酒井祥子さんの2001年2月分レポート

ここアーバナ・シャンペーンに来て以来、休日にスポーツをすることが多くなりました。今回はそんなUIUCスポーツ事情を簡単に探ってみたいと思います。

ま ず、キャンパスを歩いていてよく見かけるのが、ジョギング派の人々です。時と場所を問わず、頻繁に遭遇します。次にIMPEに行ってみると、バスケ、バ レー、バドミントンなどの球技コート、いつ見ても大盛況のジムがある他、屋内・屋外プール、スカッシュやテニスのコートがあります。用具やタオルも貸して くれるので、Iカードさえ持っていけば良く、まさにUIUCスポーツのメッカと言える場所ですね。

またIMPE以外にも、UIUCにはス ポーツのできる場所がたくさんあります。まず、比較的空いたプールで集中的に泳ぎたければ、フリアホールがお勧めです。また発電所の横にある砂のコート で、ビーチバレーを楽しむのもいいかもしれません。そして、アイスアリーナでちびっ子に混じってスケートをするのも一案です。

いずれにしても、もし形から入りたければ、まずはあの典型的フィットネスルック(Tシャツ、スパッツ、スニーカー)を準備しないといけないようですね。

酒井祥子さんの2001年1月分レポート

約1ヶ月間の冬休みが終わり、16日から新学期が始まりました。始まってすぐは、授業登録や教科書購入など、半年前にここに来たときと同様に慌ただしい日々が続きました。

今学期はアフリカ政治、国際経済、フランス語、英語、合唱、と先学期より多様な授業を登録しました。政治学のみを集中してとっていた先学期とは雰囲気が異 なって新鮮です。アフリカ政治、国際経済、フランス語は、アフリカの開発問題に関わる科目ということで履修しました。アフリカ政治の授業はリーディングや 課題が多く大変ですが、興味深い議論が展開され、履修して良かったと思える科目です。国際経済は教授の教え方がうまく、内容がとても明快です。フランス語 の授業は初心者のクラスにも関わらず、驚くほど進度が速く、ついて行くのが大変ですが、日本語で学ぶよりも分かりやすいのではないかと思います。また合唱 のクラスでは混声合唱でクラシックの楽曲を歌っているのですが、最後にはクラナートセンターでのコンサートもあり、本格的です。

徐々に 生活のリズムを取り戻しつつあった中、先週金曜に起こった発電所火災とそれに続く停電は、非常に興味深い経験となりました。26日の朝、いつものように起 きた私はパソコンの電源が入らないことに気づきましたが、パソコンのトラブルと考え、何事もなかったかのようにシャワーを浴びに行きました。バスルームに 入ると、1つを残して全ての電気が消え、シャワーもトイレも真っ暗な状況でした。たまたま通りがかったRA(Residents Advisor)に話を聞くとAbbott Power Plantというキャンパス内の発電所で火災が起こったために停電が起きているということが分かりました。

この時点でもまだ事態の深刻 さを認識していなかった私は、いつものように授業に出かけました。授業のある建物に入ろうとすると、張り紙がしてあり、ほぼ全ての授業がキャンセルされた ということが分かりました。ユニオンブックストアも閉店、ユニオン内の売店も閉店で、ユニオン内で開いていたのは、真っ暗な中で手作業で販売しているディ ライツだけでした。地下もゲームセンターとビリヤードルーム以外は全て真っ暗な状況でした。自動販売機ももちろん停止していました。

寮 に戻ると、ヒーターがつかなくなっており、部屋の暖気を蓄えるためにカーテンを閉めるように指示されました。真っ暗で寒い部屋に一人でいるのも気が滅入 り、ダイニングルームに行ってみると、人々が薄暗いカフェテリアで紙のお皿、ナイフ、フォークを使って冷たいものを食べていました。入る際にもコンピュー ターはもちろん動かないので、食堂の人が一人一人のIカードの学生番号を手書きした上で、学生がサインをしていました。エレベーターも動かなくなってお り、階段がいつになく混雑していました。当初は復旧に数日かかるかもしれないと言われましたが、その日の夜には大体元通りとなり、生活にそれほどの支障は なくて幸いでした。電力の大切さを身にしみて実感した一日となりました。

最近はまた寒さが戻ってきましたが、こちらに戻ってき た1月中旬には雪もほとんど溶け、拍子抜けしてしまうほどの暖かさでした。冬休みの1ヶ月間は全米各地を旅行してきたのですが、各所で、同じ国内でもここ まで違うのかと何度も驚かされました。他の都市を見て回ったことで、ここイリノイをより客観的に見ることができるようになった気がします。帰国まであと 3ヶ月半と思うと、本当に早いものだと改めて驚かされますが、授業に力を注ぎ、友達とも思いきり楽しんで、充実した日々を続けていきたいと思っておりま す。

酒井祥子

酒井祥子さんの2000年11月分レポート

JICの皆様、こんにちは。いかがお過ごしですか。

こちらではサンクスギビングの休みも終わり、いよいよファイナルの季節が近づいてき ました。提出物なども増え、非常に忙しい毎日です。たまに雪が降ることもありますが、まだ積もったことはなく、本格的な冬が来るのはまだ少し先のようで す。ユニオンのロビーのクリスマスツリーや、シャンペーンのダウンタウンのイルミネーションを見ると、クリスマスが近づいてきた、という感じを受けます。 また、冬時間ということもあり、日が落ちるのが非常に早く、4時半ごろにはすでに薄暗くなっています。

