こんにちは、中沢亮太です。現在、冬休みを利用してニューヨークに滞在しています。今冬は殺人的な大寒波がアメリカ東部を襲い、シカゴなど一部の都市では瞬間的に南極よりも気温が低くなったとのことです。ニューヨークも例外ではなく、1月に入ってからはこれまでの私の人生史上最低の気温を毎日体験しているような気がします(笑) さて、今回のレポートでは、昨年11月~今年1月前半を振り返り、下記4点について書いていきたいと思います。
1.Thanksgiving Break
2.Fall Semester授業の総括
3.Winter Break
4.Spring Semester授業
1.Thanksgiving Break
11月23~28日にドバイ・中国の友人とシアトルへ旅行をしました。6日間をフルに活用して観光したため、シアトルの主要スポットや有名レストランは、ほとんど周ることができたと思います。

沢山の観光スポットや新鮮なシーフードを楽しむことができたのもそうですが、友人との絆を深めることができたのがこの旅の一番の収穫でした。また、おまけですが、中国人の友人から食べ物に関する単語を中心に中国語を学ぶこともできました(笑) シアトルの旅から帰った後は、29日(金)にBlack Fridayという全米規模の小売店セールイベントに参加しました。50%以上の割引品が数多くあり、商品を見て回るだけでも楽しかったです。私は、シャンペーンの厳しい冬に備えてセーター等を購入しました。単なるセールを全米規模で多くの人が熱狂するイベントに変えてしまうという点に、アメリカの大量消費文化の一面を改めて見たような気がします。
2.Fall Semester授業の総括
・Entrepreneurship and Enterprise Development (Business Administration 199 / 395, 3 credits)
・Lecture in Engineering Entrepreneurship (Engineering 360, 1 credit)
上記2つの授業は、どちらもDr. Magelliによるもので、内容に共通する部分も多いので、併せて総括したいと思います。 一番の学びは、ビジネスを立ち上げることに対してのハードルを下げることができたことです。起業の方法やビジネスの基礎知識について最低限のものを学ぶことができた、という点もありますが、教授・起業家の講師の方々・同年代のクラスメートの起業家精神に触れた点が大きかったです。特に、①失敗をポジティブに捉えて賞賛する姿勢 ②出る杭を打つのではなく引っ張り上げる文化 ③自分たち一人一人が世界にインパクトを与えるのだという気概と広い視野、の3点が印象的でした。もし日本にとどまっていたら、こうしたことを頭で理解することはできても、腹落ちして自分の価値観として取り入れることはなかっただろうと思います。その意味で、留学をして本当に良かった、と思った授業でした。
・Introduction to Programming (Computer Science 103, 3 credits)
あまりプログラミング経験のない私にとって、毎回の授業で出題される宿題やプロジェクトをこなしていくのは非常に大変で、時には徹夜での作業を要することもありました。しかし、そうした訓練のお陰もあってか、今では簡単なプログラムなら自分の力で組むことができるようになりました。 プログラミングは、誤作動が発生した際に、その原因となるバグをなかなか発見できないことも多いです。そのため、提出締め切りが迫る中でバグを発見できないと大きなプレッシャーがかかります。Computer Science専攻の友達の中には、ストレスのせいか頭が禿げあがってしまっている人もいました。。。(半分、冗談ですが(笑)) 本授業をとったことにより、プログラマーの苦労も含めて、技術サイドで働く方の事情を少しは理解できるようになったかなと思います。正直なところプログラミングはあまり好きではありませんが、今後、技術サイドの方々と一緒に仕事をしたりする際にこうしたスキルは役立つと思うので、地道にこれらの勉強を続けていきたいと考えています。
・Industrial Organizational Psychology (Psychology 245, 3 credits)
本授業の最終レポートは、ある企業の危機的状況について説明文を読んだ上で、「Industrial Organizational Psychologyの観点から、その企業の経営者に、あなたがコンサルタントだったら、どのようなアドバイスを提供するか」というものでした。他のレポートやテストと時期が重なり満足いくものを仕上げることができませんでしたが、とても楽しく取り組むことができました。こうした実践的な課題を与えるくれる点が、私がこの授業を気に行っている理由の一つです。 本授業全体を通して、あまりに多くの個人や企業が「心理学的に間違っている」行動をとっていることが分かり、目から鱗が落ちることの連続でした。フィードバックの仕方、リーダーとして求められる行動、他の人や自分自身のモチベーションの上げ方など、この授業で学んだ「心理学的に正しい」ことを今後どんどん実践・応用していきたいと思います。これらを忠実にやり通すことができたら、人生がかなり良い方向に変わる気もします。(もちろん、理解することは簡単でも、実践して継続することは非常に難しいのですが。。。)
・Public Speaking (Communication 101, 3 credits)
準備に最も多くの時間がかかった授業でしたが、その苦労をともにして沢山のクラスメートと友達になることができた授業でもありました。具体的な成果としては、定期的にスピーチをこなし場数を踏む中で、緊張しいの私でも少しは自信を持って演説ができるようになりました。 スピーチをする際、これまではただ闇雲に思いつくまま原稿を書き始め、それを何度も音読して暗記をし、極度の緊張をした状態で本番に臨む、という方法をとっていました。しかし今では、演説の目的・観客・場所等を勘案した上で、どのように構成を立てるか、どのように練習を積むか、どのようにリラックスして話をするか、という具体的な方法を理解しています。(これも先の心理学と同様、実践するのは時間や手間がかかり大変なのですが。。。) 授業で得た小さな成功体験や実践的知識を自分の血肉にできるよう、今後もこの授業の内容を定期的に振り返りつつ、スピーチの場数を踏み続けたいと思います。
3.Winter Break
アメリカ人の友人はシカゴをはじめとする地元に帰り、留学生の友人は一時帰国をしたりアメリカ国内の暖かい地域を旅行したりする中、私は極寒のニューヨークで冬休み丸々1ヶ月間を過ごすことに決めました。

