岡沢宏美さんの2003年5月分レポート

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2003年 5月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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一年間の留学も終わりに近づき、最後のレポートを皆様にお届けすることと
なりました。

サマースクールを取るとはいえ、正規の留学期間である2セメスターを終え
た今、一年の 生活がどれほど貴重で、有意義であるか、という事を実感して
います。 一年の生活について、言葉で表すことは難しく、まして数百字でま
とめる、という事は できません。本当により抜きでしかありませんが、感謝
の気持ちを込め、数点に絞って 述べたいと思います。

思い出深いものの一つは、ガールスカウトでの活動です。ハロウィンでの仮
装、老人ホームや児童施設でのボランティア活動、活動費を集めるためのバザー
にハイキングなど、面白いことをたくさんしました。

そして、最後の活動時に、私のためにサプライズ・ バースデーパーティー
をしてもらったのには、 感動しました。日本でしていた活動を続けることが
でき、またその活動を通し、仲間と会い、様々な経験ができたことは、何物に
も代えられない大切な思い出です。

もうひとつ、きっと忘れないのは、寮での生活です。毎日毎日、大勢の人に
会い、毎晩のようにカフェテリアの夜食の甘いケーキとコーヒーを前に、数時
間のおしゃべりに興じ、寮の地下のカフェテリアで、たくさんの仲間と、どれ
ほどの時間を過ごしたのかは、想像できない程です。カフェテリアに行くと、
必ず誰か知り合いがいて、一緒に食事をしていると、そのまた友達が加わり、
自己紹介をすると仲間が増えます。食事のテーブル には、そのうちに20名
ほどの人数になることも普通でした。寮を去る最後の日まで、大勢でわい
わいと楽しく過ごしました。

日本では、実家から大学へ通っていた私にとって、キャンパスの寮に住む、
というのは とても新鮮で楽しい経験でした。ルームメイト、エレベーター、
ラウンジ、カフェテリア、 バスルームまで、寮に住むと本当に大勢の人と会
い、言葉を交わします。帰国すれば、きっと寮での生活が恋しくなると思いま
す。

勉強面でも、得がたい経験をしました。日本では学ぶ機会のなかったスピー
チや教育学、それに専攻の言語学も、様々な角度からアプローチを図っていて、
素晴らしいものでした。言語学の本場であるアメリカで、しかも著名な教授が
揃うイリノイ大の言語学科で丁寧に指導を受け、知的な刺激にあふれた日々を
送ることができたのは、留学した醍醐味です。徹夜でレポートを作成したり、
課題に追われたり、ハードではありましたが、 その分だけ身に付くものも多
いと感じます。

夢であった留学が叶えられ、期待以上に素晴らしい留学生活ができたのも、
JICの皆様のおかげです。同じ奨学生と出発前から友達になれたのも、留学
中にたくさんの サポートを頂いた事も、JICの奨学生として留学させて頂
いたからだと感謝しています。

この一年で、本当にたくさんのことを経験し、学びました。
これからも、夢に向かって 頑張っていきます。
ありがとうございました。

岡沢宏美さんの2003年3月分レポート

JICの皆様
岡沢宏美さんからレポートが届きました。

みなさん、春休みの真っ最中だったようで、いろいろ
旅行されていて羨ましい限りです!

それでは。

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2003年 3月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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時が経つのは本当に早いものです。

何もかもが初めてだった先学期に比べ、生活にも、授業にも余裕が出てきてい
ますが、その分、時間は格段に早く過ぎていくようです。 私は春休みに、仲
の良い友達と二人でフロリダへ旅行に行きました。ずっと行ってみたかったディ
ズニーワールドや、NASAのケネディスペースセンターに行ってきました。丸一
週間滞在し、今夜帰ってきたばかりです。少し、今日の出来事を書きます。今
日の朝7時半にオーランドを発ち、大学の寮に戻ったのは夜10時でした。オー
ランドの空港が爆弾さわぎで閉鎖され、飛行機3便乗継ぎのそれぞれが1,2時
間遅れ、オーバーブッキング(?)で、40人ほどの小さな飛行機に17人が乗れな
い、などという場面にも遭遇しました。バスもやっぱり1時間遅れました。ア
メリカの交通機関はのんびーりと利用しなくてはいけないのですね。そうやっ
てトラブルに巻き込まれながらも、寮にたどりつき、ほっとしているところで
す。寮がすっかり居心地のいい、自分の家となっています。

