のアメリカ人の人生を
描いているのですが、日本に一年間住んだことがある友達とは日本のことにつ
いて結構盛り上がれました(他の二人は超つまらないと言っていましたが)。

留学生の中では韓国人が大多数を占めています。一ブロック歩けば韓国人(ら
しき人)を見かけるほどです。先学期の英語のクラスメイトつながりでいっぱ
い韓国人の友達ができました。先日はお好み焼きと焼きそばを作ってみんなで
食べました。そのあと日本のTV番組「ごきげんよう」でやっているさいころゲー
ムをしました。さいころのそれぞれの面に「お題」が書かれていて(例えば
「初恋の話」といったような)、さいころを振った人はそれらの「超個人的な」
お題について話します。そこで「自分たちについて」という題目でみんなで話
をしたとき、いかに自分たちがいい関係を築き上げていっているかを実感しま
した。まだまだこれからも、一生つきあっていける友情を築くのが目標です。

一緒に来たあゆみちゃん(江崎さん)、すみこちゃん(中村さん)、ちかちゃ
ん(砂子さん)とはあいも変わらずに仲良くつきあっています。それぞれ性格
が違うところがうまく行く秘訣なのかな?と思っています。よく晩ご飯を一緒
に作ったりして食べたりするたび、「この4人で来れてほんとよかったよねー」
とか言っています。彼女たちとも一生かけがえのない友達でいたいと思うし、
いれると思います。日本にいたら結構離れたところに住んでる4人がイリノイ
では近所に住んでいるというのはなんとも不思議です。

長々と書いてしまいましたが、ここに書いたことはこちらで感じたり考えたり
したことのほんの一部です。本当にいい経験を毎日させてもらっています。こ
こにいる一日、一時間、一分、一秒がとても意義深いものであると、一生誇り
に思えるものであると確信しています。イリノイで勉強したり、多くの人に出
会ったりできる機会を与えてくださったJICにとても感謝しています。本当に
ありがとうございます。

中村寿美子さんの2004年1月分レポート

JICメンバー各位、

大田(’01-02 LAS)です。

JIC奨学生、中村寿美子さんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。ファイナルの様子、イリノイでのクリスマス、休暇中のの旅行でアイオワの農場を訪れ、「地球に優しい」生活を体験された興味深いお話も書
かれています。

体調を崩されているようですが、どうぞお大事に。今セメスターもご活躍ください!

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 2004年1月分レポート
中村寿美子
大阪大学人間科学部ボランティア人間科学講座4年
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JICの皆様、ご無沙汰しております。私は、授業がはじまって一週間、冬休
みの覚めやらぬ興奮のせいか、はたまた授業再開の緊張のせいか、早々に風邪
をひき寝込んでしまいました。第2回目のレポートをこんな状況のなかでお送
りすることになるとは・・・もうだいぶとよくなりましたが、体調管理はほん
とにしっかりしなければいけないのだと改めて痛感しております。(そんなこ
んなで、このレポートの提出も締め切りぎりぎりになり、申し訳ありませんで
した)

さて、寝込んでいるうちに、砂子さんと篠原くんのレポートを先に読ませてい
ただきました。思い出を共有している身にとっては(勝手に自分でそう思って
いるだけかな。。。。)、「そうそう」とうなづくことばかりでした。特に、
この留学生仲間の4人が互いにとてもよい関係を築いていることに本当に私も
感謝しています。

第1回目のレポートを書いたあとから、ファイナルの時期を経験し、冬休み、
そして新学期再開と、熱のある体でいろいろと思い返してみると本当にたくさ
んのことがありました。ファイナルの時期は勉強に疲れたら冬休みの旅行計画
を立てるというように、うまくストレスを発散しながら勉強に取り組めたので
はないかな、と思っています。授業の雰囲気をつかめたのもあると思いますが、
10月始めのミッドタームの時期よりも心持ちスムーズに勉強できました。そ
れにしても、いつもレポートは提出期限ぎりぎり・・・でした。前回のレポー
トに書いたジャーナリズムの授業のファイナルペーパーなんかは5時締め切り
のところ、4時50分過ぎまで図書館でプリントアウトしており、その後猛ダッ
シュで先生のオフィスへ。。図書館の生暖かい空間から、外の冷たい空気を一
気に吸い込んでしまったため、あやうく呼吸困難になるかと思われたくらい、
自分でも滑稽な自分の姿でした・・・。先生は例のごとく笑って「OK,Su
miko~~」と一言。なんとか前期セメスターの最難関を越えた、という感
じでした。

冬休みは母が友人とともにアメリカまで来てくれました。24日に到着、25
日は私の住んでいるコスモポリタンクラブにシャンペーンに残っている友人2
0人ほどを招いて、日本食メインのクリスマスパーティをしました。母たちが
こちらに来てくれなかったら出来なかったことだし、また、私がコスモポリタ
ンクラブに住んでいなければできなかったこと、そして、イリノイ大学での生
活をかけがえのないものにしてくれているこの友人たちがいなければできなかっ
たことなのだなぁと思うと、本当に感動的なひと時でした。

