約1ヶ月間の冬休みが終わり、16日から新学期が始まりました。始まってすぐは、授業登録や教科書購入など、半年前にここに来たときと同様に慌ただしい日々が続きました。
今学期はアフリカ政治、国際経済、フランス語、英語、合唱、と先学期より多様な授業を登録しました。政治学のみを集中してとっていた先学期とは雰囲気が異 なって新鮮です。アフリカ政治、国際経済、フランス語は、アフリカの開発問題に関わる科目ということで履修しました。アフリカ政治の授業はリーディングや 課題が多く大変ですが、興味深い議論が展開され、履修して良かったと思える科目です。国際経済は教授の教え方がうまく、内容がとても明快です。フランス語 の授業は初心者のクラスにも関わらず、驚くほど進度が速く、ついて行くのが大変ですが、日本語で学ぶよりも分かりやすいのではないかと思います。また合唱 のクラスでは混声合唱でクラシックの楽曲を歌っているのですが、最後にはクラナートセンターでのコンサートもあり、本格的です。
徐々に 生活のリズムを取り戻しつつあった中、先週金曜に起こった発電所火災とそれに続く停電は、非常に興味深い経験となりました。26日の朝、いつものように起 きた私はパソコンの電源が入らないことに気づきましたが、パソコンのトラブルと考え、何事もなかったかのようにシャワーを浴びに行きました。バスルームに 入ると、1つを残して全ての電気が消え、シャワーもトイレも真っ暗な状況でした。たまたま通りがかったRA(Residents Advisor)に話を聞くとAbbott Power Plantというキャンパス内の発電所で火災が起こったために停電が起きているということが分かりました。
この時点でもまだ事態の深刻 さを認識していなかった私は、いつものように授業に出かけました。授業のある建物に入ろうとすると、張り紙がしてあり、ほぼ全ての授業がキャンセルされた ということが分かりました。ユニオンブックストアも閉店、ユニオン内の売店も閉店で、ユニオン内で開いていたのは、真っ暗な中で手作業で販売しているディ ライツだけでした。地下もゲームセンターとビリヤードルーム以外は全て真っ暗な状況でした。自動販売機ももちろん停止していました。
寮 に戻ると、ヒーターがつかなくなっており、部屋の暖気を蓄えるためにカーテンを閉めるように指示されました。真っ暗で寒い部屋に一人でいるのも気が滅入 り、ダイニングルームに行ってみると、人々が薄暗いカフェテリアで紙のお皿、ナイフ、フォークを使って冷たいものを食べていました。入る際にもコンピュー ターはもちろん動かないので、食堂の人が一人一人のIカードの学生番号を手書きした上で、学生がサインをしていました。エレベーターも動かなくなってお り、階段がいつになく混雑していました。当初は復旧に数日かかるかもしれないと言われましたが、その日の夜には大体元通りとなり、生活にそれほどの支障は なくて幸いでした。電力の大切さを身にしみて実感した一日となりました。
最近はまた寒さが戻ってきましたが、こちらに戻ってき た1月中旬には雪もほとんど溶け、拍子抜けしてしまうほどの暖かさでした。冬休みの1ヶ月間は全米各地を旅行してきたのですが、各所で、同じ国内でもここ まで違うのかと何度も驚かされました。他の都市を見て回ったことで、ここイリノイをより客観的に見ることができるようになった気がします。帰国まであと 3ヶ月半と思うと、本当に早いものだと改めて驚かされますが、授業に力を注ぎ、友達とも思いきり楽しんで、充実した日々を続けていきたいと思っておりま す。
酒井祥子