さて、前回のレポートを書いて以降、私に起こった出来事といえば、謎の伝
染病にかかった事です。ルームメイトと私は同時に病気になり、血液検査を受
け、二人ともモノ(単核症)という、こちらではよくある若者の病気にかかっ
ていることがわかりました。ただ疲れたり、熱がでたり、抵抗力が弱り、アレ
ルギー反応が出たりする病気だそうです。そんなにたいした病気じゃないので
すが、聞いた事のない伝染病にかかった!という事実に、少々不安でしたが、
診断書があれば、授業を休んだり、課題の期限延長が認められるので、その手
紙を武器に(?)、休養しながら授業に出ていました。そしてシングルルームを
与えられ、1ヶ月ほど、一人部屋で過ごしました。もちろん、今はディズニー
ランドで遊べるくらい、とても元気です。多くの人にとても親切にしてもらい、
あらためて友達のありがたさを感じました。 もう一つ、私にとっての大きな
出来事は、パッチアダムスとの出会いでした。となりの寮に映画で有名なお医
者さん「パッチアダムス」が講演に来るということで、聞きに行きました。人
生、平和、愛、ユーモア、などというテーマで四日間続けて講演があったので
すが、彼の話がとても面白く、彼の考えに共感し、ついにはパッチアダムスと、
彼の仲間たちと、ピエロの格好をして老人ホームに慰問に行く、という貴重な
体験もしました。

普段の生活についてですが、週末はガールスカウト活動をしたり、コンサー
トに行ったり、折り紙クラブに参加して楽しく過ごしています。授業は先学期
の1,5倍にあたる6つも取っているので大変ですが、がんばっています。

言語学の概論、統語論、音韻論、心理言語学、それにスピーチの授業、週三回
の女声コーラスです。こちらの言語学の授業は、基礎から応用まで系統立って
教えてもらえるので、わかりやすく、面白いです。スピーチはパワーポイント
を使ってのプレゼンの仕方の授業です。こちらのビジネス専攻の人は必修なよ
うです。先生はロースクールの学生で、とてもフレンドリーです。プレゼンの
準備はとても大変ですが、毎回クラスメイトのスピーチを聞くのが楽しみです。
コーラスは先生がドイツ人で、バッハ、ブラームスなどドイツ語やイタリア語
で歌うので、何を歌っているのかよくわかりませんが、楽しい授業です。学期
末には恒例のクラナートでのコンサートです。田中千絵さんに引き続き、わた
くしもクラナートの舞台に立ちます! この有意義な生活を少しでも長く続け
たく、私はサマータームも履修しようと思っています。夏は友達とアパートを
シェアする予定です。 一つ残念なことは、やはり戦争についてです。United
We Stand というポスターや看板、星条旗、また反戦ポスターなどを目にする
度、複雑な気持ちになります。留学生で国に帰った人もいると聞きます。キャ
ンパスでは学生による反戦活動もなされていますが、戦争自体にあまり興味を
示さない人も多いように感じます。授業中に先生も戦争を支持する発言をする
場面があります。多くの人が、戦争を止めよう、と望んでいる中、支持する人
も、無関心な人もたくさんいるのが残念に思います。多くの人が平和について
考え、戦争が終わることを願います。

ありがとうございました。

大阪外国語大学 岡沢宏美

岡沢宏美さんの2003年1月分レポート

JIC会員の皆様

奨学生 岡沢宏美さんの一月分のレポートをお送りします。
岡沢さんはご自身のホームページがあるようです。
時間がありましたら、皆さん覗いてみたらいかがでしょう?