母たちはシャンペーンには4日間程滞在したのですが、その間もたくさんの人
にお世話になりました。母の友人が元ソーシャルワーカーをしていたというこ
とから、シャンペーンのナーシングホームを見学したり、また私のホストファ
ミリーと一緒にお食事をしたり・・・。その度に暖かいシャンペーンの人の心
に触れられるような気持ちがしました。それから、不思議だったのは、シャン
ペーンをこの“私”が案内しているという事実です。こちらにきてまだ半年も
経っていないけれど、それなりにこの街で生活し、それなりにこの街のことを
知って、だんだんと第二の故郷と呼べるほどになっている・・・そういう気が
しました。

最初はどこへ行くのも地図が離せなかった私ですが、母たちの先頭にたって
「ここがね、あそこがね」と説明しながら歩いている自分が不思議でもあり、
なんだかちょっと誇らしくもありました。それにしても、リスを見つけてはカ
メラを向ける母を見て、私も最初のころのリスへの素直な感動を忘れつつある
のだなぁ。。。とそのことは少しショックでしたが。。シャンペーンからはシ
カゴに行き、そこで新年のカウントダウンをしたあと、アムトラックを使って
スプリングフィールドと友人のいるセントルイスを訪ねました。ガイドブック
には載っていない旅になりましたが、ほんとうに一生の思い出です。

母が帰ったあとは、これまたアムトラックの乗り継ぎ、アイオワまで知り合い
のかつての英語の先生だった方のお宅にお邪魔しました。その方は今では農場
を経営されており、言葉どおりの「地球に優しい」生活をされています。ソー
ラー発電、風力発電、暖炉はもちろんのこと、けっしてごみを出さない生活、
けっして無駄を出さない生活の実践者とも言える方でした。私はそこに一週間
滞在させてもらい、自家製パンやヨーグルトを作ったりしながら、これから地
球のためにしなくてはならないこと、たくさん教えてもらいました。今までど
れだけ、無駄を出しながら生活してきたか、反省すること多々・・・でした。

でも、それと同時に、この消費社会・使い捨て社会のアメリカの中で、徹底し
て環境保全をしている人たちもいるのだと思うと、ほんとにこのアメリカは、
様々な考えの人が共存する社会なのだなということを改めて感じました。

ちょっと指を拭いただけで紙ナプキンを捨ててゆく人と、汚れても最低1週間
は」同じ布ナプキンを使用する人がいる、この両極端な人がいる社会・・・そ
れら二者が交わりあうことはないんだろうか、と考えると少しさびしくなりま
す。私がお邪魔した農場での暮らしは「地球に優しい」生活の頂点のようなも
ので、普通の人にはなかなかできないかもしれない。少なくとも、キャンパス
での生活では無理です。それならば、もうちょっと自然なかたちで自然に地球
に寄り添って暮らしていく方法はないものか、それを探すのが今年の新たな目
標になった気がします。

アイオワの農場からシャンペーンに戻り授業が始まるまでの一週間、私はこの
目標に燃えました。どうやったら身近なところでごみを減らせるだろう、どう
やったら身近にリサイクルできるだろう、、、そして自分でパンを焼き、考え
ました。でも、なかなか難しい。そうこうしているうちに、授業が始まって、
あわわという間に風邪をひいたのでした。この週末は、この一週間の授業の遅
れを取り戻すのに必死になりそうです。レトルトのスープを飲みながら、「ど
うしたってごみは出るんだけど・・・」とちょっとがっくし。

でも、この冬休みの経験はいつか必ず役に立つと思っています。授業のことを
書く予定が、冬休みの思い出語りに」終始してしまいました。というのも、実
は風邪のせいで、なんとか授業には出席しているものの、その内容
は・・・・。。。この週末はこの一週間の遅れを取り戻すのに必死になりそう
です。それでは、長々と自分のことばかり書いてしまいましたが、またあと半
年、一生懸命がんばりたいと思っています。

これからもよろしくお願いいたします。

中村寿美子さんの2003年10月分レポート

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2003年10月分レポート
中村寿美子
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こちらに来てからの約2ヵ月半、なんだかあっという間のような気もします
が、本当に濃い毎日をすごしています。毎日毎日、新しいもの、人に出会う
日々・・・そして自分自身へのチャレンジの日々です。

シャンペーンに到着したその日から街そのもののようなキャンパスとその広さ
にじっくりと浸る時間もないくらいに、中身の濃いオリエンテーションが始ま
りました。

「ちょっとは休ませて・・・」と思いながらも、手続き手続きの連続で、キャ
ンパス内を行ったり来たり・・・。おかげで方向音痴の私も、最初のこの一週
間でなんとかキャンパス内の地理もつかめるようになりました。

