喜多亜貴子さんの2001年2月分レポート

「ハッピー・バレンタインズ・デイ」
2月14日。アメリカでは男の子も女の子も妙にそわそわワクワクする日。
夕方の授業。場所はリンカーンシアター。生徒は約300人。
授業開始から1時間、教授の指示で皆テキストの記事を読み始めた。
すると一人の男子学生が後ろのドアから入ってきて突然教授の側に近寄った。
何かを教授に耳打ちしている。約300人の生徒は訳がわからず何だ何だとざわついている。
教授がにやっと笑ってマイクを男子学生に手渡した。
「ジェニー、カムアップ!!」
手には赤いバラの花束と熊のぬいぐるみ。
「きゃーーー!!」「ヒューー!!」「オーマイガッド!!」
女子学生達のときめきの目と憧れのため息。
恥ずかしがって出てこないガールフレンドの元に彼は駆け寄った。
「ハッピー・バレンタインズ・デイ! アイ・ラブ・ユー!」
そう言いながらプレゼントを手渡した彼は教室を飛び出した。
驚いた顔で花束を受け取った彼女は去っていく彼の後姿を呆然と見ていた。
そして急に正気に戻り大声で叫んだ。
「ウェイト・アップ!!」
彼女は彼を追いかけてシアターから去って行った。
ほんの1・2分の出来事だった。
ドラマを見ているような夢のような出来事だった。
人の幸せで自分も幸せな気持ちになれた素敵な1日だった。

喜多 亜貴子

喜多亜貴子さんの2001年1月分レポート

こんにちは、JICの皆様。

今年ももうすでに1ヶ月が過ぎ、時の速さに驚くばかりです。シャンペーンはここ最近、とてつもなく寒かったり、もう春かなと思わせたりするほど気持ちのいい天気だったりでうっかり薄着で出かけて風邪を引きそうになるなんてことも何度かありました。

冬休みは家庭の事情で残念ながら旅行の予定もキャンセルして日本に1ヶ月半ほど滞在しなければならないということになり、1月末にようやくこちらに戻って くることが出来ました。しかしながら授業を2週間以上も欠席していたことは思っていた以上に厳しく、いくつかの授業ではすでにグループリサーチや発表が始 まっていたりし、追いつくまでにまだまだ時間がかかりそうですが、教授やクラスメイト達も事情を分かってくれて色々と助けてくれるため、何とかやっていけ そうな感じです。

今学期はマーケティングや広告などビジネス関係の授業を中心に登録しました。どの授業も実際の仕事に結びつく内容であるため大変興味深く満足しています。特に広告の授業では毎回授業の後半に企業の広告戦略に密着したビデオ
を 見るのですが、さすがにアイデア勝負の世界だけあって、それを紹介するビデオもまさに釘付けになるような面白さで、自分が現場で経験しているような気に なって学ぶことができると同時に、アイデアを生み出すことの難しさも経験できます。とりあえず今は溜まったリーディングをこなすのに必死ですが、最後のセ メスターということもあり、学んで帰りたいことがあまりにも多くあるため、この他にもいくつかのクラスを聴講しており、忙しいですが充実した毎日です。

さて、今学期から生活面での変化が少しありました。先学期は学部生用の寮でルームメイトがいたのですが、今学期から大学院生用の寮の一人部屋に移ってきま した。やはり院生は学部生とは違い皆時間に追われる毎日のようで、私自身すでに日本で大学を卒業しているにも関わらず学部生として留学してきたことを幸せ に感じることが多々あります。食事は専ら自炊か外食をしているのですが、シャンペーンのような田舎でもいくつか毎日通いたくなるようなおいしいお店もあ り、満足した食生活がおくれています。特に気に入っているのがJohn St. にあるPaneraというパン屋でいつも席は満席で買うのも並ばなければいけないのですがサンドウィッチなど具沢山でとてもおいしいです。その他にも車を 使えばメキシコ料理などの非常においしいお店にも行けます。またinternational studentが多い寮であるため、よく寮の友人達とクッキングパーティーを開いてはそれぞれの国の料理を作って交流しています。料理経験のほとんどな かった私ですが、何とか日本料理まがいの物を作っています。

留学生活ももうすでに半分以上過ぎてしまいました。もともとあっという間に過ぎるだろうとは思っていましたが、これほどまでに速いとは本当に驚きです。残りの3ヶ月も充実した日々になるよう、体に気をつけて頑張ろうと思います。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

喜多 亜貴子

喜多亜貴子さんの2000年11月分レポート

JICの皆様、こんにちは。早くもこちらに来てから3か月半が経ちました。キャンパスの木々が美しかった時期はあっという間に過ぎてしまい、いよいよ恐怖 の冬がやってきたなという感じです。とにかく今月はペーパーに追われ、かなり忙しい日々を過ごしました。目の前にある課題を一つ一つ片付けていくことで精 一杯という感じでしたが、今はファイナル前の静けさを2・3日味わっているという感じです。やはりアメリカの大学は想像していた以上に勉強で忙しく、日本 の大学生の生活とは全く違うなという印象です。寮の中でも勉強が辛くて泣いているフレッシュマンも時々いたりして、日本では決してありえない光景にある意 味大きなカルチャーショックを受けました。こちらの生活にももう慣れ、基本的に平日は勉強をし、週末はできるだけ勉強から離れるというペースがつかめるよ うになってきました。フロアの友人達との交友も日を追うごとに深まり、週末には映画を見に行ったり、買い物に出かけたり、おいしいレストランを捜したり と、何もないシャンペーンにいながらもそれなりに楽しんでいます。先日は生まれて初めてアイスホッケーの試合を観戦し、Illini17‐Buffalo 0 という大勝に皆、大盛り上がりでした。

