JICメンバー各位、
大田(’01-02 LAS)です。
JIC奨学生、中村寿美子さんからのレポートが届きましたので、皆様にフォワード致します。
中村さんは、夏まで引き続きシャンペーンに滞在し、ボランティア活動に関するインタヴューをされるんだとか。「私が夏までシャンペーンに残ろうと決めたのその理由」という部分に書かれています。
残りの留学生活、充実したものとなりますように!
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2004年5月分レポート
中村寿美子
大阪大学人間科学部ボランティア人間科学講座4年
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JICの皆様、ご無沙汰しております。
気がつけば、あっという間に五月も下旬となり、春学期の終わったシャンペー
ンは人もまばらで、少し寂しげですがのんびりと時間が流れています。先に帰っ
てしまった砂子さん、江崎さん、篠原君とは少し行動が別になってしまいまし
たが、学生の身勝手な身分をいいことにひとりシャンペーンに残らさせていた
だいております。
前回のレポートは「体調を壊しました~」という悲惨なメールになってしま
い、ご心配をおかけ致しました。あのときは一時の風邪で、それからは元気に
過ごしています。そのレポートでは冬休みのことを書きましたが、それから春
学期、春休み、ファイナル、夏休みと、時間は経つのが本当に早いものだなぁ
と改めて思っています。
春休は、冬休みのアイオワ農場体験を忘れられず、今度は、ご存知の方も多い
と思いますが、シャンペーンから車で20分ほどのMonticelloという街にあるイ
リノイ大学付属のAllerton Parkというとろで一週間泊り込みのボランティア
プロジェクトに参加しました。
またもFarmで働いたり、木屑を拾って森を整備したり、と(とっても重労働で
したが)自然の中で思い切り楽しんできました。夜のナイトハイクやキャンプ
ファイヤーはすごくいい思い出です。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は、私が夏までシャンペーンに残
ろうと決めたのその理由について簡単にまとめたいと思います。
第一の理由は、この留学期間で学んだことを、いちどここアメリカでじっく
り振り返りたいと思ったことです。何かにつけてストレスの多かった秋学期、
がんばろうがんばろうと思ってなんだかちょっとしんどくなってしまった感も
ありました。そして前回のレポートでも書いたように、アイオワのゆっくり時
間の流れるファームで過ごした冬休みの一週間。その間に、「春学期はもっと
余裕を持ってすごそう!」と心に決め、単純な私は勉強のストレスをいかに少
なくして楽しく過ごすかを念頭において、春学期の授業をミニマムにおさえ履
修しました。ですが、なんとなく「もう少し頑張れたかもしれないなぁ・・」
という気持ちが無きにしもあらずなのです。授業はもちろんとても充実してい
ました。特に、先学期は仲間の3人は履修したのに私だけ履修していなかった
スピーチコミュニケーションの授業は、ほんとうに勉強になりましたし、スピー
チをすることで度胸も少しついたような気がしています。
またレジャー・スタディの授業も取ったのですが、これは私の興味関心をさら
に深めてくれることになりました。現在は人間科学部ボランティア人間科学講
座というところに在籍しているのですが、このレジャー・スタディがいくつか
の点で私がボランティア人間科学講座で学んだことに似ていたこと、そしてそ
れにプラスして新たな学問的視点を与えてくれたということでは、この春学期
最高の授業と言っていいかもしれません。
それからコミュニケーション・スタディの授業では、この分野で基礎となる文
献などを読み、勉強することができました。しかし、「もう少しがんばれたの
になぁ」と思ったのは、自分自身の授業への取り組みが少し甘くなっていたこ
とや、やっぱり授業中になかなか発言できなかったことなどがあると思います。
秋学期と春学期での違いを考えたとき、反省すること多々、またちょっと自分
を褒めてあげたいこと少々(?)、などなど思い出すことはいっぱいあります。
時間はかかりそうですが、この夏にそれらをじっくり見つめていけたらいい
なぁ、と思っています。
