鹿山ゆかりさんの2013年4月分奨学生レポート

JICの皆様、またこの奨学生レポートを読んでくださっている皆様、ご無沙汰しております。ずっと寒かったシャンペーンは日に日にあたたかくなってきており、春の到来を感じています。
さて、今回はI.春学期の授業、II.春休み、III.競技ダンス、IV.その他、について書きたいと思います。

I.春学期の授業
現在履修しているものの中からいくつか紹介します。

★GLBL 392 International Diplomacy and Negotiation
前回も紹介した通り、外交と交渉について学ぶ授業です。イリノイ大学のAdvanced Composition Courseの一つに指定されており、授業の目的の一つがライティング能力を身に着けることだそうです。日々の課題に加え、学期末には30枚ほどのペーパーを提出することになっています。
前半期には、交渉や外交に関する基礎的な概念や用語を学びました。授業も後半期に差し掛かり、ついに先日、オンラインシュミレーションシステムを使って他大学の学生との模擬国際会議が始まりました。会議は日々のメールのやり取りと、指定された時間にパソコン上で行われるオンライン会議の2種類から成るものです。各国がそれぞれProposalを作成し、交渉を通してその採択を目指します。先日、私の担当国であるブラジルの目標や戦略が決まりました。チームの仲間と協力しながらこれから3週間、楽しみながら取り組んでいきたいと思います。

★HRE 199 Leadership in Global Engagement
前回紹介した、約15名という少人数で行われている授業です。テーマは文化、リーダーシップなど幅広いものとなっています。毎週20ページほどのリーディングが課され、毎回それに基づいてディスカッションが行われます。リード役はイリノイ大学の学生1名と澳門大学の学生1~2名のペアが毎回交代で務めます。

ディスカッションの様子。毎回メンバーが交代でお菓子を持ち寄ったりと、リラックスした雰囲気の授業です

私が澳門大学の学生と共にリード役を務めた時のディスカッションのテーマは ”文化による幸福に関する価値観の違い” でした。リーディングの中身をより深く理解してもらうため、また自身の幸福とは何かについて考えてもらうためにディスカッショントピックの他、ゲームやプレゼンテーションを用意しました。当日は思った以上に学生たちの積極的な発言・参加があり、やりがいを感じました。

 
★SOCW 199 Community-Based Service Learning
前回のレポートでも紹介した、シャンペーンの中学校Franklin Middle Schoolに行き、チューターとして学生の宿題や課題の手伝いをするという授業です。セッションに参加する学生は学力・バックグラウンドが多様であり、毎回柔軟な対応が求められます。
宿題を手伝うことが私たちチューターの主な仕事ですが、時にはずっと中学生の話を聞いているということも。ある生徒は自身が参加しているボーイスカウトの話を興奮気味に、また別の生徒は自分の大学進学についての話をしてくれました。彼らと関わることで、アメリカでの公教育がどのようなものか(もちろん、地域や学校によって違いはあると思いますが)を肌で感じることができ、とても嬉しく思います。
II.春休み
3月中旬に1週間ほどの春休みがありました。私は、前半はシャンペーンにて競技ダンスの練習をし、後半はインディアナで行われた大会に出場してきました。競技ダンスについてはIIIで詳しく述べたいと思いますので、ここではそれ以外のことについて述べたいと思います。

★ミュージカル、”Dreamgirls”
春休みの初日、友人と共にミュージカル”Dreamgirls”を観てきました。会場であるAssembly Hallはバスケットボール等の試合や大きなイベントが開かれるスタジアムでした。

Assembly Hallの様子。写真は大学のホームページより

キャストの方々はプロとしてデビューされたばかり方も多く(それを感じさせないほど素晴らしい技術を持った方々ばかりでしたが)、舞台上はフレッシュなエネルギーであふれていました。
面白かったのが、観客の反応です。会場全体の悪役に対する冷たい反応、また主役を応援する姿勢が拍手・歓声等にはっきりと表れていました。ミュージカルの内容、歌、ダンス、演技…どれも素晴らしく、あっという間の2時間半でした

 

★大雪、そして休講
春休みの最終日、朝起きて窓の外を見ると雪が降っていました!昼から夜にかけて雪はどんどん積もっていき、ついには(雪があまりにもひどいため)シカゴからシャンペーンまでの高速道路を通らないよう警察から勧告が出るほどに。友人からイリノイ大学は雪で休講と言うことはありえないと聞いていたのですが(シャンペーンでの雪への対応は素晴らしいです。雪が降った翌日通行・歩行に困ることはほとんどありません)、春休みの初日はまさかの休講となりました。
Quadや寮の庭では、雪合戦や雪だるま作りをしている学生達を多く見かけました。

窓から見た雪の様子。遠くが全く見えませんでした。

III.競技ダンス
この2月に始めた競技ダンスですが、思った以上に楽しく、その魅力にはまっています。現在は4月半ばにある最後の大会に向けて練習しているところです。

