結城一磨さんの2015年12月分奨学生レポート

JICの皆様、平素よりお世話になっております。2015年度小山八郎記念奨学生としてイリノイ大学へ留学させていただいている明治大学商学部4年の結城一磨です。

ここ最近でイリノイの方は急に冷え込み始めていますが、私は宮城出身でなおかつ祖父母の実家は山形にあり、よく冬はそちらの方で過ごしていたのでどことなく実家に帰ってきたような不思議な感覚を味わっているこの頃です。

さて、留学生活二度目のレポートということで何を書こうかと考えてみて、今回は

 

⑴留学生活で感じた環境の変化

⑵観光

⑶秋学期学習内容と春学期の予定

などについて報告させていただきたいと思います。

 

⑴留学生活で感じた環境の変化

こちらに来てからというもの、本当に多くの出会いがありました。日本にいた時は会うことができなかった優秀な学生と出会う機会がこの留学を通して極端に多くなりました。そうした出会いの中で自分のできること何か、と考える機会がやはりどうしても多くなります。こういった経験を今、学生中にできているのは本当にありがたく感じています。

日本では、留学する人は多少特別扱いされる部分があったものの、いざ留学してみると自分がどれほど小さな存在なのか気付かされます。ですがただ単に能力の優劣を比較するのではなく、十人十色であり、それぞれを尊重すべきということも留学生数全米2位の環境だけあって、常々再認識させられます。

また、これまでに海外現地生や交換留学中の学生たちとも語り合うこともありました。宮城県生まれ、宮城県育ち、19歳まで一度も日本から出たことがない、いわゆる純ジャパの中でも純ジャパな私は地方での教育しか知りませんでした。彼らとの交流の中で様々な環境、国での教育という選択肢があるのだと理解できたことも大きな収穫の一つでした。気が付いたら子供ができたら教育、国をどうするかまで議論が発展するほど意外と話が盛り上がります。笑

まとめると、就職活動もはじまり、学生らしく、そして留学生らしく、色々悩んだり考えたりする時期に直面しています。結局自分は今まで過ごしてきた自分で作られているわけで、海外経験、留学によって急激な中身の変化があるわけでなく、新たに組み込まれた留学生活という過去を元にどうなりたいか、今後の方向性を考えていくべきなのだろうなと考えております。今まで野球一筋だった頃や大学生活でやってきたとおり、一歩一歩着実に前に進んでいければと思います。

最後に“環境の変化”ということで、書いておくと後々振り返るといい思い出になるとアドバイスを受けていたので、こちらでの一週間のルーティーンを記録しておきたいと思います。

<日> 体調調整・課題消化

<月>〜<木> 学習ルーティーン再開

<金(TGIF)>・<土> 何かしらイベントに行くor ヨーロッパ人のだれかしらの誕生日パーティor ルームメイトのブラジル人の突発的なブラジリアンパーティ途中参戦(無許可・自分の部屋主催)

 

日本の学生生活から環境が大きく変化していますがだいぶこの流れに落ち着いてきました。このように書くと簡単ですが毎週様々なイベントが尽きず、飽きることのない秋学期でした。

 

写真1 yuki

(日本館での浴衣イベントにて二度目の半纏装備)

 

⑵観光

少し話はずれますが日本で観光業に勤めていたものの自分自身は語学留学でフィリピンしか訪れたことがないことから外国人観光客と話す際にうまく会話の中で相手の懐に入れない経験を多くしていました。そこで留学中と残りの学生生活でより多くの国、地域に訪れようと決めました。留学中はせっかくアメリカ大陸に来ているので、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を回る予定です。

今回のthanks giving weekの休暇ではBoston, DC, NYCを巡ってきました。

Bostonの学生街やワシントンの観光名所も楽しめたのですが、やはりNYが一番興味深かったです。

移動手段は基本夜行バス・自転車・徒歩で、宿泊はすべてAirbnbで転々と巡りました。NYCではアッパーイーストの地域を中心に華やかな印象でしたが、南に行くとチャイナタウンがあり、少し一般住宅のような雰囲気で落ち着いていきます。島を移り、2件Airbnbを利用したジャージーシティの地域に行くとインド系の地域、アフリカ系アメリカ人の地域などに分かれており、どちらにも宿泊したのですが、NY周辺のイメージとは違った一面も見ることができたのもいい経験になりました。

冬休みはアメリカ大陸横断、ペルー、ボリビア、コロンビアなど北アメリカ、南アメリカをもっと深く観光予定ですので、また何かしらの形で報告できたらなと思います!

写真2 yuki

(セントラルパークにてアメリカ人力車と馬車発見!)

 

写真3yuki

(ハーバード学生から学生が靴にpeeしているとの情報を仕入れ、触るに触れなくなった自分。)

 

 

⑶秋学期学習内容と春学期の予定

 

前回も多少内容は述べさせていただいたので、履修したものの中から興味深かったものの内容をいくつか述べたいと思います。

 

ACE345 Financial Decision Making for Individuals and Small Business (3 credits)

 

振り返ってみるとほぼ毎週宿題があり、cash flow statement, B/S,P/Lなど基礎的な会計から始まり、ROE,ROAなどの評価手法、プロジェクトを現在価値にして評価することなど、秋学期で一番内容が充実していたと感じています。課題も日本でやっていたものより実践的で面白く、TAのところに毎週通うのが恒例になっていました。

やはりこの授業などを通して見てファイナンスの中でもコーポレートファイナンスやプロジェクトファイナンスなどに自分は関心があるのだなと実感させられています。来季もそれに関連した授業をとれたらなと考えています。

 

ACE240 Personal Financial Planning (3 credits)

 