ニューヨーク滞在を決めた理由は幾つかあるのですが、主なものとしては、
①1ヶ月間の宿を格安で確保できたこと
②ニューヨークにある面白そうな企業でのインターンを獲得できたこと
③友達の多くから、ニューヨークがアメリカで一番魅力的な街だと聞いていたこと の3点です。
①については、私の冬休み期間と同じタイミングで日本に帰国するニューヨーク在住日本人の方をネットで見つけ、サブレット(又貸し)という形でアパートメントをお借りしました。ホステル等で借りるより数倍お得で快適だったのではないでしょうか。JICの後輩の方で安くニューヨークに滞在したいという方がいれば、是非お勧めしたい方法です。
②については、日本文化を軸にアートビジネスを営むベンチャー企業、RESOBOX(http://resobox.com/)でインターンをしました。昨年11月下旬に日本でクールジャパン機構が設立されたので、その流れに乗っかって何かできるのではないかと思い、その企業に応募して働くことにしました。業務内容としては、クールジャパンについての調査や関係各所とのやり取り、オンラインでのマーケティング、などを担当しました。1ヶ月間という短い期間だったので、私の興味のあることを中心に自由に楽しく仕事をやらせて頂きました。あまり大きな成果は出せませんでしたが、担当プロジェクトについて次のステップへの足掛かりを築くことはできたと思います。少しだけ日本文化に詳しくなりました(笑)
③について、ニューヨークは友人たちの言う通り、本当に面白い街でした。大富豪とホームレスが共存し、170以上の言語が飛び交う、24時間眠らない街。世界的に有名な観光名所や美味しいレストランが多いことも魅力的ですが、それ以上にこの地に集まる人々との出会いが刺激的で貴重な体験でした。様々なイベントが各地で毎日のように開催されているので、インターンや観光をしていない時は、ビジネス系やテクノロジー系のイベントを中心に参加しました。こうした機会を普段から活用できるニューヨークの学生がうらやましいです(笑) また、母校の開成高校、一橋大学、UIUCのOBの方々にもお会いしに行きました。世界のビジネスの中心地ニューヨークで活躍されているだけあって、どの方からも非常に濃いお話を伺うことができ勉強になりました。将来のキャリアについても色々と相談に乗って頂き、留学途中の良いタイミングで将来の指針を調整することができました。お会いしてくださった先輩方には大変感謝しています。

総じて、ニューヨークでの滞在は最高に楽しく充実したひと時でした。この冬休みの過ごし方は大正解だった、と断言できます。唯一の後悔として、物価の高いマンハッタンでは現在の私には出来ないことや手を出せないものが多かったので、次回来る時までにはお金持ちになっておきたいです(笑)
4.Spring Semester授業
現在、下記6授業の中から合計12~14credits程度の受講を検討しています。グループワークやディスカッションが多い授業を意識して選びました。留学前半で培った英語力や知識を、授業の場で実践して試してみたいと考えたからです。これから始まるオリエンテーションに出てから、どれを受講するか最終的な判断をしたいと思います。 ・Introduction to Film (English 104, 3 credits)
・Statistical Analysis (Statistics 200, 3 credits)
・Learning in Community (Engineering 315, 3 credits)
・Creativity, Innovation, Vision (Engineering 333, 4 credits)
・Organizational Psychology (Psychology 455, 2 to 4 credits)
・Special Topics III (Technology Entrepreneurship 498, 1 to 4 credits)
前期では、他の学生についていくだけで精一杯なことが多かったですが、今期は授業に貢献し存在感を示すことを目標にしたいと思います。授業が始まるのが、今からとても楽しみです。
第2回レポートは以上です。留学開始から、いつの間にか折り返し地点を迎えてしまいました。残り約4カ月の留学生活を、前半以上に実のあるものにしていきたいと思います。皆様、引き続きご支援ご指導の程よろしくお願い致します。
2014年1月17日(金)@ New York Queensの滞在先 第38期小山八郎記念奨学生 中沢亮太