★競技ダンスとは
競技ダンスは社交ダンスの競技版、と言って差し支えないと思います。ダンスの種類は大きく分けてInternational Latin(サンバ、ジャイブ、チャチャ、ルンバなど)、International Standard(ワルツ、タンゴ、クイックステップなど)、American Smooth(International Standardのアメリカ版)、American Rhythm(International Latinのアメリカ版)、の4つがあります。また、競技はレベル別に行われるため(大学生向けの大会は大体下から順にNewcomer、Bronze、Silver、Gold、Novice)、初心者でも気軽に参加できます。私は現在、Newcomer(競技を始めて1年~1年半の人向けのカテゴリー)とBronzeというカテゴリーに参加しています。

★大会
私の所属しているチームは、日々の練習とコーチによるレッスンの他、中西部で行われる大会に参加しています。

*Arnold Youth Dancesport Classic (Columbus, OH)
3月上旬、オハイオ州コロンバスにて開かれた大会です。この大会はThe Arnold Sports Festivalの一部として行われており、会場では競技ダンスのほか、チアリーディング、卓球など45のスポーツの大会・博覧会が行われていました。The Arnold Sports Festivalはかなり大きな大会であるらしく、全体で毎年2万人近くの参加があるそうです。1989年にカルフォルニアの元州知事であるArnold Schwarzenegger氏とオハイオ州出身のJim Lorimer氏によって設立されたそうです。
競技にはプロや全米レベルの大会に出ているアマチュアのダンサーも参加しており、踊るのも見るのも楽しい大会でした。昼にはSchwarzenegger氏を招いてのエキシビションが開かれ、ダンサーの素晴らしい演技に観客たちは釘付けでした。

大きな大会なのでピリピリした雰囲気になるのかと思っていましたが、私の出たカテゴリーでは皆リラックスして大会を楽しんでいました。

ワルツ終了後の写真。審査員と観客にお辞儀を終えたところです。

*Irish Dancesport Gala (Norte Dame, IN)
春休みの終わりにインディアナのノートルダム大学にて開かれた大会です。大会前日のOpening Dance(参加者の練習セッション)から始まり、和気藹々とした雰囲気が印象的でした。私はNewcomerのInternational Latinのジャイブにて準決勝まで進むことができました。印象的だったのは、準決勝からフロアの雰囲気が一変したことです。ダンサーたちは皆ピリピリし始め、入場してからは場所の取り合いとなりました(ジャッジにアピールするため)。決勝に進めなかったのは残念でしたが、とても楽しい時間でした。
一番の目玉(!?)は大会後のFun Danceというセッションです。この時間はマンボやサルサ音楽が流れ、参加者は自由に踊ります。パートナーと真剣に踊る人、リラックスしながら踊りを楽しむ人、のんびりとダンスを観ている人、洋服を脱ぎ始める(!)人、コメディアンのような動きをする人…それぞれがセッションを心から楽しんでいる姿が印象的でした。アメリカらしいなぁと思ったのが、このセッションにもジャッジがいたことです!数分後、全体の中から(面白さと奇抜さで)目立ったカップル(チーム)が数組選ばれ、決勝が行われました。決勝戦は大変白熱し、音楽が笑い声で聞き取れないほどとなりました。

★ダンスチームについて
競技ダンスを始めて良かったと思うことはたくさんありますが、一番嬉しいのは素晴らしい仲間に出会えたことです。右も左も分からなかった私に丁寧にステップを教えてくれたり、一緒にダンスシューズを買いに行ってくれたり、大会前に親切にアドバイスをしてくれたり…。競技ダンスの楽しさを教えてくれたのは、そして競技ダンスを私にとってより特別なものにしてくれたのは、チームのメンバーたちです。彼らの多くは大学院生であり、忙しい勉強の合間をぬって練習や大会に参加しています。彼らからはダンスについて、またそれ以外のことについて多くを学びました。
現在、今学期最後の大会に向けて練習しています。仲間と共に最高の演技ができたら、と思っています。

IV.その他
留学生活も残すところあと1か月となり、時の経つ早さに驚いています。来たばかりの頃は毎日が驚きや発見の連続でしたが、今、それらは(良い意味で)私にとって当たり前の日常となっています。きっとシャンペーンは私にとって第二の故郷のような場所となるのだろうな、と感じています。
留学生活が終わるのは信じがたいことですが、残り少ない留学期間、毎日を思う存分楽しみ、多くのことを学んで帰国したいと思います。

佐藤香織さんの2013年4月分奨学生レポート

JICの皆さま、いかがお過ごしでしょうか。第37期奨学生の佐藤香織です。先月の春休みまで、大雪等とても寒い天候が続いていたシャンペーンにもようやく春が訪れ、街が賑やかになってきているのを感じる毎日です。イリノイでの生活も残すところ、あと1カ月を切り、今までのこちらでの生活を振り返る機会が増え、もうすぐここを発つことを考えると、寂しさや焦りといった複雑な感情がこみあげてきます。
今回のレポートでは、①春学期の授業紹介、②春休みでのボランティア活動、③その他の活動、の3点について詳しく触れていきたいと思います。