授業の方は基本的に問題なく進んでいますが、やはり少人数のクラスの方が授業の醍醐味が味わ え、楽しいです。またESLのクラスはとてもアットホームで、課題が多くかつ授業はそれほど目新しくないものの、受講して良かったなと思えるクラスの一つ です。サンクスギビングにも酒井さんも含めたESLのクラスの友人達とカナダを旅行し、楽しい想い出を作ることが出来ました。

いよいよ今 月半ばに春セメスターの登録が始まりましたが、また他の学生よりも遅い登録開始日であったため、ほとんどの授業がCloseで現在もまだ希望の授業に登録 するのに苦労しています。 Departmentの方からも授業が実際に始まるまで待てと言われてしまいました。春はマーケティングなど、ビジネスに直結 する授業を受講したいと思っています。冬休みまであと2週間ほど、後はファイナルを乗り切るだけです。冬休みは就職活動のため1週間ほど日本に帰国し、そ の後は少し気分転換にアメリカから離れて見ようかなと思い、スペイン、ポルトガルを旅行する予定です。

秋セメスターを振り返ってみると本 当にあっという間だったなという感じです。最初のうちは生活の基盤を作り上げたり、生活スタイルに慣れたりということだけで精一杯だったのですが、少しず つ勉強にも遊びにも時間を費やせるようになってきて、後半は忙しかったものの大変充実した日々を過ごすことが出来ました。この調子で行くと春セメスターも あっという間にすぎてしまいそ
うですが、生活にも慣れた分、更に色んなことに挑戦でき、より成果の多い学期になるのではと期待しています。

喜多 亜貴子

喜多亜貴子さんの2000年9月分レポート

こんにちは。こちらでの生活も1ヶ月が経ち、やっと落ち着いてきました。最近は気候の変化が激しく、コートがいるなと思った次の日にはTシャツを着ていた りと不思議な毎日です。シャンペーンは思っていたよりもずっと住み心地がよく気に入っています。遊ぶ所がないという最大の難点を除けば、大学内は安全だ し、図書館なども充実しており、非常にいい所です。8月半ばにこちらに到着し、最初は面倒な手続などに追われ辟易としましたが、それが終わってからの生活 は基本的に問題もなく落ち着いています。

授業の方は、Microeconomics, Macroeconomics、American Power、ESLをとっています。私は到着してからの手続がうまくいかず、授業を登録できたのが登録最終日で満員の授業が多かったのですが何とか希望通 りとれ、非常に満足しています。基本的には講義中心なのですが、American Powerの授業はデイスカッションがあり、 International Studentは私一人で最初はかなり戸惑いがありました。まだまだ他の生徒の発言を聞いて流れを掴むだけでも大変なのですが、黙って聞いているだけでは 面白くないのでちょっと的外れかなと思いながらも発言するようにしています。Economicsの授業は700人近くも登録しているというほどの大講義で すが、非常に分かりやすい授業で、経済の基礎を学ぶには良いなと思っています。今セメは英語の心配などもあり100番台の授業のみをとったのですが、来セ メはもっとレベルの高い授業に挑戦してみようと思います。

寮は希望どおりBusey Hallになり基本的には心地よく満足しています。寮の食事もおいしく食べていますが、1ヶ月経った今、少し飽きてきて、この先もっともっと日本食が恋し くなるだろうなあと覚悟しています。Busey Hallは undergraduateの寮にしては静かで勉強するのにも適していますが、勉強はいつも図書館に行ってしており、undergraduate libraryはお気に入りの場所になっています。ルームメイトはアメリカ人のフレッシュマンで、生活リズムの違いからこの1ヶ月はかなりもめましたが、 今は何とかうまくいっています。ただこちらに来る前から春セメスターは1人部屋に移ろうと思っていたので、Busey Hallでの生活も後3ヶ月ほどになりそうです。

こちらでは時間が過ぎるのがあまりにも早く、時々妙な焦りを感じますが、勉強も遊びも 謳歌しており、毎日非常に充実しています。OISAはExchange studentやInternational studentを対象にしたプログラムなどが充実しており、とにかく沢山の人と知り合うためにもちょっとしたセミナーなどにも参加するようにしています。 シカゴにも先日Exchange Studentを対象にしたツアーで行ってきましたがシャンペーンでの生活に慣れてきたせいか、久しぶりの都会は何か居心地が悪い気がしました。

待ちに待った留学生活がやっと始まり1ヶ月経った今、本当に貴重な経験をさせて頂いていることに感謝の気持ちで一杯です。この一年は将来の進路を決める上 でも非常に大きな意味を持つことになると思います。奨学生としてイリノイ大学で学ぶ機会を頂き、勉強も遊びも含め、この一年でやりたいことは山ほどありま す。限られた時間の中で精一杯欲張って様々な経験を出来ればと思っています。

喜多 亜貴子