この授業は基礎的なfinancial planningの知識を学んでいく授業です。ACEの学部のfinanceの中でもmajorが3つほどに分かれていて、financial planningというmajorがあるのは日本ではなかなかないユニークなところだなと感じています。スウェーデンからの交換留学生のグループも履修していたり、なかなか人気の授業のようです。実際に働いている社会人の方の話や大学院でfinancial planning専攻のゲストスピーカーが来たりなどいろいろな講義を楽しめるのも魅力の一つです。どんな職業につくのであれ、働き始めてからリタイヤまで積み立て投資をしていく重要性や保険や投資の重要性など幅広く学びます。なにか、ファイナンスを学ぶというよりか社会人生活をスタートさせる準備、知識を学ぶ授業のように感じていて面白いです。「21歳の時に知っておきたかった51のこと」と題して人生の教訓を学んだ日も中にはありました。

 

BADM199/395 Entrepreneurship and Enterprise Development (3 credits)

 

基本的には様々な形(法律やマーケティングなど)でentrepreneurshipに関わる社会人の講義を聞きます。前回のレポートにも書かせていただきましたが自分はArtで地域を活性化させるプロジェクトに参加させていただき、ミネソタでのミーティングなどにも参加しました。アメリカでの実際のスタートアップを体感できているので、非常にありがたい経験をさせていただいていると実感しています。今までチームで複数回conference callやミーティングを行い、現在、今後のビジネスプランをどうするか、最終調整中です。

写真4 yuki

(ミネソタ行きのドライブにて。周りはコーン畑か地平線か空のみ。)

 

春学期は引き続きfinanceやentrepreneurship系の授業を中心に実践活動系の授業とバランスをとりつつ、ずっと学びたかったSpanishの授業などもとることを考えています。

 

これまで読んでいただきありがとうございます。最後になりましたが留学のご支援をいただいている皆様に改めて感謝を申し上げます。残りの留学生活も悔いがないよう、自分らしく過ごしていきたいと思います。よろしければ今後も暖かく見守っていただければ嬉しいです。

野村友香さんの2015年12月分奨学生レポート

JIC第40期奨学生の野村友香です。イリノイではついに11月末に初雪が降りました。基本的に寒いのが苦手なので雪も同時に好きではないのですが、1時間もしないうちに辺り一面を白い世界に変えた雪をアメリカで初めて見たときには少しだけ興奮していました。これから本格的に寒くなると家から出られなくなりそうで心配です。

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(シカゴでの初雪)

 

今回は

1秋学期授業途中経過

2サンクスギビング休暇について

3所感

といった内容でレポートをお送りします。

 

1秋学期授業について

 

今学期は自分の専門に関わらないような科目を多めにとって純粋に教養を学ぶことを楽しめました。しかしなかなか勉強のモチベーションを保つのが難しい時期もあったので来学期はもう少し生物の授業に重きをおきたいと考えています。

 

以下、各授業の感想です。

 

MCB316 Genetics & Diseases

 

授業は教授が作成したNotePacketに沿って展開されるのですが、一回分のNotePacketが最初は15ページくらいだったものが最近は50ページほどになっていて量の多さに心が折れています。内容は興味深いもので、治療における遺伝子の可能性に改めて気付かされたこと、世界が解明すべきことはまだまだたくさんありすぎるということに気付いたことは私の中での小さくもあり大きくもある変化でした。先日、二人ペアで行う20分間のプレゼンテーションがあり、私たちは乳癌の原因とされるBRCA遺伝子の変異とガンの関係性について発表しました。プレゼンの日程がサンクスギビングの旅行から帰って来た次の日だったため、旅行中も時々プレゼンの存在を思い出さなければいけなくなってしまいました。プレゼンの内容は難しく、たくさんの論文を読んでそれらをまとめなければならないため大変でしたが、ペアの子とつらいつらいと言いながらもスタバで一緒にプレゼン準備をしたり練習をしたりできたのである意味楽しめました。この授業でReadingAssignmentやプレゼンの準備において本当にたくさんの論文を一気に読んだので効率よく論文を読むスキルも多少向上したと思われます。期末試験は範囲が膨大となるのでしっかりと準備をした上で臨もうと思います。

 

PS225 Evnironmental Policy

 

こちらの授業では扱う内容が環境を軸にして経済や政治などの分野に広がっているので、経済学の基本的な用語や考え方に触れることができたのは非常によかったです。先日の中間テストでは用語を与えられて説明する問題や、ある地域の環境と経営などのケースが与えられてどう対処するかというような論述があり、時間内で全て回答するのは少し大変でした。

前回のレポートでフィールドトリップがあると触れていたのですが、教授と生徒15人程でインディアナ州の砂丘を訪れました。人間によるエリア開発と自然保護の折り合いの成功例と失敗例の両方が共存しているIndiana Duneを実際に歩き回ってきました。砂丘と聞いていたので私は勝手に平地が広がった砂丘をイメージしていたのですが、実は砂でできた山でした。ですから、一歩進めるごとに足が砂の中に沈むのです。2時間かけて砂丘を越えた後にはミシガン湖の壮大な景色が広がっていて大きくきれいな湖を眺めながらお昼ごはんを食べたのはいい思い出です。帰りはさすがに迂回して帰るのだろうと思っていたら、通ってきた山道をまた歩いて戻るということだったのでとてもハードな旅となりました。教授はそれほど若くないのに長時間のハイキングを苦と思わないようで、教授のパワフルさに圧倒されっぱなしでした。

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(Indiana Duneをミシガン湖に向かって歩く)

 

CMN101 Public Speaking

 

学期中に合計5回あるスピーチのうち4回が終わりました。4回目のスピーチは本当に運の悪いことにサンクスギビング直後かつMCBのプレゼンと日が重なってしまったのでこちらも旅行中に気にしなければならないことの一つでした。4回目のスピーチはPersuasive Speechと言って実際の新聞記事やデータを用いることが条件としてあり、私はアメリカの医療費高騰問題について話しました。スピーチ前に原稿を提出する必要があるのですが、原稿の型が与えられているので書くことはそれほど難しくはないものの、参考資料を集めたり形式に沿って原稿を書くことに予想以上に時間がかかってしまいました。個人的にはスピーチのスキルは回数をこなすほど上がっていくと思うので、場数を踏めるという点ではよかったですが他で人前で話す場面がある場合はこの授業を取らずとも授業でやるのと同じ内容のスキルは身に付けられる気がします。私自身はそういった機会はあまり多くなかったため授業で強制的にそうした場面を設けられてよかったと思います。