(1)    Spring Semester
今学期履修している科目は以下の7つです。
SOCW410 Social Welfare Policies and Services
SOC364 Impacts of Globalization
MACS351 Social Aspects of Media
RST330 Leisure and Consumerism
KIN101 Dance Activities
ESL110 English Pronunciation for Academic Purposes
ESL115 Academic Writing
このうち、最後のpronunciationのクラスは、授業時間は他と変わりませんが、単位には含まれないため、今学期は計16単位を履修しています。また、前回のレポートではACES270 Consumer Economicsを履修予定と記載しましたが、似たような授業で、Group projectやReaction paper等の課題があり、シラバスもよく組んである、RST330により関心を持ち、履修科目を変更しました。

①    SOCW410: Social Welfare Policies and Services
アメリカでの様々な社会問題について、ドキュメンタリーやケーススタディを扱いながら学習しています。クラスはわずか10人程度のため、ディスカッションをする機会も多く、また、専攻である社会学と関連した分野(格差問題や医療制度等)が中心であり、とても興味深い授業です。先月には、各々Social Workに関わる団体をひとつ選び、活動内容を吟味(Strength, weakness, opportunity, threat)し、どのように改善し、どれほどの資金が必要かについてリサーチする課題がありました。また、来週にはふたりひと組で25分のプレゼンテーションがあり、その準備で忙しくしています。

 
②    RST330: Leisure and Consumerism
Recreation, sports and tourismと呼ばれる、日本ではなかなか受けられない学科の授業です。授業では、レジャーやスポーツがどのように現代の我々の生活に浸透してきたか、また、現代の消費社会は我々にどのような影響を与えているのかについて学習しています。シラバスが良く練られていて、授業以外に、リアクションペーパーやリーディングサマリーなど小さな課題が多く出されています。グループプロジェクトでは、Hines Wardという韓国系アメリカ人のフットボール選手が、数年前のスーパーボールでMVPに選ばれたことを通じて、韓国におけるアイデンティティの概念がどのように変化したかについて話し合い、発表しました。

発音の授業でもらった個別のフィードバック

③    ESL110: English Pronunciation for Academic Purposes
本来なら秋学期に履修しておくべきだったのかもしれませんが、1学期間アメリカで学習し、発音をもう少し基礎から学んでおいた方がよいと感じ、またこの機会を逃したらなかなか発音から見直す機会がないのではないか、と考えたことから、履修することにしました。当初は、単位認定もされず、本当に履修しようか迷いましたが、実際授業を受けてみると、とてもしっかりしたカリキュラムで満足しています。毎回の授業では、ひとつひとつの発音を学ぶだけでなく、フレーズの中でどこにアクセントをつけて話すか、また単語のどの母音にアクセントがつくかを予測する訓練など、なかなか学ぶことのできない内容が盛り込まれています。毎回必ず宿題があり、1学期間にわたって行われる12回のレコーディング課題や、月1回ある講師との面談、チューター制度等、とても充実しています。

④    ESL115: Academic Writing
この授業も、発音とともに、ライティングの基礎を学ぶコースになっています。アメリカではAPAスタイルと呼ばれる論文の書き方が一般的で、日本の論文に比べて、引用や参考文献等の決まりが厳しく決まっていて、成績にも関係します。アメリカ人の学生も高校から習い始め、大学でもライティングのクラスが必修であるほどライティング能力を重要視しているので、私も基礎の授業を受講しようと思いました。授業ではAPAスタイルの方法や、どのようにふさわしい参考文献を見つけ、使用するか等ひとつずつ細かく説明され、他の授業でのライティング課題の参考にもなり、とても役立っています。また、学期末には、集大成として8ページのリサーチペーパーを提出することになっています。

(2)    春休み
3月の中旬にある1週間の春休みの間は、シャンペーンにとどまり、ボランティア活動に参加しました。Allerton Parkと呼ばれる、キャンパスから車で30~40分のところにある、私立庭園にて、春に向けての木植えや、花壇の土換え、古くなった物置き小屋の解体、ビニールハウスの植物の水やり等、様々な仕事を行いました。このボランティアに参加しようと思ったのは、たまたま寮の掲示板に貼ってある募集ポスターを見て、特に予定が決まってなかった私は、ちょうど良いチャンスだと思い、応募したことがきっかけでした。正直、この庭園がどのようなものか知らずにボランティアに行った訳ですが、初日のオリエンテーションでは、1500エイカー以上もの敷地内にある、古い建物や庭園、世界各国から集められた銅像、ハイキングコースを案内してもらい、Allerton Parkの広大さを実感しました。スタッフのみなさんも、とても親切に仕事を教えてくださり、他の5人のボランティアメンバーとも毎日一緒に仕事をするにつれ、結束が生まれていったように感じます。気候は氷点下前後と、とても寒かったですが、とても充実した春休みを過ごせました。