サンクスギビングの休暇は9日間 あり、カナダへ旅行に行ってきました。モントリオール、ケベック、オタワ、トロント、ナイアガラフォールズを回りました。オタワでは昼間でも零下10℃と いう寒さで、少し外を歩くだけで、顔がぴりぴりとして痛くなりました。しかし、モントリオールなどと比べると、アーバナ・シャンペーンの方がむしろ寒いぐ らいで、アーバナ・シャンペーンは何も障害物がないから風が強くて寒いのかな、などと話していました。キャンパス唯一の高層(?)ビルである、 university inn の最上階に昇ると、キャンパスの全景のみならず、その向こうにどこまでも広がるとうもろこし畑を見渡すことができ、改めて大学以外に何もないところに住ん でいるということを実感しました。

こちらで生活を始めてから、早4ヶ月近くが経とうとしていますが、この4ヶ月間を振り返ってみると、 早いような短いような不思議な感覚に襲われます。毎日の生活という面から見ると、こちらに慣れたせいか、まだ4ヶ月しかいないということが信じられないほ ど長く感じられます。しかし、今学期が来週で終わってしまうということを考えると、非常に早いと感じます。勉強に追われて忙しい毎日ではありますが、本当 に楽しい日々を送っているので、もっともっと長くこの学期が続けばいいのに、と切実に思う今日この頃です。せっかく仲良くなった友達の中にも、今学期限り で帰ってしまう人が何人もいて、時の流れのあまりの速さに驚かされます。友達と別れることを考えると悲しくなりますが、幸いと言うべきか、たくさんの宿題 が、感傷に浸る間もないほどに忙しくしてくれているので、当面はこれを乗りきるので精一杯となりそうです。

こちらに来てから、生活の中 に占めるインターネットの比重が飛躍的に増えました。旅行の際の予約も、航空券、鉄道、宿泊と全てインターネットで行ないましたし、授業のアナウンスメン ト、クイズ、宿題の問題配布、ノートなども全てインターネットもしくはEメールで入ってきます。日本では必要最低限しかインターネットを使いませんでした が、こちらではつなぎっぱなしで良いため、自分のホームページを作ったり、MP3で曲を落としたりするなど、随分とその用途も増えました。ESLのクラス でも専用のホームページを作ったので、今後皆がばらばらになっても、WEB上の住所録を更新していけば、いつでもコンタクトを取っていけそうです。

ファイナルが終わり、1ヶ月間の冬休みが終われば、もうあっという間に後半のスタートですが、今後も今まで通り、もしくは今まで以上に充実した日々を送っていけるように頑張っていこうと思っております。

それでは。

酒井祥子

酒井祥子さんの2000年9月分レポート

こんにちは。皆様、御無沙汰しております。2000年度奨学生の酒井祥子です。

こちらに来て、一ヶ月半ほど経ち、最初は慌ただしかった 生活も、今では日常と呼べるものになってきました。アメリカに入国したその日から、乗り継ぎのフライトがキャンセルになるというハプニングを経験したせい か、時に起こる小さなトラブルには、良くも悪くも慣れて来た気がします。

授業の方は、日本での専攻と同じ政治学の授業を3つと、ESL を1つとり、週12時間になりました。政治学の授業は、専攻ということもあり、300番代を2つとったので、なかなか忙しい毎日です。毎週提出物がある国 際関係の授業では、最初の提出で難しいテーマを選んでしまったために、以後ずっと苦労しています。また、国際経済と政治の関わりを扱っている授業では、週 に数回、掲示板に意見を投稿する必要があり、アメリカの学生のこなれた文章を理解するのが大変ですが、授業の内容がとても面白く、新鮮です。中国政治の授 業では、アメリカの学生の中国に対する非常にネガティブなイメージに驚かされるとともに、アメリカから見たアジアの遠さというものを改めて実感しました。

寮はKrannert Centerの向かいにある、12階建てのISR・Wardallに住んでいます。この寮では、部屋にエアコンが付いているのですが、そのためにこちらに 来た当初は、部屋が冷蔵庫並みに寒く、文字通り震えていました。何でもエアコンを消すと火災報知器が鳴るとかで、先週までは寮のあちこちに“エアコンを消 したり窓を開けたりするな”という張り紙がしてあり、実際に、先日、一晩に2回も火災報知器が誤作動して、真夜中に全員が避難する、という騒動がありまし た。ユニオンやQuadからも近いところにあるので、大抵の場所には歩いていくことができ、とても便利です?

食べ物は、日本食が恋しく なることもなく、ダイニングサービスの食事はおいしい、と他の日本人の友達に話したら、信じられないと言われてしまいました。歩いていける範囲には、あま り日本食レストランは見かけませんが、中華や韓国料理のお店は多く、週末など、たまに利用したりしています。

時間のあるときには、バス に乗って買い物に出かけたり、水泳やテニスをしたり、何かイベントがあるときには行ってみたり、といろいろなことをしています。だんだんとこのあたりの土 地勘もつかめてきたのですが、何しろとても広いので、まだまだ全体を分かるようになるには時間がかかりそうです。

この1ヶ月半を振り 返ってみると、毎日がまさに飛ぶように過ぎていった、というのが実感ですが、このような慌ただしい日常の中でも、日々いろいろなことを考えさせられてお り、本当にかけがえのないものであると感じております。これからの生活でも、できる限り多くの経験をして、この貴重な時間を大切に使っていけたら、と思っ ております。

平成12年9月28日
酒井祥子