 

GS298 Immigration & Integration

 

LASが主催している短期留学プログラムのようなもので、8回の授業+2週間の現地での実習というプログラムが幾つかあります。その中でも私は冬休みにヨルダンに行って難民、移民について学ぶものに参加することに決めました。正直このご時勢に中東に行くのかと自分でも申し込んだ後に行くかどうか悩んだのですが、アメリカにいても危険であることは変わらないし、プログラムが現地出身の先生の引率の下で行われるということも考慮してやはりこの機会を逃したくないと思い参加を決めました。毎週のリーディング課題に合わせて、日々流れてくるシリア難民のニュースにも以前より注目するようになりましたが、先日のフランスでのテロも含めて世界の歪みが人々の脅威となっていることをひしひしと感じます。授業ではヨルダンの歴史、ヨルダン周辺国の状況や動きに加えて初歩的なアラビア語も学んでいます。

 

 

2. サンクスギビング休暇

 

11月21-29日の休みを利用してカリフォルニア州を訪れました。懐かしい高校時代の友人に会ったり、その友人の友人に新しく出会ったりと様々な人と時間を過ごしたことで楽しさが倍増しました。サンフランシスコでは特に予定を決めることなくひたすら街を歩き回ったことでサンフランシスコが持ついろいろな顔を見ることができたように思います。急激な坂道をバスや路面電車が走っていたおかげで苦しむことなく移動することができました。路面電車から外を見ていて、所せましと並ぶ家々の向こう側に広がる海が見えたときにはあまりの景色のすばらしさに感動して路面電車から落ちそうになってしまいました。(サンフランシスコの路面電車にはドアがなく、電車の外側に立つことができる)

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(路面電車と遠くに見える坂)

また、UCバークレーにいる友人を訪れたときには日本食のお店に連れていってもらい、豚の角煮と銀鱈の粕漬のおいしさにひたすら感動していました。

3日目にサンフランシスコからロサンゼルスまで夜行バスで移動したのですが、最初はアメリカの夜行バスは少し怖そうだというイメージを持っていたものの日本の夜行バスと全く変わらず安全に移動することができました。ロサンゼルスはまさに南国といった雰囲気であちらこちらに生えているヤシの木がとても開放的な南国のイメージを作りあげているように思いました。

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(組み合わせがおもしろい)

ロサンゼルスやサンフランシスコを訪れて思ったのは、シカゴはとてもきれいだということです。エリアにもよりますがSF、LAの中心部は治安も悪そうな部分も多く格差があまりにも顕著に現れていることに驚きを隠せませんでした。

 

その後高校時代の友人と合流し、ディズニーランドやヨセミテ国立公園を訪れました。ディズニーランドからすぐ近くのホテルに泊まっていたため疲れたら帰ろうと友人と話していたのですが、実際には朝から夜中まで合計15時間も飽きることなくパーク内に滞在していたことに自分でも驚きました。

 

イリノイの寒さから逃れるためにカリフォルニアに来たはずが、ヨセミテ国立公園ではマイナスの世界を体感することになりました。ですが気温など全くどうでもよくなるほど美しい雪景色が広がっていて、この時期に訪れて本当によかったと思いました。ヨセミテを訪れる際はぜひ11月末の雪景色を強くオススメします。(他の季節を知らないので何とも言えないのですが)

行き帰りのドライブ中に見た景色は木が一本も生えていない山がただ並んでいたり、見渡す限り文字通り何もない平地をひたすらまっすぐ走ったり、日本の高速道路を走っているときに見える緑がたくさんの自然を感じる山々とは全く違う風景を楽しむことができました。

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(ヨセミテ国立公園にて)

 

3感じたこと

 

授業、研究室、図書館、ジムを行き来していたらあっという間に毎日が過ぎていき、既に留学期間の3分の1が終わったということに驚きを隠せません。来た当初よりはのびのびと生活できるようになった気がしますが、英語に関しては当初に比べると引け目をそんなに感じることなく発言できるようになっただけでまだ日々鍛錬の日々が続いています。集中していないと質問の意味が聞き取れなかったり、少人数での議論で主張を押し出せなかったり悔しい思いをすることがたくさんあります。後から考えて「あの時こう言えばよかった、こういう表現をすれば伝わったかもしれない」と思うことが多いのですがもうその時点では遅い訳で、日々その場での勝負に全力を注ごうと何回決意したことでしょうか…。

 

イリノイ大学で出会った刺激的な友人は非常に勉強熱心であり、将来像実現へのプロセスがはっきりしており、そういった友人と話す中で本当に自分は今まで自身について真剣に考えずにただ直感に従って生きてきたということを感じました。しかしだからと言って悲観的になった訳ではなく、彼らがそうした事実に気付かせてくれたことに感謝しているし、自分が本当にやりたいことなどを考えていると今までぼんやりとしていた将来像が明確になってきているのを感じます。また同時に、日本の友人にも刺激を受けている自分がいることも感じました。サンクスギビング中に泊めてくれた高校・大学の友人が留学先で頑張っている姿、日本での部活のチームメイトが努力している姿、大学の学部の友人が日々の実験に苦しんでいる姿…今までどれほど恵まれた環境にいたかを離れてから改めて感じ、アメリカで頑張る原動力となっていることは事実です。きっとアメリカで出会った友達の存在も今後私を動かす原動力となると思うので今いる自分の環境を改めて大切にしようと思いました。

 

学び、楽しい、嬉しい、素敵、失敗、葛藤、嫌だ、納得いかない、などいろいろな出来事・感情がこの3ヶ月間だけでも本当にたくさんありました。毎日の時間を大切にしながら日々を彩っていく感覚を忘れないようにして今後も前進していこうと思います。

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(今となっては懐かしいイリノイの紅葉)

 

2015年11月30日

野村友香

 

 

 