Allerton Parkでのボランティア

(3)    その他
①    ズンバダンス・ヨガ
今学期が始まってから、ARCと呼ばれるジムで行われているズンバダンスとヨガのクラスにほぼ毎日通っています。ダンスの授業で知り合った友人に進められたのがきっかけで、通いはじめました。もとはブラジルで始まったズンバダンスをアメリカ人好みにエアロビクス風にアレンジされたダンスは、運動不足の私には良い運動です。同じくダンスの授業でヨガを習って以降、関心を持ち、早速ヨガマットを購入し、ヨガやピラティスのクラスにも通っています。その他にも、ARCには屋内プールがあり、夕方から夜10時まで利用でき、脇にはサウナが設置されており、とても施設が充実しています。4月末には、屋外プールも開園するため、帰国前に一度訪れたいと思っています。

ARCで行われているZumbaダンス教室

②    5月のボランティアトリップ
学期末後、5月の中旬から2週間弱、ワシントン州オリンピアへボランティア旅行に参加しようと考えています。Alternative Spring Breakと呼ばれるボランティア団体が企画した活動で、現地では貧しい子どもたちとともにLocal Food Systemについて学び、Garden Kitchenを建てる等の活動をする予定です。旅行前の活動として、現在毎週のグループミーティングやキャンパス内でFund Raising活動に取り組んでいます。

③    日本館
ひなまつりの日に日本館で行われたイベントの見学に行ってきました。イベントでは、郡司先生ほかインターンシップをしている学生も皆きれいな着物をきて、お茶の披露をし、手づくりの和菓子をごちそうしてもらいました。

日本館でのひなまつりイベント

イリノイでの生活も残りほんのわずかとなりましたが、最後まで色々なことにチャレンジし続けていきたいと思っています。また、今回の留学を支えてくださっている皆さまに感謝し、7月のリユニオンパーティで良い報告ができるよう、最後の期末期間やその後の課外活動にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

バスケットボールの試合 vs Indiana State University

 

 

 

 

 

第37期JIC奨学生
佐藤 香織

奥谷聡子さんの2013年4月分奨学生レポート

シャンペーンは木々が芽吹き始め、うららかな春の日差しが心地よく感じられる季節になりました。 1週間前とは一変して、キャンパスはTシャツ姿で道ゆく学生で溢れています。友人に、”Satoko, there are only two seasons in Illinois. Summer, and Winter” と言われ、なるほどねと笑ってしまいました。 留学生活も残すところ、4週間となったところで4月分のレポートをお送りさせていただきます。 今レポートは、Ⅰ授業、Ⅱ課外活動、Ⅲ寮生活の3点についてご報告いたします。

日本館の桜も芽吹きはじめました。

Ⅰ授業 PS283 International Security [Professor. Steve Miller]  この授業では、国際政治における安全保障とアメリカの外交政策について学んでいます。 講義の他に、国務省の現役外交官によるスペシャルレクチャーなどもあり、大使館での勤務経験や、9.11直後のホワイトハウスと国務省、防衛省の舞台裏について生の声を聞くことができました。毎週金曜日のディスカッションセクションでは、授業で学んだ理論をもとに、中国の安全保障ジレンマ、イランの核開発、テロリズム、人道的介入などについて議論しています。  最近、印象に残ったディスカッションでは、核外交と原爆投下の正当性について議論しました。TA[Teaching Assistant]が「あなたたちが仮に大統領だったら、広島、長崎に原爆を投下しますか?」とクラスに問いかけたところ、多数のアメリカ人学生たちが是と答えました。その理由としては、原爆は地上戦がもたらしていたであろう犠牲者を救い、戦争を早期終結させるための必要悪であったとの見方がアメリカでは一般的だからです。他方で、私は 当時の日本の悲惨な経済状況や軍の劣勢という観点から原爆投下は戦争の結果に影響はなかったと主張しました。感情論だけで話しても相手には伝わらないと感じたので、できるだけ論理的に伝えようと努めた一方で、原爆に対する議論が論理一筋で、そのドライな空気に違和感をも隠せませんでした。アメリカで 原爆の非人道性は誰が伝えるのでしょうか。「安全保障とモラルはそもそも相容れないものなのだ」と力説する米軍幹部候補生を見て、正直、アメリカの、そして世界の将来に懸念を覚えました。