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2003年 1月分レポート
岡沢 宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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明けましておめでとうございます。

新年を迎え、この貴重な留学生活を実り多いものにするためがんばろうと、新
たな気持ちで決心しています。そして、今、こうしてイリノイ大学で学ぶ事が
できるのも、JICの皆様をはじめとする多くの人たちのおかげであると改めて
感謝致します。

前回のレポートを書いてから、早くも3ヶ月が経ちます。
たくさんの課題に追われながらも、楽しく、充実した日々を送っています。
秋学期は言語学の授業を二つ、教育学を一つ、作文の授業を一つ取りましたが、
特に言語学の授業はすばらしいものでした。統語論の授業では課題が多く苦労
しましたが、わからない時はオフィスアワーに通い、教授に個人レッスンをし
ていただき、言語学の分野の中で苦手だった統語論が、とても面白く感じるよ
うになりました。 音声学の授業も面白く、自分の声をコンピューターで分析
したり、アラビア語、ビルマ語、ヒンディー語などの音声を聞き分け、記述す
る訓練も受けました。世界中からの教授や留学生が集う、ここイリノイ大学だ
からこそ、このような勉強ができるのだと思っています。

年が明け、秋学期の成績も出ました。なぜか日本の大学の成績より良く、驚い
ています。日本のように課題はほとんどなく、一回の試験のみでの評価という
スタイルより、多くの課題やレポートを着実にこなしていき、オフィスアワー
やスタディーグループで、教授やクラスメイトと関わりながら勉強を進める、
という授業のスタイルの方が私に合っているのだと思います。

来学期は授業数を増やし、教育分野でより応用ができる言語学を学びたいと思
い、第二言語習得、音韻論、発達心理学、スピーチコミュニケーションの授業
を取ろうと考えています。ビジネスやジャーナリズムは人気があり、取りたい
授業がなかなか取れない、という話を聞きますが、言語学の分野に限ってはほ
とんどそんなことがないのが幸運です。それに加え、写真やジュエリーの芸術
科目も取りたいと思っています。

生活面で他の奨学生と違う事は、私は学部の寮に住んでいる、という事です。
ルームメイトとも仲がよく、寮の食事もおいしく、快適な生活ですが、一つ困
るのは、休みには寮が閉まってしまうという事です。アメリカ人の学生は、試
験や授業が終わるとすぐ実家に帰り、授業が始まる前日に戻ってくる人がほと
んどです。寮が閉まる日々をどう過ごすか?というのは、私にとって大きな問
題です。

サンクスギビング中も寮を追い出されるので、どうしようかと思案していたと
ころ、ガールスカウトの友達が「うちにおいでよ」と誘ってくれて、ミシガン
のその子の家に一週間滞在させてもらいました。お父さんがミシガンから7時
間かけてシャンペーンまで迎えに来てくれて、また7時間かけてミシガンの家
に戻りました。そして、一週間後の休み明けにも、お父さんは14時間の運転を
もう一度する事になります。アメリカでは里帰りも大変です。ミシガンはイリ
ノイより寒く、11月の時点でほぼ毎日雪が降っていました。その家ではなん
と、ペットにミニチュアホースやウサギを飼っていたので、雪の中、動物と遊
んだり、買い物に行ったり、料理を手伝ったりして、アメリカの家庭のサンク
スギビングを満喫できました。親切な友人に恵まれ、貴重な経験ができ、とて
も嬉しく思います。

そして冬休みには、また寮も閉まるし、旅行するしかない、と、私はファイナ
ル直後からメキシコに行き、昨日シャンペーンに戻ったところです。カンクン、
アカプルコ、クエルナバカ、メキシコシティーと旅をしていました。カンクン
では日本では免許のいるモーターボートを乗り回し、マングローブのラグーン
を探検しました。サンゴ礁のシュノーケリングポイントに行くと、泳いでいる
海ガメと遭遇、という感動も味わいました。クリスマスは美しいカリブのビー
チで、新年はアカプルコの盛大な花火のもとで迎えました。世界に4つしかな
いガールスカウトのワールドセンターがクエルナバカという町にあるのでバス
で移動し、アメリカやカナダからのガールスカウトと一緒にキャンプをしまし
た。チェチェンイッツァとテオティワカンの遺跡にも行き、ピラミッドに登り
ました。なんだか優雅なバケーションに聞こえるかもしれませんが、実は泊ま
るところはドアがベニヤ板の一泊4ドルのバックパッカーの宿で、食事は20円
のタコス2つだったりします。