高濱萌子さんの2015年12月分奨学生レポート

JICの皆様、レポートを読んでくださっている方々、ご無沙汰しております。第40期奨学生の高濱萌子です。

現在、イリノイ大学はThanksgiving break真っ只中です。奨学生4人ともイリノイ州を離れ各々休暇を満喫していることと思います。私は、早稲田大学からの交換留学生のXさんとニューオーリンズ、その後シカゴで名古屋大学からの交換留学生Tさんと合流し休暇を楽しんでいます。

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シカゴの夜景

 

第2回レポートでは、

 

  1. Fall Semester途中経過
  2. Thanksgiving breakについて
  3. 課外活動・生活全般について
  4. 今後の抱負

 

の4点をご報告させていただきます。

 

【Fall Semester 途中経過について】

 

刻々とFinal weekが近づいております。運が良いことに、私はFinal weekより前に二つテストが終わります。授業をとるときにシラバスで確認して、あまりFinal examがかぶらないように考慮することをおすすめします。(ただし、1日に3科目以上のFinal examがかぶった場合は、日程変更が正式に認められます。)

 

〈KOR203 Intermediate Korean〉 授業形態:50min×5

後半は、文法が複雑になりよく授業後に先生に質問をしています。Writingの課題が2回あり、「家族への手紙」「先週末の出来事」を習った単語・文法を用いて書き上げました。韓国語のよいところは、大学内に韓国人留学生が多いため簡単に添削をしてもらえることです(笑)!

この授業を履修して一番良かったと思うのは、気の合う友人ができたことです。特に韓国語を履修している人は、日本を含めたアジアの文化に興味がある人が多いので、非常に友達が作りやすかったです。家に呼んでくれたり、飲みに誘ってくれたりと、彼らにはとても感謝しています。ただ、最大で18単位申請できるうちの5単位という大きな割合を占めるため、spring semesterは履修しないことに決めました。金曜日に行われる1時間の会話のクラスには継続して通うつもりです。

 

〈ACE251 The World Food Economy〉 授業形態:Lecture 50min×2, Discussion 50min×1

全3回のmid-term examのうち2回を終えました。最近のlectureの中では、食料廃棄についての講義が最も面白いと感じました。これまでは発展途上国について考えることが多かったのですが、食料廃棄(food waste)問題は、主に先進国が取り上げられます。食料廃棄率の低減策としてfood donationが挙げられますが、寄付するにもパッキング・輸送にコストがかかるため、アメリカでは余った食料、または余ると予想される商品を寄付する企業がまだまだ少ないそうです。food donationを促進するためには、政府の援助が必要であることを感じました。

授業外では、マレーシアの食料経済についてグループワークを進めています。全部で3回の共同レポート提出と、1回のプレゼンテーションがあります。第1回レポートで野村さんも書いているように、こちらではレポート課題に対して答えるべき内容が明確に指示されているように感じます。始めにエッセイガイドラインというものが掲示され、各段落で含めるべき内容が細かく指示されています。書く内容が多いので時間はかかりますが、一つずつしっかり記述すれば評価が得やすい点でとても助かります。2回目のレポートでは、満点という高評価をもらえたのには驚きました。今週3回目のレポート提出とプレゼンテーションがあるため現在準備中です。

 

〈PSYC250 Personality Psychology〉授業形態:Lecture 80min×2

一つの授業を2人の先生が担当しており、後半(10月末)に入り先生が変わりました。全4回のmid-term examも残すところあと1回となりました。お気づきの方も多いかと思いますが、私が履修している授業は、期末テスト一発、という形態ではなく数回のmid-term examとfinal examで構成されています。1回の失敗が残りのテストで挽回可能なため、日々発展途上(と願う)の留学生にとっては有り難いです。

本授業で特に印象に残っているのは、文化的差異が結婚に与える影響についての話です。想像はつきますが、文化的差異の中でも特に言語の違いが最も大きな障壁になるそうです。そして意外にも食習慣の違いが大きな隔たりになるそうです。無形文化遺産に登録されるほどの固有の料理を有する日本で育った私が国際結婚を目指すにはたくさんの障壁があることを痛感することとなりました。

 

〈RST320 Leisure Services Marketing〉授業形態:Lecture 50min×3(教授と生徒のやりとりは多め)

現在は、lectureの授業以外にグループワークを行っています。1グループ7~8名で、「かばんの中に入っているもの」の中から一つの製品を選び、市場分析・ターゲット選定などを行い売り上げを伸ばすにはどうしたらよいか考えます。最終発表はプレゼンテーションです。私たちのグループは、Ray-Banのサングラスのプロモーションを行います。

ここで授業とは少し関係のない話を一つ。7人となると、コミットの度合いに差が出たり、フリーライダーが現れたりします。実際2名ほどメールのやりとりに参加しないメンバーがいて、気になってはいましたが私は何も言いませんでした。しかし同じグループの中国人の女の子が、参加を促すメールを全員に送っていました。言葉遣いは丁寧ですが、今後も話し合いに参加しないつもりなら教授に報告するので0点になるだろう、と内容はかなりキツイことも書いていました(笑)。グループ全体で同じ評価を受けるのだから、全員で取り組むのがフェアなのではないかという意見に納得すると同時に、私は英語に自信がないことを言い訳に弱腰な姿勢でグループプロジェクトに参加していたことに気づかされました。今週全員で話し合いがあるので、先陣をきって発言するつもりです。

 

〈BADM310 Management and Organizational Behavior〉授業形態:Lecture 80×2

本授業は、Lincoln theaterという非常に大きなホールで450名ほどの生徒が授業を受けているのですが、座る位置によってモチベーションの違いが明確にわかります(笑)。一度遅れて入ったため後ろの席に座ったところ周りの話し声で教授の声が聞こえませんでした。以来、前から4列目が私の指定席です。

これまでの感想ですが、アメリカで習う組織論と日本で習った組織論はほぼ同じです。マーケティング先進国のアメリカ流の組織論が日本で教えられているからだと思いますが、「お〜同じことを言っている」とわかるとなぜか嬉しくなります。よい組織を作るためにどうしたらよいのか、という問いに対し同じような答えを持っていれば、グローバル企業で働く際に国籍が違ってもお互いの理解に役立つのではないかと考えています。