PS199 Undergraduate Open Seminar: U.S. State and Local Politics [Megan Remmel] この授業では アメリカの連邦政府と州政府の憲法や法律、権限の違いについて学んでおり、今学期最も興味深い授業です。なぜかというと、アメリカの政治文化や宗教、人種の多様性は連邦制という政治システムに鍵が隠されているということをこの授業が現実の出来事と繋ぎ合わせてくれたためです。授業では、現在まさに話題沸騰中の銃規制、同性結婚、麻薬の合法化、妊娠中絶などを巡る問題について扱っています。州の政治文化はこれら全ての議題と深く関連しています。例えばイリノイ州は、リンカーン大統領の地として有名である一方で州政府の汚職スキャンダルが全米ランキング11位、C評価と悪名高くもあります。イリノイの政治文化は古くから個人主義的であり、政治はあくまでも功利的観点からプロに委任すればいいと多くの人が考えています。 同性結婚や妊娠中絶に関しても、イリノイは比較的リベラルなのに対して、州を一歩外に出たインディアナ州では対照的な政策が推進されていたりします。アメリカと一言で言えども、カリフォルニアとユタ州は全く異なり、土着の政治文化が地域特有のアイデンティティと価値観を形成しています。本来なら連邦法で違法なことが、州レベルでは合法であったり、ある州で違法なことでも他州に移動すれば合法であるなど、連邦政府と州政府間だけでなく、州政府同士の対立が複雑な問題を生み出しています。 ファイナルペーパーでは、イリノイ州とユタ州の妊娠中絶政策について現在リサーチを進めています。

GLBL250 International Development [Prof. James Kilgore] この授業では、国際開発について学んでおり、教授はジンバブエに20年間滞在経験があるアフリカ開発分野のプロです。授業スタイルも少人数制ディスカッションで、教授に学生一人一人の顔と名前を覚えてもらえる親密な形式になっています。毎週リーディング課題とグループプレゼンテーションをしなければならないので、準備が大変な授業ですが、「グローバリゼーションと開発の矛盾」について執筆した中間ペーパーが、優秀論文に選ばれたのはとても嬉しかったです。現在はファイナルプロジェクトとして、開発に関するドキュメンタリーの制作にパートナーとともに取りかかっています。最後の授業日に教授のご自宅でポットラックをしながら、プロジェクトの最終発表をするのを 今から楽しみにしています。

PS282 Governing Globalization [Prof. Konstantinos Kourtikakis] このコースでは、グローバル化が各国の外交政策や環境保護政策、人権、貿易、国家主権に与える影響について学んでいます。人、モノの国境移動が盛んになるにつれて、世界経済の融合と国家間の連携深化が増々進んでいます。多国籍企業が世界のあらゆる地域に拡大する一方で、インドネシアのNike Sweatshopsでは労働者の人権侵害が、ナイジェリアではShell Oilによる環境破壊が今なお行われています。世界的な富裕層が増大していく一方で、未成熟な発展途上国の経済はグローバル化の波についていけず、先進国でも中流階級が没落し、貧困化する現象が起きています。世界は豊かになっているはずなのに、海の向こう側の市民の人権侵害や環境破壊の犠牲の上で成り立っているという矛盾をこの授業で映像やディスカッションを通して分析しています。Joseph StiglitzやThomas Friedman、Saskia Sassen など大変興味深い文献を授業では取り扱っています。

 

Ⅱ課外活動

St.Louis Blues チームのロゴ

NHL プロアリーナで試合 2月23日にミズーリ州にあるプロNHLチーム、St. Louis Bluesのホームアリーナで(Scottrade Center http://www.scottradecenter.com/ ) アイスホッケー部の遠征試合を行いました。ホッケー選手の誰もが夢見るNHLのプロアリーナで、米国留学一年目の私が、幸運にも人生でおそらく最初で最後にその氷上を滑ってきました。それだけでなく、公式レフェリーのロッカールームを使用させてもらえ、カナダのアイスホッケー連盟本部に直通する有名な赤い電話機にも直に触ってきました。試合は残念ながら負けてしまいましたが、そんなことは気にもせず、人生に一度の経験をさせてもらえただけでチームメイトは皆大満足でシャンペーンに帰ってきました。笑

St.Louis Blues のホーム、Scottrade Centerのリンクでチーム集合写真

決勝プレイオフ 3月8日から10日にかけてRomeoville, ILのCanlan Ice ArenaでWomen’s Central Hockey Leagueの決勝プレイオフが開催されました。この日に至るまでに、毎週2日間の深夜練習を7ヶ月重ね、週末はチームメイトと長時間ドライブをして試合へ遠征し、シーズン計14試合を経て、ようやく決勝プレイオフへの切符を手に入れました。1試合目から私たちは強豪チームにぶつかり、第2ピリオドの終盤でゴールキーパーとの一騎打ちになり、私がゴールを決めました。激戦の末、試合結果は3試合とも同点引き分けになり、僅差で決勝戦には進めませんでした。でも、Illini Women’s Hockey B Teamチーム史上最高の成績をプレイオフで残し、私もその歴史に足跡を刻んできました。最終試合直後のロッカールームは、悔し涙を流すチームメイトたちでしばらく静まり返っていましたが、私の中では悲しいという気持ち以上にチームへの感謝の気持ちが溢れて涙が止まりませんでした。普段は厳しいコーチのAdamが最後に私のところへ来て、「チームに加わってくれて本当にありがとう。君はこのチームに欠かせない一員だった。」と目を真っすぐに見て言ってくれました。イリノイ大学での留学生活を振り返ると、アイスホッケー部に入部して本当に良かったと心から思います。ホッケー部のおかげでたくさんの友人に恵まれ、チームワークの真の意味を学びました。 チームワークとは、仲間意識ではなく、異文化から来た人たちの集まりでも、多様性を活かして同じ目標に向かって連携することなのだと思います。チームに所属しているからといって、チームの一員になれるわけではなく、自分にできることを考え、行動に移して、はじめて周囲のリスペクトを得られるのだと学びました。たくさんの思い出を与えてくれたチームへの感謝の気持ちを込めて、プレイオフ直前にムービーを作成して贈ったら皆涙を流して喜んでくれました。以下のリンクからムービーをご覧になることができます。 http://www.youtube.com/watch?v=ShFf9vVDBI8

