JICの皆様、またこの奨学生レポートを読んでくださっている皆様、ご無沙汰しております。ずっと寒かったシャンペーンは日に日にあたたかくなってきており、春の到来を感じています。
さて、今回はI.春学期の授業、II.春休み、III.競技ダンス、IV.その他、について書きたいと思います。
I.春学期の授業
現在履修しているものの中からいくつか紹介します。
★GLBL 392 International Diplomacy and Negotiation
前回も紹介した通り、外交と交渉について学ぶ授業です。イリノイ大学のAdvanced Composition Courseの一つに指定されており、授業の目的の一つがライティング能力を身に着けることだそうです。日々の課題に加え、学期末には30枚ほどのペーパーを提出することになっています。
前半期には、交渉や外交に関する基礎的な概念や用語を学びました。授業も後半期に差し掛かり、ついに先日、オンラインシュミレーションシステムを使って他大学の学生との模擬国際会議が始まりました。会議は日々のメールのやり取りと、指定された時間にパソコン上で行われるオンライン会議の2種類から成るものです。各国がそれぞれProposalを作成し、交渉を通してその採択を目指します。先日、私の担当国であるブラジルの目標や戦略が決まりました。チームの仲間と協力しながらこれから3週間、楽しみながら取り組んでいきたいと思います。
★HRE 199 Leadership in Global Engagement
前回紹介した、約15名という少人数で行われている授業です。テーマは文化、リーダーシップなど幅広いものとなっています。毎週20ページほどのリーディングが課され、毎回それに基づいてディスカッションが行われます。リード役はイリノイ大学の学生1名と澳門大学の学生1~2名のペアが毎回交代で務めます。

私が澳門大学の学生と共にリード役を務めた時のディスカッションのテーマは ”文化による幸福に関する価値観の違い” でした。リーディングの中身をより深く理解してもらうため、また自身の幸福とは何かについて考えてもらうためにディスカッショントピックの他、ゲームやプレゼンテーションを用意しました。当日は思った以上に学生たちの積極的な発言・参加があり、やりがいを感じました。
★SOCW 199 Community-Based Service Learning
前回のレポートでも紹介した、シャンペーンの中学校Franklin Middle Schoolに行き、チューターとして学生の宿題や課題の手伝いをするという授業です。セッションに参加する学生は学力・バックグラウンドが多様であり、毎回柔軟な対応が求められます。
宿題を手伝うことが私たちチューターの主な仕事ですが、時にはずっと中学生の話を聞いているということも。ある生徒は自身が参加しているボーイスカウトの話を興奮気味に、また別の生徒は自分の大学進学についての話をしてくれました。彼らと関わることで、アメリカでの公教育がどのようなものか(もちろん、地域や学校によって違いはあると思いますが)を肌で感じることができ、とても嬉しく思います。
II.春休み
3月中旬に1週間ほどの春休みがありました。私は、前半はシャンペーンにて競技ダンスの練習をし、後半はインディアナで行われた大会に出場してきました。競技ダンスについてはIIIで詳しく述べたいと思いますので、ここではそれ以外のことについて述べたいと思います。
★ミュージカル、”Dreamgirls”
春休みの初日、友人と共にミュージカル”Dreamgirls”を観てきました。会場であるAssembly Hallはバスケットボール等の試合や大きなイベントが開かれるスタジアムでした。

キャストの方々はプロとしてデビューされたばかり方も多く(それを感じさせないほど素晴らしい技術を持った方々ばかりでしたが)、舞台上はフレッシュなエネルギーであふれていました。
面白かったのが、観客の反応です。会場全体の悪役に対する冷たい反応、また主役を応援する姿勢が拍手・歓声等にはっきりと表れていました。ミュージカルの内容、歌、ダンス、演技…どれも素晴らしく、あっという間の2時間半でした
★大雪、そして休講
春休みの最終日、朝起きて窓の外を見ると雪が降っていました!昼から夜にかけて雪はどんどん積もっていき、ついには(雪があまりにもひどいため)シカゴからシャンペーンまでの高速道路を通らないよう警察から勧告が出るほどに。友人からイリノイ大学は雪で休講と言うことはありえないと聞いていたのですが(シャンペーンでの雪への対応は素晴らしいです。雪が降った翌日通行・歩行に困ることはほとんどありません)、春休みの初日はまさかの休講となりました。
Quadや寮の庭では、雪合戦や雪だるま作りをしている学生達を多く見かけました。