ある日教授のLove先生からメールが来ました。内容は、「前に授業を聞かせてくれといっていたJapanese Girlが毎回授業に来ているようで驚いているよ!本当に君かい?」というものでした。テストの点数は0点なのに、出席点のみが加算されている学籍番号があり不思議に思って連絡をくれたそうです。「ずっと受けてくれていて嬉しいよ、これからも頑張ってね。」というお言葉に、450名以上の生徒の中の1名にまで気を使ってくださる教授のお人柄に感動しました。

 

 

【Thanksgiving breakについて】

 

10日間のThanksgiving breakは、様々な人に出会い、新たな街に足を伸ばし、美味しい料理を満喫し、非常に充実したものとなりました。帰ってから体重計に乗るのが恐ろしいですが(笑)

 

まず訪れたのはボストンです。2日間ボストンキャリアフォーラムに参加した後は観光を楽しみました。ボストンは英国風の建物と落ち着いた街並みが印象的な素敵な街でした。

その後ルイジアナ州ニューオーリンズへ。ニューオリンズを旅先に選んだ理由は、deep southを肌で感じたかったのと、食べ物が美味しいと噂にきいていたからです。4泊5日でちょうどよかったと思います。ジャズに詳しくない私たちでもとても楽しめたので、ジャズが好きな方にぜひオススメです。アジア人が少なく、観光客の西洋人と、地元の黒人の割合が高いように感じました。治安に関しては、予想よりははるかに良かったのですが、やはりボストンやシカゴに比べると悪いと言えそうです。道から異臭がしたり、歩道が整備されていなかったり、お店の窓ガラスが割れていたりと、日本では見慣れない光景に驚くことも多かったです。地域によってここまで違うのか、とアメリカという国の大きさを感じました。食に関しては大満足、といいたいところですが名物フライドチキンがものすごく塩辛かったです(汗)。暑い地方の労働階級の黒人の食べ物、という歴史的背景からなのかはわかりませんが、日本人の舌には刺激が強すぎました。

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ニューオーリンズのかわいい街並み

 

そして最後にシカゴへ。Black Fridayと呼ばれるthanksgiving後の大セールが行われており、買い物を楽しみました。産業科学博物館や、中心部から電車で30分ほどのOak Parkという閑静な住宅街(有名な建築物がたくさんあります。)にも足を伸ばし、だいぶシカゴの地図が頭に入りました。それにしてもシカゴは美味しいものが多いです!そして夜景がとっても美しいです。一緒に回っていた3人で、ここに住みたいね、と何度も話したほどです。

 

航空券とホテル、そして空港までのバス(または電車)はできるだけ早めに予約したほうがよいです。私は、9月中に航空券とホテルを押さえました。

 

 

【課外活動・生活全般について】

 

11月末に、テニスの試合でWisconsin University Madison schoolに行きました。木曜日の夜に出発し、メンバーの運転する車で4時間ほどで到着しました。中西部の大学から32チームが集まり、1日目は各ブロック4チームの総当たり、二日目は各ブロック同位グループでのトーナメント戦でした。各校ともとてもレベルが高く、私は球の速さに圧倒されていました。結果は、私たちのチームは4位でした。自分の試合意外は携帯を触っている人が多く、日本で所属している体育会との違い(?)を感じました。テニスの試合以外では、チームの女の子7人で一部屋に泊まったのが楽しい思い出です。ホテルの部屋、車の中、女の子たちは恋バナをしていることが多く、テニスクラブの恋愛事情に詳しくなりました(笑)今回の遠征では、せっかくの機会、といつもより自分から話しかけた結果、チームのメンバーとの距離がぐっと縮まったと思います。ただ、食事中など大人数での会話となるとスピードについていくのは難しく歯がゆい思いをしています。

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テニスクラブのメンバーとお酒を飲みました

 

前回のレポートでご報告した自転車が大活躍しています。ただ、一度ハプニングが起こりました。Pennsylvania avenueのbike centerで空気を入れたところ、そのままタイヤが破裂しパンクしました。このキャンパス内にあるbike centerというのは自転車の修理や中古自転車の販売を行っている、いわば自転車屋さんです。しかしこのお店がユニークなのは、修理をするのは店員さんではなく、店員さんに教わりながら自分で直します。慣れない手つきでネジを外したり、タイヤを新しいものと交換したりと時間はかかりますがやってみると面白かったです。タイヤが2重構造になっていることを初めて知り、貴重な経験ができました。これから留学する方にも、機会があればぜひ一度足を運んで欲しいと思います!せっかく直した自転車なので、年内は寒さに負けず自転車移動をしたいと思います。

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Bike Centerの中の様子

 

夏こそ頻繁に通っていたARCのプールですが、最近は寒さを言い訳に足が遠のいています。レポートを書きながら、気分転換もかねてまた行こうかと思案中です。

 

【今後の課題・(自分にむけての)宣言】

 

「他人と自分を比較しない」そして「自分にできることを全力でやる」この二つが現在の私の目標です。よく聞く言葉ですが、これが非常に難しいです。頭ではわかっていても、よく他人と自分を比べくよくよしてしまいます。これは私の意見ですが、留学中は日本にいたときよりも他人と自分を比べやすい環境にあると思います。しかし、それはほんの小さな世界の中での比較であって、たとえその中で自分が一番になれても広い目で見たら実は大きな差はないのだと思います。比較し優劣をつけるのではなく、それぞれが優れた点を有しているのだと互いに敬意の念を抱くことが大切だと改めて気づくことができたのも、留学の大きな収穫です。「自分を否定してはいけないよ」「大丈夫、と自分を信じるしかないよ」落ち込んでいた私に電話で父がかけてくれた言葉です。ネガティブな発想に陥りかけていましたが、楽観的な父と話して、くよくよしている時間があったら一つでも多く単語を覚えよう!と切り替えることができました。自分を信じるためにはその分努力しなければいけません。現在の目標をしっかり胸に留め、まずはfinal weekまで勉強に集中したいと思います。読み返したら恥ずかしくなるようなことを書いていますが、宣言することで自分にプレッシャーを与えたいと思います。