プレー中の写真

青春のシーズンは3月10日を以て幕を閉じましたが、隣町のBloomingtonのコミュニティリーグに友人たちとチームを組んで、帰国までの4週間、アイスホッケーを続けることになりました。今月末に学年末のTeam Banquetが企画されているので、次回の最終レポートでご報告できればと思います。

Final Game前の円

Ⅲ寮生活                                                       Global Crossroads Chicago Trip 4月6日から寮(Global Crossroads)企画で1泊2日のシカゴ旅行に出掛けてきました。Global Crossroadsの学生限定でバスを貸し切り、Shedd AquariumやNavy Pierへ行き、ミシガン湖の湖畔を自転車でサイクリングをしました。夜は、Second City Comedy Clubでコメディーショーを楽しみ、シカゴのナイトライフを満喫してきました。Living Learning CommunityはLLC限定の旅行企画やイベントも盛りだくさんあり、特にGCは皆仲が良く、疲れた日も寮に帰ると暖かい仲間に囲まれ、今や皆私の家族です。

Navy Pierにて友人たちとジャンプショット

刻々と近づく4週間後の別れのことを考えると、正直切なさが込み上げてきますが、尊敬できる大切な友人に出会えた奇跡や その人たちとの思い出はこの先消えること無く、 一生私の人生のかけがえのないかけらであり続けるのだと思います。

私の座右の銘に「一期一会」という言葉があります。 千利休の茶道の心得ですが、「誰かと出逢っているこの時間は二度と巡っては来ないたった一度きりのものである。だから、この一瞬を大切に思い、二度とは会えないかもしれないという覚悟で人に接しなさい。」という意味が込められています。

残すところ4週間の留学生活、この言葉を心に留めて過ごしていきたいと思います。 最後になりましたが、いつもご支援いただいている日本イリノイ同窓会の皆様と両親にこの場をお借りして感謝申し上げ、第3回のレポートとさせていただきたいと思います。

乾弘哲さんの2013年4月分奨学生レポート

皆様、お久しぶりです。2012年度奨学生の乾弘哲です。春休み直後に大雪に見舞われたアーバナシャンペーンでしたが、その後は順調に気候も穏やかになってきており、最近では、Tシャツ一枚で登校する学生も多く見かけるようになりました。  今回はあとわずか1カ月となってしまった留学生活についてお知らせします。

I. 授業

II. 春休み ~オーストラリアで模擬国連~                                                                        III. その他課外活動 ~宗教と映画~                                                                              IV. 英語の発信能力

美しい青空とスポーツ施設のCRCE(Campus Recreation Center East)。

I. 授業 前回のレポートで報告しましたように今学期はACDIS(Arms Control, Disarmament, and International Security)科目で時間割を作成したため、文系・理系科目を半分ずつ取ることになっています。

GELG118 Natural Disasters (Prof. S. Altaner)  3・11の大震災を始め、さまざまな自然災害を受ける運命にある日本を、英語の講義を通して振り返ってみたいと思い受講しました。基本的にFreshmen向けGeneral Studiesの授業なので、最初のうちは地震や台風など、日本の中学校の地学で習うような初歩的なことでしたが、講義は豊富な写真とビデオとともに進んでいくので印象深いものです。このヴィジュアルの力は強烈で、普段はそこまで意欲のない学生たちも、例えば東日本大震災で船が2階建ての建物の屋上に打ち上げられた写真がスライドに写されたときは学生たちも「Oh…」と絶句していました。その他にも、インドネシアやトルコの地震、カリフォルニアの地滑り、イタリアの火山噴火など、災害が世界各地で起こっていることを実感する内容です。