ちなみに、現在も寮は閉まりホームレスなので、寮が開く20日まで友達の家を
渡り歩く予定です。寮が閉まってしまうのは不便ですが、旅行や居候をしなけ
ればならないという立場も、面白いものです。

Web上に日記やキャンパスの写真を公開しています。よければ覗いてみて下さい。
http://sc.gaiax..com/sc/cools/maypanda

次回も楽しいイリノイでの生活レポートをお届け出来るよう、春学期も元気に
がんばります。お読みいただきありがとうございました。

大阪外国語大学
岡沢宏美

岡沢宏美さんの2002年9月分レポート

jicmlメンバ各位,

古市 (’92-94 MS in Computer Science)です.

秋学期からJIC奨学生としてUIUCへ留学中の岡沢宏美さんからのレポートが
届きましたので,皆さんにフォワードします.Busey Evansの女子寮に関す
る情報,このMLでは初めてですね.ごはんが美味しいというのはなにより
です.レトリックの授業では先生と1対1で添削指導を受けてもらえるので
すか,知らなかった.今後のガールスカウトでの活動の様子等も楽しみです.

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2002年 9月分レポート
岡沢宏美
大阪外国語大学4年
http://sc.gaiax.com/sc/cools/maypanda
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皆様こんにちは。こちらに来てもう一ヶ月です。快適で楽しい生活を送ってい
ます。とても広く、きれいなキャンパスをとても気に入って、ここで勉強がで
きる事を本当に嬉しく思っています。他の奨学生とも仲が良く、助け合ってい
るので、ホームシックにはなっていません。

こちらに来て一番大変だったのは、social security number、保険、各種支払
いなどの手続きでした。たらいまわしにされたり、担当者によって言われる事
が違ったりして苦労しましたが、もうそれらは一応終わったので、一安心です。
あとは勉強と課外活動を、元気いっぱいで楽しみます!

授業は、日本での専攻の言語学と教育学を中心にとりました。音声学、統語論、
アメリカ教育政策、レトリック(ライティング)の4つです。

音声学、統語論は授業が専門的で難しいですが、人数も15名ほどなので質問
しやすく、とても面白いです。音声学は300番台なので留学生や院生が多く、
生徒の中にもさまざまな言語のネイティブスピーカーがいるので、色々な言語
の音声を学ぶ音声学の授業には素晴らしい環境です。

レトリックはESLのかわりに取りました。アメリカ人の学生対象のアカデミッ
クライティングの授業です。週3時間の授業に加え、週1時間、先生と一対一
でライティングの指導を受ける事ができ、直々に私のエッセイやペーパーを添
削してもらえるので、大変ためになります。冠詞の使い方でいつも注意を受け
ますが・・・。アメリカ教育政策は唯一の大講義とディスカッションのクラス
なのですが、リーディングが多く、知らない分野なので一番苦労しています。

どの授業も study group に参加して一緒に宿題をしたり、office hour に質
問に行ったりすると、丁寧に教えてもらえるので助かっています。きめ細かい
サポートがあるので、なんとかついていけそうです。

寮は学部生の寮に住んでいます。最初2週間は寮がいっぱいで入れず、
temporary housing でIRSという寮のラウンジに三人で住んでいたのですが、
運良く、一番新しくてきれいなBusey Evansという女子寮に移ることができま
した。部屋は小さいですが、一番人気がある、ホテルのような寮です。ご飯も
おいしいので、千絵ちゃんや前田君(一緒に来た奨学生です)も時々食べに来
ています。シカゴ出身のルームメイトとも仲良く、楽しく過ごしています。
「おはよー」と日本語で挨拶をしていたら、何人かが覚えてくれて、同じ階の
中で日本語での挨拶がはやっています。

日々の宿題に追われながらも、週末はパーティーに行ったり、フットボールや
サッカーの試合を見に行ったり、買い物に行ったり、楽しい生活を送っていま
す。日本で14年続けていたガールスカウトを続けたいと思い、こちらのガール
スカウトにも入りました。毎日毎日、わくわくと発見がいっぱいです。大きな
トラブルもなく、元気に過ごしています。

最後になりましたが、このような素晴らしい環境で勉強をする機会を与えて下
さったJICの皆様に、改めて感謝致します。