前回のレポートでご報告した「uncomfortableな状況に身を置く」目標も引き続き継続中です。

 

 

第2回レポートは以上です。体調を崩すことなく毎日元気に過ごしています。日本も冬の到来が近いと思いますので、どうぞご自愛ください。2016年も元気に迎えたいと思います。

 

2015/11/30

第40期奨学生 高濱萌子

 

〜番外編〜

食レポートをさせていただきます。私は1に食事、2に睡眠というくらい食べることが大好きです。ただ、味覚があまり研ぎ澄まされていない幸せな舌を持ち合わせているため、たいていは何を食べても「美味しい」というコメントになります。その中で、前回のレポートからの2ヶ月間で特に印象に残った食事をご報告させていただきます。

 

 

  • 佐藤昌三先生のご自宅での和食

佐藤先生のご自宅にご招待していただきました。マグロのお刺身、虹鱒の塩焼き、おひたし、お漬物、白米、お吸い物、デザートのゼリー、佐藤先生お手製のお料理はどれも本当に美味しかったです。奨学生4人とも渡米以来最も美味しい日本料理をいただき、幸せに浸りました。佐藤昌三先生、そして奥様も非常に穏和で優しい方で、素敵な時間を過ごさせていただきました。

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全て佐藤先生のお手製料理です。大根のツマまでご用意してくださり、そのお心遣いに感動しました。

 

  • Café du monde のベニエ

ニューオーリンズのガイドブックには必ず載っていると言っても過言ではないこのお店。私たちは滞在中に3回食べました。揚げたてのサクッふわっとしたドーナツにたっぷりの粉砂糖がかかっています。チコリというハーブの一種が入ったカフェオレと一緒にいただくのですが、甘さと苦さが絶妙です。中毒性があるのでしょうか、思い出すと再び食べたくなります(笑)。

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見た目ほど甘くありません

 

  • Lou Mitchellのオムレツ

同じく奨学生の喬さんのオススメで10月に初めて訪れたLou Mitchell。「全米一おいしい朝食」に選ばれたこともあるそうです(!)。フライパンに大きなオムレツとハッシュブラウンが半分ずつ、そしてトースト2枚がついてくるというすごいボリュームです。ふわふわオムレツにたくさんの具がゴロゴロと入っています。すっかりファンになったので、今回のThanksgiving breakで再訪しました。帰国までにあと何回行けるでしょうか。

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オムレツだけで15種類ほどあります

 

 

美味しい食べ物を求める欲求は世界共通だと感じています。食をきっかけに会話が弾むことも多く食が持つパワーは偉大だと思います。食べ物を前にしたときのわくわく感、そして満腹から得られる幸福感をひとりでも多くの人に感じてもらいたい、というのがfood businessに興味をもつ理由です。番外編という形で加えさせていただきました。健康に悪影響を及ぼさない程度に引き続きアメリカの食生活を楽しみたいと思います。

喬博軒さんの2015年12月分奨学生レポート

皆様こんにちは、40期奨学生の喬博軒(きょうひろき)です。シャンペーンの爽やかな夏、美しく色めく秋もつかの間でした。前回のレポートに描いた色鮮やかなキャンパスは彩りを変え、冬枯れの景色の中で生き物たちが厳しい季節へ向けて準備を進めているのを感じます。キャンパスを以前よりしっかりとした足取りで歩み、すれ違う友人と慣れてきたあいさつを交わします。響く鐘の音はどこか日本の古い学校舎を思い出させ、好敵手のように思っていたこの場所に愛着を持ちつつあります。雑踏の中でふと顔を上げる瞬間、その移りゆく時間をいとおしく感じるほどです。寒くなってきましたが、Thanksgiving daysからChristmas、New Yearにかけての時期は、人々にとって家族で集まり美味しいものを食べる、心の温まる時節でもあります。来年のこれらの季節には日本にいると思うと名残惜しいですが、一期一会の瞬間を今までどおり大切に過ごしていくつもりです 。

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(Thanksgivingのご馳走。ターキーとラズベリージャムの組み合わせ)

 

レポートにとりかかり改めてこの4か月を見つめてみると、自分がアメリカの大学生活の真っただ中にいることを強く実感し、その事実を新鮮にさえ感じます。よく言えばここでの生活に必死になり目の前の課題に没頭していたと言えますし、周りがよく見渡せていなかったとも言えます。同時に、毎日やるべきことを継続することの難しさや、いわゆる自分の弱い面に直面する経験はどこにいようと変わりません。慣れていない環境で母国語を使えない分、苦難はよりくっきりと際立ちますが、その分些細なことに喜びや達成感を感じています。

 

<生活について>

ここでの生活について私なりに振り返ってみると、少なくとも日本との差異を知覚し、それをポジティブに捉えられているのではないかと思います。第一に、他人の評価を気にしないでとにかく目の前のことに集中し、自らを表現する機会が与えられている環境をとても気に入っています。実際にはそのように行動すること以外に選択肢がないと言えるのかもしれません。失敗をしたときは良い経験になったと開き直り、誰かに褒められたときは(たとえそれが大げさで社交辞令的な意味合いを含んでいたとしても)本当にそうなのかもしれないなと素直に受けとっています。講義やディスカッションで何も言わないということは、私のいる意味が全く無いことなのだと身を持って学びながら、たどたどしくても何か言葉を発するように自然と強いられています。