PS283 Introduction to International Security (Prof. S. Miller)  先学期に国際政治を勉強して興味を持った、アメリカという国における安全保障概念について知りたいと思ったのが履修のきっかけです。戦争や安全保障を語る上で、日本では第二次大戦という出来事のインパクトが大きい気がしますが、アメリカでは「冷戦」という出来事が予想以上に強い影響を持っていると実感します。先学期の授業で、9/11後のアメリカのテロリストへの対応は、共産主義に代わる新たな敵を見いだし冷戦時代と同じように対処しようとした結果であると言った話を聞きましたが、こうした授業を通して、色々な視点から物事を見られるようになっている気がします。  また、1月から2月にかけて、この授業では「Article Summary」なる課題が課され、文字通り1篇の論文を読んで要約するとともにクラスで扱われた題材とのかかわりを論じるというエッセイを書くことになりました。その論文の正確な理解が問われる分、普段のReading Assignmentよりもずっと時間がかかり、自分の読解力の至らなさを自覚できるいい機会だったと思います。

PHYS280 Nuclear Weapons & Arms Control (Prof. M. Perdekamp)  物理学科が提供している核兵器についての授業です。この授業はPhysics DepartmentのAcademic Advisorに会い、自分が留学生で、日本では4年生であることを伝えたら履修することが出来ました。とはいえ、物理学、しかもFreshmenは履修できないクラスということで内容的についていけるのか少し不安でしたが、physicsやtechnologyについてはそこまで専門的に深めることはせず、どちらかというと一般教養のような話が多くを占めていました。  この授業で面白かったのは、Discussionのクラスにいたクラスメイトの中には国務省や国防省・軍で働きたいといった学生が多く見られたことです。中には海兵隊出身という学生もいて、彼は現代のアメリカ軍の軍事技術について詳しい知識を持っているために授業中も存在感を放っていました。一方、核兵器の根絶を目指す「グローバルゼロ」というNPOに所属する学生も講義に来ており、核をめぐるさまざまな問題を考える機会になっています。

GLBL 397 International Diplomacy and Negotiation (Dr. T. Wedig)  さすがに300番台の授業というだけあって学生もよく勉強していると感じます。担当教授が心理学や教育学などにも造詣のある方で、一般的なPolitical Scienceとは異なったアプローチで過去の国際問題に迫っていきます。  また、この授業の後半ではDiscussionのクラスごとに一国を代表して、オンライン上で他大学のチームと模擬交渉をしており、どのような提案を行うかについてペーパーを核といったグループワークもあります。ところが、この交渉の評価が最終成績にそれほど影響しないこともあって、皆この課題への取り組み方はのんきなものでした。私自身は従来の心配性な性格もあって、各課題の締め切りの1週間前くらいにはそわそわし始め、3日前くらいにはどうやってペーパー書く?とチームメイトにメールを出し始めるのですが、それに皆が返信をして作業に取りかかるのが締め切り前日の夜、ということも珍しくありません。最近では他の授業の課題が一段落したためもあってか、チームメイトも積極的に作業に参加していますが、この経験はどうやってチームで何かを成し遂げるかというリーダーシップに関する関心を深めるきっかけとなりました。

II. 春休み ~オーストラリアでの模擬国連~

Melbourne市内の名物(?)である壁の落書き。

春休みは、日本の大学の友人に誘われてはるばるオーストラリアに飛び、そこで模擬国連の世界大会に参加してみました。これは、世界各国から集まった同世代の学生200人ほどと1週間かけて国際問題について会議を行い、最終日には成果文書を採択するという大会です。複数の会議が同時に開催されるので、合わせると数千人規模の学生が集まることになります。この会議の事前準備の手引きでは、必要な能力としてpublic speakingやresearch、leadershipなど、まさに留学してから学んだような内容の項目が並び、また実際の会議でもこれらのスキルを以下にうまく発揮して会議をリードできるかが問われる場でした。  他の学生が、自分の代表する国の立場を表明するスピーチをするときも「あ、これはCMN101で出てきたAttention Getter(聴衆の注意をひくような言葉やパフォーマンス)だな。なるほど、これはうまい」と思わされる時が何度もありましたし、また自国の立場を成果文書に入れるべく皆が各々主張をし合っているときに、それら適度にコントロールし、すり合わせて形にしていくリーダーシップのスタイルも色々と学ぶことが出来ました。  目標としては、この模擬国連の場で留学の経験を活かそうと思っていたのですが、スピーチにせよリーダーシップにせよ、まだまだ他国の学生を引っ張るだけのものは提示できませんでした。議論の最初のうちは、自分の考えを大勢の前で発表するということもできたのですが、会議が進み、テーマが詳細になっていくと細かい表現やニュアンスまできちんと把握していないと議論についていけず、従って発言も減っていくという状態でした。それでも、これだけの学生を前に英語で発表できたのもそれなりの進歩ですので、道のりは長いながら着実に前進はしていると前向きに考えるようにしています。  また、連日の会議のあとの夕方にはSocial Eventとして飲み会やダンスパーティーがぎっしり詰まっており、留学してから学んだ「楽しむときは全力で楽しむ」という精神を発揮して積極的に参加しました。ちょうど春休み直前は中間テストに加えて各種Paperの締め切りが怒涛のように続いていたので、とてもいい気分転換になりました。  ちなみに、帰りは国際便が遅れ、またシャンペーンに大雪が降ったため飛行機がオヘア空港でストップし、一晩ホテルに閉じ込められることになりました。他の奨学生からこういうときの話を聞いていたこともあり、思わぬ予定変更への対処や航空会社との交渉といったこともそれほど焦らずに済ますことが出来ましたが、この度胸も、米国に来て身に着いたことの一つだと思います。III. その他課外活動  今期はこちらでの生活や英語にも少し慣れてきたこともあって、積極的に各種Eventにも参加してみました。以下ではその中のいくつかをピックアップして取り上げたいと思います。