第二の理由は、私の研究分野であるボランティアについて、この夏休みを利
用してシャンペーンで聞き取り調査を行いたいと思ったからです。先ほども書
きましたが、私は大阪大学のボランティア人間科学講座というところに属して
いて、そこでボランティア・福祉などをキーワードに勉強してきました。私自
身は、ボランティアとメディアの関わりに興味があるのですが、今回は私自身
の卒論に向けて、少し思考を変えて、ボランティアがコミュニティーでどのよ
うに組織されマネージメントされているのかを日本とアメリカで比較できたら
いいなぁと思っています。
ボランティアという考え方は日本では阪神大震災を機に関心が高まったと言わ
れています。その意味では日本にとってはとても新しい分野なのですが、アメ
リカはボランティア大国とも言われ(その中にもいろいろと問題はあると思い
ますが・・・)、私たちがアメリカから学ぶところは大きいと思っています。
そこで、春学期が終わる前のこの4月から少しずつこのコミュニティでのボラ
ンティア団体のボランティア・コーディネータにコンタクトを取ってインタ
ビューを始めました。特に、私自身がボランティアに行っているナーシングホー
ムのコーディネータさんには本当に様々な情報を教えてもらい感謝しています。
そのほかにも、キャンパス内のOVP(Office of Volunteer Program)、United
Wayなどのこのこ出かけていってはお話を聞く日々です。このところを書くと
止まらなくなりそうですが、ボランティアマネジメントひとつにしても、アメ
リカらしさが出ていて面白いなぁと思います。例えば、ボランティアをたくさ
んした人にはAwardを与えて派手に表彰してあげるとか(そのイベントにも参
加しました)、またボランティアだからと言って細かい規則は大目にみるとい
うことは決してなく、その団体に雇われているのと同じようにして
Applicationを書いたりサインをしたり・・・といった具合です。また、何か
の機会にもっと詳しくご報告させていただければうれしいなぁと図々しくも思っ
ております。(もし、どなたか、ご自身が参加されていたボランティア団体や
プログラムについて情報を提供していただける方がいらっしゃいましたら、ご
連絡いただければ幸いです。ぜひよろしくお願いいたします。)
まだまだ理由は尽きませんが、最後の理由は、シャンペーンで自分の居場所
を見つけてしまったことでしょうか。この“我が家”コスモポリタンクラブも
住んで9ヶ月。思い出がいっぱい詰まっています。今はメンバーも入れ替わり
立ち代りという具合ですが、新しい人たちとも仲良く楽しくやっています。
不思議なのは去年の8月ここにやってきたとき、洗濯機の場所も冷蔵庫の場所
も、ガスコンロのひねり方も(コスモのガスコンロのひねり方は微妙なコツが
必要なのです・・・)分からなかった私が、今は教えてあげる立場にいること
です。時間が経つってこういうことなんだなぁ、としみじみしてしまいます。
それから、“My family”のホストファミリー、ベッキーとジャック。ベッキー
はこの8月で80歳、ジャックはこの3月に86歳になった連れ添って60年のご夫婦
ですが、このお2人との出会いは本当に本当にラッキーでした。もしかして私
がアメリカに来る前からそういうことに決まっていたんじゃないだろうか、と
思うくらい、私の家族として私のここでの生活を精神的にしっかりと支えて下
さっています。このお2人と週一回のナーシングホームで歌を歌う時間、そし
てその後のランチの時間、大切にしていきたいと思っています。
あと残りのこの夏の時間を大切にして、欲張りながらもっともっといろいろ
と吸収して帰れたらいいなぁと思っています。このような機会を与えてくださっ
たJICの皆様、本当にありがとうございました。残念ながら次の総会には参加
できませんが、最新シャンペーン情報ならお届けできると思いますので、
次の奨学生の方、何か調べてきてほしいこと、知りたいことなどがあれば、
いつでもメールしてください。
そして、最後に、先に帰ってしまった、ちか、あゆみちゃん、しおんくんへ。
今まで本当にどうもありがとう!一緒にここでたくさんのことを経験し勉強で
きて本当によかったです。いっぱい助けてもらって支えてもらってありがとう。
3人のようなステキな友人ができたことに心から感謝しています!
それでは、失礼いたします。