 
・愛すべき友人達

私を前向きにさせてくれているのは世界中からきている学生達との出会いです。目標を持ち続けそれを維持するという面においては、この環境は私に合っていると強く感じます。他の奨学生もいうようにイリノイ大学は本当に多様な大学です。中には授業でFacebookやネットショッピングばかりしているクラスメートや、頻繁にパーティに出かけ昼過ぎに起床するピアメートもいることにはいます。(彼らも良いGPA獲得のために必死で勉強はしています。)しかしそれ以上に、出身国を離れアメリカに来てがむしゃらになって道を切り拓こうとしている人間と数多く出会いました。あるインド出身の友人は誰よりも講義中に発言し、頻繁に教授のもとへ行き質問を投げかけます。普段は優しくユーモラスな友人が、ときにあからさまな競争心をその行動や発言に覗かせます。教室全体が彼の発言を待つような雰囲気になるほど彼の存在感は大きくなっています。また、日本で高校を終え今年NYの大学から転入してきた日本人学生は、自分は要領が悪いから誰よりも勉強しなければいけないと言い、驚くほど毎日机に向かっています。実際に彼の成績は聞いたことがない程よく、その謙虚さに隠れた信念を私はとても尊敬しています。その他にも、入学して間もないにもかかわらず既に別の学校へトランスファー(転入)を準備している上海から来ている優しい青年、休み時間も教授にくっついて自らの考えを絶え間なく話し続けるエクアドルからの熱い大学院生など、例を挙げればきりがありません。彼らに出会えたことがここにきて良かったと思える大きな成果だと心から思います。がむしゃらに新たな環境で生きていくということの意味、そして自分の甘さを内省させられます。

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(Dad’s Dayのフットボールゲーム。国歌斉唱の場面)

 

<講義ついて>

・アメリカの大学生の「蹴落としあい」

これまでこちらの講義に出てきて私が感じたことは、競争が日本よりもはっきりとしていることと、求められている必要要件がはっきりしていて、そこに生徒を到達させるためのシステムがうまく機能しているということです。一概にアメリカの学生が日本の学生よりも勉強するとは言いませんが、日本とは異なる教育評価システムや就職要件などといった社会状況の下、誰もがより良いGPAをとることに尽力せざるを得ない状況にいることは断言できます。(GPAなんてどうなってもいいと言う学生にはあったことがありません。)日本の医学部と比較すると驚くほど勉強しているという程ではありませんが、個々の間で競争しているという感覚はより強く感じます。私はまだ出会ったことはないですが、pre-Medの学生の間で課題に関して誤った情報をわざと与えるなどして友人同士でネガティブな競争をしているとさえ聞いたことがあります。

プラグマティズムに重きをおいた教育システムには関心させられます。やるべきことをやらざるを得ないシステムが出来上がっているのです。教授やTAの教育に対する相互協力、生徒の達成度評価もかなり細かく設定されており、かつ機能していていると実感しています。この教育システムやサポート体制に対して高額な授業料が設定されているのだろうと思うと多少納得もできますが、友人の中には経済的な理由で転校をせざるを得ない子もおり、授業料の高騰が深刻な状況にあることも実感できます。

 

・現在履修している講義

MCB426         Bacterial Pathogenesis

CMLH415     International Health

ART103         Painting for non-major

ESL115         Principle of Academic Writing

 

・MCB426          Bacterial Pathogenesis

この講義の全貌をやっとのことで掴むことができた今、大きな達成感と安堵の気持ちでいっぱいです。(まだ大きな試験を終えていないにもかかわらずです。)正直言ってこの授業を選択して以来、何度も後悔しました。というのも友人の助けが無かったらきっとドロップしていたであろうほど私にとっては今学期の試練でした。前回のレポートで述べたように内容や試験の形式はかなり難易度が高く、暗記という範疇を超えて応用することを常に求められ続けました。特に次世代シークエンス技術や、bacterial genetics(微生物遺伝学)の内容は私が今まで勉強してきたものよりも専門的で難易度が高く、応用する以前に知識をインプットするところからのスタートでした。Geneticsの基礎の教科書を図書館で借り通読し、それに加えて微生物の遺伝的多様性やシークエンス技術についての文献を日本語・英語問わず探すことで対策しました。今だからこそ、微生物に限らず生命科学系の研究をする上で必要な思考過程を学ぶトレーニングとして大変有意義であったということができます。教授は大変教育的で講義に熱意を持っている方で、いつも私の質問に長々と付き合ってくださっていました、大好きな教授の一人です。彼女は以前Medical Schoolで講義をしていたこともあり、かなり臨床的な視点も持っていたこともこの講義を取ってよかった理由のひとつです。抗菌薬や細菌の耐性獲得の講義は大変勉強になりました。彼女の口癖は「我々は微生物学者なのだからまずはmutant(変異株)を作りましょう」です。もう私はこのセリフを忘れることはないでしょう。

 

・CMHL415       International Health

今学期の後半から始まったいわゆる国際保健のクラスです。内容は公衆衛生的な内容を経済、保険制度、文化、女性、倫理などといった様々なテーマから学んでいきます。国連のSustainable Development Goalsを中心に、国際的な保健活動の過去と現在、未来を大きな目でとらえることができます。特に途上国で行われる大規模な臨床比較試験の倫理的な問題や、テクノロジーと医療といった内容は大変興味があった内容でした。講義の中でスモールディスカッションの時間が何度かあり、様々な専攻の学生達と話す機会があります。また、世界の各地域に分かれ4人ほどのグループで1つの国の保健衛生状況などをまとめたプレゼンテーションを行い、私のグループはネパールについての発表をしました。内容以上に発表にとてもやりがいを感じたので、次学期はこのような人前で話す機会を増やしていきたいと考えています。教授以外にNavy Campで栄養学を教えている大学院生など専門家が講義を行うこともあります。教授はブラジル出身で英語がネイティブではありません。そのようなインストラクターの話し方やコミュニケーション方法は参考になります。他のクラスと比較すると、内容の特性上か学生の多様性が豊かなのもこの授業の良いところだと思います。

 