III.競技ダンス
この2月に始めた競技ダンスですが、思った以上に楽しく、その魅力にはまっています。現在は4月半ばにある最後の大会に向けて練習しているところです。
★競技ダンスとは
競技ダンスは社交ダンスの競技版、と言って差し支えないと思います。ダンスの種類は大きく分けてInternational Latin(サンバ、ジャイブ、チャチャ、ルンバなど)、International Standard(ワルツ、タンゴ、クイックステップなど)、American Smooth(International Standardのアメリカ版)、American Rhythm(International Latinのアメリカ版)、の4つがあります。また、競技はレベル別に行われるため(大学生向けの大会は大体下から順にNewcomer、Bronze、Silver、Gold、Novice)、初心者でも気軽に参加できます。私は現在、Newcomer(競技を始めて1年~1年半の人向けのカテゴリー)とBronzeというカテゴリーに参加しています。
★大会
私の所属しているチームは、日々の練習とコーチによるレッスンの他、中西部で行われる大会に参加しています。
*Arnold Youth Dancesport Classic (Columbus, OH)
3月上旬、オハイオ州コロンバスにて開かれた大会です。この大会はThe Arnold Sports Festivalの一部として行われており、会場では競技ダンスのほか、チアリーディング、卓球など45のスポーツの大会・博覧会が行われていました。The Arnold Sports Festivalはかなり大きな大会であるらしく、全体で毎年2万人近くの参加があるそうです。1989年にカルフォルニアの元州知事であるArnold Schwarzenegger氏とオハイオ州出身のJim Lorimer氏によって設立されたそうです。
競技にはプロや全米レベルの大会に出ているアマチュアのダンサーも参加しており、踊るのも見るのも楽しい大会でした。昼にはSchwarzenegger氏を招いてのエキシビションが開かれ、ダンサーの素晴らしい演技に観客たちは釘付けでした。
大きな大会なのでピリピリした雰囲気になるのかと思っていましたが、私の出たカテゴリーでは皆リラックスして大会を楽しんでいました。

*Irish Dancesport Gala (Norte Dame, IN)
春休みの終わりにインディアナのノートルダム大学にて開かれた大会です。大会前日のOpening Dance(参加者の練習セッション)から始まり、和気藹々とした雰囲気が印象的でした。私はNewcomerのInternational Latinのジャイブにて準決勝まで進むことができました。印象的だったのは、準決勝からフロアの雰囲気が一変したことです。ダンサーたちは皆ピリピリし始め、入場してからは場所の取り合いとなりました(ジャッジにアピールするため)。決勝に進めなかったのは残念でしたが、とても楽しい時間でした。
一番の目玉(!?)は大会後のFun Danceというセッションです。この時間はマンボやサルサ音楽が流れ、参加者は自由に踊ります。パートナーと真剣に踊る人、リラックスしながら踊りを楽しむ人、のんびりとダンスを観ている人、洋服を脱ぎ始める(!)人、コメディアンのような動きをする人…それぞれがセッションを心から楽しんでいる姿が印象的でした。アメリカらしいなぁと思ったのが、このセッションにもジャッジがいたことです!数分後、全体の中から(面白さと奇抜さで)目立ったカップル(チーム)が数組選ばれ、決勝が行われました。決勝戦は大変白熱し、音楽が笑い声で聞き取れないほどとなりました。
★ダンスチームについて
競技ダンスを始めて良かったと思うことはたくさんありますが、一番嬉しいのは素晴らしい仲間に出会えたことです。右も左も分からなかった私に丁寧にステップを教えてくれたり、一緒にダンスシューズを買いに行ってくれたり、大会前に親切にアドバイスをしてくれたり…。競技ダンスの楽しさを教えてくれたのは、そして競技ダンスを私にとってより特別なものにしてくれたのは、チームのメンバーたちです。彼らの多くは大学院生であり、忙しい勉強の合間をぬって練習や大会に参加しています。彼らからはダンスについて、またそれ以外のことについて多くを学びました。
現在、今学期最後の大会に向けて練習しています。仲間と共に最高の演技ができたら、と思っています。
IV.その他
留学生活も残すところあと1か月となり、時の経つ早さに驚いています。来たばかりの頃は毎日が驚きや発見の連続でしたが、今、それらは(良い意味で)私にとって当たり前の日常となっています。きっとシャンペーンは私にとって第二の故郷のような場所となるのだろうな、と感じています。
留学生活が終わるのは信じがたいことですが、残り少ない留学期間、毎日を思う存分楽しみ、多くのことを学んで帰国したいと思います。