キリスト教グループのWorship。一見しただけではまるでコンサートのよう。

Campus Worship  まず、今学期に入ってから数回、ルームメイトとその友人たちのグループに誘われて、彼らの Worshipに参加してみました。アメリカに来た目的の一つに、この国の宗教観を知りたいというものがあったのですが、一言でいえばこのWorshipは極めてカジュアル化された宗教経験と言える気がします。初めて参加したときは大学の講堂で開催されたのですが、ステージ上にはバンドのセットが置かれ、最初は全員で現代的なムードの讃美歌を歌い(例えば”Forever Reign”とyoutubeで検索してみてください)、その後ゲストスピーカーによる宗教体験が語られます。キリスト教と言うと、映画などで見る教会をイメージしていたのですが、まるで人気バンドのコンサートか何かのような雰囲気でした。  その後、一通りこれらの式次第がすみ、最後にお祈りをした後は、会場に集まった学生たちが自由におしゃべりを楽しみます。参加している学生の人数は、初回は数百人規模で、中には壮年、高齢の方もちらほら混じっていました。

Film Festival  このキャンパスではあちこちに特定の学問分野を研究する研究センターがあります。先学期は知らなかったのですが、調べてみるとこれらの社会問題や地域研究に取り組んでいるセンターがかなり頻繁にいろいろなイベントを開いていることが分かりました。最近はCenter for South Asian & Middle East Studiesが開催しているMiddle East Film Festivalで「Cairo 678」という映画を鑑賞してきました。この映画は、エジプトでのセクシュアルハラスメントと女性への偏見をテーマにした作品です。エジプトという国やイスラムという宗教の伝統、女性の人権などを絡めた問題を提示しており、考えさせられる内容でした。これらのセンターは他にも講演会などを企画しており、これまで知らなかったことを知る貴重な機会になっています。

「Cairo 678」のポスター。https://en.wikipedia.org/wiki/678_%28film%29より。

IV. 英語の発信能力  最後に、今期の目標に掲げた英語での発信という課題について簡単に触れます。前回のレポートでも申し上げたように、今期はひたすら書くことを課題にしてAdvanced Compositionの単位が認定されるクラスを二つ履修しました。後で何人かの友人にはクレイジーだと言われましたが、たしかに、PS283のArticle Summaryも相まって、2月頃はルームメイトに「お前いつ見てもずっとエッセイ書いてるな」と言われる日々を送ることになりました。  その辛い時期を乗り越えたおかげで、目標としていたライティング能力はある程度向上したと思います。特にPHYS280では、一度提出したエッセイを1週間後にコメント付きで返却され、誤りを修正してその週のうちに再提出するというスタイルで課題が進むため、基本的な作文の条件のようなものはある程度理解することができました。一方、この間は課題に追われて一つ一つの言い回しや文法などがおろそかになっていたので、少し余裕のできた最近は時間を見つけて文法書を読み返すなど、いわゆる日本人の得意分野を補強するよう努めています。とにかく数をこなすことが上達への道であることは間違いないのですが、あまり量を増やし過ぎると個々を振り返る機会が取れずあまり学習効果が得られないのでバランスが大切だと感じます。  このように、自分なりには頑張ったものの、まだネイティブスピーカーに英文を見てもらうとほんの短い文章でも誤りを数か所指摘される状態なので、実際はまだまだ修行が足りないようです。これも、上記で挙げたスピーキングと同様に日々の地道な努力が必要なのだと実感します。

先学期と比べてみると、勉強以外にもいろいろと活動範囲を広げてみた春学期でしたが、それもあと1カ月で終わってしまうかと思うと複雑な気分です。帰国後はすぐに大学に復学しようと思っているため最近は日本とのやり取りが増え、ホームシックではないですが懐かしさを覚えます。ただ同時に、帰国2か月前ほどになってようやく「こちらでの生活にも慣れてきたよ」と自信を持って言える心境になったため、ここにいられるのもあとわずかなのだと思うとさびしい気持ちになります。とはいえ、どれだけさびしがってみてもあと1カ月、その間思う存分こちらでの生活を満喫したいと思っています。

2013年4月15日 京都大学法学部5年  乾 弘哲