JICの皆さま、いかがお過ごしでしょうか。2009年度奨学生の針谷彩花です。イリノイでは8月にここに来た時のような陽気を思い出す天気が続いています。留学生活も残すところあと僅かとなり、この10か月のまとめの時期となりました。それでは、第3回目のレポートをお届け致します。
【学習編】
(1)EIL422 – English Grammar for ESL Teachers
今学期、一番苦労した科目です。400番台の科目の難しさは前学期に身に沁みていたはずなのですが、内容がとても興味深かったので履修しました。授業の内容自体は高校で受けた英文法の授業と日本の大学で履修した統語論の授業を合わせたようなものだったのですが、実際にGrammar Tutoring Sessionがあったのが大変でした。私のTuteeはIEIに通う日本人の女の子で、そのため日本人英語学習者がおかしやすい文法ミスなども指摘しやすかったのですが、授業計画はいつも試行錯誤の連続でした。昨年6月に日本の中学校で行なった教育実習で、指導教諭に教案を見て頂く度に「この授業(活動)の目標は何?」「その目標を達成するためにどんな活動が有効だと思う?」と聞かれたことを思い出し、教える対象について指導者側が深く理解していないと学習者を支援できないことを改めて実感しました。
(2)LING225 – Elements of Psycholinguistics
このクラスでは言語心理学の様々な分野について勉強したのですが、特に記憶に残っているエピソードがあります。この科目のレクチャーは韓国人の院生が行なっていたのですが、「ノンネイティブスピーカーとネイティブスピーカーの違いは何だと思う?」という質問に対して、ネイティブスピーカーの学生が「発音」とぼそっと言ったこと、そしてその学生の隣に座っていた学生がくすくす笑っていたことです。発音によってネイティブスピーカーかそうでないか判断できるのはわかるのですが、それに対して笑う学生がいることについて、ノンネイティブスピーカーとしてはなんだか差別されたような気がし、少し嫌な気持ちになりました。
【日常編】
(1)誕生日
3月10日で21歳になり、アメリカでいう成人の年ということで、盛大にお祝いしてもらいました。中でもホールケーキに21本のロウソクを立ててもらったことはとても記憶に残っています。まさかこんなことをしてもらえるとは思っていなかったので、とても感激しました。また、友達からもらったバースデーカードは表面に21の褒め言葉が書いてあるもので、「このカードがぴったりだと思ったの」と言ってもらい、こんな風に私のことを評価してくれる友達がいることに対して感謝し、いつまでもこのように評価してもらえる自分でいたいと思わされた一日でした。
(2)Spring Break
春休みにはシカゴにある友人の家にお邪魔することになっていたのですが、不運なことに風邪を引いてしまい、結局キャンセルしてキャンパスで養生していました。余談になりますが、イリノイの冬の寒さは二度目で慣れていたはずなのですが、実は今回は体調を崩すことが多く、体調を崩せばいつだって心配してくれる家族の存在のありがたさを身に沁みて実感しました。
10か月の留学は楽しいことばかりではなく、辛いこともありましたが、日本の大学では学べないことを学べ、人間としてもより大きく成長できました。10か月間、私を支え続けてくださった家族や友人、そしてJICの皆様には感謝してもしきれません。7月4日の総会では胸を張って私の10か月の留学の成果を御披露できるよう、アメリカを発つ日まで精進したいと思います。
群馬県立女子大学 国際コミュニケーション学部 4年
針谷彩花