やはり、大学として、留学生へのサポートはしっかりと充実しているんだなと
つくづくと感じます。“困ったときはここへ連絡しなさい”“あなたはこのよ
うなサービスを受けることができます”という情報がしっかりと与えられ、実
際じゅうぶんなサポート体制が組まれていると思います。留学生の数が断然多
いのもその理由かもしれませんが、日本の大学を思い出すと、留学生やその家
族へのサポートが決定的に不足しているのではないかとも感じます。

具体的にどんなことがあるかというと、たとえば、私は、International
Hospitality Committee というところで、ホストファミリーを紹介してもらい
ました。(ホストファミリーといっても、いっしょに住むわけではないのです
が、週末や時間のあるときにいっしょに食事をしたりします。)私は、イリノ
イ大学を退職された元教授のすてきなご夫婦に出会うことができ、アメリカに
家族を持てたような感じでとても幸せだなぁと思っています。毎週金曜日には、
そのご夫婦が退職後の楽しみにとして参加されているボランティア活動に私も
加わらせてもらって、シャンペーンのNursing Homeでお年寄りを相手にギター
とともに歌を歌ったりと楽しいときをすごしています。

また、私はCosmopolitan Clubというところにすんでいるのですが、そこで
毎週木曜日に開かれるCoffee Hoursも楽しみな時間です。毎週それぞれの国の
テーマがあって、Traditional Foodやときにはその国の踊りも楽しみながら、
いろんな人と出会うことができるので、英語の練習とともに楽しんでいます。

授業は害して大変で、毎日毎日ぎりぎりの状態ですが、そのぎりぎりのところ
で何とか生き延びているという感じです。最初は授業中に何でも発言してしま
うアメリカの学生に大いに戸惑い、何も言えない自分にすごく落ち込んでしま
いました。何か言おうとしても、一瞬ひるんでしまうと話題はもう別のところ
へ・・・。発言するタイミングがあわず、口の中がからからになりながらも、
そういう自分にショックと反省の日々・・・。

はじめは意見をべらべらというこちらの学生がすごく賢く見え、自分の存在が
とっても小さく思えてしまいましたが、賢いうんぬんの問題ではなく、思って
いることを言うか言わないかの違いなんだと思えるようになったことだけでも、
この2ヶ月の進歩かなぁと自分を慰めつつ、そう思っています。

日本の大学と違って、クラスの中でもさまざまな国籍、人種の生徒が混じって
おり、それぞれが話す英語もかなり独特です。なので、“日本人だから・・・”
“留学生だから・・・”ということは、ディスカッションに参加しないことの
理由にはならないのだということも、あたりまえのことなのですが、ひしひし
と感じました。また、自分の意見を自分の言葉でいう限り、先生も生徒もそれ
を否定することはまったくないし、むしろうまく取り入れて授業を進めてい
く・・・そのやり方は、ほんとうにすごいなぁと思います。

アメリカにくる前に、「交渉すればなんとかなる国だよ」と聞かされていたの
ですが、その点に関しては本当にそうだなと思います。むしろ、交渉していか
なければ、何も起こらないし始まらない・・・そういう国だと思います。黙っ
ていても誰かがやってくれるなんていうことは決してないので(男の人が女性
に扉を開けて待っていてくれる、ということだけは例外のようですが・・・)、

自分というものを常にしっかり持って、“人にあたってくだけろ”精神で訴え
ていかなければいけないのだなぁ、と思っています。その分、ある意味で厳し
いところだとも思いますが・・・。大切なことでもあると思っています。

たとえば、授業でもヘルプが必要なら、いつでも先生のところに相談しに行っ
ていい、むしろ行かなければならないのですね。私は、どの授業もいつもぎり
ぎりの状態ですので、ほとんど取っているすべての授業の先生のオフィスアワー
にお邪魔して(お邪魔という表現もここでは当てはまりませんが・・・)何度
も助けを求めに行きました。特に、ジャーナリズムのクラス(これも交渉して
履修にこぎつけたのものなのですが・・)のリサーチペーパーの課題に悩まさ
れ、にっちもさっちも行かなくなったので、オフィスに行きました。文献検索
の方法から最初に読むべきアーティクルまで、いろいろと情報を与えてくださ
り、“あなたのテーマはすごくいいから、がんばりなさい”と何度も何度も励
ましてくれました。私が“できるかどうか不安です・・”というと、“I am
sure you can!” と何度も何度も・・・。そのフレーズがずっと耳に残って
いて、(乗せられているとは思いながらも)、残りのセメスターでこのペーパー
と格闘して後悔のないようにいいものが書けたらいいなぁ、と思っています。