・ART103           Painting for non-major

運よく履修できた油絵の授業は、今期の授業の中で一番楽しく幸福な時間です。授業の時間的な内訳や成績の評価基準もアトリエでの実技がほとんどですが、作品の鑑賞・評価も行います。作品を仕上げるごとに全員で円になり、一人ずつ作品を発表、それを生徒同士で互いに評価し合います。生徒たちは大変積極的で、毎回必ず全員が1回以上感想や意見を発表します。今まで、自分が一生懸命作ったものが友人たちに評価され、次に評価する側に回るという経験があまりなかったので、これが私にとって大変面白く感じられました。ほとんどの意見がとても前向きで作品の良いところを見つけ褒めてくれます。一度に20人近くに褒められるというのは少々こそばゆいものですが、だんだん自分が偉業を成し遂げたのかもしれないと錯覚してくるので不思議なものです。そんな風にみんなが熱心に自分の作品をみてくれるものだから、逆に感想を述べる番が来たときには一生懸命です。色使いやコントラスト、アイディア、構図、筆の使い方、ときに全体の雰囲気などについて様々な角度で対象を見つめる、いわば創造的な訓練でした。芸術を鑑賞しそれを言葉に表すのは日本語でも難しいのですが、それに加えて芸術用語や感性にまつわる英語を知らない私はいつも表現に苦労しました。それでもこのように表現と批評の両方の立場にたって闊達なディスカッションが行われる場というのはとても新鮮でした。この国の教育のエッセンスをより感覚的に体験できたのではないでしょうか。全体を通して、教官と相談しながら創意工夫する中で今までできなかったことができるようになる過程を楽しむことができました。アメリカで描いた7点の油彩画はどんなお土産よりも心に残る思い出の品となりました。

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(授業風景。)

 

・ESL115           Principle of Academic Writing

前回のレポートに引き続きポートフォリオ・注釈付き目録を作成し、Research paperを作り上げている最中です。将来の論文・CVの作成に活かせればという私の当初の思惑からすると、どちらかというと論文を書くためのルール習得に重きが置かれていると感じます。文法的な正確さや文の構成などなどのチェックもありますが、内容というよりもアメリカ心理学会(APA)のガイドラインに乗っ取って書かれているかというのが評価対象です。Plagiarism(剽窃)の回避についてかなりの時間を割いて教え込まれることに日本との違いを感じました。ネイティブの学生もこのようなacademic writingは必修になっていて、大変な講義の代表として見なされているようです。学生に書く力を教え込もうという大学の熱意を感じます。少し課題の量を多く感じましたがこれはライティングに関しての苦手意識や経験不足からくるものであり、訓練次第でこの部分に費やす労力は減っていくのだと思います。引き続き他の講義の課題等に学んだことを活用していきたいです。

 

<休暇>

・Halloween

普段は学生寮に住んでいる私ですが、シャンペーンにホストファミリーがいます。大学のInternational Hospitality Commiteeという制度を通してお会いできた家族です。季節毎のイベントや、映画館に行くという彼らの大事な家族行事があるたびに私を自宅に招待してくれます。ハロウィンの日にはなんと彼らのコミュニティで行われる子供たちのパレードに参加させていただきました。ご存じの通りSpooky(この日のみんなの合言葉です。)な装飾の施された家々を回り、悪戯(いたずら)をしない代わりにお菓子を貰うといういわゆる典型的なハロウィンの醍醐味を味わうことができました。日本でもハロウィンは盛んになっていますが、この本場のハロウィンのいわゆる肝の部分に参加できたのは本当に喜ばしい経験でした。誰に勧められるでもなく仮装をしていきましたが、基本的に子供たちのための行列なので引率の大人以外は仮装した小学生です。そんな天使のようなちびっ子たちの中に、特別に6フィートのおじさんも混ぜてもらい、玄関先でTrick or Treat! と言うのはまさに快感でした。

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(「イタズラしちゃうぞ」子供達の写真と並べるのには少しきついものがあります。)

 

<その他・所感>

Thanksgiving Vacationはオハイオ州にある病院と芸術の街、クリーブランドに実習に行ってまいりました。現地の病院で過ごす目まぐるしい速さで流れる時間は、日本とも、また大学とも異なっていて、非常にチャレンジングなものでした。ほんの個人的な出来事から、患者さんの命を預かるのに留学生だからという言い訳は通用しないことを痛感しました。ある患者さんが病棟からICUに移ることになり2人の研修医が別々の業務をあたっているときのことです。私は彼女達の間に入って情報の伝達を行っていました。電子カルテで指示箋を出すことや、人工呼吸器の準備が遅れそうだからまず酸素マスクをあててくれという簡単なやり取りでしたが、どうしたことか今までのように舌がうまく回りません。責任の伴った場での英語というものに大きな恐怖を感じた瞬間でした。自分の伝達によって患者さんの安全がほんの少しでも脅かされてしまったらという底知れない不安でした。周囲には気づかれないほどの内面的な動揺に収まり、その場では問題なく対応できましたが、私にとっては忘れることができない重要な経験となりました。これまで、なんとなく伝わるように話してきた無責任な英会話を深く内省するに至り、迅速で、かつ正確なコミュニケーションの土台を築いていく必要性を感じました。この実習は私の将来を考えるにあたってあらゆる面で示唆的でかけがえのないものとなりました。Dr. Moriという偉大なロールモデルの出会いを通して改めて自分自身を見つめ直しました。本当にやりたいことがあるのであれば、大事なのはそれが実現可能かどうかではなく、やるかやらないかであるということを思い知らされました。

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(巨大で美しいUniversity Hospital)

 

さて、アメリカの大学というこれまでとは全く異なったシステムの中で過ごす中で、この環境に慣れてきたとはとても言えませんが、必死にもがくうちに少しだけ視界が晴れてきたように感じます。講義は大きく①手法を学ぶ訓練、②内容をインプットする訓練、③知識を応用し表現する訓練に分類できることがわかってきて、来期はそれらの中でより表現・発信という点に力を入れたいと感じました。同時に、個人的に挑戦したいと考えている勉強にも力を入れ、留学後の自分を以前より鮮明に描いていきながら過ごしたいと考えています。

こちらに来て以来、有り難いことにJIC奨学生として国内外の様々な方々にお会いしお話しする機会がありました。その度毎にこの制度の歴史と成果に気付かされ、多くの方々の努力の上にこの貴重な機会が実現していることを痛感いたします。ご支援・ご協力いただいている皆様やJICの皆様に改めて感謝いたします。これをもちましてご報告とさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

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(地下に埋まった図書館と夕日に染まるSouth Quad)

 

2015年11月30日、シャンペーン