icmlメンバ各位,
古市 (’92-94 MS in Computer Science)です.
2001年秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学し,この度帰国した永見陽
子さんからの最終レポートが届きましたので,皆さんにフォワードしま
す.
今月末からは,2002年度奨学生の皆さんの留学生活が始まります.第1回
目のレポートは10月を予定しています.お楽しみに.
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2001年度 最終レポート
永見 陽子
北海道大学農学部3年
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春学期が終わってからはや3ヶ月近くになります。今振り返ってみるとよ
くもったな、と自分でも思うくらい忙しい学期でした。専攻科目を4つ
(生化学実験、分子生物学におけるComputing、微生物遺伝学、セミナー)
を取ったうえに生化学実験は週12時間というボリュームのある授業、そ
してバイトで研究の手伝いをしていた院生が今学期でとうとう卒業する
ので追い込みをかけていたために毎日かけまわっていた記憶があります。
そのときは昼寝ばかりしているルームメイトを恨めしく思ったりもした
のですが、今になれば短い留学生活を有意義に送れたことに感謝してい
ます。特に生化学実験の授業は基礎的な実験から始まって、最終的には
学生たちだけで実験を計画し、標的になる遺伝子のコピーを作り他の微
生物に組み込むところまでできるようになりました。また、日本の大学
とは異なり、この授業には生化学専攻の学生ばかりでなく、栄養学の院
生や医学部学生など色々な学部の人と交流できたのも収穫だと思います。
さて、このレポートがなぜ3ヶ月も遅れてしまった理由はというと、また
旅行です。今回は時間がたくさんあったのでメキシコ、そして中米のグ
アテマラとニカラグアまで足を伸ばしてきました。メンバーは寮で知り
合ったアメリカ合衆国(余談ですが中南米で単に「アメリカ」というと
合衆国ではなく南米大陸のことを指すのです)、南アフリカ、アイルラ
ンド、オーストラリアからの友達プラス日本人の私の5人です。世界の異
なる地域からそれぞれ来ているのでみんなからは”UN Commissioners”
と名付けられ、2ヶ月近く旅行してきました。マヤ文明の遺跡を訪ねたり、
ニカラグアの海で泳いだり、グアテマラでHabitat For Humanityとい
うボランティアに参加して現地の人と一緒に家を建てる手伝いをしたり、
オーストラリア人と南アフリカ人はビザがいることを知らなくてエルサ
ルバドルの国境を通過できなかったりと、良いことも悪いことも一緒に
経験したことで育った環境が違ってもわかりあえる仲になれたと思いま
す。今回は皆貧乏で一泊1,2ドルの安宿に毎日屋台の食事という赤貧旅
行でしたが、仕事に就いてお金に余裕ができるようになったら今回より
豪華な旅をまたみんなでしようねと話しているところです。
メキシコ中米旅行のあと、日本に帰国する前にロサンジェルスに住む台
湾人の友達に高校卒業以来始めて会ったり、日本に帰ったら帰ったで夏
の間金沢に短期留学していたイリノイからの友人を東京案内したりと大
忙しでした。イリノイ大学に1年間留学してアメリカの学生と肩を並べて
大好きな生化学や遺伝子関係の勉強(特に実験)をできたことはこの留
学の自分なりの目標でしたし、その目標を達成できたことは自分にとっ
てとても意味のあることです。しかし、このようにアメリカ各地(メキ
シコ、中米も含めて)を存分に旅行したり、その貴重な経験を共有した
多くの友人にめぐり合えたこともこの留学の大きな収穫です。このよう
な素晴らしい経験をする機会を与えてくださったJICのみなさんに改めて
感謝いたします。