最後になりますが、この二ヵ月半一緒に来た三人の仲間たちには本当に支えら
れました。小さなことから大きなことまで、相談し合い報告し合い、時には一
緒にカレーを作って食べながらこのアメリカでの生活をよりかけがえのないも
のにしてくれているよい仲間です。彼らも含め、こんな良い機会を与えてくだ
さったJICの皆様に本当に感謝しております。

まだまだスタートラインに立ったばかりですが、残りの時間も(寒さに負けず)
がんばりたいと思っています。

書きたいことがいっぱいあって、幾分まとまりのない文章になりましたがお許
しください。

砂子知香さんの2003年10月分レポート

JICの皆様、ご無沙汰しております。
大田(01′-02′ LAS)です。

秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学中の4人からのレポートが届きましたので、皆さんにお届けします。4人が親交を深めつつ、それぞれの分野で世界を広げていく様子、素晴らしいですね。

奨学生の皆さん、レポートありがとうございました。なお、皆さんからのメールは10月中に届いていましたが、私の都合で遅れてしまったこと、お詫び申し上げます。

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2003年10月分レポート
砂子 知香
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JICの皆様、ご無沙汰しております。こちらに来て早くも2ヶ月が経ちまし
た。Champaignでは素敵な秋を満喫しているところです。最初の2週
間はこの先の留学生活がどうなるのか不安でいっぱいでしたが、授業が始まり
生活のリズムが安定してくると、時間が経つのも早く感じられます。初回のレ
ポートでは、こちらに来てからの心境の変化を書いてみたいと思います。

自分の希望していた留学が現実とのものとなり、いろいろな心配を抱えながら
もそれ以上の期待に胸を膨らませ、ここChampaignに着きました。し
かし、早々に予期せぬことが起こってしまいました。スーツケースが乗り換え
のデトロイトから届いていなかったのです。寮に到着したのが夜の7時くらい
で、疲れと不安とでお買い物に行けず、荷物もないまま寒い寒い夜(この1週
間は寒かったので)を明かすことになりました。結局、翌日の朝には無事に届
いたのですが、この2日間はアメリカに来たことを後悔しました。どうして留
学なんかしたいと思ったんだろうと。

しかし、そうは言っても来てしまったし、帰ることはできない。とりあえず、
食料品や日用品を買いにスーパーへ行くことから始まり、インターネットをつ
ないだり、この広大なキャンパスを地図片手に歩いてみたりしました。東京と
は全く違う風景に戸惑いながらも、初めて見る建物や木やリスに感動しました。
私が来た頃はまだ学生も少なく、閑散としたキャンパスはとても静かでした。

正式なオリエンテーションが始まるまでの1週間は、本当にゆっくりと時間が
流れていきました。しかし、ひとたびオリエンテーションが始まると、毎日そ
れをこなすことに忙しく、また、授業登録に頭を抱えたりと、あっという間に
8月は終わりを迎え、気が付けば授業を受けていました。毎回緊張の連続で、
疲れは溜まる一方でした。1年しかないのだからいろんなことに挑戦しようと
いう気持ちと、1年もあるのだから焦らなくてもいいんだという気持ちとの葛
藤で悩んだりもしました。この頃には時差ぼけも直っていたはずなのに、寝付
けなかったり、朝は早く目が覚めたり、自分でも自分がコントロールできなかっ
たのです。自分に余裕がないため、人にも優しくなれず、自己嫌悪に陥っては
落ち込んでいました。しかし、常にどんなことも楽しもうという気持ちは忘れ
ませんでした。無理をして病気になるくらいなら、焦らずにゆっくりと自分の
ペースで慣れていけばいい、まずは楽しむことだと自分に言い聞かせながら。

こちらに来て数え切れないほどたくさんの人に出会いました。東京にいたらきっ
と出会わなかっただろういろんなバックグランドを持つ人々と知り合うことが
でき、既に留学したことに大きな喜びを実感しています。勉強に忙しいながら
も、暇を見つけてはあらゆるイベントに参加し、また新たな人に出会い、新た
な発見をして楽しんでいます。些細なことにも幸せを感じる自分に気付き、最
初の頃からするとずいぶん成長したんだ、と自分を誉めてあげたくなります。
ここが農業の盛んな地域であることもあり、人々の会話には必ずと言っていい
ほどお天気のことを話題にします。私もすっかり、毎日空を見上げ、木々の変
化に目を留めるようになりました。東京では何回空を見上げたことがっただろ
うとふと思ったりします。こんなに素敵な時間の中にいられるのも、最初の辛
かった時期を乗り越えることができたからだと思います。そして、JICの皆
様のおかげです。本当にありがとうございます。これからどんなことがあるの
だろうかと、わくわくせずにはいられません。次のレポートを書いている自分
を想像しながら、また明日からがんばりたいと思います。

砂子 知香